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2014年7月

funkin'for HONGKONG-zine vol.3『廿一世紀香港電影欣賞指南』販売について

一昨年から作り始めたリトルプレスのシリーズ 「funkin'for HONGKONG@zine」。このたび、1年ぶりに新刊を発行しました。
その名も、『廿一世紀香港電影欣賞指南 The decade of funkin'for HONGKONG』

本文はこんな感じです。

 本来なら一代宗師感想本を3冊目にする予定でしたが、様々な事情が重なり、以前の記事で書いたblog開設10周年記念本を先に製作いたしました。

 開設当初から言っていましたが、ワタシのように田舎で香港映画ファンをしていると、都会の情報の速さと劇場公開作品の多さが本当に羨ましく、かつて地元に香港映画上映サークルがあって、そこでたくさんの作品を劇場で観られたいい思い出のある身としては、なんとかして地方まで上映を回してもらえないかとずっと思っていました。
 そう、どうしても田舎だとスクリーンでかからないから、ソフトでの鑑賞になってしまう。でもさ、ひとりで観るのってなんか寂しいんだよなあ。みんなで大きなスクリーンでワイワイ言いながら観たいよなあ。

 それに、香港映画=ジャッキー・チェンという印象はまだまだ根強い。そんな固定観念をなんとか打破し、多くの人に香港映画を知ってほしい。そんな思いで書いた、香港映画をあまり知らないという人に向けて作ってみたのです。

 取り上げた作品は、この10年間に選んだ十大電影の第1位。

 2004年 ブレイキング・ニュース

 2005年 インファナル・アフェア三部作

 2006年 イザベラ

 2007年 エグザイル/絆

 2008年 生きていく日々

 2009年 盗聴犯 死のインサイダー取引

 2010年 燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘

 2011年 孫文の義士団

 2012年 桃さんのしあわせ

 2013年 コールド・ウォー 香港警察 二つの正義

 これらの感想をたたき台に、全て書き下ろしました。
なお、ちょっとだけイラストも描いています。ホントにちょっとだけね(笑)。

 この新刊ですが、岩手県盛岡市のCyg Art Galleryで5月1日から行われた「ART BOOK TERMINAL TOHOKU 2014」、6月28日のBook!Book!Sendai、7月26日の石巻一箱古本市、等を経て、現在は完売しております。秋までに増刷いたしますので、詳細はこのページか、販売の書局やさぐれのtwitterアカウントでお知らせいたします。
 なお、他のZINEも完売いたしましたが、増刷はいたしません。

 通販も行いますが、上記の理由で発送が遅れますことをご了承ください。
価格は送料等込で350円となります。
購入を希望される方は、funkin4hk☆gmail.com(☆を@に替えてください)まで、希望冊数と送付先をメールまたはこのアカウントへのDMでお知らせください。
折り返し、支払方法等を連絡いたします。

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死亡遊戯(1978/香港・アメリカ)

 この『死亡遊戯』、4年前にNHKBSの特集で一度観ていて、そのときにすでに感想を書いているんだけど、今回再び書いてるのは、ちゃんと劇場で(BD上映だけど)観たってことと、再見までの間にある程度だが李小龍さんの映画を多少なりとも理解できてきたってことがあるからだったりする。てーか、この映画にオマージュをささげたり、影響を受けた作品って結構あるんだよな、ってのもわかってきたので。


↑予告がなかったのでサントラで。

 ビリー・ロー(李小龍)は国際的なアクションスター。恋人であるアメリカ人の歌手アン・モリス(コリーン・キャンプ)と共に香港で活動している。ある日、ビリーにドクター・ランド(ディーン・ジャガー)がマーシャルアーツトーナメント出場の契約を迫りに来た。ランドがスポーツ選手や芸能人を強制的に契約して拒否した者に手痛い仕打ちをすることを知っていたビリーは当然断るが、それ以来ビリーはたびたび撮影中の事故に巻き込まれるようになる。アンと友人の新聞記者ジム・マーシャル(ギグ・ヤング)と共に策を講じるビリー。
 しかし、ビリーが映画のラストシーンを撮影している時、どこからか銃弾が飛んでくる。一命は取り留めるが、これを利用して自らを死んだことに見せかけ、ランドに直接対決を挑もうとする…。

 以前も書いたが、李小龍さんの英語映画はちょっと乗れないかなーと感じるところがあるかなーと思ったのだが、先にも書いた通り、今回は初見よりも案外楽しんで観られた。
最後のアクションシーンを残して亡くなってしまった(というか、これが本来なら『ドラゴンへの道』に続く監督第2作になるはずだったのか )ので、急遽監督と主演に代役を立てて(その一人がユン・ピョウさんというのもすでに有名か)作り上げたという経緯があるので、いくらなんでもそりゃ苦しいっしょ?とつっこみたくなる場面はいくつかある。序盤の不自然な合成とか、中盤で身を隠した時に顔を整形したって設定じゃないの?と思ったこととか。それも気にならない面白さだった。まあ、スクリーンで香港映画を観ることに飢えていたのも多分にあるかも。70年代香港やマカオの街の様子にはテンションが上がるし、マカオでの試合場面に登場した若きサモハン(アクション監督も兼任)には手を振ったし、序盤に登場した京劇俳優やってるビリーの叔父さんは、お馴染みのロイ・チャオさんだったもんな。

 あと、ラストのダンジョン決戦は今でこそもうあらゆるアクション映画に引用されているけど、あれを見て真っ先に思い出していたのは、もうすぐ続編二部作が公開される『るろうに剣心』(ついでに感想はこっち)での、観柳邸ダンジョンバトルだったな。これまた度々言っているけど、監督の大友啓史さんが黄金期の香港映画がお好きだということで、おそらく演出時にも意識したんだろうなあと思った次第。あっ、というかそれ以前に、映画版『ハゲタカ』でのコメンタリーで、すでに李小龍さんの名前を出されていたんじゃなかったっけなあ? 今度久々にDVD観て確認するか。

と、李小龍さんからいささか脱線したところで、この感想を終わります。
そうそう、るろ剣の名前が出たから忘れないうちに書いておくけど、そのるろ剣実写版が当初お手本にしたと言われている(ってワタシが勝手に言ってるんじゃないよもちろん)『ワンス・アポン・ア・イン・チャイナ』も、この「バック・イン・シネマ」で上映されます。しかもるろ剣三部作完結編「伝説の最期編」上映中の9月に!これはもういいチャンス。るろ剣を観て超絶アクションの虜になった若い観客にはこっちも自信を持ってオススメいたしますよ。

原題:Game of Death
監督&脚本:ロバート・クローズ  製作総指揮:レイモンド・チョウ 撮影:西本 正 音楽:ジョン・バリー アクション監督&出演:サモ・ハン・キンポー
出演:ブルース・リー ディーン・ジャガー ギグ・ヤング コリーン・キャンプ ロイ・チャオ カリーム・アブドゥル=ジャバー

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『香港っていいかもしれない』村田順子

 最近本業やイベント参加等で多忙だったため、blog記事アップやZINEについての告知が遅れたことをお詫びいたします。
 気がついたら、18回目の7月1日が過ぎてしまいました。

 日本でも最近政治方面がいろいろざわついていますが、香港ではここ数年間で中国大陸からの「一国二制度」を守らないかのような締め付けが強くなってきています。
 詳しくは香港在住の日本人タレントりえさんのblogを御覧下さい。

 とにかく、ここ数年における中国大陸の各方面への台頭には凄まじさを感じるばかり。数年前の国内の反日デモなどまだかわいいものなのかもしれない。しかし尖閣諸島の領有権問題や空軍の飛行侵犯等がふえたことには感心しない。その挑発をもろに受けちゃうのも賢くないやり方だし、一応中国事情は了解してものは見ている身であっても、こういうのはやはり嫌な気分しかない。
 でもそれ以上に嫌な気分になるのは、次の言葉ですよ。

 「香港って、中国の一都市じゃん」

 あのー学校の先生、最近の地理の授業では、香港の一国二制度ってちゃんと教えているんですか?どうか教えて下さい(ってオマエが聞きに行けな話だな、こりゃ)

 とまあ、なんかもう久しぶりなのでどうしようもない前振りで始めてしまいましたが、久々の本の紹介は、ベテラン漫画家の村田順子さんが香港返還時の時に降って湧いたブームに乗って書かれたこの本です。(こっちもどうぞ)  

 現在はハーレクインコミックスでご活躍という村田さんですが、美少年とアイドルが大好きなことで昔も今も有名ですね。そして、かつて黎明ファンクラブの日本代表をされていたり、95年からしばらく香港明星と香港にハマっていたことでも知られています。当時の香港ブームの中で、実際に香港を舞台にした作品を描かれたり、香港系の本もこれを含めて2冊刊行されています。
 …でも当時、ワタシは全く読んでなかったのです、彼女の本を。ええ、これは本当です。なんか、合わない気がしたんですよ。彼女の漫画家さん仲間でも結構香港にハマってた人もいたし、その中にはりぼん出身で好きだった漫画家の小椋冬美さんもいたんだけどなあ…(彼女、『キッチン』のパンフでイラスト描かれてるんですよ。それが素敵で)。
 まあ、合わなかった理由というのはそれより6,7年後のある「転換」で判明するのですが、それはまた別の話。
 あと、あの二ノ宮知子さんがアシスタントさんだったってことを最近知って驚いている次第。伊藤理佐さんもですね。

 この本、前半は香港にハマった理由と香港芸能の魅力、オススメ香港映画等をまとめていて、これは当時の流れだからまあねえ、と思って軽く読んでいたのだけど、村田さんといえば当時は、香港に何度も通うのだから、ホテルに泊まるより安くつくでしょうと家を借りてしまったエピソードが有名で、その顛末が描かれていた後半をむしろ面白く読んだのであった。
 今でこそblogやSNSで香港に働く日本の方の部屋探しの苦労をすぐ読むことができるが、この当時はネットも携帯端末もまだ発達してなかったので、こういう情報は本でしか読めなかった。そして、なんといってもまだ経済的に余裕のある頃だったから、こうして家を借りた香港好きが多かったと聞く。ましてや村田さんは自作がドラマ化されたりしていて、けっこ(強制終了)…ってやっかんじゃダメだよ、自分。でも、香港ヘビートラベラーであっても、ステイとは意識が違うから大変だったんだろうなと思ったのは言うまでもない。
 その後香港から離れ、別の国の芸能にハマってたというけど、はたしてその国では家を借りたりってことはできたのかねー?いまハマってる方面はどうなのかねー、なんて思っちゃうけど、まあ、そういう自由さと余裕がまだまだあった時代だったってことですよね。このへんもいろいろ参考になるな~、と読んでます。

 でもね、このところここで感想を書いている香港映画は、旧作も新作も、圧倒的に男性向けのアクションやノワールものばかりなんだけど、返還前後の香港映画は実に多様だったんだよなあ、と改めて思ったよ。それも香港の明星文化が当時(最高潮ではなかったとも聞くけど)かなり盛り上がっていたからってことなんだよな。

 そう、実は香港好きだったって人は割と潜在的にいるんだよね。この本は地元のブックイベントで買ったのだけど、そこの店主さんもかつて香港好きだったって言ってましたよ。レスリーがお好きだったんですって。でも今は特に何もおっしゃってなかったので、やっぱりあの頃に離れられたのかな、と。

 そしてアジアンカルチャーはすっかり別の国が台頭してしまい、状況も変わりました。これがはたしてどうなるのか、気になるところ。香港や台湾だけでなく、海の向こうと自国ばかり見ている日本の映画産業の行方とも無関係ではないと思ってるからね。
 まあ、このへんもいつか別の機会に書きますね。

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