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片腕必殺剣/続片腕必殺剣(1967・1969/香港)

 『捜査官X』そして『失魂』と王羽さんの作品を観ることが増え、そういえば4年前に中国語で勉強していた金像奨特刊の中国語映画ベスト100で《獨臂刀》 がランクインしていたな、かつては『片腕ドラゴン』と間違えていたことがあったが(笑)と思ってたら、ちょうどWOWOWの夏の香港映画まつりで『片腕必殺剣』をやってくれていたので、観ることにした。

    金刀と呼ばれる刀を使う武術家・齋如風(田豊)は、敵対流派に襲われた時、身を呈して自分を守ってくれた使用人の忘れ形見・方剛(王羽さん)を引き取って武術を教え育てたが、方剛は自分をよく思わない兄弟子たちや何かというと突っかかってくる齋の娘珮(バイオレット・パン)との関係から、独り立ちしようと考えていた。
    ある雪の日、珮たちに呼び出された方剛は勝負を挑まれるが、相手にしなかったところ、逆上した珮に右腕を切り落とされてしまう。そんな彼を救い看病したのが農婦の小蠻(チャオ・チャオ)。武術家の父を殺された過去を持つ彼女は方剛の身を心配するが、彼は父親の残した武術指南書の一部を読んで、残された左手だけで戦えるように身を鍛えることにした。
     同じ街には、かつて齋の命を狙った武術家・長臂神魔(ヤン・ジーピン)が、再び彼の命を狙おうと画策し、金刀を封じる秘密兵器・金刀鎖を開発して、齋の弟子たちを次々と襲っては殺していた。齋の55歳の誕生日を総攻撃の日に定めた一派の目論見を知った方剛は、師を守ることを決意する…。

    武侠ものやそのテイストを持つ古装アクション映画を観続けると、片腕をもぎ取られてしまう場面に何度も出くわす。最初にそれを観たのは『風雲』。アーロン演じる雲が中盤の戦いで腕を斬られてしまったくだりをいきなり見せられた時はかなりビックリした。なんでそんなにスパーンと腕が飛ぶ!と呆気に取られたことを今でも覚えている。まあその後アーロンは医師に助けられ、彼の腕をつけてもらう(!!)というこれまた衝撃的な顛末で再び戦いの場に戻るのだが、これや武侠での例の場面を観て、あーそもそもの片腕ぶっ飛ばされのルーツってこの映画なのか、と再確認できて本当によかった(こらこら)。
    腕だけじゃない、この映画では血しぶきもバンバンと飛び散る。オマエら血ぃ噴きすぎ、とついついつっこみたくなるし、徐克さんのとはまた違う意味でのやりすぎ感がある。うまく説明できないが(逃げるのか)。ウーさんの師匠でもある張徹監督は、以前観た《刺馬》でも感じたが、とにかく激烈なバイオレンスを描くのが得意で、その始まりがこの映画らしい。男性の勇ましい姿と鮮血飛び散る壮絶な闘いを描く「陽剛」という系列を生み出したとか。これは確かに血湧き肉躍る!
    しかしそうであっても、60年代には生まれてないし、男でもない自分なので、血湧き肉躍る以前に「いきなりそこで脱いで出てくるかーっ!」とか「珮ってば卑怯過ぎ!でも男女差別しない姿勢はさすがだな」とか「アクションシーンは迫力あっていいんだけど、クライマックスなのに何でこんなに静かに闘うの?おかげで何度か意識を失ったぞ(すいませんこれはマジです。もちろんちゃんと見直しました。悪しからず)」とかいちいち突っ込んで観てしまった不真面目な自分ですみません。

  では次は続・片腕必殺剣。
こっちはさらなる男祭りである。
てらてら光る胸筋オンパレードよー(またそういうこと言うんだから)。



続編の予告。

  師匠を救い、武術を捨てて小蠻と結ばれ、農夫として穏やかに暮らす方剛の元に、黒白刀使という二人組がやってきて、覇王城に集った八大刀王に従えと迫られる。この二人は他の流派にも同じことを言い、断られたら当主を捕らえて人質にしていたのだ。そのうちの一つ、ルー家の一派は方剛に協力を要請するために、小蠻をさらってしまったので彼と対立するが、八大刀王の使者に襲われたことがきっかけで共闘して覇王城を目指すことになる…。

    八大刀王は、大刀王、通臂王、鉄輪王(武器は空飛ぶギロチンっぽい)、天遁王、地蔵王、毒龍王(読んで字の如し)、千手王(女性)、そして剣を人に見せない無相王。彼らが次々に方剛たちに襲いかかってくる。
    前作が方剛一人の戦いにスポットを当ててたので、ちょっとしたハードなリベンジものの様相を呈していたのだけど、これは彼だけでなく、他の流派も入り乱れてのバトルロイヤル的な面もあるので結構派手だし、こっちの方が好みかな、なんて思ってしまう。もちろん、前作以上に血は飛び散るわ、剣でグッサグッサ刺されるわ、敵に一突きされても簡単には絶命せず、必ず相手を斬り殺すくらいの余裕はある。それが香港映画の醍醐味なのさ、というか、この頃からもう独自のやりすぎ感は確立してたってことになるのね(笑)。あと、ワイヤーはこの頃にはもう使われていたんだなあ。

   王羽さんは初見の武侠からただならぬ雰囲気を漂わせていて、プライベートでも黒社会やら日本のヤクザやさんやらとのおつきあい云々があってなんてことをきいてしまうと、うわーこえーなー、香港のゲーノー界も聞いてはいたけどおっそろすーなー、などとついついオーバーに言いたくなるのだが、初めて見た若き日の彼も…えーん、眼つきがこえーよー(泣)。
     ヒロインの焦姣さんは『美少年の恋』での彦祖のお母さん役で名前を覚えていたけど、当時から往年のスターだということは聞いていた。そうか、この時代から活躍していたのね。そして2では狄龍さん&姜大衛さんの刺馬コンビも登場。王羽さんはこのえいがから数年後にショウブラとの契約を解除したらしいので、単なる娯楽だけじゃなくて、香港映画の歴史がよくわかるシリーズとして貴重な作品なのだなーと思った次第。

おまけ・香港映画好きの間ではよく話題になっているが、実はこれまだ観たことありません。すいません。王羽さんがショウブラから離脱したからこそできた映画なんだろうな。これはいつかちゃんと観たい。


原題&英題:獨臂刀(One Armed Swordsman)/獨臂刀王(Return of the One Armed Swordsman)
監督&脚本:チャン・チェー 脚本:ニー・クワン(1のみ) アクション指導:ラウ・カーリョン(2のみ)
出演:ジミー・ウォング チャオ・チャオ ティエン・フォン バイオレット・パン(1のみ) ティ・ロン(2のみ) デビッド・チャン(2のみ)

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