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わがるヤツだけ、わがればええ。―個人的一代宗師まとめ

 まず最初に、25日に白血病で亡くなられた劉家良師傳のご冥福をお祈りいたします。
この映画にもクレジットで名前が挙げられていました。

 さて、今回の記事の題名はこのところハマっている某朝ドラの、ある登場人物の名言から取りました。
 思い起こせば、『グランドマスター』だけでなく、9年前の『2046』も酷評されたよなあ。アレは日本から参加したメインキャストの人がいかにも主演の如く注目されてて、そもそもかの人があまり好きじゃないワタシはすっごく嫌な予感がしていたんだよな。あんなに派手に宣伝してるけど、こんなのいつもの王家衛節の映画にはそぐわないんじゃないの、とか思ってたら、案の定酷評されて、文春きいちご賞のワースト10にもランクインしてた。宣伝部も騒いでいた人も、王家衛がどういう映画を撮るのかわかってなかったんじゃないの?
 以前も書いた通り、重慶マンション二部作が王家衛を代表する作品ではない。だからあの路線は今後も期待できないんじゃないかなと思うんだけど。クエタラが持つバイオレントな様式美はわかりやすいから一般受けしやすい(だから彼の名前はブランドになったのだろう)けど、王家衛のそれはあくまでもアートだから、一般受けはしにくい。ただ、世界的な巨匠になってしまったので、価格が上がっちゃったのだろう。それゆえ9年前から長編作品の全国拡大公開が続いちゃっているのだろうな。
 でも、いくら売らなきゃいけないからって、これまでの王家衛作品のキャリアをスルーするようなカンフー推し、頂上決戦を捏造したかのようなプロモはどうなんだろう。あんな売り方をされると、日本の大手配給会社で仕事してる宣伝業者は王家衛を嫌ってるんじゃないかって邪推したくなるんだけど。

 全体的な感想としては、結構満足している。まあブルベリも2046もあんな作品だったからなあ(苦笑)。そして、香港映画を好きになってよかったとつくづく思わさせられる作品だった。いや、決して王家衛作品じゃなくてね。
 前から言っているが、香港映画は決してカンフーだけではない。もっと多様である。それがここ数年で、また昔に戻ってしまったかの状況。事実、ライジングドラゴン(これから感想書きます)は大ヒットしたそうだが、それ以外の香港映画は主要都市のみ公開。いつもながらのグチになるから繰り返さないけどね。
 王家衛なんて、ブレイクした90年代当時は成龍作品とは真逆の立ち位置だったから、香港映画に興味のない層に大ウケしたんだもんな。その頃のファンからすれば、まさか王家衛がカンフーを題材に取り上げるとは思いもよらなかっただろうな。まあ、カンフーも決して成龍さんのモノだけじゃなくて、リンチェイもド兄さんもいる。そういう広がりがあるのだけど、コアじゃない観客(というかライトなプロジェクトA世代?)には広がらないのが残念。いや、広がっているのかもしれないけど、それがよく見えないから、どうしても憶測でものを言うことになっちゃう。もーすわげねー。

 この映画もそうだけど、香港映画では「感情と連動したアクション」の需要が高まってきているし、それと同じことを試みる香港以外の映画もある。最初の感想でるろ剣の名を出したけど、両作品ともテイストが全然違うのに、なぜか同じ志を持つように思えちゃったのだ。まあ、これは両方ともひいきだから、あくまでも個人的意見だけどね。

 まあ、どうしても王家衛を擁護する立場に立っちゃうけど、欠点を挙げたら、製作に時間がかかりすぎるとか、やっぱり張震の出番が少なすぎるとか、葉問より宮二の方が出番が多いので、多くの人が宮二メインだと思わされる誤解をなんとかしてくれとか、いろいろある。だけど、どんなにあれこれ言っても期待以上のものを見せてもらったという点では、大いに満足している。とは言ってもマイベスト王家衛は『花様年華』であることは変わりないんだけどね。

 とはいえ、関東圏ではファーストランを終えても、なんとロングランが決定したそうだ。
これはある程度の支持があったからではないか、と思いたい。まあ、まさにわがるやつだけ、わがればええ。ってことで(笑)。
 我が街での上映はもう終わってしまったけど、香港版のBDも買ったし(番外として後日感想を記事にします)、夏の帰省の頃までやってくれたら王家衛スペシャルと一緒に観たいと思うし、まだお楽しみは終わらないと思うよ。

 そんなわけで、この4週間、映画館には8回、プレミア上映と合わせて9回、BD鑑賞も入れれば10回観ることができました。ああいう宣伝方法には目をつぶって、この映画を日本までもってきてくれたGAGAさんには大いに感謝しています。
 そして王家衛の新作は、今度はもうちょっと早く観たいです。もうトニーが主役じゃなくていいし、欧米で撮ってしまっても観ますよ。でも昔に戻るような作品は(強制終了)

 失礼いたしました。では、昨日51歳の誕生日を迎えた葉問師父ことトニーの画像を貼って、一代宗師祭りをお開きにしたいと思います。お付き合いいただき、誠にありがとうございましたm(__)m。

Ton0106

この半ズボン(としか言いようがない)穿いた51歳、昨日のお誕生日は思い切ってこういう髪型にしたそうですよ。あははははは。ホントに51歳なのかこの人は。

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