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2013年4月

夢翔る人 色情男女(1996/香港)

あまりにも有名なMVだけど、まずはこれから始めるかな。


アップ元はロックレコード!これはありがたし。

 ベテランの哥哥ふぁんしーのお姉さま方には「何言ってんのよアンタ、ここは96-97演唱會の『紅』をUPすべきじゃないのよ」と言われそうだが、このMVだって十分に衝撃的だ。だってレスリーとカレンがガンガン絡んでくれるしさ。
 96年に本格的に歌手復帰したレスリーはかなり攻めの姿勢に入っていて、この年に発表したアルバム『紅』もかなり大胆なコンセプトのものであったっけ。この年のレスリーは、自分の夢に向かって助走をし始めたと考えていたのかもしれない、だからこんな官能的な作品をいくつも放っていたんじゃないかと思ってしまう。

 そんな時期に彼とイー・トンシン監督が初めてコンビを組んで製作したのが、『夢翔る人 色情男女』。ポルノ映画の撮影現場を描く作品ということで、本編自体も三級指定され、当時はかなり話題になった作品であるけど、男女問わずにおぱーいやびーちくが露出しても、決してお下品でお淫らな映画じゃありませんのことよ。おーほほほほほほ。

カレン&小春版主題歌を♪

  長年仕事に恵まれない中堅の映画監督シン(レスリー)の元にプロデューサーのチャン(羅家英)が持ってきたのはポルノ映画。スポンサー(チョン・プイ)から愛人のモニク(すーちー) を主演にと指定され、恋人の警官メイ(カレン)に鼓舞された彼は「色情男女」という脚本を書き上げる。
 ところがいざ現場に入るとゴタゴタ続き。モニクは全くやる気がないので、ベテラン男優ワー(徐錦江)との絡みにも不満を言う。チャンは話題作りを狙って尖沙咀での無許可ロケを敢行するが、通行人に囲まれて失敗する。参考のためにとシンはチャンとウケてるポルノ映画を観にいくが、同じ館で自作がブーイングされてたイー・トンシン監督(ラウチン)がその夜に中環のフェリーターミナルから入水自殺したことを後で知る。
 混乱する現場から一度は監督の降板を決意したシンだが、尊敬していたイー監督を思い出し、母親のふとした一言などがきっかけで、現場に復帰する。スタッフを気遣い、モニクとワーにアドバイスをして絡みの場面を撮影し始めると、彼女の演技が明らかに変わっていく。現場の士気は一気に高まり、たちまち撮影にのめり込んでいくシンだったが、それに反するようにメイとの仲がギクシャクしていく…。

 オープニング早々、荒ぶってセックスするシンとメイの姿が映し出されるが、これがもう荒ぶりすぎて色気もへったくれもない(笑)。シンはケツ出しセミヌード(まあ御下品な表現!)だというのに、これまた色気なんかないし。※意見には個人差があります。 
気がつけば自分たちの後ろでチャンや撮影クルーが自分のセックスを撮影している。しかも「カット!」の声がかかっているのにピストン運動がやめられない。はっと我に帰ったらそれは夢だったというオチであったのだが、ここでシンが妄想に浸りやすい相当なロマンチストであることが提示され、彼の妄想とシビアな現実が混然一体となった物語が始まる。

 1996年の香港映画界といえば、翌年の返還を控えてあまりいい話題がなかったような気が…。そんな状況を受けて本編は展開する。
 そうね、あの頃ねー…。当時はまだペーペーの電影迷だったし、本格的に香港行き出したのも返還直後だったので生意気なことは言えないんだけど、日本じゃ王家衛の『天使の涙』がそりゃもう大流行。それに便乗する形でようやく他の香港映画もぼちぼちと入り始めた頃だったが、実はごく一部のガチな香港電影迷の間で「王家衛人気うぜー」みたいなことになってた気がする。それ言ってたのって、今でいうとこの映画○宝系な方々かなあ。オサレ映画系の売れ方に反旗を翻すカウンターな人たちね。今でこそ王家衛も多様な香港映画の一翼を担う位置にはあるけど、実際この頃は香港でも決して売れ線の監督じゃなかったからね。そのあたりの事情はシンが初撮影のラッシュを関係者に見せたときに、あまりにも動きを重視した挙句ブレブレになったため、「王家衛じゃねーんだよ、王晶を目指せよ!」と批判されるくだりでうかがえる。実際、当時の下り坂の香港映画界においても、王晶(このころはまだ日本で「バリー・ウォン」と呼ばれていたねえ)は確実に監督&プロデュース作品で次々とヒットを放っていたわけだし、自らも王家衛を揶揄したキャラを作品中に登場させてさんざんコケにしていたからね。
 さらにはトンシンさんが自虐ネタと化す。ラウちん演じるがイー監督は名前を観ても明らかな通りご本人をモデルにしているし、この映画の前に作った『烈火戦車』が大コケしたのである。無名のラウちんとユン恋々を主演に立て、二人を大ブレイクさせた『つきせぬ想い』は当時たったの3年前のことだったのに!それだけ香港映画界の下り坂っぷりが明白だったというのがよくわかって、背筋が寒くなる。
(そうそう、実際の映画人も俳優として加わった、シンとその仲間がくっちゃべる場面にあった、「なんとかって映画の監督の「石川三郎」ってハーマンだろう!」「絶対ハーマンだ」というセリフは昔も今も笑えるなあ。あの場面のおしゃべりには実話をもとにしている
のも多そうだよね)

 だけど決してそんな現場を告発する映画じゃないのはご存じの通り。ギスギスした空気の中で混乱しながら始まる撮影は、いくつもの衝突と挫折を繰り返し、バラバラになろうとしながらシンが人との出会いやそこからの会話で突破口をつかみ、なんとか現場を結束させていこうとする姿が描かれるのはやっぱりグッとくる。こういう映画では常に悪役的な位置に立ちそうなプロデューサーのチャンも、常に都合のいいことしか言わないけど、いざというときには頼りになることを言ってくれる。また、シンの焦りを一番近くで見てきたカメラマンが、彼を家に誘って周防正行監督のポルノ映画を一緒に観るくだりは、映画人はここまでできるんだというシンの発見と、ポルノ映画は決して恥ずべきものではないという認識を彼を通じて観客にも示してくれる(まあ「変態家族・兄貴の嫁さん」はこの映画以前に日本では高く評価されているから、今さらいうなって言われそうだけど、香港人には衝撃だったんじゃないの?と思ったのよ)。
 シンが変わればスタッフもキャストも意識が変わる。最初は好奇心だけで映画に出てはわがまま言いたい放題だったモニクのドラマティックな変身には目を見張るものがある。台湾から苦労してやってきたというキャラ設定は、自身もデビュー作がいきなり脱ぎ要員だったすーちー本人にも大きくかぶるのだから、エロいとかなんとか言う暇もなく心をつかまれる。覚醒(!)したシンにケアしてもらい「今までで最高のオーガズムを思い出せ」と演出された後の彼女の眼つきもしぐさもガラリと変わったってのがまたすごいしね。そんなふうに言いながらも、だいぶ年を経て再見すると、「あー、すーちーのおはだきれーい。おぱーい…びーちく…」とか心の中の男のオレ(設定年齢は当然リアルに中年オヤジ?笑)がつぶやいてしまってたんだけどな!うう、ホーチョン作品の見すぎか?オレ(笑)

 そんなことをあれこれいいながらも、実は一番すごいのはシンの妄想癖の数々だったりする。あー、青臭いねー。などとと今は思えるんだけど、映画にのめりこんでメイの不信を買い、階上でいちゃつくカップルに露骨な嫉妬を向けた彼女を避けて外に出たシンが、屋上でベールに包まれた全裸のモニクを見つけ、おずおずと近づきながら彼女と戯れるエロい妄想は見事に彼の心理状態にマッチしていたからね。まーそういう妄想はファンサービスでもあるし、ちょっとナ○っぽいかな?なんて感じるんだけど。そしてクライマックスのレスリー自身が監督した『色情男女』本編も(こらこら)。あ、これでも一応誉めてますよ!ファンの皆さん怒らないで~。ワタシもレスリー好きだもーん。

 何のかの考えながらだらだら書いてきたけど、ここまで書いて頭に浮かんだのは、同じ「映画についての映画」についてのこと。すなわち、その手の映画をよく撮っているパンちゃんことホーチョンなんだけど、同じエロを主題にしながらも、やっぱり『AV』『低俗喜劇』とは全然違うんだもんねえ。それは監督の作風もあるんだけどね。
 いずれにしろ、電影迷にとって、「映画についての映画」ってかなりおもしろいんだよね、ということでここでは締めにしたい。

英題(仏題?):Viva Erotica
監督:イー・トンシン&ロー・チーリョン
出演:レスリー・チャン カレン・モク スー・チー チョイ・カムコン チョン・プイ リー・リクチー ヴィンセント・コック

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ルージュ(1988/香港)

 4月1日をはさんで、六本木と心斎橋のシネマートではレスリー主演映画の特集上映が相次ぎ、3月31日の夜には、全国のTOHOシネマズで追悼ライヴ「継續寵愛 MISS YOU MUCH LESLIE」の生中継があった。しかし悔しいことに、地元では上映なし(仙台にある系列の映画館が上映してくれたけど、行けるわけなかった)。もっともこの日までは件の六本木で特集上映を観ていたわけだから、仕方がないわけである。しかし、青森(南部のイオンにTOHOシネマズがあった)や仙台などの入りはどーだったのだろう…(泣)。

 さて、シネマート六本木では、80~90年代の香港映画黄金期の出演作を中心とした「レスリー・チャンメモリアル」と、陳凱歌とコンビを組んだ2作&これが最終上映となった『色情男女』をセレクトした「レスリー・チャン電影節」の2つの特集上映が実施。ほとんどお馴染みの作品だし、ラインナップに王家衛作品がないのがなんとも寂しいのだが(ただしプロデュース作と合わせて全作品のソフト権を獲得した会社があるらしいので、再上映に期待)、以前ビデオで観たきりの『ルージュ』、上映期限が切れる『色情男女』、そして全くの初見となる『恋はあせらず』の3作品を観ることにしたのであった。
 そんなわけでここからはレスリー作品特集。ヘンなツッコミがあっても、笑って許してくださいませ。

 大学に入ったころ映画を観始めるようになって、台湾留学を控えていたころにサークルの先輩に悲情城市以外で中華電影をいくつか薦めてもらったのが、そのうちの1本が実はこの映画だった。香港映画にハマった頃にサークル仲間からビデオを借りて観たことがあるけど、それ以来の再見となる。

レスリーと梅姐が歌う主題歌のMV…なんだが、梅姐ヴァージョンはネタばれやんかー(苦笑)。未見の方はレスリー版だけで止めておくことをお勧めします。

 1934年の香港。とある妓楼にて芸妓の如花(梅姐)は、客として来た布地商・陳家の次男坊、通称“十二少”(レスリー)と宿命の出会いを果たす。お互いの出方を探りながらやがては恋人になり、アヘンに酔う退廃した日々を過ごしていたが、十二少には親が決めた許嫁がいた。それを悲しんだ如花は、十二少にアヘンを飲ませて無理心中を図る…。
 時は移り、現代―1984年の香港。記者である恋人チョウ(エミリー)と共に、新聞社の広告部で働くユン(アレックス・マン)は、ある日時代遅れの服装をした女性から広告を打つ依頼を受けた。その怪しさに引っかかった彼が女性を問い詰めると、彼女は幽霊、すなわち心中を図った後の如花であった。どうやら心中は失敗し、十二少はこの世に行き残ってしまったようなのだ。彼女の身の上話を聞いて同情したユンは、チョウと共に十二少を探すことになるが…。

 オープニングで紅を塗る如花のショットは印象に残っていた。梅姐は決して美人じゃない、どちらかといえばオトコ顔のファニーフェイスだと思うが、艶やかなチャイナドレスに身を包んだこの映画の彼女はとにかく魅力的だと思う。やっぱりこれは梅姐の映画だよな。
 そう言いつつも、彼女の魅力に溺れ、彼女もまた夢中になる十二少を演じるレスリーもたまらなく美しい。男装して歌う如花と十二少の出会いと相思相愛に至るまでの駆け引き、控えめな描写ながら官能的なラブシーン、どれもよかった。跡継ぎを拒んで京劇の世界に飛び込み、修行する場面はまさに覇王別姫!であるし、脚本を書かれた李碧華さんはこれを元にして『覇王別姫』を書かれたというのだから、なんとも運命的なものであるわ。十二少は美しく儚げではあるけど、守ってあげたいお坊ちゃんじゃないキャラに仕上がっているのもまた魅力的。どこかに小狡さもあったし、恋の情熱に身を焦がしながらもどっか飽きっぽいところもあるから、ただの王子様でもない。だから物語の終盤、幽霊となった如花が死なずに生き残った十二少のその後の人生と、すっかり変わり果ててしまった姿を見たときの衝撃は並大抵のものではないし、この残酷さも彼女同様に観客に突き付けてられてくるのだ。苦しいけど、それも見事なものだよなあ。

 とは言っても、メインとなるのはあくまで80年代の香港なので、現代のシーンも興味深く観た。それでも25年前だから、当時の流行がうかがい知れるねえ。悪役が多いアレックス・マンさんが平凡な新聞マンを演じていたけど、メガネにセーター姿の彼は本当に平凡な香港の好青年だったなあ。挽歌シリーズでレスリーの恋人役だったエミリーさんも、元気な女の子がよく似合ってた。最初は如花を胡散臭く思って嫌っていたチョウも、心中事件から二人の愛をたどっていくうちに、ユンと共に二人に共感を覚えていき、お互いを確認するように愛し合っていくくだりが印象的だった。
 あとはクライマックスで、十二少がいるとの情報をつかんで3人が向かったスタジオで幽霊ものの映画が撮影されていたというくだりも面白かったなあ。如花が幽霊であること、当時の香港映画のゴーストものブームももちろんあるし、この映画もまたゴーストものでありながら、変化球を投げてきているってことがわかりやすくなっているしね。 

 そして忘れちゃいけないのが、製作に成龍さんが関わっていること。今ならアンディ先生と同じことをしていたんだよね、大哥は。今は完全に大陸シフトになってしまったけど、香港映画でも自らの作品以外のプロデュースも再開してもいいんじゃないかな?アンディや王晶さんが若手監督やアン・ホイさんの文芸作品をバックアップしてるけど、成龍がそれをやってくれれば、これまた香港映画のこれからに十分貢献することになるんじゃないの?単純にそう思っちゃうのだけど。

 上記以外の他に、スタンリーさんの代表作でもあるこの映画は、香港映画史においても経典(名作)と呼べる作品。香港映画ファン以外の人にも観てほしいなあって思いますよ。

原題 :胭脂扣
監督:スタンリー・クワン 製作:レナード・ホー&ジャッキー・チェン 原作&脚本:リー・ピクワー
出演:アニタ・ムイ レスリー・チャン アレックス・マン エミリー・チュウ

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低俗喜劇(2012/香港)

 祝!『恋の紫煙2』大阪アジアン映画祭観客賞受賞!大阪でも好評だったのが嬉しいよ。
 これを機になんとか一般公開にこぎつけてもらいたいもんであるよ。なんといってもホーチョン作品は映画祭の悪しき(?)影響で一般公開はホラーの『ドリームホーム』のみという、ある意味残念な結果になっている。先にも書いたように、今年になってTIFF上映の2作品のソフト化が決定したことだし、香港映画ファン以外にもホーチョンの面白さがもっと広がればいいな。

 さて、今世紀に入ってから厨二力(と思うのだが)を武器に香港映画界で唯一無二の地位を確立し、わずか10年でメインストリームにまで駆け上がったホーチョンの、ある意味集大成ともいえる新作が『低俗喜劇』。今年の金像奨では最優秀作品賞ほか6部門にノミネートされているこの作品も、アジアン映画祭で上映されている。当然行けなかったので、香港で買ってきたBDで鑑賞した次第。


 売れない映画プロデューサー杜惠彰(チャッピー)は、長年ヒット作もなく、離婚した弁護士の妻(クリスタル)に引き取られた愛娘を思って、なんとか映画製作にこぎつけたいと願っていた。ある日彼は親友の雷永成(サイモン・ロイ)から広西の黒社会を仕切る暴龍(ロナチェン)を紹介され、彼が映画を作りたがっていることを知る。壮絶な接待攻撃の果てに暴龍が出した要求は、往年の女優スーザン・シウ(本人)を主演に、後宮を舞台にした名作《官人我要》を三級片にリメイクしろという無茶苦茶なもの。とりあえずスーザンには出演を取り付けたものの、脱いでもらうわけにはいかない。
 悩める杜の前に、セクシーナース姿のグラビアアイドル、“パチパチキャンディ”こと徐家欣(陳静)が現れた。パチパチキャンディを使った◯◯◯を武器に芸能界を渡り歩いてきた家欣に身も心も魅了された杜は、彼女をスーザンのボディダブルに起用することに決定。主演男優には「3D SEX&禅」で“三級片のチョウ・ユンファ”と称賛された葉山豪(本人)を迎え、映画の製作が何とか始まった…。

    映画作りの映画は珍しくないし、ホーチョン自身も『ユー・シュート、アイ・シュート』『AV』『些細なこと』でそれを扱っている。この手の映画では監督が主人公になることは多いのに、プロデューサーが主人公というのは珍しいらしい。
実際にプロデューサーでもあるのだから、経験上思うところはあるんだろうし、実話もちょっと入ってるんだろうな。特にここ数年は大陸に行ってたわけだし、その経験の一部がきっとこれと『恋の紫煙2』に入ってるんだよな。
  まあ、この作品は先に書いたように、今までの彼の作品群の集大成的なものである。映画作りの他にもね。それは当然シモネタ(笑)。「低俗」を名乗るのだから、本編はとことんシモネタの応酬である。なんてったって、アヴァンタイトルから「注意:この映画は低俗です」とくどくどと念を押しているし、大学の映画学科のセミナーにて、司会の教授(ローレンス・チェン)を相手に初っ端から「陰毛」を連発しているし。
 それはまだほんの序の口で、暴龍の接待で登場する想像を絶するゲテモノディナーに、よき◯◯◯◯◯として捧げられるラ◯の登場で、思わずポカーン。しかも暴龍のメンツを立てるために、杜と雷は事に及ぼうとするわけだし(中盤では一応ブラックアウトするけどね)もー、なんてやりたい放題なんだろうか。しかし、動物の○○って△△のそれに似ているものがあるとは聞くが、雌の○バのそれって似てるの?そんでもって気持(強制終了)?って観た人にしからわからんネタでスマン。

 そんなシモネタ以上に光り輝くのが、セクスィーなのにさわやかな陳静ことダダちゃん。いやホント、媚びた感じがないし、お色気も健康。パチパチキャンディを使った口○という、誰も思いつかなかったとんでもない秘技(これは驚くことに実在の技らしい。でも殿方には痛いんじゃない?という説もあり)もサラッとこなし、セクスィーナースのコスプレもいやらしさがない。かえって胸の谷間(香港ではこの個所を「事業線」と呼ぶ)に見とれたよー(笑)。 イザベラ以来、久々に登場した香港出身のモデル&女優だし、今後活躍には大いに期待しちゃうのですよ。

 まあ、もちろん真面目に言えば、「低俗」だからなんでも許されるってわけじゃない。ワタシも本来はシモネタは好きじゃないし、日本の映画事情でだって「エロとホラーがミニシアターを救う」なんて言われた時には腹が立った記憶がある。この映画のヒットに、北京の女性映画評論家が真面目に苦言を呈したらしいけど、考えてみりゃ現在の香港映画は中国大陸の潤沢な資金を後ろ盾にしていることもあり、かえって大陸大衆向けの無難な大作にばかり走る傾向があり、それゆえにここ数年の金像では大陸から「香港電影結束(香港映画オワタ)」なんて言われている状態。もちろん、現在の香港映画が単独で作品を作れないのはよくわかっているが、かつての香港映画の勢いが戻ることがなくても、大衆に媚びない問題作を作ってほしいし、ローカルで支持される作品はやっぱり面白いもの。もちろんローカルに支持されるものは全ていいわけじゃなくて、グダグダなものもあるだろう。それはしょうがないとして、ローカライズで面白く、かつ大陸に媚びてない映画はやっぱり面白いし、そういう映画を作り続けてくれるのが、今のところはたまたまホーチョンが第一人者であるので、彼を支持してしまうってだけなのだ。

 異論ある人もいるだろうけど、とりあえずこんなところでね。
 しかしこれ、日本語字幕で観たいなあ。TIFFでも上映してくれると嬉しいんだけど。

英題:Vulgalia
原作&製作&脚本&監督:パン・ホーチョン  脚本:ロッ・イーサム  編集:ウェンダース・リー
出演:チャップマン・トー  ロナルド・チェン  ダダ・チャン  スーザン・シウ  サイモン・ロイ  マット・チョウ  クリスタル・ティン  葉山豪  ラム・シュー  ローレンス・チェン  フィオナ・シッ  ミリアム・ヨン  チム・ソイマン  ヴィンセント・コック  ローレンス・チョウ

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