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渡る世間は無間道…。

 昨年後半はホントに中華ネタがなくて、香港つながりだからといって本来は日記の方で書くべきるろ剣記事をこっちで3回も書いてしまって(これこれこれだ)申し訳ない…ってだれにともなく謝ってみる。

 さて、年末の香港行きですっかり調子を取り戻し、今年はなんとか多くの香港映画を観て、たくさんblog記事書きたいもんだねーとかいいながら、実は今回のネタも実は香港つながりの日本ドラマだったりする。スマン。早いところ書いておかないと、忘れるからねー。

 まずは、昨年の秋に製作の報を聞いて非常に驚いた、『インファナル・アフェア』の日本リメイクドラマ『ダブルフェイス』。かつて6年前に『ディパーテッド』という名でハリウッドリメイクされ、何の間違いだかオスカーまで獲った作品がすでに存在するが、それは(強制省略)というのは改めて話すことはないだろう。でもこれが未だに「ハリウッドのベストリメイク」だとかぬかす米国人(と一部日本人)をワタシは信じない。
おそらく日本の映画人&テレビ人もインファ好きな人多いんじゃないの?だからディパに納得いかん人多いんじゃないの?とか常々思っていたけど、まさかオリジナル製作10年という記念すべき年に作っちゃうとはね…。

 舞台は香港から横浜へ。主人公は西島くん演じる潜入捜査官の森屋純と、照之演じるヤクザの織田組からの潜入スパイ高山亮介の二人に。彼らを囲むのは、純の直属の上司(角野卓造)、織田組のボス(小日向文世)、純の弟分(伊藤ちびノリダー淳史)、精神科医(和久井映見)、高山と恋仲になる政治家の娘(蒼井優)…。誰が誰というのは、説明するまでもないか。
インファが大好きで、トニー演じるヤンの役は自分にしかできないと言う西島くん、「オレだってトニーやりたかったよ!」と返した照之。この言葉から、ちゃんとオリジナルへのリスペクトがあり、ディパには負けられん!という意志が伝わってくるのは嬉しい。だけどね、優れたオリジナルがあると、リメイクはどうしてもそれが壁になるもんなんだよね…。
 ま、インファを超えるリメイクなんてもともと期待してませんしね。それなら、スタッフがどこまでリスペクトしているんだか見てやろーじゃねーのと臨んだ次第。

 まず、10月に観た西島くん主演の『潜入捜査編』。
 純と高山の出会いが雨宿り(しかもご丁寧に捨てられて雨に濡れた仔犬まで…。わかりやすい隠喩だなー)だったり、高山が現金強奪犯と派手な立ち回りを演じたりと、なかなかインパクトのあるオリジナルなツカミで幕開け。しかし、ちびノリダー演じるヒロシと屋上屋(!)で暮らす純が小野寺警視正(角野)から呼び出しを受けてからの展開は、なんかどっかで観た…というかオリジナルそのまんまなんですけど。場面によっちゃセリフやシチュエーションも全く一緒で、これをリスペクトと見ていいのか、それとも(強制終了)。
 織田組組長を演じる小日向さんはエリックとっつぁんには似てないけど、ニコニコしながら残酷なことを平気でやる恐ろしさがハマるので、演技のタイプが似てるのかもしれない。ただ、オリジナルキャラとして登場した奥さん(伊藤かずえ!)がねえ…。あの奥さんは絶対後妻で、10年前に高山の面倒を見ながらも、抗争に巻き込まれて死んだ先妻がいるに決まってるって勝手に思ってるんだけど。
 だけど、小野寺警視正がねー。なんで角野なのか?秋生さんとは似ても似つかんぞ?角野自身も渋い顔作って頑張ってても、ウォン警視の迫力と色気は皆無だからなー。ダイエット中の奥さんがいるとか言ってたが、きっとピン子(もちろん泉)似なんだぜ、きっと(笑)。しかし屋上から血まみれで墜落するあの場面まで再現するとは思いもよらなかったよ。本放送時に思わず「渡る世間は無間道…!」とつぶやいちゃったのである(それが今回の記事の題名の由来)。この時点でもう1時間40分近く経っていて、続いてヒロシが刺されていたのでイヤな予感がしたのだが、案の定そこで本放送が終わり、続きがWOWOWでの『偽装警察編』で…という予告で観ていたみんな(含む自分)がネットで怒りまくっていたのであった。でもこれも1月に地上波放映されると聞いたので、それまで我慢するしかないか、であった。

 はい、そんなわけで『偽装警察編』。こちらは高山が主人公。
こちらは映画の後半部にオリジナルの展開をプラス。ここから優ちゃん演じるマリー…もとい万里ちゃんが登場するのだが、厚生労働大臣の娘で作家志望のフリーターって、考えているようでかなり強引な役どころ(笑)。織田さんは高山を万里ちゃんに近づくように命令して、自分のとこのヤクを売りさばくために彼女をヤク漬けにしろとか言うのだが、それは万里ちゃんを使って阿片を作ってばら撒けってことだろ、織田さん…ってそれは明治初期の話だろ。しかし照之と優ちゃんはカップル役になる率が高いな(参考としてこれ)。ロリコンか照之、とか言われてたけど。
 そんなこんなで高山と純が出会い、警察に復帰したい純と善人になりたいと願い織田ボスを自ら葬る高山と、それからあれこれあって二人の屋上への対決になだれ込むのはこれもオリジナルに同じ。あと、純が結局もう一人のスパイに撃たれ、彼を高山が撃つのも同じ。しかし、オリジナルを知らない人がこれを観ていたら確かにショックは大きいよな。まあワタシは知ってたけどね。
 そして生き残った高山には…織田組に代わる別の組織が彼を取り込み、香港版とは違う無間地獄に巻き込まれることになったという、ちゃんとオリジナルの「無間道」に日本的に即するような結末を迎えたのであった。
 
 ざっとこんなもんだけど、スタッフのみなさんがオリジナルに敬意を表して、ディパのようにズタズタにせずに、ちゃんと尊重しながら作っているのはよくわかった。それでも、オリジナルを超えたとは感じなかったな。おそらくね、スタッフさんもオリジナルを超えるつもりじゃなかったんじゃないかって感じてたんじゃないかな。好きだから、オマージュは送りたいけど超えようなんて言うのはやっぱり恐れ多いんじゃないかな。ってのは深読みしすぎかしらん。

 HPやtwiiterの反応を見ると、西島くんの好演にハマった人とオリジナルを知らない人が多かった(韓国映画とか誤解してた人が多かったなあ、ちょっとイラッとした)。彼は現在放映中の大河でも熱演しているし、いきなり人気急上昇でビックリしたけど、オリジナルを知らない人には是非インファを観てもらいたい。トニーだって西島くんと全く違った魅力があるし(好みに合うかどうかは人それぞれだけどね)、照之の高山はやや悪役風味が強く出てしまって残念だったけど、オリジナルのアンディは悪役というにはあまりにも複雑な役柄を見事にこなして、これまでのアイドル的な印象をすっかり払拭してしまったからね。そしてこのオリジナルは、カンフーというイメージが強い香港映画のまた違った面があるのだから、やっぱり多くの人に観てほしいわけですよ。そうして多くの人に観てほしい名作が、インファナル・アフェアなのですよ。そんなわけでヒマさえあれば、くどくならないように以上のことを言い続けて、香港映画に普及に努めますよ、ワタクシは。

 追記:オリジナル未見の方にも親切なインファ&ダブルの比較解説がNAVERまとめにありました。非常に客観的なので是非是非。

 あともうひとつは、金田一少年の事件簿。これは香港ロケでも、あの反日運動時でいろいろ大変だったそうだけど…やっぱりメインの言語が普通話というのが残念だった。通訳が手配できなかった事情などもあるんだろうけど、同日放映というプランであっても、このへんでリアルさを出さないとダメだよ。九龍城寨などの懐かしい香港ネタは、あの頃の香港が好きな人にはたまらなかっただろうけどね。

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コメント

はじめまして!
Naverまとめで、インファとダブルフェイスの比較をまとめたganeshalaksmiiですhappy01
ツィートしてくださった方のつぶやきを見ていて、こちらのブログに辿り着きました。

もうホントに、ダブルフェイスを良かった!と言ってる人たちには、ぜひ原作も見てくれ~という気持ちでまとめました。
全体的にはオリジナルファンが見ても面白かったと思うんだけど(原作に対するリスペクトって大事ですよね!)、末松万里のエピソードが浮いていて納得いかないです。
シャブ漬けにして云々、ってなんか設定が古っ!って感じだし。

いまだに韓国映画と勘違いしている人が多くてメゲマスね。

個人的にレオン・ライのファンなので、三部作くらいで終極無間まで入れてほしかったです。

投稿: ganeshalaksmii | 2013.01.28 16:50

ganeshalaksmiiさん、こちらこそはじめまして。
客観的なまとめ、興味深く拝見いたしました。
ダブルを観た方には是非ともオリジナルを観てほしいという気持ちは一緒ですね。

偽装警察編の後には「ダブルフェイス・終極無間編」を期待したくなりますね。それなら照之とリヨン谷原こと谷原章介さんに主役をはってもらいたいものだ、などと思うものです。

投稿: もとはし | 2013.01.28 23:11

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