« ボンクラ勇者と三匹のおっさんドラゴン | トップページ | 渡る世間は無間道…。 »

さらば復讐の狼たちよ(2010/中国)

 まずはこの画像に流れる曲を、まあ黙って聞いてくれ。


 これは、姜文の前作『陽もまた昇る』の予告。音楽は久石譲。ものすごくジブリっぽい。
よくわけわからん映画だけど、ワタシは意外と好き。秋生さんが「ブンガワン・ソロ」を中国語で歌うんだよ~♪

 で、次はこの動画。

 …はい、見事なまでに同じ曲です(笑)。

ちなみにオリジナル予告編はこんな感じ。メインテーマ使ってねえ(苦笑)



 そんなわけで『さらば復讐の狼たちよ』。原題は《譲子彈飛》、英題は「Let the bullet fly」。いくらキャストにユンファがいて、前作に引き続き、英皇の製作だからとはいえ、この邦題は詐欺だろー(笑)。

 民国初期の1920年。地方都市・鵝城に向かう新県知事馬(葛優)とその妻(カリーナ)、書記(フォン・シャオカン)を乗せた馬列車を、あばたの張(姜文)率いる7人の盗賊団が襲撃する。金で県知事の身分を買った詐欺師の馬は、自分を捕えた張に「鵝城の県知事だと名乗るといい、あそこで金儲けができるぜ」といい、自分は書記になりすます。実はその鵝城、あらゆる悪事を働いて街を牛耳っている黄(ユンファ)の支配する街であった…。

 とまあ、あらすじを書けばシリアスだけど、もちろんそんな映画であるはずがない。最初っからアホアホ感満載で、大笑いしていたよ。普通、大陸電影にユンファを悪役で出すのなら、それなりに強敵で出すのが相応しいと思う。主演の姜文さんが監督を兼ねているから、なおさらね。当然姜文さんは一人俺得でカッコいいし、葛優さんをコメディリリーフにするのもわかるのだが、まるでゴッドギャンブラーを彷彿とさせるユンファのアホアホな二役演技や、豪快に無駄遣いのカリーナ姐、脈絡もなく登場して上半身ひん剥かれるきょぬーのお姉さん、そしておいしいんだかおいしくないんだかよくわからん姜文さんの嫁や胡軍など、キャラの使い方が往年の香港コメディみたいなんだよな。 
よくぞここまでコメディにしたよなとは思ったけど、それでもこれは香港コメディではない。なぜなら、喜劇でありながらも姜文らしい妙な生真面目さが全体から漂っているように感じたからだ。

    ワタシは前作の『陽もまた昇る』のわけのわからんスカしたロマンシチズムを買っているんだけど、いくら芸術的であっても、さすがに大陸じゃ大コケだったという。まーそりゃわからなくはないわな。それもあったから今回はバリバリのエンターテインメントにしたんだろうけど、オレが作るんだからただのエンタメにはしないんだぜ、メッセージや風刺も込めるんだぜ、ということをやっちゃうのがまさに姜文。悪く言えば俺様なんだが、それが気にならないのは、本人がかなり真面目な人だからなんだろう。HPに詳しく解説してあるからここでは書かないけど、それぞれの小道具やセリフに込められた現代中国への風刺をどれくらいパンピー中国人が読み取ったかはわからないけど、結構わかりやすい風刺だからウケたんじゃないかという気もするな。

  ところでワタシがこの映画を観たのは、タイミングよく(?)尖閣諸島問題で日中間が険悪なムードに陥った9月中旬。当然観客は少なし。そんなわけで「尖閣問題なんぼのもんじゃーっ!反日のバーカ!反中のどアホーッ!(暴言失礼)」とか心の中で喚きながら観に行ったわけだが、クライマックスで張に扇動されたされたフツーの老百姓(中国語で庶民の意味)たちがたちまち暴徒と化す下りには、きっと反日デモもこんな感じで起こっていったんだろうなーと思った次第。つーことは…、ま、この後は言わないでおくか(笑)。

原題&英題:譲子弾飛 (Let the bullets fly)
監督&出演:チアン・ウェン  原作:マー・シートゥー  撮影:チャオ・フェイ  造形デザイン:ウィリアム・チャン  音楽:久石譲&シュウ・ナン
出演:チョウ・ユンファ   グォ・ヨウ  カリーナ・ラウ   チアン・ウー   チョウ・ユン  チェン・クン  フー・ジュン  フォン・シャオカン

|

« ボンクラ勇者と三匹のおっさんドラゴン | トップページ | 渡る世間は無間道…。 »

中国映画」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14197/56327218

この記事へのトラックバック一覧です: さらば復讐の狼たちよ(2010/中国):

« ボンクラ勇者と三匹のおっさんドラゴン | トップページ | 渡る世間は無間道…。 »