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2012年12月

聖誕節は香港で。

iPhoneのアプリが未対応というのにビビりながら、記事作成してみます。

えー、今日から香港です。
うまくできればこっちで写真を、と思ったのですが、無理っぽいので、詳しくはTwitterの方を見てください。
帰国したら、改めて記事書きます。

とりあえず、連絡まで。

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ハーバー・クライシス Black&White Episode1(2012/台湾)

 まずはこの写真を、まあ黙って見てくれ。

Bwmovie_pica

 これは我が盛岡の老舗映画館、盛岡ピカデリーの看板。
ご覧の通り、全国でもまれになった手描きの映画看板が掲げられる映画館なのです。
まさかこの看板を、台湾映画が飾る日が来るとは!と思わず感動せずにはいられませんでした。…まー、似ているかどうかは別として。むしろ映画看板は似ない方が注目を集めるともいうからね。

 ちなみに台北ではこうでした。年末の台湾旅行でたまたま撮っていた写真。

Bwmovie_2

 これまで台湾映画が全国ロードショー上映になったのって、あの『海上花』以来なんじゃないっけかなー、まさかこれが地元で観られるとはビックリだなー、というわけで『ハーバー・クライシス』を観ましたよん。ドラマ『ブラック&ホワイト』の映画版。ええ、もちろん残念ながら未見でございますよ。

台湾での配給はワーナーだったのか!るろ剣か!(注・こっちが先です)

 台湾の湾岸都市・海港市。呉英雄(マーク・チャオ)はこの街の南署に勤める若き刑事。正義に燃える熱血漢だが、向こう見ずなスタンドプレイをよく起こすトラブルメーカーでもあった。
 一方、犯罪組織三連會に所属する徐達夫(ホアン・ポー)は、恋人(テリー・クアン)とともに足を洗うことを狙い、ダイアモンドの密売を目論むが失敗、ダイアの入ったアタッシェが奪われてしまう。別件の事件で達夫の取引現場にやってきた英雄も謎の集団(SOLER他)に襲撃され、ここで英雄と達夫は出会ってしまう。奪われたアタッシェには大量破壊兵器に関わる資料が隠されていたために、行動を共にすることになる。そこへオウ隊長(アレックス・トー)率いるSIS(情報局)や、謎の美女ファン・ニン(Angelababy)が入り乱れ、やがて事件の裏に海港市爆破計画があることを突き止める…!

  オリジナルのドラマ版は、中華圏の架空の都市・海港市(『パンダマン』の光明市同様、この設定はうまい!)を舞台に、英雄と仔仔演じるプレイボーイのセレブ刑事在天の最悪のコンビが事件に挑むという、刑事ドラマの定番であるバディものだという。人気俳優の仔仔とこれがデビュー作となるマークのコンビはどうだったのかなー?観てみたかったけど、こっちでは放映がなかった、と思う。たまにTV欄を見ると、週1本は深夜に台湾ドラマをやってくれているのだが、気づくのが遅いのでどうしても観るチャンスがないんだよ。華流好きな地元の方、どーやってチェックしてるの?
  それはともかく、仔仔もマークもきっと魅力的だったに違いないんだろうな。映画になるくらいなんだから…と思ったら、仔仔出てないんじゃん!なんで出ないんだよ仔仔!大人の事情ってやつ!?だから映画では、TV版の序章になっているのか。

   TVドラマの映画版なんて日本だけのもんじゃない。香港の《Laughing Gor》シリーズは人気TVシリーズが基になっているし、米国だって「SEX AND THE CITY」が2回映画されてるから、珍しいものじゃない。ただ、TV→映画という流れは、どうしてもオリジナルを観ていないと通じないところが多い。自分の好きな日本のドラマにもいくつか映画化されているものがあるので、それを観に行っては「うーん、惜しい…」などと言うことが多いので、正直、いきなりこの映画を観ていいのだろうかといっとき思ったことがある。 
   結果として、先に書いたような構成になっているため、映画からTVシリーズにいきやすいようにはなっているので、ひとまず理解できるようにはなっている。これは仔仔が抜けたからできたことだし、ドラマに馴染みがない国にも売りやすいからいいことではあるか。そのために、「クレイジー・ストーン」などで知られる中国の人気俳優ホアン・ポーを投入して、TV版の「プレイボーイ&熱血刑事バディ」から「新米熱血刑事&お人よしのヤクザの異色バディ」でもこの物語が面白く成立することを試みたのだろうし。ただ、やっぱり仔仔が観たかったな、欲を言えば。

   監督は華流ドラマといえばこの人、と言える蔡岳勲。でも、映画では初めて名前を観た気がするんだけど、この方はひょっとして台湾の本ひ(以下強制終了)
   …仕切り直して、これはTV版と同じスタッフが手がけるということで、日本のそれと同じような「オリジナルはいいのに、映画はグダグダ」になるのかと思ったが、ちゃんと映画になっててよかった。それは撮影を我らがリー・ピンビンさんが手がけているということもあるが、メインロケ地である高雄のクールで未来的な街並みが有効的に使われ、そこを舞台に思う存分暴れ回るマークのアクション、大陸からのホアン・ポー、香港からのAngelababyにアレックス・トー(お久しぶり~!)、マカオからのSOLAR、日本からのディーン・フジオカ(頼むからアルファベット表記はやめてほしい。今監督している某「市橋」映画以上にね)という豪華なゲスト陣、もちろん忘れちゃいけないレオン・ダイ&カオ・ジエという台湾のベテランズ、クライマックスの予想不可能に破天荒な展開はあきらかに先にあげた某氏の代表作をはるかに上回っている。何よりもTV版映画が陥り気味な、観た人にしかわからない楽屋落ちがなく、直球勝負しているのがいい。

    とまあ、ここまでは褒めたけど、実は観た当初はかなり激しく突っ込んでいた。せっかくの重要人物として登場したAngelababyがフェードアウトしちゃったり(他の人物も何人かそういうのがいた)、敵の伏兵が意外すぎるところにいたり、クライマックスの空中の激闘では人殺しすぎだしといろいろあった。それもまあ、賑やかしとして甘くみてやるか。とにかく、この国で人気の某TVドラマ映画よりはかなり面白かったんだから。
     それならば、オリジナルはきっとそれ以上に面白いんだろうね?今途中で挫折しているパンダマンを再開させる時、一緒に借りてみようかな。ってそれ、いつのことになるんだろう?

原題:痞子英雄首部曲全面開戦(Black&White)
監督:ツァイ・ユエシュン   撮影:リー・ピンビン アクション指導:シリル・ラファエリ&リー・チョンジー   
出演:マーク・チャオ  ホアン・ポー  Angelababy  テリー・クアン  レオン・ダイ  アレックス・トー   ディーン・フジオカ  カオ・ジエ  SOLAR

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私には言いたいことがある(チョンジュ・プロジェクト2012より・2012/韓国=中国)

 今年の東京フィルメックスで唯一観た中華電影『私には言いたいことがある』。監督の應亮(イン・リャン、1977年生まれの35歳)は、学生時代に撮った長編が国際映画祭で評価され、フィルメックスにも2回作品を出品している若手監督。彼の作品は、もちろん今回が初見。チョンジュ・プロジェクトについては、こちらのblog記事を参照あれ。

Whennightfalls

 2008年、上海で楊佳という名の青年が、かつて取調べを受けたことに恨みを持って、6人の警官を殺害するという事件が起こった。同じ頃、北京に住む彼の母親(耐安)は突然自宅から連れ出され、別人の名前を名乗るようにいわれて精神病院に連れていかれ、軟禁されてしまった。その間に楊佳の裁判は進み、彼には死刑が宣告された。そして、その裁判の報道は当局によって厳しく規制されたために、艾未未を始めとしたインターネットジャーナリストたちは、事件と裁判の不当性を追求していた。
 約5か月後、母親の軟禁が解け、彼女は北京の自宅に帰ってくる。彼女は戻ってきて初めて、息子が死刑を求刑されたことを知る…。

 イン・リャン監督曰く、この「楊佳事件」は、中国ならだれでも知っている実在の事件だそうだが、…すみません、ワタシはこれを観て初めて知りました(泣)。70分の映画の冒頭と最後に連続して出てきた写真は、お母様の王さんが撮影してblogに載せているものらしい。
 映画では、ロウ・イエ監督をサポートする女性プロデューサーにして人気TV女優である耐安さんがフィクション部分で母親を演じ、軟禁が解けてから息子へ逢いにいくまで(ただし息子は直接画面には登場しない)を淡々と描いている。耐安さんはほっそりした美女だけど、芯の強さを感じる。親子二人暮らしらしいマンション、長らく不在の息子の部屋には「ロボコップ3」のポスター、室内にはシュワルツェネッガーの写真。小道具ではあるけど、普通の青年だったんだろうということが感じさせられる。
 冒頭こそ、彼女を支持するジャーナリストや人権活動家が家に出入りしていたが、それ以外は彼女は常に孤独だ。日本と違って、加害者の家族と非難されはしないのだが、母一人子一人で暮らしてきたのだから、その息子がなぜ事件を起こし、なぜ死刑に処せられなければならないのか、そしてなぜ自分はその真実を知ることができなかったのか。その思いが常に画面ににじみ出ている。最愛の息子を失う悲しみ、理不尽な求刑に対する静かな怒り、そして、人権が侵される恐ろしさ…。それを映像にして残すことは大いに意味がある。このプロジェクトを存分に活用した意味はここにある、と思ったのであった。

「私には言いたいことがある」という題は、観たばかりの時は、母親が理不尽で人権を蔑ろにする公安と中国政府に対して息子の名誉回復を訴えたメッセージなのだと思っていた。しかし、当日のイン・リャンさんのQ&Aインタビューで、それは実は息子に向けられた言葉であることを知り、意外に思った。
 母親は当局に再審を要請したものの、それは認められなかった。その後、上海の刑務所まで楊佳に会いに行ったが、彼女は死刑執行が間近に迫っていたことを知らず、一方息子は母親が全然会いに来なかったことを責めたという。それが結局母子の最期の対面となってしまった。母は真相を全く知らなかったことを息子に伝えたかった、それゆえの「私には言いたいことがある」ということか。

 この映画を撮ったことで、仕事で香港に滞在していた彼はなぜか帰国不可能になってしまったという。ロウ・イエもそうだが(申し訳ない、実は機会がなさ過ぎて彼の作品はまだ観たことがないのですよ…)、中国のインディペント映画人は当局から製作禁止を宣告されやすい。日々中国へのネガティブイメージが伝えられ、かの国に対して悪印象を抱く人が増えているが、その国に暮らす普通の人々も、理不尽さに苦しんでいる。彼らの多くはそれをいろんな形で映し、ワタシたちに教えてくれる。彼ら以前の監督たちだってそれをしてきた。だからこそ、こういう映画を観て理解し、いろいろと考えていかなきゃいけないのだな。

原題&英題:我還有話要説(when night falls)
監督:イン・リャン
出演:ナイ・アン

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マイウェイ―《美好2012》より(2012/香港)

 東京国際映画祭には様々な協賛企画がある。今回はかなりブーイング食らってたあの伝説の字幕でお馴染、東京・中国映画週間もその一つであるが、トーさんの《単身男女》があったのもかかわらず今回はそのへんの作品はぜーんぶパス。いや、確かにワタシは尖閣諸島は日本のものとは思っているのだけど、決してそれによる反中活動をしたわけではございませんことよ(苦笑)。
 
 そんなことはどうでもいいとして、今年はその協賛企画の一つに「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」によるアジア中心の短編作品を集めた「フォーカス・オン・アジア」があった。そこで、現在東京で『桃さんのしあわせ』が公開中(我が地元でも新春早々公開。待ち遠しい!)のアン・ホイ監督が、今年の香港国際映画祭の企画で作ったオムニバス短編集「美好2012」の一編『マイウェイ』が上映されるというので、観に行くことにした。


 冒頭から化粧をし、寝転んでストッキングをはき、女性の声色を作る男(ジャンユー)の姿が映し出される。彼―チャウはヒールをはいて街に繰り出し、映画を観に行く。その後、友人たちに会いに行くが、話題を聞いてみると、その彼女たちはどうやら性転換した性同一性障害者らしい。チャウは女性としてふるまうが、どうも事情を知らない周りの人々からは、そのように扱ってもらえない。
 実はチャウには別れた妻(ジェイド・リョン)と大きな息子がいた。チャウが慰謝料を払って別れたものの、元妻の暮らし向きは楽ではなく、彼女はチャウに電話して激しく責める。チャウは離婚直前から、性転換手術直後のこと、そして妻と結婚したばかりのことなどをあれこれと思い出す…。

 ○某ちうぶではここで全編観られます。ただし字幕は香港仕様なので注意。
 
 まー確かに性転換するのがあの強面ジャンユーだから、誰もがビックリするか、大笑いかなのだろう。以前『楊貴妃になりたかった男たち』を読んだ時にも書いたが、なぜ香港の男優は映画で女装したがるのか?というのを思い出したのも言うまでもない。
 ただ、この場合はただの女装でなく、性同一性障害であったという点が読み取れる。結婚をして子供をもうけるまで、常に男性としての振る舞いを強要されたチャウが、妻を愛していながらも自分は女性として生きたいという気持ちを大きく募らせていたのではないか、と読み取ることは大いに可能だ。そして、自分を責めながらも、別れた妻が自分を愛しているということも同様だ。確かに夫婦ではいられなくなった二人だけど、性転換手術直後、同じ境遇の友人に囲まれたチャウのベッドから少し引いた座ったものの、彼女たちを見つめる妻の目には恐れや哀しみではなく、かつての伴侶の新たな出発を少し祝うような表情がどこかしらにあったように見えたのが、救いだったような気がする。

 こんな元夫婦の生きざまを20分間で描いた作品であるけど、アン・ホイさんはこのデリケートなテーマとそれを演じるスターたちを、これまでと全く同じように、実に自然に暖かく映している。低所得者の多い地区で暮らす人々も、高齢独身者と彼の家のメイドの介護問題も、同じ香港の街で暮らす人々としてつながっている。性同一性障害というか、この手のトランスセクシュアル問題が香港ではどう認識されているかということは不明なんだけど、市井の人々の暮らしの一つの形として淡々と、でも暖かく描いているのがいい。さすがのアン・ホイ姐さんだ。ところでチャウの友人たちを演じていた人々は、実際に性転換された人もいるんだよね?とエンドクレジットを見ていて気になった次第。

 ジャンユーの怪演につい目が行きがちなんだけど、奥さん役のジェイドさんにも注目。かつては「ジェイド・レオン」と表記され、ミシェル姐を継ぐアクションスターだった方か。代表作は「BLACK CAT」ね。実はこのあたりはことごとく見逃し、「リョン」表記で見つけた未公開映画も全然手は付けていなかった。あまりにも普通の美しい奥さんだったから、アクションやってたとは思えなかったもんな。後でなんか観てみます。いつになるかわからないけどね。

原題:我的路
監督:アン・ホイ
出演:ン・ジャンユー(フランシス・ン) ジェイド・リョン

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