« 15年前、どんな未来を予想していたのだろう。 | トップページ | この夏休み、香港映画は何本観られるのかなー? »

プリズン・オン・ファイアー2(1991/香港)

 先日、NHKのトーク番組に出演していた玉木宏くんが、清盛と並行して撮影していたという(!)、中国映画《銅雀台》の話をしていた。貴一ちゃんや中車こと照之など、今や中国映画に日本人俳優が出演するのは珍しくはないけど、彼やジョーみたいに若手主役級で活躍する俳優はあまり出ないよなあ…などと思ったりする。
 このニュースを最初に聞いたとき驚いたのが、なんと主演がユンファだということ。しかもここで演じるのは曹操。かつてユンファは《赤壁》で周瑜を演じるはずが、孔明役に決まっていたトニーが降板した後で連鎖的に降板したってのがあったよな。そうかそうか曹操か…(別にシャレではない)。

 ユンファと言えば、今月は姜文主演&監督の中華(ヌードル?)ウエスタン『さらば復讐の狼たちよ』がいよいよ日本で公開される。邦題を聞いた時には「あれ?こりゃ確かユンファは助演であくまでも主演は姜文さんでしょ?」と思ったものだが、どうやらたくらみがあってこう名付けたらしい。(新田理恵さんのこの記事より) 
 まーねー、確かにねー、おっしゃる通りだとは思うんですけどね。もちろん「姜文が撮った痛快ヌードルウエスタン!」と言われてもワタシゃ観に行きますけど、きっとこういうのは少数派なんでしょうね。
あ、こーゆー売りもあるようですが、そこまでしなくてもええぞサンケイ(爆)。

 この「さらば狼」や《銅雀台》では、きっと貫録を増した現在のユンファのご立派な姿が見られるだろうし、それはそれで嬉しいけど、それだけが彼の魅力じゃないもんねえ。ウーさんがハリウッドに行ってしまい、王家衛やトーさんが映画祭の常連になってから香港映画のファンになった人も少なくないだろうし。そう、つまり何が言いたいのかというと、30代の時のユンファはむちゃくちゃステキでカッコよかったんだってことなんですよ!そんなわけでやっと本題にたどり着けた(笑)。
 そんなわけで、みんなに観てほしいステキなユンファが見られるたくさんの作品の一つ、『プリズン・オン・ファイアー2』を六本木で観たのであった。ちなみに1は未見。…それでいいのか自分。


 貧しいながらも妻と幼い一人息子リョンと懸命に過ごしていたチョン(ユンファ)は、妻が生活の糧に身体を売っていたことに激怒し、誤って彼女を殺してしまう。息子を老母に預けて服役するチョン。刑務所には大陸から来た元軍人ロン(陳松勇)を中心とする中国人グループと香港人グループが対立していたが、チョンは天性の陽気さを武器に、したたかに生活を送っていた。
 刑務所に新たな看守長(徐錦江)が赴任してきた。彼はチョンに目を付け、自分のスパイにならないかと話を持ちかけるが、チョンはそれを断り、報復の暴行を受ける。
 息子への面会がかなえられなかったチョンは、こっそりと脱獄してしまう。それが明らかになって独房入りするが、意外なことにロンが接触してくる。実は彼もまた脱獄を試みていたのだ…。

 監獄ものというと、かの『ミッドナイト・エクスプレス(と言っても米国映画じゃなくてトニー主演の方)』みたいなしんどいものしか想像できないのだが、さすがにユンファが主演なので、当時の彼のイメージに合った、陽気で身軽で、だけど怒るときにはものすごいというキャラクターがうまく生きてていい。本当はシャバに残した家族が心配だが、その寂しさをあまり表に出さずに塀の中ではうまく生きていっている。まー確かに、管理する側にとってはやりにくい人物だろうねー。だからこそ、対立する看守長が憎々しい人物になるのだよな。しかし第1作ではロイが演じていたのに対し、ここではカムコン。…いやー、髪があるカムコンは新鮮だー(笑)。なんせ初めて見たときにすでにアレでしたから。しかしカムコン、この数年後には囚人役をやってるではないか、なんてこった。

 やがてユンファの相方となるロンはご存じ文雄兄ちゃんこと陳松勇さん。台湾人でありながら大陸人の役なので当然吹き替えなんだが、えらいかっこいい役回り。下手すると彼の弟役だった高捷よりもかっこよく見える。この2年前に出演した『悲情城市』の時よりシャープで、アクションも見られるし、脱ぐし(笑)。現在は体を悪くされて俳優活動を停止されているというのがなんとも悲しいです。
 囚人のみなさんも盛りだくさんだけど、あまりにも盛りだくさんで見落とした人も多少いるかも?B哥を始めとした古惑仔の皆さんも多数出演していたけど。

 それほど辛気くさくはなく、なおかつかなり盛り沢山な作品だけど、やっぱり一番の見せ所はチョン&ロンの大脱走劇でしょうかね。塀の中でもそれなりに過ごしていたけど、シャバに出たことへの達成感と解放感にあふれた野郎同士のキャッキャウフフな場面でしょうね。これはもういろんな人たちが指摘しているだろうけど。

 いや、ユンファの魅力は別にそういう変な意味じゃないんだぞ!とにかくキュートで素敵でカッコいいから、パイレーツ3とかシャンハイとかドラゴンボールでしか彼の姿を知らないという人には、是非若き日のユンファを観ていただきたいと強力推薦する。挽歌シリーズ以外にも、最近はいろんな作品が再ソフト化されてきているからね。

原題:監獄風雲Ⅱ盗犯
監督:リンゴ・ラム 音楽:ローウェル・ロー
出演:チョウ・ユンファ チェン・ソンヨン チョイ・カムコン ン・チーホン ヴィンセント・ワン ロイ・チョン

|

« 15年前、どんな未来を予想していたのだろう。 | トップページ | この夏休み、香港映画は何本観られるのかなー? »

映画・テレビ」カテゴリの記事

香港映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14197/55151564

この記事へのトラックバック一覧です: プリズン・オン・ファイアー2(1991/香港):

« 15年前、どんな未来を予想していたのだろう。 | トップページ | この夏休み、香港映画は何本観られるのかなー? »