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《那些年,我們一起追的女孩》(2011/台湾)

 ちょうど台湾を旅していた頃、海峡を隔てた香港では、ある記録の更新が話題になり、年をまたぐ前に、驚くべき記録が生まれた。
これまで『カンフーハッスル』が持っていた香港地区の中華電影の興行収入記録を、なんと台湾映画に打ち破られたというものだ。制作・配給会社こそ大手(20世紀フォックス&ソニー)で、『流星花園』のアンジー・チャイ女史が製作総指揮を務めているが、キャストは無名、監督は台湾育ちの人気ネット作家。そんな派手なのか地味なのかよくわからないが(失礼)、台湾だけでなく香港の映画好きにも大いに支持されたのが、『あの頃、君を追いかけた』(リンク先は公式FB)であった。


  1990年代、台湾の西側にある地方都市の彰化。ここにある中高一貫の私立共学校で、主人公のコートン(柯騰/コー・チェントン)は、親友の3人の男子学生と一緒に馬鹿騒ぎをして青春を謳歌していた。ある日、悪友と授業中にどれだけ早く自分を満足させられるか競っていたコートンは、大馬鹿なことにそれを担任に見つかってしまう。以前からコートンたちのやんちゃぶりに手を焼いていた担任は、クラスで一番優秀で真面目な女生徒佳宜(ミシェル・チェン)に、授業中でのコートンたちの監視役を命ずる。彼の後ろに席を換えた佳宜は、事あるごとに背中をペンで突っついてくるので、コートンは彼女が鬱陶しかった。
そんな日々が続いたある時、クラスで盗難事件が起こる。担任は、生徒の誰かが犯人だと言い、強制的に持ち物検査をさせようとするが、佳宜はそれに激しく反対する。それを見てとっさに彼女をかばうコートンたち。その一件以来、彼女と彼らの距離が縮まり、コートンと佳宜はお互いに思いを寄せるようになる。
しかし、高中の生活はあっという間にすぎてしまう。コートンの仲間たちはそれぞれの進路のためにバラバラになり、コートン自身は彰化にほど近い新竹の理系大学へ、佳宜は台湾の師範大学へと進学する。進学当初は電話のやりとりをして思いを確かめていた二人だが、だんだん気持ちがすれ違っていき…。

 と、あらすじを8割方まともに書いてみたが、実際はかなり笑える展開である。
なんせねえ、ティーンエイジャー男子の馬鹿っぽさ全開ですから。この年代の男子が3人そろえば、エロくなるのはお約束。エロくなるから、教室の一番後ろで○慰競争に興じちゃうのもお約束(こらこら!笑)。そして、自宅では裸族なのもお約束(これは『毎日かあさん』を思い出したなあ)。

 とは言っても、エロいシモネタ満載から楽しいわけじゃない。日本映画ではこれくらいのシモネタをやるのはクドカンや三池さんの映画くらいだけど(ドラマもそうだけどね)、シモネタはあくまでも映画の隠し味であって、本当は男子的な馬鹿さから見た恋愛と青春がテーマである(と思う)。中高生当時、付き合っていようとそうでなかろうと、こういう馬鹿な男子が恋をした瞬間というのをだれもが目にしていたんじゃないだろうかなあ。

 そんな男子を愛せるか否か、というのが女子の課題である(笑)。
佳宜の真面目さは、人によっては「いい子ぶってる」と思わせられるんだろうけど、当時、まさに「いい子ぶってる」と思われたワタシなので、なんだか気持はわかるのだ。だから、いきなりバカなことをやりだしてどん引きしちゃう気持ちもわかるのだ。少女マンガのような恋はやっぱりありえない。こっちこそが恋愛のリアルってもんよ(と、知ったかぶりしてみる)。

 思春期において、女子はえらく成長するもんだけど、男子はいつまでたっても馬鹿である。下手をすると成人しても馬鹿である。そんな姿勢に貫かれているから、いろんな人々の共感を呼び、台湾や香港で大ウケしたんじゃないかなー、なんて思ってみたりする。
 そんな感じでまとめてみたい。

 できれば、もう一度観たいなあ。TIFFで観られなかったので、日本語字幕じゃなかったのがちょっとマイナスだったし、けらけら笑って観たことだけど、なんせ一人貸し切り状態だったもんで。日本公開が難しいという話も聞くけど、セカチュー系ともケータイ小説系とも違う、リアルなアジアの青春映画は、意外とウケるんじゃないかとも思うんだけどねえ。もちろん、若者じゃなくて、昔若者だった人を対象にしてもいいんだからねえ。

英題:You are the apple of my eye
製作総指揮:アンジー・チャイ 監督&脚本:ギデンズ 編集:トゥー・ドゥーチー
出演:コー・チェントン ミシェル・チェン ハオ・シャオウェン

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