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1911(2011/中国)

 混沌とした現代日本はよく幕末に例えられる。決してそんなわけないじゃんとは思うのだが、TVドラマで龍馬や坂の上の雲を観ると、幕末から明治まで、すなわち19世紀後半から20世紀初頭までの日本と世界の情勢とはこんなに興味深いものなのだと再認識することができる。
 その坂の上の時代からひと息おくと、清朝の落日と近代中国の混沌が始まる。もちろん、同じくNHKで放映されていた『蒼穹の昴』も面白く観た次第。原作とはひと味違うところもあったしね。

 その清朝末期から民国成立までの激動の歴史の中核にあるのは、もちろん辛亥革命。
この『1911』の原題は、そのものズバリ《辛亥革命》。ちょうど100年にして中華民国暦100年でもある今年だから、中国からこういう映画が出てくるのは予想できた。しかし成龍さんが作るとはなあ…。ここ10年でますます大陸向きにシフトしてきたわけだから、不思議ではないか。

 成龍さんが演じた黄興はこんな人(とWikipediaを引いてみる)。最初は孫文でもやるのか?と思ったけど、今やすっかり孫文俳優と化したウィンストン・チャオがいるので、この役になるのはこれまた当然といえば当然か。しかしワタシは中国語学科卒で、ちゃんと中国史を受講しているのに、黄興のことなんか全然知らなかったという大馬鹿者である。
 ワタシでさえそーなんだから、一般ピーポーなんてもっとわからんのかもしれない。それを見越してか、赤壁二部作にならってか、オープニングの前にオリジナルの解説が流されたのだが…当たり前すぎることばかりで意味がなかったような。
 最初に登場したのは秋瑾(寧静)。女性革命家として彼女が処刑されたところから物語は始まるのだが、このネタでも充分映画にはなるよなあ。そこから海外と清国内と別れて行動する孫文と黄興へとつながってくる。マレーシアで若き闘士たちと決意を固める二人、そして徐宗漢(李冰冰)との出会い、そして黄花崗の蜂起と失敗へと進んでいく。このエピソードはかなり力を入れて描かれるのだが、前途ある若者の死が悼まれるというより、どー考えても黄興の負けまくり戦歴の序章としか思えないのは気のせいか?戦闘シーンもアクションシーンもふんだんってわけじゃないし、ジェイシーも杜宇航もちょっとしか出ないし、焦点がボケたまんま革命を迎える。
 それであっても、孫文の苦悩と決意の描き方はさすがと思ったし、滅び行く運命にある清朝を支える皇太后(陳冲)のそれも印象的だったなあ。歴史ドラマの部分も悪くなかったけど、やっぱり盛り込みすぎて中途半端な印象をうけた。やっぱり『孫文の義士団』はいい出来の作品だったんだなあ、とこれまた最確認したよ。

 うちの方では残念ながら吹替版でしか上映がなく、選択の余地がないのでそれを観た。石丸さん始め、ほとんどがベテラン声優で構成されたのはよかったのだが、やっぱり李冰冰の声の某女優が浮いてる…。一緒に観た朋友曰く、某女優は代表作ドラマでのスーパーウーマンっぷりが印象深いから、そのイメージで起用されたんじゃないの?とのことだけど、そもそもなぜ彼女を起用?というのが大いなる謎。一方、李小龍先生と同じくらい成龍さんを崇拝するしょこたんだけど、彼女はもともとポケモン映画版などでよく声優しているし、演技もイケるから心配しなくても無問題だったわ。

 日本では「ジャッキー・チェン出演100作記念」とか喧伝されていたけど、実際は100作じゃないんだっけ。確かに辛亥革命ものとして売るよりはこっちのほうが派手だけど、それでよかったのかな?現在主要都市で上映中の『新少林寺』(我が地元では来年1月公開予定)はアンディ&ニコの映画だけど、…これも成龍さん推しなんだっけ。なんだかそ(強制終了)。

 あー、早いところ観たいのお、アンディ&ニコの『新少林寺』。時代はこの映画のラストの頃から始まるというし。

 (蛇足)そうそう、実は夏から『ラスト・エンペラー』(エドワード・ベア)を読んでました。いろんな邪魔が入って読破できてないんだけど、できればこれを読み終わってから観に行きたかったもんだ。もちろん、それを底本としたあの映画も再見したい気分だったし。清朝末期~民国成立ものは、いずれいい機会にまとめて観たいものだ。

原題&英題:辛亥革命(1911 Revolution)
監督:チャン・リー 総監督&出演:ジャッキー・チェン
出演:ウィンストン・チャオ リー・ビンビン フー・ゴー ジェイシー・チェン トー・ユーハン チアン・ウー ニン・チン ジョアン・チェン

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