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シャンハイ(アメリカ/2010)

 毎日jp.映画ページでお馴染みの、紀平重成さんの銀幕閑話の数週前のコラムに、こんな一文があった。

ところで上海が舞台となる作品が相次いでいる。戦前の中国ということになると、抗日やスパイものなど歴史上の舞台として、どうしても上海が取り上げ られやすくなることは十分に理解できる。しかしややもすると“魔都”のイメージに引きずられるのか、ダンスや歌で華やかに彩られる高級クラブのシーンもたびたび登場する。

 「上海を描くと、その作品は大体失敗する」という中国人監督のユニークな分析を人づてに聞いたことがある。“魔都”のなせる技であろうか。いつかその説を検証してみたい。

 …ふーむ。確かにこれまで、中華電影でも数多の上海ものがあったけど、何がよかったかなあ。『色、戒』くらいか?意見には個人差があります。
 振り返って中華圏以外でも上海を舞台にした映画って意外とある。日本でいえば織田アニキの『T.R.Y.』(なぜいきなりこれを思い出したかといえば後述)、米国でいえばインディの2作目。もっともインディはオープニング部分だけだから違うか。
 そんなことをつらつら思いながら、米国で作られた上海映画、そのものずばり『シャンハイ』を観た。ちなみに中文題は《諜海風雲》…だったっけ?

 1941年。海軍から諜報員に転身したポール・ソームズ(ジョン・キューザック)は、大学時代からの親友であり、同じく諜報員となったコナーと上海で落ち合う予定だったが、コナーは日本租界で死体となって発見された。コナーは上海三合会のボス、アンソニー・ラン・ティン(ユンファ)を追っていた。上海ヘラルドの新聞記者に身をやつし、ドイツ領事館のパーティーに潜りこんでアンソニーと会ったポールは、彼の妻アンナ(コン・リー)を見て驚く。彼はアンナとカジノで出会い、勝負をして負けていたのであった。そして、彼は日本軍の大佐タナカ(謙さん)とも出会う。アンソニーはタナカと通じていたのであった。さらにアンナは、実は抗日ゲリラのメンバーであり、南京事件で政治家の父を失ったところ自分を助けてくれたアンソニーと結婚したのであった。ポールはそんなアンナにひかれていく。
 そして、日本領事館に潜りこんでいる諜報員から、ポールは驚きの事実を知る。コナーは日本人の娼婦スミコ(凛子)を通じて、タナカが握っていた極秘情報を入手していたのだ。それが明らかになった時、日本軍は真珠湾を攻撃し、上海は日本軍の占領下におかれる…。

 結論から言いますか。

 ユンファ超かっこいい~♪謙さんにも勝ってる(謙さん迷の方ごめんなさい)。
でも、映画自体は21世紀の『カサブランカ』を目指しながら、見事に失敗してる。
なんとも、もったいない映画だった。

 そもそもアンソニーが英語名だったのはいいとして、いったい「ラン」と「ティン」のどっちが名字なの?と最大のツッコミをしたいのだが、やっぱりユンファは香港や上海の暗黒街で暗躍して、拳銃ぶっ放してくれりゃもういうことなしですから、って安易ですいません。まあねえ、これまで米国や大陸の映画で観てきたユンファの役どころには不完全燃焼でしたからねえ、香港時代を思い出しますよ。ニコッとほほ笑んでくれるしね。
 しかし、役どころが漢奸ですか…。『色、戒』の易さんと同じか…。かつてドラマ版上海灘で、抗日ゲリラの許文強を演じていた(でもこれは観ていない)ってことを思えば、日本軍を襲撃しそうな感じもするんだけど(笑)。
 そのユンファと対応する男、日本軍のタナカこと謙さん。二人並ぶと麗しいなあ。どっちが年上だったっけか?善玉でも悪役でも、やっぱり軍人役は似合うよなあ。でもうっかり前述の『T.R.Y.』を思い出してしまったのは内緒だ。
 ま、よかったのはそれくらいか。後は、コン・リーは…、それ以上に凛子は…(泣)。で、主役って誰だっけ?ユンファだよね?と、ジョン・キューザック迷をいらつかせる発言しちゃってごめんなさい。

 で、それ以上に頭を抱えたのはストーリー展開。なんつーか、説明不足なところも多いし、それぞれの立ち位置もわかりにくい。諜報員としてのポールも、漢奸としてのアンソニーも、ゲリラとしてのアンナも、軍人としてのタナカも。こういう戦争時代の物語には必要な善悪もはっきりさせず、まさに混沌としたまま。勧善懲悪はハリウッド作品のお手のものなのに、珍しいもんだ。そのかわり、フォーフォーや葉問や精武風雲で日本人が思いっきり悪役にされているのだから、それでバランスが取れて…ってそんなこと自分で言うなよ、オレ(泣)。

 で、結論として、こういう映画が成り立つのなら、同じ時代の上海を舞台にした傑作マンガ『南京路に花吹雪』も映画化できるんじゃないか?ということでtwitterの中華クラスタで盛り上がったのであった。

 

 中華趣味的には、やっぱり主人公の一人、黄子満はニコだよねー♪と概ね同意だったんだけど、中華以外の方には反対されたり。ま、いろんな思い入れがあるもんね。これ、ワタシも実家にあるんだけど、久々に読み直したくなったなあ。そしたらここで感想も書けるし。でも、中古書店で探して買った方が早いかな?

 そんなわけで、とっ散らかった感想になったのでした。
まー、このやる気のなさで、つまりは面白くなかったってことがわかっていただけるかと。
ホント、すんません(苦笑)。

中文題:諜海風雲
監督:ミカエル・ハフストローム 脚本:ホセイン・アマニ ピアノ演奏:ラン・ラン
出演:ジョン・キューザック チョウ・ユンファ コン・リー フランカ・ポテンテ 菊地凛子 デヴィッド・モース 渡辺 謙

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コメント

上海バンスキングは名作として残ってますよね。映画じゃないけど。
あれ、映画化もあったっけ?

投稿: 香港フリークOno | 2011.09.10 22:06

映画化されてたと思いますが、未見です〜。>上海バンスキング

投稿: もとはし | 2011.09.10 22:52

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