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ワタシたちの、もといみんなの、パン・ホーチョン。

Shawn_love

 以前アップした“志明與春嬌”特製タンブラー。

Loveinapuff

 2年ぶりに、パン・ホーチョンがTIFFに帰ってきた。
しかも、持ってきてくれた作品はこの『恋の紫煙』
これは春の香港旅行で観ているし、感想も大きく変化したところはないので、今回はティーチイン採録と、TIFFにおけるホーチョン人気を検証したいと思う次第(偉そーに>我)。

 さて、TIFFでは絶大な人気を誇りながら、不況のためかマニアすぎるためか、なかなか一般公開されず、やっと『イザベラ』がDVDスルーされただけというパン・ホーチョン。

 今や香港映画、それも成龍さん作品や大陸との合作を除けば、トーさん一味(笑)やアンドリューさん組に代表されるアクションサスペンス&ノワール系ばかりが紹介されている感があるんだけど、そればかりというのもちょっとさびしいのよね…。いや、実際ワタシもサスペンスアクションは大好きなんだけどね。それも王家衛がまだ《一代宗師》を撮り終えてないからというのもあるのだが。

 ホーチョンは当初“ポスト王家衛”的な紹介をされていたけど、どうもそうとは思えない。それはホーチョン本人がちゃんと脚本を作って撮っていることや、王家衛が持つスカした感じがないからというところにある。そして、これも何度か言っているけど、ご本人の感覚がやんちゃ坊主っぽく、それが香港の街に生きる人々の気持ちにシンクロしているように思えるからなのだ。なーんて書いてみたら、気取りすぎかねえ。

 TIFFの頃、Twitterで「なんでホーチョンって人気あるの?」というような投げかけがあったので、自分でもいくつかつぶやいてみた。ここでは他の皆さんのつぶやきはないけど、あれだけ毎年熱狂するのに、他の電影迷の皆さんはえらくクールに彼の作品を観ていて、的確に分析されて客観的につぶやいていたから、ミーハーな自分がなんだか恥ずかしくなった。
 …やっぱりマニアックすぎるのかなあ、一般公開するには。
でもTIFFで人気出ちゃったのはいいけど、一般に紹介される前にお亡くなりになってしまったヤスミン・アフマド監督(残念ながら作品を観たことがないのだ!大泣き)のようなことだってあり得ないわけじゃないから、どこかの会社が早く作品を紹介してほしいと思うんだけどなあ。『イザベラ』はともかく、『恋の紫煙』は一般公開してもいいんじゃないの?一応社会的な側面もあることだし、日港に共通している(笑)。

 さて、個人的なホーチョン雑感はとりあえずこのへんにしておくとして、ティーチインの採録(例によって余計なツッコミつき)を。

 今年は1回だけのティーチイン。それが前半の上映にあったのはラッキーであった。
観客の皆さんも常連さんが多いし、司会者さんも流れをわかっているので、段取りがものすごく悪いというわけでもなかったし、質問者も適切だったので、今までのティーチインで最も観やすく聞きやすかった。
 昨年映画祭に来られなかったのは、この作品を撮っていたからだと理由を述べてから、すぐに司会者さんとのトークへ。
 ここで早速、ワタシが聞きたかった質問に答えが出ちゃいました(苦笑)。

 司:香港では喫煙所は、みんなで周りを囲むことから「火鍋スポット」と呼ばれているそうですが、喫煙者ではない監督がこの映画を撮るのは大変だったんじゃないですか?この映画を撮ろうとしたきっかけは一体何だったのでしょうか?

 ホ:ある日友人の会社に行った時、彼がそのビルの他の会社の女の子たちと挨拶をしているのを見て不思議に思った。聞いてみたところ屋内が禁煙になって、外でたばこを吸うようになってから知りあうようになったと言っていた。それを聞いた時は最初ムカついたんだけど、路地が今、社交場になっているということに興味をもち、自分もそこに行くようになった。そこでこの映画の構想を考えたんだ。
 自分は煙草を吸わないけど、現場で数人が吸い始めると、もうそこは煙たくなってしまう。それが嫌だから、撮影中は助監督にトランシーバーを装着して、そこから間接的に指示を与えた。

 ええ、聞きたかったのは「喫煙者なんですか?」ということ。きっとこれはほかの人もそうだったんだろう。そんなわけで急いで質問を考えなおした次第。はい次。

 Q:香港も日本も、喫煙できるところが減ってきて厳しくなっている。今後は撮影でタバコを小道具で使うのも不便になると思うが、そのあたりはどう考えているのか?

 ホ:全世界的にタバコが吸えなくなってきているし、この映画も大陸で上映した時は大量にカットされた。それにこれは決して喫煙を薦める映画じゃないからね。

 Q:喫煙を通じて歳の差(女子が年上)カップルが愛し合う物語になっていたが、なぜそのような話にしたのか?そして、なぜこのキャスティングになったのか?

 ホ:香港では女子が年上のカップルは珍しくないし、ミリアムは旦那さんが年下で(参考としてこの記事を)、ショーンも年上女性と付き合っていたことがある。だから不自然なことじゃなかった。でも、ミリアムはタバコを吸わないから、撮影時は大変そうだった。

 上の二つは、観客からの質問。やっぱり話題はタバコのことになる。
いいタイミング(?)で日本でもタバコの値上げがあったので、一般的にもかなりタイムリー(笑)。
 主人公二人の年齢設定の話は、そうだよな、別に女子が年上でも全然問題ないんだよな。なんか日本だけだよな、男子が年下の女子と、女子が年上の男子と付き合うのを好むのって…。

 さて、次の質問。実はこれ、ワタシがしました。これの元ネタは最初の感想にありますよ。

 Q:過去の作品との関連になってしまうが、『イザベラ』ではラストでイザベラ・リョン演じるヒロインが「恋人が戻るまでワタシはタバコをやめる」と言い、この映画でもラストは禁煙を誓って終わる。この2作品のラストがいずれも禁煙だったのだが(特に前者では肺がんの危険性もテーマに入れたといってたし)、偶然だったのか?

 ホ:禁煙した人に理由を聞いてみたところ、「好きな人がいるから」という動機が多かった。それに感動したから、両作品ともそうしてみたんだ。

 おおおお、でましたな(笑)。好Romantic~。
 話を聞いていると、ノンスモーカーであるホーチョンは、タバコに対しては中立的な立場にあるんじゃないかなーと思ったりして。
 そう、どうしてもタバコについては聞きたかったのですよん。

 Q:喫煙禁止場所での撮影はどうしたのか。

 ホ:今の禁煙法は、室内の喫煙を禁止している。撮影はほとんどが屋外だったから、それは問題なかった。ただ、撮影クルーが喫煙場所でどんどん吸っちゃったから、そっちの方が大変だったよ。

 Q:この映画は香港で三級指定されたけど、やはり台詞のせいなのか?香港のレーティングは一体どんなふうに決められているのだろうか?

 ホ:これは18歳未満が観られない三級片に指定されたが、このレーティングは正直言って意外だった。今まで変なものばかり撮ってきたので、今回は健全な作品を撮ったつもりなのに、こうなってしまった。香港の映倫に三級と決められた後、会社でなぜこうなったのか話しあった。それで言葉のせいだとわかったが、3年前の『出エジプト記』で汚い言葉が出てきたのに問題にならなかった。その理由を聞いたら、「これは頭にきて汚い言葉を吐いているから、問題はない。でも『紫煙』ではみんなが嬉しそうに話しているからヤバいんだよ」と言われたよ。

 …嬉しそうにって。この映画を字幕で観たかったのは、この下ネタトークを理解したかったんだからなんだよね。3月に観たときは、志明の元カノのバングルにい○毛ネタだけで精いっぱいだったので(笑)。
 『出エジプト記』はTIFFで観られなかったので、VCDを買ってあるのだが(やっと出た!)、そっか。…理解できるかな、罵倒語。

 ところで、最後にホーチョンの近況を聞いたときは、衝撃だった。
ずっとバリッバリの香港っ子でいると思ったのに!

 Q:最近、北京に引っ越したそうですが、生活はどうですか?

 ホ:北京語は苦手だから、会議は嫌だな。でも北京に拠点を移したことで、短編で自由に撮ることができるし、実際に短編も撮った。シナコムで見られるよ。あと、プロデュースもやっているんだ。

 …ピーターさんに続いて、キミもか。
香港から北京に移れば、確かに可能性は出るのだろうけど、そのまま大陸寄りになってしまうのはちょっとなあ。ビジネスと割り切っていれば、香港でも変わらないんだろうけどね。

 でも、ホーチョンはやっぱりホーチョンかな。いつまでも変わってほしくない。でもそれ以前に、日本でも自信を持って一般公開できる作品を撮ってほしいと思う。だから、応援したいのでアルよ。

 ティーチイン終了後は例年のごとくのサイン会。ええ、毎度ですがまたもらいました(笑)。暗くなったTOHOシネマズの階段を、たくさんのファンに囲まれて降りた姿を見て、やっぱホントに人気あるんだよなーと当たり前のことを思ったりして。
 また会える日を楽しみにしているよ、ホーチョン。

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