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政治と映画、取るなら当然後者だよん(笑)。

Teddy

陳徳森導演@日劇前

 さて、今日からフィルメックスだし、地元で中華がらみ映画を2本観たので、そろそろTIFFまとめ。
でも、今年はやっぱりこのことをいわなきゃ気が治まらないかな。

 3年前から始まった、東京・中国映画週間
この映画祭、本祭とはつながりのない提携企画なので、うっかりしているとチケットを取り忘れる。
2年前に「赤壁キャストが来るよ」と聞いて慌ててチケットを取って行ったのが最初だった。 
今年はオープニングが『ボディガード&アサシンズ(十月圍城)』だったので、忘れないようにして取った。

 しかし、この映画週間、はっきり言って好きではない。
理由はいろいろあるが、一番言えるのは、中国(大陸)政府のにおいがぷんぷんしているところだろうか。
 ワタシは中国語学習者だし、一時期は都内の某中国語専門学校に通っていたことがあるので、大陸関係のイベントの雰囲気はだいたいわかっている。語学関係のような学術的な交流会なら、別に堅苦しくても構わないのだけど、そういう雰囲気が好きじゃない。
 特に政府系の方が絡むとかなり堅くなる。主催が中国国家広播電影電視総局電影管理局だったから、なおさらなのかもしれない。オープニングセレモニーでも、そのへんは強調されるしね。それにこういう時の偉い人の話は、校長先生の話に負けないくらい長いし、あちこちで言われているように仕切りも悪いから、セレモニーの前半、やさぐれ香港電影迷としては、はいはいお話はいいから早くゲスト出してよ、映画見せてよ、という気分になってしまう。
 それから、上映作品。大陸作品が多いのは別に構わないのだが、観たいと思わせる作品が少ない。そして、台湾や香港との合作も混ぜて「我が国の作品」という(これについては後述)。さらに字幕についてはいうまでもなし。この3年間のラインナップは後で調べるつもりだけど、この映画祭で上映されてあとで一般公開された映画って何本あるのだろう?今年の作品ではユンファの『孔子』と提携イベントでのみ公開された『唐山大地震』の一般公開が決まっているんだっけ?

 それに加えて、今年はやっぱり前日の、台湾映画団グリーンカーペット不参加(リンク先はムビコレ)が響いていた。
 もともと台湾映画団は、本祭の特集企画のためにやってきたのであって、提携企画である中国映画団にはごねる資格はない。それをうまく捌けなかったTIFFスタッフもアレだったけど、その「ごねた当人」を目の前にしていたことにはビックリした。
 個人攻撃になるから敢えて名前は言わないが、その「当人」、オープニングセレモニーではゲストの美人女優を隣に置き、終始ニコニコしていた。彼は昨年も来ていたそうだが、昨年セレモニーに参加していた朋友によると、彼はヴィッキーとファン・ビンビンの両脇に陣取り、ずーっと一緒だったという。なんだこのオヤヂ、まったく現金だねえ、なんて言ってたら、翌日のネットで「台湾は『中国台湾』と名乗るべき」と言い出したのがこの人だとわかり、深くため息をついてしまった。
 セレモニーには台湾の蘇有朋も来ていたのだが、どうりで彼を「中国台湾」と紹介していたわけだよ…。はあ。それでよかったの、蘇有朋?

 さらに切なさに拍車をかけられたのは、花束贈呈ゲストの人と、そのコメント。
 来たのはこの映画の主演女優。これもあまり非難したくないので詳しく書かないが、花束贈呈でタイミングを逃し、自分と大陸とのかかわりを香港映画出演のキャリアで述べたスピーチにもなんか不自然さを感じ、彼女自身には罪はないことを十分わかっていながらも、久々にイラッとさせられてしまったのだ。あの映画に出られたことが嬉しかったのはわかるけど、香港映画は中国映画と根本的に違うんだぜー、といいたかったよ。
 花束贈呈の人のことをいうと話がどんどんずれていくので、このへんに。

 閑話休題。せっかく映画を楽しみにして来ているのに、こんなふうに政治色をまる出しにするのはいただけない。ワタシは常々「中国語を学んでいるからといって、中国自体は好きじゃない」と言っているのだが、中国映画が好きな人がみな、国を好きで観ているわけじゃない。

 文化は国境を越えるものである。かつて中国映画は、政府が横槍を入れても、作り手が作りたいものを作って、メッセージを伝えてきた作品が多かった。張藝謀や陳凱歌、姜文の作品は映画祭に出すと政府が必ず問題にしてきたし、今関西上映に関して起こったいざこざが話題になっている(これはまた日を改めて)『スプリング・フィーバー』のロウ・イエ監督も、政府の思惑を超えて自分の作りたい映画を作っている人だ。そのような人たちを世界の映画祭と映画好きは評価し、中国映画の価値を認めてきた。
 だけど、それでも政府は映画祭に抗議する。カンヌでもヴェネチアでも。それでも各映画祭は作品を尊重し、評価してきた。TIFFだってそうだった。

 確かにTIFFでも過去に一部の出品作品に対して大陸の電影局が申し入れをしてきたそうだが、それに対して事務局は出品を優先したかったがために国籍変更の処置をとったという。(先ほどは事実未確認のまま書いてしまったので、訂正しました)
 それがあるから、今回のグリーンカーペットでの対応には、もう少し何とか説得できなかったのだろうか、という気分になってしまったのであった。 いや、決してスタッフを責めているわけではないのだが。

 中国は社会主義だから、商業も文化も政治が介入しやすい。国が文化に力を入れ、バックアップすることには文句はないが、そうだからと政治利用するのは違和感がある。彼らにとっては当然なのだろうけど、やっぱり映画は、売り上げや野望はもちろん、主義や主張を超えていけるものだと思う。昔も、そして今も。
 だからワタシは映画を支持し、大切にしたいと思うのであった。

 あー、今回は久々に主義主張入りまくった文章になっちゃったー。
 おまけにやっぱりとりとめがない。
 もちろん、例によって例の如く、政治的なコメントはお断りですよ。

 これにて、ワタクシのTIFF+αは終わり…。だけど、まだいろいろあったりする(笑)。

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