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二人の勇者(Gallants)、六本木に立つ!

どうも、怠惰すぎるbloggerですいません。この記事からTIFFツアー後半戦です。

東京国際映画祭アジアの風特集企画・「生誕70年記念-ブルース・リーより未来へ」のオープニング作品的な位置づけだった『ギャランツ』
初回の上映だったので当然大盛り上がりだったわけだけど、その勢いで突入したティーチインでは、監督のデレク・クォック(来日3回目。アジア太平洋映画祭に『野・良犬』を出品)&クレメント・チェン(いとこが日本在住)の勇者コンビのトークショーと化していたのであった。
 客観的な採録は以前もご紹介したKEIさんゆずきりさんにお任せするとして、こちらでは主観バリバリなツッコミを盛り込んで、ティーチインの感想を書いてみる次第。

Gallants

 場内が明るくて助かったが、ワタシの位置からはうまく撮るのが難しかった。
なにせiPhone内蔵カメラで撮ったもんで。

 この後のグリーンカーペットに参加することもあったのか、二人とも正装で登場。ワタシはアジア太平洋映画祭に参加したことがないので、デレクさんは初見なのだが、以前の彼を知る方によれば「だいぶ太った」とのこと(笑)。ハンサムなクレメントさんは、我が朋友にも受けがよかったです。 

 Q:往年のスターを、若手監督の自分たちが演出する気持ちはどうだったか?

 デレク:テディ・ロビンに関しては、彼はボクらの師匠のような存在だったので、出演してもらうのには全く問題はなかった。ブルース・リャン(梁小龍)にはこの話をしたら、脚本等でアドバイスをしてくれた。陳観泰にはクレメントとプロデューサーが北京にまで行って話をした。3人とも大いに楽しんでくれ、それじゃあいろいろ遊ぼうよ!という感覚でこれを作っていた。

 クレメント:演出時には、彼らを怖いと思っていた。ブルースさんと観泰さんはなんといっても大ベテランで強い人たちだから、何か失敗して殴られたらどうしようかと思ったよ。でも、往年のロックスターだったテディさんは、ボクたちは二人とも尊敬している人だった。彼もとってもノリノリだった。劇中に登場した、3人の弟子がはまべで尻を出して放尿している場面は、ボクらが演出したんじゃなくて、本人たちの提案でやってみた場面だったんだよ。

 Q:テディ・ロビンは、もう映画には出ないと思っていたのだけど…。

 デ:彼はもう10年以上役者をしていなかったが、いいシナリオがなければ出演しないという考えを持っていた。ボクらは二人とも、彼のおかげで映画界で働くことができたので、なんとかして彼を出演させたかった。そこで、「主人公じゃないけど、彼の師匠でめちゃくちゃ強く(でもそんなにカンフーをする場面はない)、女性にもモテて、とにかくいいとこ取りできる役」を用意して釣り、シナリオを見せたらOKが出たんだよ。

 実質上、テディさんのお芝居を観るのはホントに久々、というかスクリーンではまったく初めて。とりあえず、ミュージシャンという認識しかなかったもんでね。
 デレクさんはウィルソン・イップ監督の弟子筋とあったので、おそらくテディさんも交えたこのあたりが香港映画界の一つの集団にあたるのかな、と思った次第。

 以上は司会の方からの質問。次からが会場の質問です。

 Q:この映画の構想はどこから?

 デ:最初、クレメントと考えていた話は、老人たちがロックバンドをやるという話だった。でも、香港では音楽の映画が受けないと思ったので、10年ほど寝かしていた。2008年か09年ごろ、プロデューサーのアンディ・ラウとラム・カートンがやってきて、何かないかといわれたところ、このシナリオを見せてみた。その時はやっぱり音楽じゃダメだったけど、ちょうど香港でまたカンフーがブームになりかけていたので、音楽から老人がカンフーをやる話にしてみたら、OKが出た。梁小龍や陳観泰などの往年のカンフースターはものすごい人だったのに、若者にはほとんど知られてなかったので、是非彼らを知ってほしいと思い、活躍させたかったんだ。

ク:ボクらは二人ともいろいろな映画を観ている。日本なら高倉健や北野武、米国ならクリント・イーストウッドの映画が大好きだ。でも、香港には彼らの作品のような映画がなかったので、自分たちで好きなものを作ってみたかった。

 うむ、趣味がよろしいザンスね。ストイックで男くさくてときどき静謐でたまにバイオレントな味わいの作品がお好きなのかな(笑)。

 Q:この作品と、次回作《Frozen》では、どちらも登場人物が永い眠りから目覚めるという展開であるが、これは失われた往年のよいものを今の世代に伝えようという狙いからなのか?

デ:自分でもよくわからないんだけど、人が無意識下にあるということが面白くて好きなんだ。意識を失う前後は一瞬だけど、他人にとっては長い時間が経っているから、まるでタイムトラベルのようだ。もし自分が気を失ったら、目覚めたら別の世界にいるのかな、なんて思ってしまうよ。時間と人との関係は面白いし、いいものは絶対すたれず残っていくと思うんだ。

 ふむ、なるほど…。
ワタシはデレクさんの前作《青苔(エメラルドの童話)》は観てないんだけど、ここでも意識を失う人が出てくるらしい。意識をなくしてしまった人は、他の人とは違う次元を生きて帰ってくる。それを面白いと感じているのかな。そこで今思ったのが、デレクさんが北村薫の“時と人”3部作を翻案して映画化したら面白そうかもなー、なんてこと。

 あっという間に最後の質問。その質問、不肖ワタシがいただきました!(笑)

Q:観ていて気になったのはアヒルの燻製。これは香港映画につきものだとは思うのですが、どんな意味が込められているんですか?

ク:あのアヒルの燻製は美味しいんだけど、とってもくさいんだよ。料理する前はまるで死体の匂いがするみたいだ。これは昔はハレの日のごちそうだったんだが、今の人はめったに食べない。本当においしいのに、これはもったいないと思った。この燻製が途中でニワトリに代わるけど、この場面にはたとえ姿は変わっても、大事なものは決して変わらないという意味を込めた。ちなみにアヒルの燻製の発音はゴミ(lapsap)と同じ発音。他人にとっては無駄に思えるものでも、本人にとってはとっても大切なものだ、ということを象徴しているんだ。

デ:劇中で師匠がいう「自分はただの人間だ。それなら場所は関係ない」というセリフになぞらえば、気持ちがこもっていればそれでいいのだ、というメッセージをアヒルにこめてみた。

 おお、思いがけず深い言葉を聞いてしまった。
 あのアヒルの燻製は非常に意味ありげに撮られていたので、てっきり功夫電影のお約束なのかなー、もしかして誰か聞くかなー?と思ったけど、誰も聞かなかったので質問しちゃったんですよ。でも、皆さん気になっていたんですねー。

 こんな感じにバタバタと過ぎた(というかデレクさんの話がほとんどだった気がする)ティーチイン。その後は例によって例のごとく即席サイン会になったのだけど、果敢なトライの結果デレクさんのだけはもらえました。我が朋友のためにクレメントさんのサインももらいたかったのだけど、さすがにそうはいかず、二人はバタバタとヒルズの緑色地毯へと去ってしまったのであった。

 その後、噂を聞いたところによると(というか微博に挙げていたらしいのだが)、このコンビは日本でグルメ三昧だったらしい。はあ、うらやましいわねえ、でもそこで養った英気を香港に帰ってから次回作の製作に生かし、また日本に面白い作品を(今度は一般公開できるようなものを)持ってきてもらいたいもんだ、と思った次第。

 ちとおおざっぱなまとめ方になりましたが、こんな感じでよろしいでしょうか?
 ではこれにて。

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