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2010年5月

リトルプレス「マカオのほほん」

リトルプレス「マカオのほほん」

 しばらく前にいただいていたのになかなか取り上げられなかったこのリトルプレス。
今さらながらの感想になってしまいました。ごめんなさーい。
これを思い出したきっかけはゼロ年代香港映画の記事にいただいた、tomozoさんからのコメントだった。

(今回のBGMというかBGV:『イザベラ』のメインテーマ「O Gente Da Minha Terra」by Mariza。画面はみ出してスマン。予告編も貼りたかったが、画像がでかすぎて貼れなかったので、某ちうぶの該当ページにリンク)

 ワタシが始めてマカオに足を踏み入れたのは、3年前の冬だった。
その前年にtiffで『イザベラ』を観てすっかりやられてしまい(今さら言わなくてもわかると思うのだが)、件の映画を全く知らない同行者(20年来の朋友だ)を巻き添えにしてマカオに行ったわけだが、以前も書いたようにいろんなことがあって不完全燃焼だった(涙)。それ以降、4度香港に行っているものの、いずれもマカオには再上陸していない。その間、『傷城』で事件の鍵となる街として登場したり『放・逐』『復仇』の舞台となったりで、俄かにこの街が注目を浴びてきた。ちょうど時を同じくして、日本の旅行代理店もマカオツアーに力を入れ始めたので、妙に目につくようになったのかな。

 そんなときにいただいたのが、この「マカオのほほん」。(blogもあり)
マカオ在住の日本人ライターさんと、東京のデザイナーさんによって作られ、マカオで発行されたリトルプレス。オールカラーA5判、全20ページ。
リトルプレスとは、簡単に言えば書店で売ることができる自主制作の雑誌。ワタシの地元でも「てくり」というリトルプレスが発行されていて、市内だけでなく全国の書店やカフェでも販売されている。

 2年前の冬に発行されたこの「特別編集号」(なんとつい最近完売!)では、マカオを訪れたら誰もが必ず訪れるセナド広場散策を特集。ここから聖ポール天主堂やモンテの砦(こんなことして遊んでたなあ)までは歩いていけるのだけど、小さな道やお店が多いので、ついつい迷ったり寄り道してしまう。当時、まともなガイドブックを持っていかずにここを歩いていたので、さんざん迷いつつ世界遺産にたどり着いたのはいうまでもない。だから、あの時これがあったらよかったなあ…と思ったりして。
 もちろん、お土産やおいしいものの紹介もばっちりだけど、それだけじゃつまらない。オサレなアート好きや本好きならたまらない隠れた名所も紹介されている。本と音楽のセレクトショップ「Pin-to Books&Musica」やアートスペースがある「婆仔屋(Old Ladies House)」など、興味深い。
 ああ、もっと早く知りたかったな。今度行くときまでにいけるだろうか。せっかくマカオに行くのなら、一般的に言われているようなカジノじゃなくて、こういうお店をのぞいたほうが楽しいもんね。いま香港に行く時でも、そういう「一般のガイドに載らないお店」に行く方が楽しいもんね。

 あと、ワタシもいちおう同人屋の端くれなので(販売は地元即売会&友人がやってる通販オンリーで、コミケや同人フリマに出店したことがないから、あまりいばれない)、こういう手作り感あふれるリトルプレスはもう大好き。いつかこんなのを作ってみたいけど、写真と絵と文章のセンスはもちろん、紙代がなあ…なんて思って諦めてしまうのであった。
 あーでも作ってみたいです。このblogの旅行記の抜粋でもいいから(笑)。

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《証人》(2008/香港)

 祝!ニコラス父さん第2子お誕生記念!のアップ(こじつけ)。
感想をねかせっぱなしにするのももったいないので、今さら書いてみる。

 昨年の流行語に「草食系男子」ってーのがあった。
その定義は“恋愛に積極的でなく、おとなしい男子”らしい。
 個人的には、わざわざこんな言葉を無理やり作らなくてもこーゆー男子はかなり以前から存在していたぞ、と思っているのだが、そんな言葉ができる背景を考えると、経済や政治だけじゃなく、何においても日本が全体的におとなしくなってきてしまっているのかなーと思って残念に思う(かといって、決して肉食系男子が好きだってことじゃない。そんなことでカテゴリわけすること自体がバカバカしいんだって)。
 
 そう感じちゃうのは、ワタシが香港のサスペンスアクション映画を好んで観るからなのかもしれない。いや、事件や爆発ばっかりが現実に続いてもはっきり言って困るんだが、この手の映画は男と男の熱いぶつかり合いを描いているものが多いし、多少荒削りでも表現的にきっつくても社会的なトピックを交えてくれるので、ついつい夢中になってしまうのだ。
 もちろん、日本でも、この手のドラマが全くないってわけじゃない。そういうものを感じさせるドラマにはもちろん夢中になってみるからね。ただ、甘ったるくてつまんなくてドキドキしない映画やドラマばっかりはイヤだなあと思ったわけです(注・意見には個人差があります)。

 さて、そこで《証人》。この映画は刑事と殺し屋の行き詰まる対決を縦軸に、法に対する暴力や児童虐待、事故被害者の苦しみを横軸にして織り上げたちょっと異色のサスペンスといった趣。
 ニコ演じる刑事とニック・チョン演じる犯人のダブル主演で、この物語は語られる。でも、あらすじはパスね。その代わり、以下ネタバレで感想書きます。スマンです(苦笑)

 この映画がひねっているのは、この事件に追う側と追われる側の因縁が複雑に絡まりあっていることである。
 ニコ演じる刑事フェイは、自分の追っていた凶悪犯が起こした事故で、誘拐されていた少女を死なせてしまった責任を重く感じている。ニック演じるホンは、その事故に夫婦共々巻き込まれ、妻(ミャオ・プウ)は重傷、自らも目に負った怪我のため失明の危機に瀕している。さらにフェイが追っていて、逮捕されて裁判を受ける凶悪犯の部下たちは、その裁判を担当する弁護士マン(張静初)の娘を誘拐し、ボスの弁護を娘の解放条件とする。実はその娘の姉が、件の事故で命を落としており、さらにその仕事を引き受けたのが、妻の介護費用を必要としたホンだった…といった具合。
 よく考えればあまりにもすごくて狭い因縁で、ご都合主義っぽさも多少は感じられるんだろう。だけど、無間道三部作を生み出したのにちなみ、東洋的な考え方にのっとれば、東京の半分しかいない面積に約六百万人もの人口がうごめく香港なら、こういう狭い因縁もあるのでは?なんて思ってしまう。

 それもあるのか、登場人物には容易に感情移入できる。身体だけではなく心にも傷を追って、死なせてしまった少女の妹を救おうとするフェイにも、過酷な運命を背負い、愛する妻を救うために心を鬼にして悪事に手を染めるホンにも。映画の中では善悪がはっきりしていても、なぜ悪の道に行くことになったのか、ということを思うと、やはり辛い。
 それゆえに、この映画の主演は決してニコだけではないわけで、ニックさんが賞賛を浴びたのだろう。
 
 すでに某CS放送で放映されたそうなので、日本上映は難しいのかな?でも、マギーの『クリーン』も、1回CSでTV放映されたのにもかかわらず劇場公開もされたので、その可能性がないわけではなさそう。
 あーでも、ネックはいくつかありそうかな。それは子供が殺されること。米国映画では明らかにタブーだけど、日本でも厳しくなってきてるんじゃないかな。もしかしたらDVD販売まで行くのかもしれないけどね。

英題:Beast Stalker
監督&原案:ダンテ・ラム 製作:アルバート・ヨン アクション指導:トン・ワイ
出演:ニコラス・ツェー ニック・チョン チャン・ジンチュー ミャオ・プウ リウ・カイチー

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独断と偏見による、ゼロ年代の香港映画10本

 5月12日は、このblogの元サイト「funkin' for HONGKONG」の9歳のお誕生日でした。
くしくも、ニコ&セシの2番目のお子ちゃん、Quintusくんが生まれた日!
2002年から始めて、あっという間にここまできてしまいましたよ…。しかも思いっきり、当日更新できなかったし…。
 最近はすっかりblogメインに加え、つぶやいてばっかでこっちもあっちも更新がままならないけど、マイペースで取り組んでいきたい次第。
これに懲りず、今後もお付き合いお願いいたします。m(_ _)m

 あ、さて、ちょうど先週お誕生日を迎え、これでなにもやらんのも淋しいので(カンヌ追っかけも今年はここではやらないからね)、題名のような企画を挙げてみた次第。

 この10年間、香港映画や香港芸能界をとりまく環境はガラッと変わった。香港明星のハリウッド進出に加え、米国でのワイヤーアクションブーム、大陸との合作の増加、王家衛やジョニー・トーの欧州での高評価(しかし日本でもそうかというと、残念ながら一部の映画ファンのみにしか認知されていない)、無間道三部作のハリウッドリメイクとその逆パターン(コネクテッド)、芸能界の数々のスキャンダル、そして、80年代から香港映画を支えてきたレスリーや梅姐がこの世を去ってしまったこと…。90年代に洋画とのシェアが逆転してしまった以降、それが再逆転するかどうかはわからないが、大陸との合作ラッシュを経た今、また香港映画に変化が起こりそうな予感がする。
その変化をよい方向に期待しているのである。

 そこで、ちょうどきりもいいので、2000年代の香港映画を振り返ったついでに、「香港映画を観てみたいけど、どういうのがいいのかわからない」という初心者や「香港映画ってジャッキー・チェンにサモハンでしょ」なんて未だに思い込んでいる人々(こういう人に限って映画観ない人か。まあいいや、ははは)に勝手にオススメしたいゼロ年代香港映画を10本ピックアップしてみた。
 日本未公開&未ソフト化作品も何本か混じっているけど、それには目をつぶってもらって、何かの偶然でここにたどり着いた方には、是非観てもらいたいなーという作品。で、さすがに「ベスト」とはつけませんでした(笑)。そこまで仰々しくは言えないからね。
 「なんでこの作品?」とか「アレが入ってないの?」という意見があるかもしれませんが、ご了承を。何かあったらコメントいただければと思います。では、いってみましょ。

花様年華(2000) 監督/王家衛 出演/トニー・レオン マギー・チャン

 そういえば、ちょうど今頃だったっけ。カンヌの公式サイトを毎朝チェックして、この映画の情報を追っかけていたのは。
閉会式の翌朝のラジオで「CannesのBest ActorはTony Leung!」と聞いて、一瞬わが耳を疑ったけど、ホントにそうだったのはかぎりなく嬉しかった。
そして、映画自体も非常によい出来で、王家衛らしさがいい方向に出ていた作品。いや、悪い方向に出た作品ももちろんあるけど、『欲望の翼』『楽園の瑕』、そして『ブエノスアイレス』のような心をぐっと鷲掴みする作品があるのだから、「スカしてるじゃん」とか「製作に時間かけすぎ」とか揶揄されても、やっぱり追っかけはやめられないんだよね。     

少林サッカー(2001) 監督&出演/チャウ・シンチー

 この映画で満を持して世界デビューを遂げた感がある、90年代の喜劇王こと星仔。その登場は遅すぎたくらいじゃないか?と思ったけど、生涯小学生かよってくらいなお下劣ネタをかましながらもセンスあるウィットとユーモアをかましてくれる。
 これまたやめられないのだが、彼もまた日本では不当な評価をされてしまってないか?おバカな部分とこの映画のテーマである突拍子な一発ギャグしかウケてない感じ。
 そして、さらにセンスないスピンオフ(と呼ぶのも忌まわしい…)『少林ラクロス』には携わらないでほしかったよ…。あと、某ハリウッドのなんとかレボリューションにも。

インファナル・アフェア(2002) 監督/アンドリュー・ラウ&アラン・マック 出演/トニー・レオン アンディ・ラウ アンソニー・ウォン エリック・ツァン 他豪華キャスト

 ゼロ年代香港映画でベストをあげろといわれたら、やっぱりこれかなあ。暴力やガンアクションばかりではない、知的でスリリングで東洋的なハードボイルド。香港映画界で脂の乗り切った実力派俳優たちがベストをつくした演技合戦。この映画が香港内外の映画やドラマに与えた影響は数知れず(日本でいえば、もろにパクッていた某インスパイア・アンフェアから、うまい使い方で思わずにやりとさせられたNHKの某土曜ドラマまで。参考としてこの真ん中へん)。
 しかし、そのリメイクもやはりいい作品になったかと言えば、必ずしもそうでなかったのはいうまでもない…。ああ、スコのバカ。リメイクを作った時に語ってくれた、彼の香港映画観には非常にガッカリさせられたよ。
 あれ以来、彼にはちょっと不信感を抱いている。好きな人、申し訳ない。

忘れえぬ想い(2003)監督/イー・トンシン 出演/セシリア・チャン ラウ・チンワン ルイス・クー

 ゼロ年代の邦画には、「泣ける映画」というのがやたらと流行った。何本か観たのだが、どうも自分が大人になってしまったからか、その映画の出来があんまりにも…だったせいか(好きな監督の作品もあったのに!)、なんでこんなの流行るねん、ぬるい出来だなあ、と思ったものであった。語られる物語も使い古された感じだったし、同じ時期に某冬のなんちゃらにはじまる韓流が大量に押し寄せていたのもなにか関係あるかも。しかし、この韓流が及ぼした影響は…ってグチになるから以下強制終了。
 それにひきかえ、この映画。泣ける邦画や韓流ドラマのようなジャンルに似てはいるけど、実はぜんぜん似ていない。愛する者を失ってしまったら、意地でも立ち直らなきゃいけない。その姿が他人からどんなにイタいと思われても、逝ってしまった者への思いを抱きながら、必死に生きていかなければならない。そのたくましさが香港の街の中で描かれ、街と人の温かさが、生き残った者を癒して救う。これこそ泣かずにいられようか!

ワンナイト・イン・モンコック(2004) 監督/イー・トンシン 出演/ダニエル・ウー セシリア・チャン

 上の『忘れえぬ想い』に通ずるテーマはあれども、闇の世界に身を沈めたものに降りかかる悲劇をこれでもかこれでもかと語っていく、トンシンさんのダーク路線時代の幕開けを告げる作品。不法移民(本作)、麻薬(門徒)、日本への密航(新宿事件)…。香港人だけでなく、大陸の人々にも目を向けて、中国や香港でなくても起こりうることとして描かれるこれらの作品群は、目をそむけたいけど、目が離せない。

頭文字D THE MOVIE(2005) 監督/アンドリュー・ラウ&アラン・マック 出演/ジェイ・チョウ 鈴木 杏 アンソニー・ウォン チャン・シウチョン チャップマン・トー

『セブンソード』とこれで迷ったけど、無間道チームの果敢なチャレンジっぷりと、ジェイ・チョウの堂々たるスクリーンデビューを評価したい作品。熱狂的なファンが多い原作らしく、ファンから観れば「なにこれ?」っていわれそうなところは多少あるんだろうけど、日本ならアニメで済ましてしまうことを、ちゃーんと実写で、しかも日本ロケでやったのはえらい。ジェイの起用もいい感じであったし、よくよく観れば捨てがたい味がある。
 でも、この映画以降の日港コラボって、あまり思い浮かばないんだけど…。いくら某エイベが躍起になっているとはいえ。 

イザベラ(2006) 監督/パン・ホーチョン 出演/チャップマン・トー イザベラ・リョン

 やっと日本でソフト化された、日本の香港電影迷のアイドル(笑)パン・ホーチョンの代表作。
“第二の王家衛”なーんてスカした紹介のされ方をしているけど、王家衛というより香港のクドカンといった方が馴染めると思うよ、やっぱり。ふざけた題材をおかしな視点で撮ったり、セックスネタやう○こ○んこネタも過度に盛り込んでいるのに、決してお下品にはならない。なんか男子中学生がそのままおっきくなって映画監督になった感じだ。そんな感じがクドカン作品に相通じると勝手に思っている。
 だけど、この作品は下品でもなければひねってもいない。“もしかしたら親子かもしれない”男女の出会いと愛の交流、そして別れ。性と生と愛と死が返還直前のマカオに鮮烈に描き出され、切ないファドの歌声がそのムードを盛りたてる。ここまでロマンティックな作品が彼に作れるとは思わなかっただけあって、大好きな1作になった。
 ま、これはあくまでもホーチョンの引き出しのひとつ。ひねくれた視点の恋愛ものも、ホラー(しかもスプラッタ!)で家族を語ることもできるトリッキーな彼が、もうちょっと国際的に注目されれば嬉しい気がする。

エグザイル/絆(2007) 監督/ジョニー・トー 出演/アンソニー・ウォン ン・ジャンユー ロイ・チョン ラム・シュー ニック・チョン サイモン・ヤム

 ゼロ年代香港映画は、トーさんの時代でもあった。
さまざまなジャンルの映画を大量生産しながら、自らがこだわるスタイルを時間をかけて作り上げる。映画作家としては理想的よね。そんな趣味が見事に炸裂していたのが、この1作。
 本来なら日本で2001年に公開された『やりび』を挙げるべきなんだろうけど、製作年代が微妙にずれるし、趣味をおしまくった挙句にストーリーを置いてきぼりにしてああなった(笑)ってのが微笑ましかったので、こっちをチョイス。

生きていく日々(2008) 監督/アン・ホイ 出演/パウ・ヘイチン ジュノ・リョン

 生活格差や経済不況で打ちひしがれる現代日本。しかし、香港のそれは予想以上に深刻である。天高く伸びる高層マンション地である天水圍は、貧困や暴力の問題が顕在化している、21世紀の“悲情城市”。しかし、そんな社会問題を抱えながらも、シングルマザーは隣人のおばあさんを気にかけながらせっせと働き、彼女が育てた息子は、その日々を一見無気力に生きながらもすくすくと育ち、ちゃんと明日を見据えている。悲しみを感じながらも、未来には絶望せず、ささやかな日々を穏やかに暮らしていく。こんな視点で社会問題を浮き彫りにし、なおかつ声高にテーマを叫ばない作りは、実は意外と過激なんじゃないかなと思う。そんなことを感じたので、これはアン・ホイ監督作の中でも一番好きな作品になった。「格差が…」とか「下流化…」なんて言ってるのがなんだかバカらしくなるよ、これを観ると。

《葉問》(2008) 監督/ウィルソン・イップ 出演/ドニー・イェン リン・ホン サイモン・ヤム ラム・カートン

 香港映画といえばやはりカンフー。しかし、ただ戦って敵を倒すだけじゃ能がないし、レジェンド級の李小龍とは違う路線をいかなきゃ飽きられる。それに大陸の力を借りることもできれば、もっとバリエーションも広がるでしょう?というわけで、フォーフォー(SPIRIT)が生まれ、王家衛が《一代宗師》を企画し、それと同じテーマのこの映画が生まれた。…と、考えるべきか?
 でも、ウィルソンさん&ド兄さんの名コンビで先にこの作品が登場したのは、ある意味《一代宗師》にとってはラッキーだったんじゃないかと思う。それはやはり、ドニーさんのアクションの確かさはもちろんだけど、歴史アクションとしてやるべきことをやってくれたから、それと違うものを目指す(はず)の《一代宗師》から、アクションという重い枷が外れたんじゃないか、なんて思ったから。だって王家衛だもん。単純明快な勧善懲悪劇では終わらないよ。
 ともかく、この《葉問》は、歴史アクションとしての役割をしっかりやってくれたということで、ゼロ年代香港映画の1本に入れることにした。

 こうやって10本を選び出してみると、どうしても男性的な作品が多くなってしまう。傾向としてこれはしょうがないのかな、と思うしかないのか。
ただ、いま世界で一番男たちをカッコよく描いてくれるのは、やっぱり香港映画だと思うのは確か。それが先頭に立ってくれることで、実はジャンルとして多彩だということにもっと多くの人に気づいてほしい。まあ、確かにここ数年の映画には恋愛ものやコメディが不足している感があるけど、その手のジャンルも決してなくならないわけじゃないし(なんといってもローカル受けで一番稼いでいるのがコメディだからね)、ようやく地元に根ざしつつ良質で面白い作品を再び作り上げ始めた香港映画の、これからの10年を大いに期待したいのであった。

 さて、次に書くネタは何にしようかな…。カンヌで書くネタはないし、《復仇》の地元上映がめでたく決まっても、こっちにいつ来るかわからないし、チーリンの月9は主役のステキなあの方のおかげで、見る意(以下強制終了)。

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スナイパー:(2008/香港)

 最近、非常にいいペースで作品を発表しているダンテ・ラム監督。
公開順序は前後するものの、ニコとニックさんのダブル主演で執念を持って追う者とハンデを背負いながら追われる者の攻防を描いた《証人》(しまった!まだ感想が書けてない!いずれアップします)や、先月香港で公開されたリッチー&りよん主演の《火龍》、そして《証人》の主演コンビが再び激突する続編が公開待機と、ここ数年の彼の作品はハードアクションものが多い。もちろん、やろうと思えば『ツインズ・エフェクト』『ティラミス』や『スイート・ムーンライト』のようなアイドル映画もできる人なんだろうけど、お師匠であるゴードン・チャンさんと一緒に組んだ『ビースト・コップス 野獣刑事』を面白く観た自分からすれば、こういう路線がお好きなのはわかるのであった。もちろん、今の香港映画の流れが、男性的なハードアクションを主流にしているからっていう事情もあるのだろうけどね。

 この『スナイパー』は、そんなダンテさんのハードアクション路線の幕開けを告げるのにふさわしい作品…に、本来はなるはずだったのに、2年前のえぢのあの事件のおかげで香港公開が1年間延期となった曰くつきの作品。あの事件についてはもう考えたくもないんだけど、倫理的にはコンサバな香港芸能界だから、その処分も仕方ないのかと思った次第。
 しかし、また後で改めて描こうと思うけど、この映画、売りは決してそれだけじゃないんじゃないの?…というわけで、話を始めよう。

 新界で逃亡犯を見事に仕留めた警官のOJ(えぢ)は、SDUの隊長フォン(リッチー)に射撃の腕を認められ、入隊が決まる。
狙撃手として頭角を現していく彼は、フォンですら成し得なかった距離500mの狙撃を成し遂げた伝説の男・凌靖(黄曉明)の存在を知る。凌靖はフォンをもしのぐ狙撃能力を持っていたが、4年前にタオ(高捷)という男が起こした銀行強盗事件で、命令を無視して誤射し、人質を死なせてしまったことで服役していたのである。
 服役を終えた凌靖は、自分をはめたのはライバルだったフォンだと思い込んで、彼と警察に復讐を誓う。まずはタオを載せた護送車を狙撃し、彼らを街に放つ。緊急事態の中、凌靖を超えたいと願うOJは何度もフォンに請願するが、それも認めてもらえず…。

 香港映画のハードアクションといえば、いうまでもなくガンアクション。いわずと知れた“バイオレンスの詩人”様を排出した土地ですからねー。
しかし、最近のハードアクションはトーさん作品に観られるように、撃ちあいはすっきり短め、もしくは撃ちあいなし(!)という流れ。
そんな状況に慣れきっていたせいか、この映画で久々に激しいガンアクションが展開されてもうものすごかった。90分以下の上映時間中、7割くらいが撃ちあいで、観客のテンション高めに持っていかれたような気がする。しかも撃ちあっているのは、長距離狙撃用のでっかい特殊ロングライフル(?)だもんねえ。だからラストはずんずん来たよ。
 そんなんだからねー、全編これもうすっかり硝煙漂うハードボイルドな男の世界です。高村薫さんの小説『わが手に拳銃を(&李歐も…か?)』の主人公のガンマニアっぷりを想像しちゃうくらいっす。おかげで訓練シーンはやたらと力入りまくっていたしねえ。SDUの隊員たちは二の腕さらして啓徳機場跡地で延々と射撃しまくってたし。…んー、それでも「きゃー(はぁと)」って感じにはなれなかった。香港映画にはホモソーシャルな空気を持つものが少なくないけど、そういう空気を一片も感じることができなかったしね。いや、それがないからダメってわけじゃないし、それが発揮されるのは監督の腕とキャストのノリノリな演技次第だって思っているからね。

 『大事件』の悪役以来、すっかりアクションものが定着してしまった感のあるリッチー。登場シーンを観た朋友が「…リッチー、すっかりおじさんになっちゃったねー」とガッカリしていたけど、そこを除けばまあまあカッコいいかな。でも、ここのところずっとアクションかサスペンスものが続いているので、たまにはジングル・マー監督と一緒にやっていた頃のベタなラブコメ(これも香港では少なくなっている感がある)みたいな役どころが観たいんだけどなあ。
 映画では『女帝』に続いて二度めのシャオミン。2年前の某すまステで「次世代アジアンスタートップ10」に大陸から唯一ランクインしていた彼、日本でのブレイクは『新・上海グランド』だったとのことだけど、…うちのほうじゃまだ韓流が強すぎるので観たことも聞いたこともないよー。うん、確かに美形。しかも悪役が似合う系の美形。でも、なんとなく物足りない。最近は香港映画に大陸俳優が出演する時、だいたいの男優が脇役、しかも悪役ばっかりだからなのか、みんな美形を引っぱってくるんだよねえ。なんてったってリウ・イエという先達もいるし。美形で悪役も好きではあるんだけど、 なんとなく面白味にかける。同じ美形悪役でも、彦祖が演じるとものすごく魅力的なのに、なんでなんだろうか…。ってそりゃ単なる香港びいきだからなんだけど。
 そんなヒイキの香港人のはずであるえぢ。…なんか、ステロタイプでこれまた物足りない。イニD同じ月の頃はけっこう好感触だったのだけど、なんかまた立ち位置が初期の頃に戻っていないかい?って感じ。成長するどころかたい(中略)って感じなんだけど。まあ、確かに削ろうと思えば削れたキャラなんだろうけど、ラストに大きく関わる人物だったら、カットできないのはやむをえないな。でも、いつものえぢが最後の姿(でもなさそうだけどね)ってのはホントに物足りないのである。

 そんなわけで、全体的に物足りなさを感じちゃったんだけど、この気持ちを払拭するなら、やっぱり《証人》を見直して新たに感想を書かなきゃ気がすまないかな?

原題:神槍手
製作&監督:ダンテ・ラム 脚本:ジャック・ン 撮影:チャン・マンホー アクション指導&出演:トン・ワイ 音楽:ヘンリー・ライ
出演:リッチー・レン ホアン・シャオミン エディソン・チャン ミッシェル・イエ ボウイ・ラム リウ・カイチー カオ・ジエ(ジャック・カオ)

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海角七号 君思う、国境の南(2007/台湾)

 初めての海外留学は台湾だったが、その暮らしももうずいぶん遠くなってしまった。なんと今年で…、ああ、言いたくない(苦笑)。
 そこではいろいろな失敗もあったし、楽しいこともあった。当時出会ったルームメイトや台湾人の友達とも、ほとんど縁が切れてしまったので、今思えばもったいないことをしたと悔やんでならないが、台湾での生活がなければ、今のワタシはなかったと断言できる。

 ワタシが台湾に惹かれるのは、おいしい食べ物や良質のエンタメ、そして旅心を呼び起こさせる土地の気質ももちろんなのだが、実はこの島が抱える歴史的事実もそのひとつである。それを教えてくれたのが『悲情城市』であり、台湾で生まれ育った我が師匠であった。
 昨年NHKで放映された某大型企画番組では、そのあり方がかなりネガティブに描かれたために、多くの非難が寄せられていたのだが、日本が台湾を統治していたのは事実だし、その過程で霧社事件のようなことも起こったが(これについては長くなるので、いつか機会を改めて書きたい)、ワタシが台湾で出会った台湾人は、日本統治のことがあっても、ほとんどが友好的だった。(…とはいっても留学中に釣魚台事件が起こり、いっせいに反日運動が起こったこともあったけど、それは別の話)
 そんなわけで、日本統治時代を隠し味に、音楽で彩りを添えて、台湾で大ヒットを飛ばした『海角七号』を、かなり楽しみにしながら観に行った。

 台湾最南端の町・恒春。ここは台湾人と原住民族が混在して生活しているのんびりした海沿いの町。しかし、ビーチの前には町の外から来た大手企業が作ったリゾートホテルがそびえ立ち、若者は職と希望を求めて台北に行ってしまうという、台湾的ファスト風土な問題も抱えている。
 阿嘉(ファン・イーチェン)もかつてはそんな若者の一人だった。10代半ばでここを飛び出し、ミュージシャンとしての成功を夢見てずっと音楽に没頭していたが、10年以上経っても芽が出ず、ついには帰郷を決意する。
 やさぐれて無為に日々を過ごす阿嘉に、亡き父の友人で町の実力者でもある洪議長(馬如龍)が郵便配達の仕事を持ってくる。街の長老の茂じいさん(林宗仁)が事故を起こしたため、その職が空いたのだ。じいさんから仕事を引き継いだ阿嘉は、郵便物の中にあて先不明の小包を見つける。住所は「海角七号」、宛名は「小島友子」。同封された7通の手紙は日本語で書かれていたが、阿嘉にはそれを読むことができない。
 この町の行く末を心配する洪議長は、ホテルのマネージャーにある提案を持ちかける。今度、ホテルが主催するロックフェスティバル―メインゲストは日本人歌手の中孝介(本人)だ―に、地元のバンドを前座として出演させてほしい。それならば町興しにも有効であるし、条件を飲まなければ開催を阻止するとまで言って脅しをかける。なんとかホテル側の説得には成功したもの、気がついたらこの町にはバンドがなかった。
 そこで、バンドのオーディションが行われる。審査員は洪議長と、このロックフェスの宣伝と通訳を担当する台北在住日本人の友子(田中千絵)。台北の大学を卒業した彼女は、モデルをしていたが思うように芽が出ず、今では芸能プロダクションで雑用係のように働いている。もともとはフェスのポスター撮影のためにこの街にやってきたのだが、日本の事務所側の要請で急遽、彼女は恒春に残ることになる。自分の仕事に不満ばかりを感じている彼女は、すっかりふてくされてしまっている。
 洪議長の勧めで、阿嘉もオーディションにやってきたが、元プロのプライドが高い彼は、さっさとギターを弾いてさっさと立ち去る。しかし、唯一のプロ経験者ということもあって、バンドに選出される。他のメンバーと言えば、ドラム担当は修理工のカエル(イン・ウェイミン)、キーボードは教会でピアノを弾いている生意気な小学生の大大(マイズ)、サイドギターは阿嘉とは犬猿の仲である元台北の特殊部隊員、現在は町の警官ローマー(民雄)、そしてベースはパイワン族の警察官でローマーの父オウラーラン(ダンナイフージョンルー)と、キャリアも個性もバラバラな面々。練習の度にぶつかり合い、阿嘉はもちろん、バンドの面倒を見ることまで押しつけられた友子もイライラが募る。バンドの練習もトラブル続きでままならず、ローマーの父の怪我によりベースも交替。2代目のベースはなんと自称(!)人間国宝の月琴奏者こと、あの茂じいさん。阿嘉の曲作りもままならず、友子の怒りも頂点に達する。
 台北に帰ろうとした友子を引き止めたのは茂じいさんだった。町中の人々が参加する結婚披露宴に参加した彼女は、カエルやローマーの意外な素顔を垣間見る。しかし、彼女の中には孤独感しかなかった。酔いも手伝って阿嘉の家を襲撃した彼女はさんざんわめいて毒づきまくり、挙句の果てには玄関の前でつぶれてしまう。それに気づいた阿嘉は友子を部屋に招き入れる。阿嘉は、怒りんぼで可愛げのない彼女もまた、自分と同じ大きな挫折を味わったものであると初めて気づき、衝動的に彼女を抱いた。
 その朝、友子はあの「海角七号」の手紙を見つける。そして、阿嘉にこの手紙に書かれていることを告げる。手紙の送り主は、60年以上前に恒春に赴任していた日本人教師(中孝介/蔭山征彦・声)。日本の敗戦とともに、船で北国に帰国した彼が、愛していた教え子の台湾人少女「小島友子」に宛てて書かれたものの、結局は出されることがなかった手紙だったのだ。友子は阿嘉に、手紙を宛名の主に届けるように言う。この一夜の出来事がきっかけで、二人は愛し合うようになる。
 そして、この手紙にインスパイアされた彼は、一気に新曲を書き上げる。曲の名は「国境之南」。ベースをマスターできない茂じいさんの代打として、客家人の陽気なセールスマン、通称マラサン(馬念先)が加わったバンドも一気に団結力を深め、いよいよロックフェスの本番が近づいてくる。しかし、手紙の本当のあて先はいまだつきとめられることができず…。

 ご存知の通り、この映画は日本統治下の台湾に思いを寄せて描かれている部分があるので、大陸で上映禁止になったと言われている。でも、その背景に関しては、思ったよりは意外と気にならなかった。特に感傷的にもならず、かといって重要なテーマにはなっていない。予想したとおり、あくまでも隠し味だった。こういうのは、戦前の満州や朝鮮半島が舞台でも成り立たないわけがないし、過去の出来事として客観的に見れば、決して珍しい視点ではない。大陸は神経質になりすぎだなあ。
 地方と都市、若者と老人、ロックと伝統音楽、男子と女子、不仲と恋愛、そして台湾と日本。この映画にはいろいろな二項対立と、その果ての融和がある。しかし、これらのどれに一番スポットが当てられているというわけでもなく、全てが平等にバランスよく描かれている。
 主役はもちろん阿嘉と友子の若者世代だが、彼らよりちょっと年上のマラサンやカエルやローマーや大大の母親明珠(シノ・リン)の事情や、うんと年上の茂じいさんや洪議長や阿嘉の母親の物語もおざなりにならず、しっかりと描かれている。台湾人特有の人懐っこさはもちろん欠かせないし、かと思えば主役二人も決して善男善女ではなく、プライドの高さや人に対する冷淡さもきちんと描かれているので、キャラクター造形もよくできている。物語もベタではあるけど、本業が歌手であるヴァン(イーチェン)に合わせた設定としては効果的である。もちろん、彼らが結束すればするほど、高揚感は増してくるし、それを引き立てる立場に回った中くんの曲も印象的に使われている。これならこの映画が台湾で大ヒットしたのは、本当によくわかる。誰もが親しみやすく、のめりこむことができるからだ。こういう映画なら、ワタシだって自信を持って、いろんな人にオススメしたいのは言うまでもない。

 しかし、誰かがワタシにこれを好きか?と問われたら、「うーん、そうでもない」と言ってしまったりする。
 いやあ、この映画が好きな人にはホントに申し訳ない。これから先は読まないほうが身のためかも。意見には個人差がありますので。
  
 確かに、いい話である。よくできている。下手したら大泣きしそうなくらい、いい映画である。それゆえに、個人的にはなんだか受け入れ難いところが目立ってしょうがないのである。

 実は、主役二人のキャラクター造形がかなーり苦手。
 阿嘉の若者らしい俺様チックなやさぐれぶりはなんとか許容できるけど、やっぱり友子のキャラが好きになれない。
 同性としてみて、性格がよろしくないし、自分の挫折をいつまでも引きずっていて、そこでの失敗を全て周りに転嫁する。いくらなかなか自分の思う通りに行かないからって、それに対する台湾人たちの心の広さがあるとはいえども、あそこまでへそを曲げてしまうのはみっともない。コミュニケーションも充分に取れていない(北京語が下手だというのも理由だが。いや、ホントにヘタクソだった。あの下手さは演技だよね?)のを棚に上げて、なんで「みんな自分をいじめる」と考えるのか?…まあ、このくだり、若い頃に台湾で過ごした自分も、多少は同じようなことを感じたので、わからないわけはないんだけど。
 結局、犬猿の仲だった阿嘉とあっさりセックスしちゃって、彼と恋に落ちるあたりから変わってきたとはいえども、なんだかねえ…。で、一番許せなかったのは、バンドの本番で阿嘉にああいうことさせるのか!(ネタバレになるので書かないけど)ということだった。なんかこの唐突な展開、どっかでデジャヴュが…と思ったら、このコイバナの流れがなんとなく日本の恋愛ドラマくさいんだよね。そう考えると、阿嘉と友子の恋愛がかなり唐突だったことが腑に落ちた。魏監督、日本のトレンディドラマで恋愛描写を覚えたでしょ(笑)?トレンディドラマが苦手なので、なおさらそれが受け入れ難かったんだと思ったよ。恋愛体質じゃないのって、本当に辛いよね。
 田中千絵ちゃんという女優さん自身も、個人的には好みの顔じゃなく、美人でもかわいいでもない。うんと努力して北京語を学び、台湾で活躍している日本人俳優たちの一人であることは嬉しいけど、こういうイヤミな役をイヤミに演じられるってことは、逆にうまいってこと…と言えるのかな?まあ、好みじゃないってことは確かです。ファンの人&ご本人さん、本当にごめんなさい。

 ま、最後に繰り返すけど、そんな個人的な受け入れ難さを除けば、これは決して決して悪い映画ではない。むしろ、かなりいい映画である。
だから、自信を持ってオススメしたいし、台湾の青春映画の底力を見せ付けられた一作ではあることは確かだ。
そんな結論で、どうか許してつかーさい(苦笑)。

英題:Cape No.7
監督&脚本:ウェイ・ダーション 撮影:チン・ディンチャン 音響:トゥ・ドゥチー 音楽:リュ・ションフェイ&ルオ・ジーイー
出演:ファン・イーチェン 田中千絵 マー・ニエンシエン ミンション イン・ウェイミン マイズ リン・ツォンレン シノ・リン 中 孝介 蔭山征彦(声の出演)

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2時間しか会っていない人から、スキとかキライとか言われたいか?

2時間しか会っていない人から、スキとかキライとか言われたいか?
2時間しか会っていない人から、スキとかキライとか言われたいか?
ボケボケな写真ですみません。一発勝負で撮ったので。
ちなみにこのタイトルは、このポスターにあったコピー。

さて、連休後半の本日昼、シネマライズに『ブエノスアイレス』を観に行ってまいりました。お客の入りは6割程度。若い人もいれば、上映当時観ていたと思しき人も。誰か知っている人に会うかなあと思ったけど、さすがにいなかったか。

フィルムはもっと傷ついているのかと思ったけど、そうでもなかった。プレノンアッシュが新しくプリントを用意したのだろうか。発色がかなりきれいになっていたような気がした。

いやー、トニーが若いなあ。刈りこんだ髪型のせいもあるけど、こんなに少年っぽかったっけか。
そして、レスリーはやっぱり艶っぽい。いくら冷たい仕打ちをされても、じっと見つめられて「やり直そうよ」と言われれば、参ってしまうではないか。見事なまでのオム・ファタールぶり。もちろん、張震だって初々しい。今はわりとワイルドな感じになっているけど、この頃はまだ『カップルズ』の面影があるもんね。

今回の新発見はエンドクレジット。
美術助理(助手?)に、『イザベラ』等で衣裳や美術を手がけた文念中(マン・リムチョン)の名を、そして映像処理関係(多分)に香港初のデジタルスタジオ、セントロ・デジタル・ピクチャーズの名前を見つけたのだった。文さんがウィリアムさんとかかわりがあったというのも結構意外に感じたんだけど、まさかセントロも係わっていたとは…。でも、特撮はないよね?(笑)あ、もしかしたら、映像の色処理を担当したのかな?なんて思い当たったのであった。ファイの部屋の黄色が強めに出た色味、えらく気になっていたもんだからね。

そんな感じで、観なおすたびに新たな発見が生まれるこの映画、やっぱり好きだなあと思ったのであった。
21日まで上映しているので(今週はレイトショー上映もあり)、まだ劇場で観ていない方、もう一度劇場で観たい方は是非。
リピーター割引もあるそうですよ♪

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黄金周香港電影二連発

 ども。香港旅行記を完全に終わらせるどころか、先月観た『海角七号』の感想を書かぬまま、黄金周に突入して帰省しちゃったもとはしです。皆様、いかがお過ごしですか。

 最近、いろんなものに気をとられているのだけど、この黄金周は東京で香港映画を観られるので、せっせと観ようと思った次第。
 そんなわけで今日は、渋谷のシネマ・アンジェリカ(旧シブヤ・シネマ・ソサエティ)に『スナイパー:』を観に行った次第。感想は…うーん、言いたいことがいっぱいあるから、あとででいい(笑)?

 そして明日は、かなり久々にシネマライズへ行く。
 ご存知の方も多いと思うけど、これまで地下と2階、そしてライズXの3スクリーン体制で運営されていたライズが、この夏に2階のみの1スクリーンに戻ってしまう(つまり地下とライズXが閉館)そうで、閉館してしまう地下のスクリーンでは現在、これまで上映されたライズの歴史に残る作品を再上映しているのである。
 ここで上映された香港映画といえば、そう、『ブエノスアイレス』。
 王家衛作品はこれと『天使の涙』が上映されているけど、オサレさだけで押し通した感があるあれじゃなくて(好きな人ごめんなさい)、王家衛的テーマが前面に押し出されているブエノスを選んでくれたのがホントに嬉しい。
 そして、ワタシ自身も12年前、6ヶ月のロングラン上映中、帰省や映画祭での上京時を利用して、ここに3回通って観たのである。それもあって、やっぱりブエノスはあの映画館で観なきゃ、という気持ちがかなり強くなっている。そんなわけで、思い出に浸りながら観ることになりそうだ。

 もちろん、王家衛をよく知らない若い映画ファンや、レッドクリフで初めてトニーを知った人やウーロン茶のCMで張震を知った人、そして、2003年より後にレスリーを知った人にも観てもらいたいと思う。

 久々に大きなスクリーンで観た感想は、また改めて。

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