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『香港路線バスの旅』小柳 淳

 香港に通い始めた頃は、もうとにかく街歩きが楽しくて、チムや港島方面を何度も往復して、観光地を出ることなくひたすら歩き倒していた。
 ここ5、6年、つまりやっとのことで渡港回数が10回を越えたあたりから、繁華街以外の香港の楽しみを覚え、相変わらずそこまで歩いていったものだが、気がつけば1日の歩数は3万歩を超え、なおかつ年齢からくる体力の衰えにより、へたばってしまうことが目立ってきた。せっかく交通費が日本より安いんだから、きちんと使いこなして楽しめばいいのにとつっこまれそうだけど、実はちゃんとバスに乗れるようになったのがここ2、3年のことである。
 さらに最近、香港を舞台にした小説を同人で書き始めたのだが、そうなると街の見方を必然的に観光客から居住者のそれにせざるを得なくなる。庶民目線で書くのなら、庶民の交通手段を把握しなくては、と、「香港街道地方指南」を傍らに置くようになり、昨年夏の取材旅行でもバス(時々地下鉄)に乗ってあちこち回っていた。それにも限界がある。どーしよう?
 そんなときに見つけたのが、昨年秋に発行されて香港好きの間で話題になっていた、この本だった。

 筆者には『香港路面電車の旅』の著書もある。一般的に言えば、いわゆる“乗りテツ”ですね(笑)。すみません。
 日本に比べて鉄道数は少ないものの、それをカバーする形で発達し、香港全市に交通網を張ったのがバス。狭い街ゆえ、よく渋滞に巻き込まれるけど、一度乗ると香港の街の様子がよくわかる。
 この本では、香港好きにはお馴染、城巴、新巴、九巴といった香港三大二階建てバスから、あまりに多すぎてどこに何が停まるのかわからない小巴(ミニバス)、あとは境界行きやネズミーランド行きのようなイレギュラーなバスまで、全部で30本のオススメ路線を紹介している。
 例えば、ネイザンロードを走る6Aはお馴染だが、いつも旺角周辺で降りてしまうので、終点まで行ったことがない。だけど、バスはライチーコックのほうまで走っていく。始発のチムから終点まで、実に丁寧に紹介されているので、今度行ったら終点まで乗りたいなあ…と思わせられる。
 チムや中環のターミナルに行き、見知らぬ地域の名が表示されているバスを見るたび、これはどういうところに行くのかなあ、と思うのだが、ワタシと同じような気持ちになった人は必ずこれを読んでいるんだろうな。
 最初のうちは、ここで紹介されている路線をそのまま走破してもいいけど、そのうち他の路線も乗ってみたくなることは確か。そんなふうにバスに乗って、自分なりの香港を発見できそうな気分だ。
 
 あと、個人的なことで申しわけないけど、次回の香港行きは家族と一緒に行く予定である。そのときにただありきたりの観光地を回るだけじゃ面白くないので、ここに出てきたバスに乗ってみたいと考えている。安上がりに観光できるしねー(笑)

 久々に香港への愛がわきたってきた1冊。こういう本ってありがたいわ。

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