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意外にも?イケメン監督・ソイさんのティーチイン採録。

 もうすでにあちこちに出ているけど、やっぱり自分のためにまとめないと気がすまないので(笑)、『意外』in FILMeXでのソイ・チェン監督ティーチインを。
 ちなみに公式のQ&Aはこちら。いや、絶対間違いがあるに違いないので(苦笑)。

 まずはソイさん、最初に一言。

 フィルメックスに作品を持ってくるのは初めてだが、実は第1回の『ジュリエット・イン・ラブ』の時、ウィルソン・イップ監督と一緒に来たことがある。
 この作品を各映画祭に出品した時によく言われたのは、「ストーリーについていけない」ということだった。

 …実はワタクシも観たばかりの頃はそうでした。でも、後でじっくり思い返したり、いろんな人の意見を聞いて、改めて理解したんざんす。(って、それって単に自分がバカってことじゃないか。すいません)

Q:林雪の事故の場面はどう撮ったのか?
鄭:この場面は2週間かけて撮ったが、雨は人工的に降らせたものである。ただ、雨季でもあったので、実景で撮ったようなもの。それでも雨の中の撮影は危険なので、大変だった。

Q:こういう作品の主演にしては、古天楽は美形過ぎないか?
鄭:主人公の大脳はとても用心深いキャラだ。古天楽はパパラッチが横行する香港芸能界にあって、J分のプライベートを滅多に言わないタイプの俳優であり、そういうキャラが大脳にピッタリと思って起用した。

 あはははは。古天楽ってそうなんだ。まぁ、彼はかつて黒社会とつながりがあるのでは?なんて噂されたこともあったけど、そんなことを噂されるくらい用心深いのか、それともホントに…なのかな。ってのは冗談。

Q:クライマックスの○○(ここでも伏せます)にはどんな意味があるのか?
鄭:あの場面は実際にありえない。でもアレをすることで「やっぱりオマエが間違っているんだ」ということを暗示させ、ありえないことを見せて間違いを示した。でも主人公は「本当は自分が間違っている」と思っても、自分の任務を遂行してしまうので、その頑固さも象徴した。

 …こんな感じで言ってたかな。あの場面については、先に書いたこととかぶるのでパス。

Q:なぜリッチーを相手役に選んだのか?
鄭:彼もキャラクターで起用した。リッチーは優しくて愛妻家ってイメージが強いから、愛妻家のサラリーマンというイメージを強調したかった。

 …でも、時々不気味でしたよ?それでも。あれは演出?

Q:この作品は、ジョニー・トーの製作だが、作品作りから彼のアドバイスは受けたか?
鄭:トー監督からは全面的なサポートを受けられたのでありがたかったし、仕事もやりやすかった。監督とは映画の基本とは何かということで話し合い、黒澤明などの古い作品も紹介してもらえた。

 おお、勉強家ですねソイさん。アキラ黒澤作品、どんどん観ましょう!
 そういえば話がずれるけど、フィルメックスレポートが掲載されている河北新報のサイト去年のレポートを読んでいたところ、林ディレクターが「今の日本の映画監督志望者は候孝賢も知らないらしい」と言われていたのに大いに驚いた。映画を目指す人が、肝心の映画を観ていないという矛盾があるのねー。今の日本の若手監督がどういう状況で作っているかは千差万別なんだろうけど、ソイさんにおけるトーさんのように、ベテラン監督さんがいろんな映画を紹介してあげて、彼らを導いてあげられる余裕があれば、日本映画の質がより充実するんだろうなって思うんだけど、まーそれはみんなやっていることか。 

Q:今後はどんな作品を作りたいか?
鄭:コメディは苦手だけど、是非やってみたい。あとはアクションや黒社会ものなども。

Q:監督はハンサムだけど、俳優の経験はありますか?
鄭:助監督を勤めたときに、俳優のキャスティングでいろんな俳優を監督の前に連れていってはOKがもらえなかったことがあり、それじゃ自分が出るかと思って出演したことがある。

 …そしたら、結構出てるってこと?今度旧作を観て探してみるか。

Q:この映画の撮影の状況は?
鄭:街中の撮影は周辺の店との兼ね合いがあって大変。みんな最初は面白がって見ているが、そのうちウザがられる。でも最後の方になるとお弁当を作ってもらえたりするので、気持ちが通じ合うのかもしれない。プロデューサーからは街を封鎖した撮影を提案されることもあるが、それよりも、実際の街の流れの中で撮影したほうが、自然にできていいのじゃないか。

 街中の撮影は、中規模香港映画のお得意とするところ。香港の地区でどれだけフィルムコミッションがあるのかは知らないけど(ない…ってことはないよね?)ロケを面白がって見られる環境っていいよな、と思ったのは、つい最近地元の映画祭シンポジウムで、FCと地方ロケのあり方について話を聞いたからだったりする。

Q:前作『軍鶏』は他人の脚本(今回も)だが、今後は自分で書きたいと思うか?
鄭:アイディアを出したりすることはあるが、今まで自分で脚本を書いたことがない。今後は書いてみたいと思う。この映画は構想3年、製作に17ヶ月くらいかかった。脚本の流れを考えながら撮っていったので、撮影には非常に時間がかかった。特に、古天楽演じる主人公の心の動きに沿って撮っていったのでそうなってしまった。

Q:主人公がパラノイア的になっていったのは、奥さんの事故死だったと思うのだが、あれは事故なのか?それとも殺人だったのか?
鄭:それについては答えは出さないようにしている。ある時程の現象をどう受け止めるかということは日常生活の中にもあるのだが、その真相は誰にもわからない。この映画で言いたかったことは、ものごとに対する受け止め方は、それを受け取った人の考えのみが真実である、ということなのだ。

 と、ラストはうまく作品のテーマに結びつけて、きれいに終わったティーチイン。

 助監督としてのキャリアは長いけど、監督としてはこれからなのかな?という感じのソイさん。今後の作品もまたサスペンス系なのか、それとも以前の作品のようなバイオレンス系なのか、動向は気になるけど、やっぱり追っかけていきたいもんざんす。

 好多謝在FILMex来講話、我非常感謝、鄭保瑞導演!

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