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中秋節に聴きたい、『kitchen(我愛厨房)』オリジナルサウンドトラック

 連休後半は、NHKのスペシャルドラマ『白洲次郎』にハマっていた。
ここでその感想を書くわけにはいかないので、日記blogにアップしたけど、このドラマでエモーショナルな音楽を手掛けていたのが、大友良英さん
 大友さんといえば、香港返還前後にいろんな香港映画の音楽を担当していたことは、ちょっと古い香港電影迷なら有名な事実なんだけど、その中でも一番好きなのが、この『kitchen』の音楽。
 件のドラマを観ていて、「ああ、このフレーズって『キッチン』で聴いたことあったな」と思われた音楽があって、久々に聴きたくなってこのサントラを引っ張り出してきた。

Kichen033

 90年代前半から、大友さんは香港や大陸の映画で音楽を手掛けていた。田壮壮の『青い凧』(93)を皮切りに、シュウ・ケイさんの『虎度門』、アン・ホイ姐さん2作品、そしてイム・ホー監督の3作品を手がけた後、香港映画の音楽から手を引き、邦画やドラマのサントラも多く手がけるようになったのこと。そのへんの心境は大友さんが『メイド・イン・ホンコン』のパンフに寄せた文章(これです)から窺い知ることができるけど、文中にあるご友人ってどなたなんだろう?
 ともあれ、彼が音楽家として香港映画にかかわった業績は決して小さくはないし、今でこそ梅林茂さんや川井憲次さんなど、日本の音楽家がフツーに香港映画に参加していることがおかしくないのは、彼が先駆けとして存在したからこそだと思う。
 ただ、大友さんは実際に香港に滞在していた期間が長いようなので、もし彼がこのまま香港にとどまっていたら、香港映画の音楽シーンはまた違うものになったのかもしれないのかな。
 
 それはさておき、このサントラについて。
 音楽担当として大友さんと連名でクレジットされているのは内橋和久さん。最近はUAやくるりの楽曲プロデュースをされているのね。大友さんが手がけた中華電影作品にはミュージシャンとして参加されていた方です。
 作品のメインテーマとなる「Aggie」は、エレクトリックサウンドを効かせたアンビエントな曲調。靖子ちゃん演じた主人公アギーみたいな透明感がある。印象的なフレーズはいろんなアレンジで使われ、アギーだけじゃなく小春演じたルイのテーマにも使われる。この曲に歌詞をつけ、キャス・パンのヴォーカルを務めた「珍惜 Cherish(香港題:我愛厨房)」は、金像奨の主題歌賞にもノミネートされていたっけ。
 キャラクター別のテーマ曲も作られていて、羅家英さん熱演のエマ姐さんのテーマ「My Mum」は大友さんが得意とするフリージャズ風(エマ姐が殺される場面で印象的に使われていた)で、おしりふりふりで登場するカレン演じるジェニーのテーマ「I Love Jenny」はロカビリー風ロックで、イカレた…もといイカした感たっぷり。
 内橋さんの作られた「Believe Me」も、サブテーマという位置で印象的に使われていた。ビブラフォンを使ったかわいらしい曲。このフレーズもアレンジを変えてあちこちに登場していた。
 そして、大友さんと内橋さんが共同で作曲した「満月-Aggie」。青い闇の揺らめきを音にしたような導入部から「Aggie」のフレーズに重なってくる幻想的なこの曲は、アギーが空に浮かぶ月をつかもうとする場面で使われていたっけかな。今度、久々に観て確認したい次第。

 ところで、このところこのサントラを聴いているのはもちろん白洲のおかげでもあるんだけど、ここ数日、夜早い時間の空に浮いている上弦の月がとてつもなく綺麗で、このサントラを聴きながら眺めるのが非常にあっているような気がしたからだったりする。
 月の曲といえば、この映画でも印象的に使われる『月亮代表我的心』ももちろんいいけど、今は中秋節に向けて、このサントラを聴きこむ日々が続くのであった。

 あ、でも明日から天気は下り坂か…。
 来週の土曜には、空に美しい満月が浮かぶことを期待しよう。

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