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《香港電影類型論》覚え書き:羅[上/下]「香港類型電影之武侠篇」(その4)

 評介《如来神拳》《聖火雄風》(2) (《如来神拳》と《聖火雄風》の紹介)

《如来神拳》の結末

 武侠映画は今までずっと広東語映画の主要な類型の一つだが、60年代初めまで、その中で大きな変化が起こっていた。50年代頃はアクションも児戯に等しく、それは広東オペラの立ち回りから抜け出すことができなかったが、剣を空に飛ばすようなアニメーション効果、自由奔放で豪快、そして激しいアクションを交えたプロットが観客をひきつけた。60年代初頭には、特撮やアクションを変化させたことで伝奇武侠的な面をますます強調させた。

 《如来神拳大結局》(1964)の製作スタッフ(凌雲監督)とキャスト(曹達華、于素秋、高魯泉)は、その1年前に《火焼紅蓮寺》を製作したが、それなりの売上を見せたものの、内容はオリジナルよりいっそうひどくなっており、むしろこの《如来》4部作に近いものだった。
 武林の内部関係が険悪になり、儒教、仏教、道教が交じり合って邪派の九流に分かれてしまい、腐敗してしまった。これまでの3作は、曹達華と于素秋を主演とし、林鳳を脇に配して発展させてきた。この第4作では于素秋がリタイアし、林鳳と曹達華が主人公となった。
 あらすじは、霞が立ちこめる山荘に集った各流派の者たちが火雲邪神の秘伝書であり、これを習得すれば天下を治めることができる如来神拳第9式をめぐって戦うというものである。以前の教派の師匠たちは次々に殺され、残された弟子四が真犯人を探したところ、それは三魔長と呼ばれる者たちの仕業であることが発覚した。火雲邪神は本来この3人をまとめて殺せばすむと考えていたが、情けをかけて3人に手を出さなかったため、逆に殺されてしまったのだ。死ぬ間際に火雲邪神は神拳九式を6つの鼎の中に封印したのだが、林鳳と曹達華はそれを手に入れることができず、その鼎は悪人によって奪われてしまった。

 その後、高魯泉と弟子四が鼎を探し出し、若さあふれる女侠客の林鳳が大胆な智謀を張り巡らす。その間に天香教主の情けと恨みを引き出してしまったが、その行動はこの偉大な人物を下山させるくらいの感動があったが、依然として邪派の勢力にはかなわなかった。結局、林鳳が3つの鼎を見つけ出した時に、曹達華は第九式を習得しようと苦労するがそれにもまだ至らず、悪人たちが山門に攻め入った時、曹達華は突然第九式の「萬沸朝宗」を習得し、その技は悪人たちを一掃してしまい、大いに溜飲を下げた。

 ドラマはこじつけがあり、プロットもバランスがとれておらず、まだ50年代の束縛から完全に抜けきれていない。ただ、特撮技術の多用しており、模型を使って拳で岩を砕いたり、アニメーションを使って剣を飛ばし、二重撮影で鳥に乗って空を飛ばしたり、ワイヤーで鼎を空中に浮揚させたり、着ぐるみを使って怪獣を出現させたり、音響の特殊効果など、この映画の特撮技術は特筆すべきものである。映画自体は荒唐無稽だが、伝統の腐敗や先人の空威張りに対して風刺を取り入れることも忘れていない。このことについて、高魯泉は亡くなる前に一通り自己批判をして、後進には自力で再生するように言い聞かせた。

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 抄訳がいい加減なのは、訳していてかなりつらかったからです。ハイ。
老師にも、「この映画はつまんないんだねー。文章を読んでてもそれがわかるよ」と言われたくらいだし。

 ストーリーを抄訳していて「…北斗の拳か?」なんて思ったのだけど、それは気のせいだろう。まーあのマンガも、ちょっと武侠っぽいストーリーかな?とは思ったことはあったけど。
 如来神拳や火雲邪神などと聞くと、とっさに『功夫』やら『龍虎門』を思い出すのはいうまでもないんだが、これは星仔を始めとする功夫オタクにはもう定番な固有名詞なんだよな。これももうちょっと調べなきゃ。

 実はこの項、まだ続きます(苦笑)。次でラストだけどね。
次回は1966年に作られた《聖火雄風》という武侠片についての紹介。
今のところ、60年代中期に武侠片を多く製作していた監督・陳烈品の作品と作風について紹介した「陳烈品和新派武侠粤語片」まで学習しているので、中国語教室再開までの間にまとめてアップします。あと3回くらいでできるかな?

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