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『宅人日記 otaku's diary』琉玄

 この週末は、喉からきた風邪にやられていて、すっかり使いものにならなかった自分。
 特に日曜は天気も悪くて(数日前まではかなり暑かったので、寒暖の大差が原因で風邪をひいたと思われる)外出する気力も起きず、喉の痛みに加えて鼻水も止まらず、鼻をかみ過ぎて出血したくらいなので(もともと鼻の粘膜が弱いので出血しやすいし、幸いにも大事には至らず。多分血圧も少し高かったんだろうな)、こりゃおとなしく寝てるべきだなと思って、一歩も外に出ずにずっと寝ていた。
 職場では数週間前にインフルエンザが大流行していて、多くの若者がゴホゴホしている中で仕事していたのだが、毎年のインフル流行期(2月~5月初旬)に限って、ワタシはなぜかかかることがない。そのかわり、その流行が終息に近くなってから一人で喉風邪をひいて、毎年今くらいの時期に苦しんでいるのである(苦笑)。
 今日は喉の薬を飲んでいるし、声が多少枯れているけど、昨日ほど体調も悪くない。今夜はネットサーフィンもそこそこに、さっさと寝るかな。
 
 長年シングルやっていると、一番辛いのはやっぱり身体を壊した時。
 ワタシは偏頭痛やらなんやらでしょっちゅう体調を崩しているけど、これで家族と同居していれば、風邪で寝込んでも看病してもらえるし、結婚していれば、体調不良を押して家事をこなした後に寝込んでも、夫や子供が近くにいることで安心感を感じるんだろう。でも独りもんは全部自分でやらなきゃいけないし、もしかしてこのまま息絶えちゃう…かも?なんてことを考えてしまうから、結構辛い。それでも、自分で選んだ道だからな。

 と、いきなり自分語りが長くてスマン。
 寝込んでいる間に読んでいたのが、ちょうどワタシと同じように一人暮らしの著者が、自室に籠って暮らす日々を綴った、この『宅人日記』だったもんで。しかも、ちょうど読んでいたのが、ひとり暮らしで病に倒れることの苦しさを描いたくだりだったので、なおさらなのよ。

Otakudiary021

 この本を読んで驚いたのが、著者の琉玄くん(おそらく若者男子。以下「小琉」と記す)が北京在住の大陸人だということ。読んだのは香港で発行された版なんだけど、大陸発でこの手のイラストエッセイは初めて見たよ。帯には「内地瘋狂熱[金肖]佳作!本年度最具驚喜圖文作品」と書かれていて、どーやら先に大陸で評判を呼び、今年始めに香港で発売されたと見るべきか。

 イラストエッセイなので、いちいち辞書を引くこともなく読んでいたから、とりあえず細かいところはおいといてあらすじ。
 大学卒業を間近に控え、なかなか進路が決まらない地方在住の青年小琉。卒業したらとりあえず北京に出るか、とPCのハードディスクを抱えて上京。マンガBBSで知り合った翻訳者の香煙(グラマーな女子)と同じアパートに部屋を借り、さて就職活動してみるが、希望だったマンガ専門店も広告代理店も印象はイマイチ。どうせ仕事するなら自分のやりたい仕事をしたい、と決意した彼は、自らの部屋をSOHO化…とカッコよくいうよりも、要するに自室に引きこもってネットワークを介して仕事をするという“宅人(オタク)”生活に突入したのであった…。
 小琉よ、これじゃはっきり言って北京に来た意味がないんじゃないの(爆)?

 ノリとしてはたかぎなおこさんの『ひとりぐらしも〇年め。』シリーズに近いんじゃないかな?そういえば彼女の別のエッセイも、翻訳されて香港の書店に並んでいたっけ。 

 自らオタクといいながら、いかにオタクであるかということは巻末でちょっとだけ語られるくらいなので(日本マンガオタクらしい。初体験は『北斗の拳』)、“宅人”とは日本でいうところの「オタク」とは意味が違うし、ちょっと意地悪に言えば若者男子の気ままな引きこもり生活を綴った内容。これだけだと日本でもウケるかどうかは微妙なところだけど、明らかに何らかの日本マンガの影響を受けているんだろうなと思わせられる絵柄がかわいいし、どーしよーもないけど思い当たることはいっぱいある小琉の日々の生活が、絵&文ともに詳細に描写されているので、ついつい読んでしまうのは確か。
 今度はちゃんと辞書をひきながら読んでいくかな。若い中国語学習者や、中国に対して偏った印象を持っている若者たちにも紹介してあげたいよ。

 ちょうど今日の讀賣新聞の「編集手帳」に、中国の若者がネット経由で日本アニメを観て、日本に興味を持ち始めているということが書かれていた。これはかなり前から知られていることであり、いまさら改めて言うことじゃないよなと思ったけど、こういう“文化交流”はこのところの騒ぎで生じた反日・反中という、あきらかに偏ってしまった見識をはるかに超えてくれるのだから、喜ばしいことじゃないかなって思う。いや、もちろん著作権侵害は問題だけどさぁ…。
 ワタシもマンガ好きだから、台湾や香港の雑誌屋台や信和中心で、好きなマンガの翻訳版を見かけたらついついそっちに目が行っちゃってたし、台湾で相互学習していた時はマンガネタで大いに盛りあがったいい思い出がある。それに、ワタシたちが未公開の映画を必死に観るためにいろいろやっていることだって、要するに彼らと同じことをしているようなものだもんね。
 
 と、ついつい横道に逸れちゃったけど、このエッセイは日本マンガやアニメに親しみを持って育ってきた中国若者男子だからこそ描けるものであって、全然政治的じゃないから、こういう出版物が登場してきたのも時代が変わったってことなんだろうなぁ。

 って、今さら驚くことじゃないか♪

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