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2009年5月

《香港電影類型論》覚え書き【予告】

 今年は中国語教室で、春の香港旅行の時に買ってきた《香港電影類型論》(羅[上/下]・呉昊・卓伯棠合著、香港文化研究叢書 1997年発行)を読んでいる。

Hkmoviestudy016

 これは香港中文大学人文学科研究所の香港文化研究計画が編纂した研究論文集のシリーズで、香港の文化を大きなテーマにいろいろと論じられているものらしい。文学はもちろん、流行歌研究があるのがいかにもって感じ。
 張先生も「さすが研究書ですねー。興味深いですよ」と感心していたなぁ。そんなわけで毎回楽しく学習している。
 そこで、今後はこのblogにて、授業で購読してきた内容を簡単にまとめ、それについての感想や意見を述べるということをやっていきたい。最終的には以前書いた中文レポートのように、翻訳してまたここにアップしようかと思っている。
 というわけで、「香港電影研究学習記録」というカテゴリも新設した次第。
 
 今読んでいるのは、羅[上/下]氏による第一部「香港類型電影之武侠篇」。
 これは、1930年代に誕生し、現在まで作られている武侠電影について、その流れを社会的側面と、張徹、李小龍、キン・フー、徐克、そしてウーさんという、武侠電影の中心となった5人の各論を述べた論文。

 現在まで読んでいるのが、以下の2章。

 1、黄飛鴻家族:精神與繁衍

 2、《火焼紅蓮寺》的功與罪

 とりあえず、来月中旬頃をめどに、各章の要約と感想をアップしますね。
 …さーて、がんばろ。

 以下こっそり独り言:
 そういえば《天下無双》と《江山美人》の続きは結局書けなかったなぁ。来年に持ち越しかしら(苦笑)。

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牡丹江と聞いて思い出すのは南拳だが

 そういえば『ドリアンドリアン』にも登場したか。
ワタシは冬の東北に行ったことがないので、凍る河というのを観たことがない。

 普段あまりテレビを観ないワタシだが、NHKの土曜ドラマはよく観ている。
 今期は国際的なテーマを含んだ作品が続いている感があるけど、昨日まで放映されていた『遥かなる絆』は、その牡丹江からとある日本人の人生が始まり、彼と娘がそこにたどりつくところで幕が引かれる。
 これは、あの『大地の子』以来14年ぶりにNHKが取り上げた、中国残留孤児をテーマにしたドラマ。放映当時、『大地の子』に夢中になったワタシは、これもちゃんと観た。
 

 お約束ですが、出してみる。

 かのドラマは原作が小説だったけど、これは日中国交回復前に自力で帰国したお父様を持つ城戸久枝さん(調べたら張震、ヴィッキー、すーちー、ジジと同い年!若い!)が、お父様の足跡と自らの中国留学を重ねて書かれたノンフィクションが原作となっているとか。
 …すみません、未読でした。

 こちらはお父様の幹さんが書かれた本。

 著者の久枝さん(演じるは中華圏に縁が深い鈴木杏ちゃん)は中国留学をきっかけに、残留孤児として青年期までを「孫玉福」という名で中国で過ごした父(グレゴリー・ウォン、加藤健一ほか)の足跡を追い、父を育ててくれた「中国のおばあちゃん」の一族と父の親友に出会う。ハルピンに暮らす人々から家族同然に歓待される一方で、大学では日本人ゆえに歴史認識等で同級の中国人学生から責められる。そんな両面を見ながら、彼女は父の育った国でこれまで知らなかった父の姿を改めて知り、自身も成長していく。
 このドラマの特色は、残留孤児の軌跡だけを追うのではなく、その子供たちの世代からも見つめていること。ともすれば感傷的になりがちなテーマを、こういう二つの面で追ってきたから、バランスよい出来になっていたと思う。
 『大地の子』の時とは違い、原作がノンフィクションだったし、おそらく登場人物もほとんどが実名で登場していたのだろうから、製作にはかなり気を遣っていたんじゃないだろうか。でも、“華流アイドル”とか言われながら演技は全く観たことがなかった胡兵の役どころは…なんかフィクションくさい気がするのは気のせい?
 ええ、ちゃんと原作読みます、読んだら後ほど感想書きます。

 杏ちゃんはいつもながらの熱演。中国語の発音も、最初はあやふや?に感じたけど、最終回では情感がこめられた長台詞も難なくこなしていて、実はホントに2年間留学してたでしょ?と思っちゃったくらい(微笑)。
 お父さんの幹さん/玉福は、合計4人の俳優(日中俳優各2人)が演じるというすごさ。青年期の玉福を演じたグレゴリーって、名前からして香港人だよなと思ったらその通りだった。それじゃTVB所属かなんかで、もしかして《學警狙撃》でlaughing哥と一緒に出ていたりしない?と思ったらそんなことはなく(ただ書きたかっただけ)、台湾ドラマで活躍していたそうだ。東京国際で上映された『一年の初め』に出ていたそうで、なんと映画化されていた『上海ベイビー』で天天役だったとは。(このサイトに詳細があったけど、ココを演じたのが金像奨助演女優賞を受賞している白霊小姐。しかしマドンナが松田聖子って、なんか違ーう!)

↑このジャケット、なんかウソつきー(苦笑)。

 毎日Jpのコラムでグレゴリーのインタビューがあったけど、それによると彼、どーやらトニーファンらしいよ。いつか共演できるといいね♪
 ワタシは彼の演技は初見なんだけど、なかなか初々しくてよかったざんす。日本に来たら学生服も着ちゃうし。そんな彼と恋に落ちて結婚するのがちりとてのエーコちゃんこと佐藤めぐみちゃんで、残念ながら1話しか出てこなかったんだけど、かわいいカップルでしたよ。

 あと、いろいろ思うことがあったんだけど、後ほど追記ということで。

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『宅人日記 otaku's diary』琉玄

 この週末は、喉からきた風邪にやられていて、すっかり使いものにならなかった自分。
 特に日曜は天気も悪くて(数日前まではかなり暑かったので、寒暖の大差が原因で風邪をひいたと思われる)外出する気力も起きず、喉の痛みに加えて鼻水も止まらず、鼻をかみ過ぎて出血したくらいなので(もともと鼻の粘膜が弱いので出血しやすいし、幸いにも大事には至らず。多分血圧も少し高かったんだろうな)、こりゃおとなしく寝てるべきだなと思って、一歩も外に出ずにずっと寝ていた。
 職場では数週間前にインフルエンザが大流行していて、多くの若者がゴホゴホしている中で仕事していたのだが、毎年のインフル流行期(2月~5月初旬)に限って、ワタシはなぜかかかることがない。そのかわり、その流行が終息に近くなってから一人で喉風邪をひいて、毎年今くらいの時期に苦しんでいるのである(苦笑)。
 今日は喉の薬を飲んでいるし、声が多少枯れているけど、昨日ほど体調も悪くない。今夜はネットサーフィンもそこそこに、さっさと寝るかな。
 
 長年シングルやっていると、一番辛いのはやっぱり身体を壊した時。
 ワタシは偏頭痛やらなんやらでしょっちゅう体調を崩しているけど、これで家族と同居していれば、風邪で寝込んでも看病してもらえるし、結婚していれば、体調不良を押して家事をこなした後に寝込んでも、夫や子供が近くにいることで安心感を感じるんだろう。でも独りもんは全部自分でやらなきゃいけないし、もしかしてこのまま息絶えちゃう…かも?なんてことを考えてしまうから、結構辛い。それでも、自分で選んだ道だからな。

 と、いきなり自分語りが長くてスマン。
 寝込んでいる間に読んでいたのが、ちょうどワタシと同じように一人暮らしの著者が、自室に籠って暮らす日々を綴った、この『宅人日記』だったもんで。しかも、ちょうど読んでいたのが、ひとり暮らしで病に倒れることの苦しさを描いたくだりだったので、なおさらなのよ。

Otakudiary021

 この本を読んで驚いたのが、著者の琉玄くん(おそらく若者男子。以下「小琉」と記す)が北京在住の大陸人だということ。読んだのは香港で発行された版なんだけど、大陸発でこの手のイラストエッセイは初めて見たよ。帯には「内地瘋狂熱[金肖]佳作!本年度最具驚喜圖文作品」と書かれていて、どーやら先に大陸で評判を呼び、今年始めに香港で発売されたと見るべきか。

 イラストエッセイなので、いちいち辞書を引くこともなく読んでいたから、とりあえず細かいところはおいといてあらすじ。
 大学卒業を間近に控え、なかなか進路が決まらない地方在住の青年小琉。卒業したらとりあえず北京に出るか、とPCのハードディスクを抱えて上京。マンガBBSで知り合った翻訳者の香煙(グラマーな女子)と同じアパートに部屋を借り、さて就職活動してみるが、希望だったマンガ専門店も広告代理店も印象はイマイチ。どうせ仕事するなら自分のやりたい仕事をしたい、と決意した彼は、自らの部屋をSOHO化…とカッコよくいうよりも、要するに自室に引きこもってネットワークを介して仕事をするという“宅人(オタク)”生活に突入したのであった…。
 小琉よ、これじゃはっきり言って北京に来た意味がないんじゃないの(爆)?

 ノリとしてはたかぎなおこさんの『ひとりぐらしも〇年め。』シリーズに近いんじゃないかな?そういえば彼女の別のエッセイも、翻訳されて香港の書店に並んでいたっけ。 

 自らオタクといいながら、いかにオタクであるかということは巻末でちょっとだけ語られるくらいなので(日本マンガオタクらしい。初体験は『北斗の拳』)、“宅人”とは日本でいうところの「オタク」とは意味が違うし、ちょっと意地悪に言えば若者男子の気ままな引きこもり生活を綴った内容。これだけだと日本でもウケるかどうかは微妙なところだけど、明らかに何らかの日本マンガの影響を受けているんだろうなと思わせられる絵柄がかわいいし、どーしよーもないけど思い当たることはいっぱいある小琉の日々の生活が、絵&文ともに詳細に描写されているので、ついつい読んでしまうのは確か。
 今度はちゃんと辞書をひきながら読んでいくかな。若い中国語学習者や、中国に対して偏った印象を持っている若者たちにも紹介してあげたいよ。

 ちょうど今日の讀賣新聞の「編集手帳」に、中国の若者がネット経由で日本アニメを観て、日本に興味を持ち始めているということが書かれていた。これはかなり前から知られていることであり、いまさら改めて言うことじゃないよなと思ったけど、こういう“文化交流”はこのところの騒ぎで生じた反日・反中という、あきらかに偏ってしまった見識をはるかに超えてくれるのだから、喜ばしいことじゃないかなって思う。いや、もちろん著作権侵害は問題だけどさぁ…。
 ワタシもマンガ好きだから、台湾や香港の雑誌屋台や信和中心で、好きなマンガの翻訳版を見かけたらついついそっちに目が行っちゃってたし、台湾で相互学習していた時はマンガネタで大いに盛りあがったいい思い出がある。それに、ワタシたちが未公開の映画を必死に観るためにいろいろやっていることだって、要するに彼らと同じことをしているようなものだもんね。
 
 と、ついつい横道に逸れちゃったけど、このエッセイは日本マンガやアニメに親しみを持って育ってきた中国若者男子だからこそ描けるものであって、全然政治的じゃないから、こういう出版物が登場してきたのも時代が変わったってことなんだろうなぁ。

 って、今さら驚くことじゃないか♪

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《戯王之王》(2007/香港)

 香港へ行く前の3月の祝日の話。
 朝起きてテレビをつけたら、当然のようにワイドショーがやっていた。

 うわー、つまらん。と思ってチャンネルを某日本電視台に変えたとき、そこに写ったのは白い砂浜をバックに「沖縄国際映画祭、ひとつよろしくなー」とかなんか言ってはしゃぐ某芸能プロのお笑い芸人たちだった(うろ覚え)。
 おやまぁ、某芸能プロも最近飛ばしとるなぁ。でも一般的な意味での「お笑い」には興味ないし、どーせ自分たちの作品をとりあげて騒いでいるだけでしょ、とその時は冷たくスルーしていたのだが、…まさかこの映画祭に、約1週間後香港のTVで観ることになる《戯王之王》が参加していたとは思わなかったのだ。(チャン・ヒンカイ監督の上映挨拶の記事もあったよ

 黒社会の実力者サムを逮捕すべく、警察は潜入捜査官ヤン(!)を送り込んだが、「演技が限りなく下手だ!」という理由で、サムはヤンを殺す。困り果てた警察の幹部(アン・ホイ、ヴィンセント・コック他)は、黒社会に送り込む捜査官をリン警部(ホイ・シウホン)に依頼。彼は自分の選んだ警官を香港演芸学院に送り込むことにし、部下の陳文龍(ソイマン)に白羽の矢を立てる。彼は昨年度の警察慰労会で最優秀演技賞を受けた男で、それもそのはず、演技が大好きな彼は30過ぎても俳優になりたいという夢を捨てられずにいたのだ。そのせいで文龍は、未だにヒラ巡査であった。
 文龍はイタリアのスパゲッティ芸術学院でオペラを学んだという触れ込みで学院のドラマスクールに編入。同じく途中編入してきたのは三級片で名を売るセクシータレントの単丹(阿Sa)。ドラマスクールのリーダー的存在のアレックス、クラスのマドンナ小曼、演技派のフェリシアなどの若い学生とはそりが合わない彼は、単丹とたちまち仲良くなる。
 ドラマスクールの授業は本格的で、先生たちも厳しい。特に基本動作を教える甘先生(とっつぁん)は、文龍の動きは誇張しすぎだと厳しく指摘する。文龍は学生生活にのめりこんでいくが、同棲する10年来の恋人ジュディとはどんどんすれ違っていく。
 ドラマスクールでは、優秀な学生の主演で『ロミオとジュリエット』を上演することになった。文龍も単丹も俄然はりきるが、結局、主演に選ばれたのはアレックスとフェリシア。ガッカリした文龍に、単丹は友人のボスコが監督する自分の主演映画で、彼女を誘惑するトイレパイプ修理人“渠王”の役で出演するように持ちかける。彼の熱演は三級片業界でも認められる。
 ようやく文龍に潜入捜査の仕事が来た。サム(チャッピー)をマークするために、古惑仔として雀荘に潜り込むが、演技にうるさいサムは文龍の正体を見破る。絶体絶命の文龍を救ったのは、意外なことにアレックスだった。
 潜入捜査に失敗し、さらに自分の出た三級片の海賊版がリン警部に見られてしまったことで、文龍は演芸学院を退学することになる。彼はあらゆる演劇のセリフを諳んじることができる舞台清掃人(秋生さん)と出会い、自分の演技法に決定的にかけていたものに気づく。
 すれ違っていたジュディが人気DJと恋仲になってしまい、文龍は失意のどん底に落ちる。その一方で、単丹にはなんとアラン・マック監督(本人)から出演依頼の要請があり、スターへの道を登ることになる。
 雀荘を経営するアレックスの父(田啓文)のもとに、彼の旧友(林雪)が金をせしめに来る。父親の命が危ないと察した彼は、文龍を呼び出し、彼はクラスメイト達と協力して、現金を横取りすることにする…!

 この春のジョルダーノのショウウィンドウを飾っていたのが、この映画の主演俳優にして人気コメディアン、チム・ソイマンのコラボTシャツ。ソイマンといえば、パン・ホーチョン作品の常連でもあり、特に『AV』でのアダルトビデオ礼賛おじさんは、あまりにも強烈だったもんで、一発で顔と名前を覚えてしまったくらい。一部港影迷にはよく知られた存在であるが、ごめん、ワタシは『AV』でしか知らない。だから、これを買ってみたのである。

 演技についての映画ということもあり、《我要成名》とかぶるところは多いかな。受賞こそしなかったけど、これで阿Saが昨年、金像の主演女優賞にノミネートされていたし。
 ただ、向こうがわりと香港映画の現状を踏まえたシリアス風味を含んでいたのに比べ、こっちは徹頭徹尾ベッタベタなコメディだった。テイストとしては『無間笑』も入っている?だからひたすらお気楽、深刻さは皆無。
 長年の恋人ジュディと別れても、文龍は悩まないし(恋人より演技に夢中ってか?)、せっかく単丹と仲よくなっても、キスすらしない。恋愛ネタそんなに薄くていいんか?
 …いいのか、コメディだから。

 先に書いたように、お笑いにとんと疎いのでよくわからないんだけど、ソイマンって世界の芸人のタイプでいえば、エディ・マーフィみたいなスタンダップコメディアンのタイプなんだろうか?皮肉を利かせたしゃべり芸と言うよりオーバーアクトで笑わしていく印象を受けたので。で、基本的にシモネタはないのね。冒頭の「海洋公園のパンダのうち1頭はもう死んじゃってて、実はボクが潜入してパンダをやっているんだよ~ん」なんていうお子さんとのやりとりが微笑ましかったので。

 そして、色気は全くもってないんだけど、阿Saって意外とグラマー?ってことに今さらながら気がついた。身長もそこそこあるから、実は結構スタイルがいいのかも。って本人を間近で見たことがないので断言はできないが。多少ちゃかしも入っているんだろうけど、実際の三級片もあんなヘンなシチュエーションで撮られているんだろうか?ワタシは女子だから、エロだけメインの三級片はほとんど観たことないので、なんとも言えんのだが。
 ところで、あの“渠王”関係の言葉って、沖縄国際映画祭ではどう翻訳されていたのかな?“超絶倫テクニシャン下水管修理人!お願い、ワタシも貫通させて…”みたいな感じ?あまりエロくないあおりでスマン。 

 こういう“映画の映画”には欠かせないいろんな人たちのカメオ出演は楽しいねぇ。
 ハイレベルな演劇知識を見せる秋生さん(『オセロ』はともかく『エクウス』はあまり馴染みがないもんで)、軽妙な動きが楽しい“香港男優版月影千草”ことエリックとっつぁん(とある場面を観て勝手に考えた)、結局アナタが狂森なんですよね?のチャッピー、ハンサムな文雀のタムさん、まーそーゆー役どころだよな、のサンドラ等、俳優たちも数え上げればきりがない。それに加えてアン・ホイ姐さんの制服姿は決まっているし、ご本人役で登場のアランさんも嬉しい。

 内容が内容なので、徒然なるままに感想を書き散らしたけど、最後にこれだけ。
 共同監督のパトリック・レオンさんは、最近じゃ《絶世好》シリーズで知られる人だけど、赤壁二部作で海洋戦場面の監督としてクレジットされていたので「!?」と思ったんだけど、ウーさんの『ワイルド・ブリット』の脚本を書いており、アーロンが主演してウーさんが製作を手がけた『野獣の瞳』の監督を務めていた人だったのね。守備範囲が広くてフットワークの軽い監督さんだなぁ。

英題:Simply actors
製作&監督:チャン・ヒンカイ 監督:パトリック・レオン 撮影:ウォン・ウィンハン
出演:チム・ソイマン シャーリーン・チョイ アンソニー・ウォン チャップマン・トー サンドラ・ン サミー ジョシー・ホー イザベラ・リョン パトリック・タム フィオナ・シッ ローレンス・チェン ジョー・コック ウォン・ヤウナン チョイ・ティンヤウ デレク・ツァン ホイ・シウホン アン・ホイ アラン・マック フルーツ・チャン ヴィンセント・コック ミッシェル・イエ レイモンド・ウォン ラム・シュー ティン・カイマン エリック・ツァン 

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カンヌの開会式、《復仇》、and more!

  ムービープラスでカンヌの開会式を観ましたよ。

 昨年のベルリンで審査員を務め、2年前には開会宣言を務めたすーちーが審査員に選ばれていることもあって、カメラがいっぱい映してくれたのは嬉しかったぞ。カンヌがすーちーを好いてくれるのは、最近のホウちゃん作品のミューズとしておなじみだからなのか?
 開会式で紹介された、トーさんの《復仇》のシーンは、なぜかバーベキュー場にたたずむジョニー・アリディさんと秋生さんの図。この後から修羅場です、っていうような殺気でみなぎっていた(笑)。

Johnnieto_2009

 この写真、カッコいいよ…。これ自体が映画?って雰囲気だよ。

 で、昨日上映されたという、その《復仇》。とりあえず写真をば。

Twojohnnie_2

  two Johnnie。 といっても、左の人はJohnnyだけどね。
…すまん、でもワタクシ、ジョニー・アリディってどーゆー人だか知らんのだ。

Vengeance_2_2

男くさい、というよりも華やかなフォトコール。
唯一の西洋人、アリディさんも違和感ないよ。

香港の悪役商会にフランスの人気ロック歌手ジョニー・アリディが参戦!【第62回カンヌ国際映画祭】 (シネマトゥデイ)

↑間違ってはないけど、“悪役商会”って言うそのセンス古いなぁ(苦笑)。

 レッドカーペットもどっかで見つけたら拾ってきます。

 そして、現在カンヌ滞在中のこの方もね。from on.cc。

Tonyetanthony

 偉「ケータイ、圏外じゃないの?」
 秋「まさかそれ、国際ローミングじゃねえのか?」

 …帽子の下がかなりファンキーな黄sir、もとい秋生さんと。

Tonyatcannes2009

 大使さまは相変わらず忙しいよ。

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カンヌ日和ってどんな日和?

  asahi.comに載っていた開会式の写真
 レッドカーペットでの、すーちーのブルーのドレスがとってもステキ♪

 今年も日本からのコンペ出品がなく(そのぶん是枝監督の『空気人形』の「ある視点」出品が盛り上がっているかfrom cinemacafe net)、去年のav〇xのアレみたいなデーハーなパーティーもなく(参考としてこれ)、さらに新型インフルの心配が大きいこともあって、日本での報道が低空飛行気味なカンヌ映画祭
 いや、元に戻って落ち着いたと考えるべきなんだろうな。その方が電影迷としては腰を落ちつけて見ることができるからいいんだ。
 公式サイトもかなり充実して、開会式から映像を簡単に観られるようになったしね。

男同士の激しい濡れ場あり!中国政府の検閲を受けない問題作!(シネマトゥデイ)

 中華圏作品では先陣を切ったロウ・イエ監督作品。 
 毎度ながらスキャンダラスなネタをやってくれるけど、なぜか観る機会がないのよ。

 コンペのトップバッターはクエタラ新作だったらしいけど、マギーはゲストで来ていたのか?まー、端役らしいと聞いたから、来ていないのかもしれないが。

 今年はムービープラスも関連番組が少なく(閉会式のみ生中継)、昨年に続けて開会式も録画放映になって残念。その代わりといっちゃなんだが、赤壁上集と無間道三部作放映(ディパがやるので)があるので、ある種トニー祭り状態だったりする(苦笑)。

 で、昨日その数少ないカンヌ関連番組を観た。ゲストは今年もまたカンヌに参加する菊地凛子小姐。
ご存知の通り、凛子小姐は王家衛が審査委員長を務めた3年前、監督賞を獲った『バベル』でカンヌ初参加。彼女はそこで王家衛夫妻に出会って面識を得たそうだけど、昨年『ブルベリ』で王家衛が来日して再会し、祖の時の対談で「ボクの映画に出るなら、誰と共演したい?」と聞かれたらしい。ちょうど王家衛作品を観まくっていた彼女は「やっぱりトニーと組みたい」と答えたそうだが、それに対して家衛、「トニーより君の方が強いから無理だよ」と言ったらしいぞ。

 …それを聞いて、「そんな失礼な!」なんてふうには思わなかったな。むしろ「なるほど!」と膝を叩いたよ。
 実際、凛子小姐って見た目がかなり強いもんね。西洋人ウケするルックスだと思うし、確かにトニーとは釣り合いが取れないような気がするもの。

 トニーは今年もパーティー関連でカンヌに行くんだっけ?
 状況が状況なだけに、きついスケジュールで体調を崩さなけりゃいいなって思っちゃうよ。 

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7th anniversary of funkin' for HONGKONG

 本blogは1月に開始5年を迎えましたが、今日はそのもととなった本館を開始して、7歳になった誕生日。ついでに本館コンテンツとして、中華ネタ以外を綴ってきた日記blogも、明日が5歳の誕生日ざんす。
 よくもまぁ、両方ともここまで続けられたなぁ…。サイトはすっかりblogメインになっちゃって、更新が楽になったなぁ。でも本館もいいかげん整理しなきゃだわね。

 振り返ればこの7年間(&5年間)、いろいろあった。
 7年前の今日には、トニーが張藝謀や李安さんのような超メジャーな華人監督の映画に出たり、三国志の映画で主演を張る時がくるとはとても思わなかったし、なんと言ってもレスリーが…、と思い出をいちいち書いていると長くなるのでパスするけど、今後とも無理しない程度に続けていきたいもんだわ。

 ところで、この7年間で起こったある変化について、ワタシにはささやかな疑問がある。以前も書いたのかもしれないけど、ここで改めて。

 日本における香港の略称って、いつの間に「港」から「香」になったんでしょうね?
 
teach me why?誰かおせーて~。(苦笑)

 かつて日本でもよく使われていて、今でも香港では使われる「港(例:港産片、本港台)」は漢字としてすわりがいいので、見ていて気分がいいんだけど、「香」だととっても頭でっかちな感じ。そう思いませんか?>特にマスコミの皆さん。

 以上、ささやかな疑問終わり。

 次は今後の予告。
 いつも書いているように、とーぼぐの田舎にはどうやら『放・逐』どころか、『天使の眼』も『三国』も『エンプレス』も『ウォーロード』も来なさそうなので、月に2~3作くらいの割合で買いためたVCDを観て感想を書いていきます。
 実は《戯王之王》をVCDで鑑賞済みだったんだけど、前編と後編を観るのに間が開いちゃったので、まだ感想をまとめきれてないのよ。これは早ければ今月中に何とかしようと思った次第。あとは『ウォーロード』の国際版が香港版と違うらしいと聞いたので上映がありえたとしても先にVCDで観ようと思ったよ。(ところで日本版上映のエンディングテーマがアルフィーってホント?)
   
 あと、『新宿事件』を観て、日本在住中国人や新華僑の皆さんのことが久々に気になってしまい、エンドクレジットで協力として名前が挙がっていた莫邦富さんや“歌舞伎町案内人”李小牧さんの本を読みたくなった。でも、今は別に読んでいる本があるので、そっちを優先しなきゃいけないし、本を探しに公立図書館へ行くのもタイミングがあるので、うちの職場にあったこれを読んで、感想を書きます。

 うう、「なんで今さら!」とみんなからツッコミ入りそうだわ。
 いや、単に読んでなかったんですよ。ホントにすんません皆さん。
 そしてさらにすんません、大先輩の馳せんせー。

 今さらついでに、これも未読なので読みますよ。
 発行が返還前なんだけど、これも読んでなかったの。
 7月1日までには読み終えよう。

 

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新宿事件(2009/香港)

 黙っていても、時はあっという間に過ぎてしまう。そして、歳を取ってしまう。
 時が経てば、人間もおのずから変わらざるを得なくなる。いつまでも同じではいられない。
 『つきせぬ想い』や『忘れえぬ想い』を作った、この映画の監督イー・トンシンも長い監督キャリアで描く物語が変わってきているし、その彼の作品に3作連続して出演しているダニエル・ウーも、デビュー作の『美少年の恋』以降、俳優として大きな成長を遂げて変わっていき、現在の香港映画を支える重要人物の一人となった。
 では、長年香港映画の顔として日本をはじめ、世界で人気を集めた成龍さんはどうだ。
 確かに、このところしばらく「アクションより文芸ものをやりたい」と言って、新しいジャンルに取り組みたいという姿勢を見せてはいたが、それでも出演作はアクションばかり。しかもウェルメイドな香港作品よりもメッタクタなハリウッド作品(除く『ドラゴン・キングダム』)の方が日本では売れる始末。正直、相変わらずの“ジャッキー・チェン・ジレンマ(参考としてここ)”に頭を抱えていたのであった。
 そんな成龍さんが、先に挙げたイー・トンシンさんと、この『新宿事件(どうも「インシデント」って言いたくない…)』で初めて組んだわけだが、『旺角黒夜』『門徒』で香港のダークサイドをこれでもかと描いたトンシンさんが、成龍さんとどう向き合うのか。そこが見ものだと思った。

 1990年代。10年以上前に日本に留学したまま消息を絶った幼馴染のシュシュ(ジンレイ)を追って、中国東北部から鉄頭(成龍さん)が日本に不法入国する。先に密入国していた同郷の弟分・阿傑(彦祖)を頼り、彼は新宿の歌舞伎町にやってくる。大久保のアパートで彼はホンコン(銭嘉楽)やクエイ(林雪)と出会い、彼らとともにゴミの仕分けや溝さらいなどの底辺の仕事で金を稼ぐ。
 ある日、溝さらいの最中に入国管理局と警察の手入れが入り、鉄頭は逃げ出すが、彼を追っていた刑事・北野(竹中直人)をとっさに助ける。それがきっかけで中国語が話せる北野は鉄頭に興味を持ち、彼を見逃すことにする。また、鉄頭はバーを経営する中国人のリリー(ビンビン)とも知り合い、意気投合する。
 歌舞伎町で力を持つ台湾人の高(高捷)の経営するクラブ・フォルモサの開店パーティーで皿洗いをしていた鉄頭は、新宿を仕切る三和会の幹部江口(加藤雅也)の傍らにシュシュの姿を見つける。留学を終えて新宿でホステスをしていた彼女はそこで江口に見染められて結婚し、日本国籍を得て結子と改名して娘をもうけていたのだ。シュシュの変わり果てた姿に鉄頭はショックを受け、街娼を買って阿傑とともに大騒ぎする。
 日本でのわずかな希望を打ち砕かれただけでなく、出国時に殺人を犯していた彼は、中国にも戻れない。そこで新宿で生きていく決意をする。ためらっていた偽造テレカ販売や盗品の売りさばき、パチンコ台の裏ロム仕掛けに手を染め、仲間たちと金を儲けていく。
 金を貯めた鉄頭と仲間たちは、阿傑に甘栗の屋台を贈る。気の小さい阿傑は甘栗屋台を持つことを夢見ていたのだ。しかし彼は、想いを寄せる華僑の女子高生静子の父親ドゥ(チョン・プイ)に気に入られず、その手下に痛めつけられ、さらに高のパチンコ店に裏ロムを仕掛けた疑いをかけられ、顔と右手を切られてしまう。鉄頭は阿傑の仇打ちとしてフォルモサに乗り込むが、その場にいた江口をはずみで助けてしまう。実は江口をよく思わない三和会のもう一人の幹部渡川(倉田さん)が高に彼を殺すように命じていたのだ。渡川のみならず現会長村西(この作品が実質的な遺作となるのか、峰岸さん。合掌…)までも消そうとしていた江口は、鉄頭を見込んでその二人を殺させ、その礼として確実な身分と仲間の安全を保証させる。
 鉄頭は仲間たちと東華商事という会社を持ち、愛し合うようになったリリーとともに中古耕運機の販売を始めて成功する。しかし、平穏に暮らしたい彼の知らぬ間に、阿傑や仲間たちは歌舞伎町で麻薬を売りさばくようになってしまう。それに感づいた北野は阿傑のバックに江口がついていることを告げる…。

 「人は、いちど権力を握ってしまうと変わってしまう」。
 映画の中盤、スタジオアルタの大型ビジョンに写された評論家は、こう語っていた。
 一見すれば、とってつけたような印象を与える場面ではあるが、これは鉄頭たちのコミュニティのみならず、江口のようなヤクザ屋さん(ふざけた言い方失礼)、そして彼らのバックにつく大田原御大(長門裕之)のような政治屋さんにも言えることだ。いくら個人としては平穏に過ごしたいと願っても、権力の頂点に立ってしまうと、どんなひどいこともやってしまう。以前『旺角黒夜』でも書いたがこの映画で描かれるイー・トンシン的“悲劇”は、故郷を失った者が寛容なき地で生きることの悲劇であり、権力を持ってしまったことで元には決して戻れない悲劇ではないだろうか。
 ただ、取り上げられている場所が知っている場所であるせいなのか、あるいはヤクザ屋さんたち倶利伽羅紋々との絡みが多いせいなのか、はたまた成龍さんだからなのか、香港での作品群に比べると、どーしてもフィクション感が濃いように思えてしまう。それがあるからか、トンシンさんの先の2作品ほどつかまれない。野心作であり、成龍さん渾身の一作なのがよくわかるだけに、それが残念。

 成龍さん以外のキャストについて。
 彦祖は例によってまた悲惨な役回りで…(泣)。2年前のフィルメックス&中国映画祭の頃、ちょうど撮影真っ最中で目撃者に「髪型が変」と言われていたらしいけど、…確かに変だ、そのパンチパーマ。さらに後半のパンク野郎姿はヅラか。銀髪似合わんなぁ。図体はでかいが気が小さいという役回りは彼らしさがあるけど、そのへんがね。
 ジンレイ、地味すぎ…。いやがらせかと思うくらい地味。逆に『墨攻』で地味だったビンビン(某朝日新聞で某三谷さんに「常盤さん似」と言われていたなぁ)は、今回はかわいかったのでプラマイゼロ。林雪、カロちゃん、ワイコンの顔を見ると妙に安心するのはなんでだろうか。
 キング・オブ・怪演の竹中直人は、とりあえず落ち着いて観られたし、中国語の発音が多少おかしくても今の土曜ドラマの鈴木杏ちゃんと同じくらいの喋りっぷりだから健闘してるよなー、と思ったけど、それでも人によってはくどいと思うらしい。中国語がしゃべれる刑事がいるのか?というツッコミがあるけど、大学の同期に警察官がいるので、別に非現実的だとは思わなかったな。
 雅也は…あの恋ボケやくざ(苦笑)よりはましだが、関西弁喋りまくってるのは就職先がたまたま関東だったってだけか?謙也さん(なぜこっちは「さん」づけ?)、老けたなー。峰岸さん、長門さんはいるだけでもうヤクザ屋さんのにほひがプンプン…(長門さんの役はヤクザ屋さんじゃないでしょ)。
 しかし、もったいなかったのは入国管理官役の吹越さん!出番あれだけなの!もったいない!と思いっきり叫んだ次第。
 …いいのか、そんな締めで。

邦題:新宿インシデント
監督&脚本:イー・トンシン 製作:ウィリー・チャン 撮影:北 信康 音楽:ピーター・カム
アクション指導&出演:チン・カーロッ
出演:ジャッキー・チェン ダニエル・ウー 竹中直人 加藤雅也 シュー・ジンレイ ファン・ビンビン ラム・シュー ロー・ワイコン ジャック・カオ チョン・プイ 拳也(澤田謙也) 葉山 豪 吹越 満 倉田保昭 峰岸 徹 長門裕之

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新宿事件公開記念、中草薬シャンプー「覇王」を使ってみた。

新宿事件公開記念、中薬シャンプー「覇王」を使ってみた。

 どこが新宿事件公開記念なんだといわれそうだけど、成龍さんつながりということで(笑)

 先頃の香港旅行にて、Sさんからこれ↑をいただいた。
 成龍さんのパッケージが目印の「覇王」シャンプー。ただ、箱を開けた本体にはトレードマークになっているおっさんの顔だけしかない。成龍さん&おっさんの印象で、どことなく男性用シャンプーな雰囲気だが、女性が使ってもオッケイで、使っていると髪が黒くなって艶が増すとのこと。

 パッケージに「中草薬」とあるように、主成分は漢方。英語ではchinese hervalと書いていたので、ついついハーブシャンプーとか呼んでしまう。成分は人参、当帰など。
 早速使ってみた。…うーむ、さすが人参を使っているだけあって、においがきつい。それでもすっごく漢方っぽい、というわけでもないし、第三者に漢方臭さを指摘されたこともない。
 ここ数年、市販のシャンプー&リンスが使うのが気分的にイヤになり、天然素材とアミノ酸を配合したハーバルシャンプーとコンディショナーを使っているのだが、人工的な香りがなくなってよくなったものの、髪の水分が落ちにくくて乾かすのにも一苦労していた。特に伸ばしかけの時期は大変で、完全に乾かせずに寝てしまって寝癖がひどかったこともよくあった。
 だけど、このシャンプーは水分をそんなに含まず、髪を適度に潤わせながらも水切りがいいのがよかった。そのまま使うと髪がきしむので、市販のハーブ系コンディショナーと併用したのもよかったかな。
 ただ、また使いたいかといえば…、うーむ、やっぱりにおいがもう少しマイルドなら、かな?

 このシャンプーの製造元は広州だったけど、こういう中華系ヘアケア&ヘルスケアグッズはあまり使ったことがなかったので、今度は意識して見て使ってみようかなと思う次第。タイガーバームくらいしか買ったことないしね。白花油も使ってみたい。

 ちなみに題名の映画は、明日の夜観に行ってきます。

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プロテージ/偽りの絆(2007/香港)

 すでにVCDを持っていたけど、字幕で見たかったのでイー・トンシン映画祭にて鑑賞。
2年前の旅行中に零食皇后様をうっとりさせたポスターデザインとはうって変わって、豪華スターが繰り広げるへヴィでダークな社会派作品だった…。

 ニック(彦祖)は麻薬の売人クワン(アンディ)のもとで働いているが、実は麻薬捜査課の潜入捜査官。クワンは先天性の糖尿病という持病を持ち、身重の妻(ユンれんれん)は高血圧、下の娘は心臓病で手術を必要としていた。自らと娘の治療費のために、クワンは麻薬を売りさばいており、彼に信頼されたニックは後継者として仕事を教え込まれていた。
 ある日、ニックは向かいのフラットに住むフェン(張静初)とその娘と知り合い、親しくなる。あまりにも貧しい親子のために、ニックは食事を分けてやる。ニックはフェンにひかれ始めるが、彼女が麻薬中毒に冒されていることに気づく。彼女は夫(古天楽)と別居していたのだが、その夫も麻薬中毒であり、彼女の前に現れては付きまとうようになる。
 ニックの手はずで、麻薬捜査課はクワンの工場を襲撃することにする。しかし、海賊版DVDの工場をマークしていた税関に誤認でニックが逮捕されたことで工場の存在がばれ、クワンは家族でタイに逃げることになる。ニックもそれに同行することになり、彼は麻薬製造の現場を見て、現実を知る。
 ニックの留守中、フェンは夫に親子ともども監禁され、ますます麻薬におぼれていく。そして、フェンはオーバードーズにより、命を落としてしまう…。

 かつて「覚せい剤やめますか、それとも人間やめますか」という公共広告機構のCMがあったが、この映画を観ていてそれを思い出した。泣きじゃくる子供をよそに、母親が注射器を腕にあてる映像は、子供心に怖かった。その恐怖心があるから、覚せい剤をはじめとする麻薬が恐ろしくてしょうがないし、その思いは今でも変わらない。もう全編にわたって公共広告機構のCMのような映画である。それをトップクラスの俳優たちを起用して撮ってしまうトンシンさんは違う意味で恐ろしい。

 麻薬販売のからくりは、まるで現代社会の縮図だ。自らと家族を救うために麻薬を売りさばくクワンは麻薬の味を知らず、その麻薬におぼれるフェンと夫は、貧困から抜け出せない。タイ奥地で少数民族によって栽培される麻薬から、ディーラーはひたすら利益をむしりとり、栽培者たちの利益はほんのわずか。あくどいやつらにはフェアトレードなんて理念は当然ないに違いない(そりゃそうだ)。あんなケシ畑、花はきれいだけど根こそぎむしりとって、ちゃんと食べられるものの栽培に充てればいいのに、と根が単純なワタシは考えてしまうのだが、そう行かないのが世の中の摂理であり、トンシンさんが描き出す厳しさである。

 なんで麻薬なんてものがこの世の中にあるのだろう。それはニックが最初と最後でつぶやくように、寂しさを埋め合わせたい人の慰めなのかもしれない。でも、そこまで人は孤独なのか。フェンにはあんなにかわいい娘がいたのに、それでも麻薬がやめられなかったのは、やはり彼女の夫が言うように、もともとフェンがジャンキーだったからなのだろうか、それとも別の理由があったのだろうか。そんなことを考えてしまう。

 アンディの老けっぷり、地獄の淵を覗き込んでは悩める彦祖、ひたすら薄幸の道を進んでいるような張静初、いっちゃってる古天楽、それぞれが熱演。それぞれスターであるはずなのに、輝きを封印してしまっている。男優たちの仕事は円熟期に入ってきているのか。
 本当に久々に見たれんれん。可憐だった彼女が今やママか…と、妊娠したままアンディの妻を演じる姿を見ると、彼女と同年代のワタシもついつい感慨にふけってしまう。彼女が最も輝いていた90年代に快作や傑作を量産してきたピーターさんがこの映画をプロデュースしたと思えばなおさらだ。彼がトンシンさんをサポートすることで、へヴィな社会派映画を人々にアピールし、問題意識を持ってもらうと狙っていたなら、この映画は成功していると思うのだが…。それでもケルヴィンとジルの事件のようなは起こってしまうのであり、麻薬とそれに係わる悲劇が決してなくならないものであるのであるんだよな、と思うのだった。

 と、こっちも凹んだまま感想を終わるのであった。

 原題&英題:門徒(protege)
監督&脚本&出演:イー・トンシン 製作:ピーター・チャン 音楽:ピーター・カム アクション指導:チン・カーロッ 美術:ハイ・チョンマン
出演:アンディ・ラウ ダニエル・ウー チャン・チンチュー ルイス・クー アニタ・ユン 

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六本木金城祭り(違う)

六本木金城祭り(違う)
《門徒》観てきました。感想は後ほど別記事にて。

 映画の後、ヒルズまで歩いてJ-WAVEフリマをのぞいてきたのだが、今年の特別協賛がジャワティだったので、ヒルズは金城くんだらけ。ジャワティいうたらモックン…っていつの時代の話だ(笑)。
 『ウォーロード』がヒルズで公開だというので、チラシももらった。やっぱり金城祭りだよ。

 ところでジャワティも赤壁キャンペーンやってるのね。とーほぐにはほとんど情報入らないのよ。CMは仙台で観たけどね。

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トンシンさん祭りに来てます

トンシンさん祭りに来てます
ボケボケになってしまった、スマン。
ピーターが若い《真心話》ポスター。

VCDを持っているのに結局観に来てしまったよ、《門徒》。
なんのかのいいつつ、日本語字幕は助かるもの。
満席ではないんだけど、お客さんもそこそこ入ってるしね。

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