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僕は君のために蝶になる(2007/香港)

 映画の日だった昨日の朝早く、地元の香港映画仲間のHさんと『僕は君のために蝶になる』を観に行った。
 しかし昨日は寒かった~。上映館の地元シネコンではちょうどその前日から始まった『二十世紀少年第二集(検索除けになってないよ…)』目当てのお客さんが列をなしていた。モーニングショーが自由席ということもあって早めに行ったのだが、そのおかげで劇場のベストポジションを席取りできた。
 Hさんは昨年のフィルメックスで『文雀』を一緒に観て、「意外とおもしろかったね~。さすがトーさんだ!」と親分を褒め称えてくださったけど、実は仔仔はもちろんF4なんて全然知らないという。ワタシは『貧窮貴公子』や、映画では『闘茶』を観ているので、仔仔の演技はだいたい知っているけれど、「今回のトーさんはアイドル映画を撮ってるからね、どーなるかわからんねー」などと言って観戦、もとい鑑賞に備えた次第。

 学生時代、エンジャ(恩佳/李冰冰)はミス・キャンパスを恋人に持つバスケ部のアトン(東東/仔仔)に思いを寄せていた。その念願が叶い、二人はベッドを共にするが、翌日、エンジャがしたことがアトンの元恋人の怒りを買い、放課後、エンジャとアトンは小競り合いをする。逃げるように車を運転するエンジャをアトンはバイクで追いかけ、「キミはボクを本当に愛しているのか?」と問い詰めるが、対向車を避けきれずに、アトンは事故死する。
 3年後。エンジャは法律事務所に勤め、女性弁護士(マギー)のアシスタントをしていた。あの事故以来、明るく、気が強かった本来の彼女はなりを潜め、睡眠薬や精神安定剤、抗うつ剤を何錠も服用する日々が続く。精神科医(ロイ)のすすめで薬の服用をやめることにしたエンジャだが、そのころから身辺に異変が起こる。
 父親(林雪)たちとの日課にしている夜の公園ランニングで、エンジャはバイクに乗るアトンの幻を見る。そして自室には、検死解剖の縫合跡を身体に残して自分の傍らに横たわる彼の姿を見る。「ボクはキミのそばにずっといた」―その言葉におびえるエンジャ。
 アトンは死んだ時の年齢のまま、昼も夜もエンジャの前に現れるようになる。やがて、彼女は自分が今まで知らなかったアトンの姿を知る。厳格で頑固な警官だった父親(尤勇)に厳しく育てられたこと、将来は建築家になりたかったこと、そして、けんかをしたあの事故の日は彼女に大学バスケのチケットを渡したかったということ―罪の意識にさいなまれていたエンジャは、アトンへの思いを新たにする。
 その頃、エンジャは仕事で、多くの問題を引き起こして起訴された若者シュー(黄又南)の案件を担当していた。彼の保護官とランチを共にしていた時、アトンの父が息子が眠る墓地に向かうのを見かけた。盗撮や窃盗などを繰り返していたシューはエンジャの過去を知っており、彼女を気に入って付きまとうようになる。そこでエンジャはシューにアトンの父親を調べてもらうことにする。そこからわかったのは、息子の死後は警官を辞めて孤独な日々を送っていたこと、そして二人は大学時代に仲違いしたままだったということだった。シューは父親の家にフラットメイトとして入りこんでしまい、そこでエンジャは初めて彼を知ることになる。
 シューはエンジャを愛するようになるが、彼はうまく彼女に思いを伝えられない。それが裏目に出てエンジャはシューに腹をたてる。そのままミニバスに乗り込んだ彼女をシューはバイクで追いかけるが、彼は対向車にはねられた―3年前のアトンと同じように。
 幸い、死には至らなかったものの、シューは病院で手術を受ける。そこにアトンの父親が駆けつけ、エンジャと彼にとっての3年前の悪夢が甦る…。

 思いを残したまま死んでしまった人間が、幽霊となって愛する人の元に戻り、告げられなかった思いを伝えようとする。この設定はハリウッド製の『オールウェイズ』や『ゴースト』、地元香港なら『星願』(日本の『星に願いを。』なんて完全スルー)など、ずいぶん前から映画の題材として多く使われてきた。
 不思議なことに、この手の話で死んじゃうのはなぜか男性なんだよね。男子のロマンティシズムよね、といえば答えは簡単なんだけど、これで死んじゃうのが女性だったら、一歩間違えれば貞子になってしまうからか(苦笑)?♪く~るー、きっとくるー、きっとくるー。
 ただ、先行する3本とこの映画が違うのは、死んだアトンの幽霊がエンジャにはしっかり見えるということ(『星願』でリッチーが演じた盲目のオニオンは、幽霊になって初めて目が見えるようになるけど、彼が愛するセシリアからは、その姿はオニオンとは別人としか見えないというからくりがあったもんね)、そして、アトンが幽霊として戻ってきたのは、決してエンジャへの心残りだけじゃなかった、ということか。
 そして、この後述した部分に、トーさんらしさが見られた感がある。もちろん、アイヴィさんの脚本もよくできていて、インタビューで親分が脚本を変えずに演出したといったこともよくわかる。このところの作品(つまり、“趣味系”作品)では、男性に比べて女性の影が薄かったが、そういえば彼はかつて、ワイ・カーファイとのコンビでサミーを主演にしたアイドル映画も何本も撮ってきたのだから、女性が主人公の映画が撮れないというわけじゃない。トー&ワイコンビ映画のサミーは元気女子だったのに比べ、この映画のヒロイン・エンジャは内向的なのだが、その揺れ動く気持ちに必要なのは、やはりアイヴィさんの見事なシナリオだった、ということになる。ああ、なんて素晴らしきコラボレーション。

 が、しかーし。いくら親分作品であっても、この映画を手放しで称賛できないのは、やっぱり“アイドル映画”という枠組みがプラスに働いていないと思われることか。
 まず、仔仔。F4の中では一番ベイビーフェイスな彼だが…、あれ、『闘茶』の時の方が若くないか?(気のせいだ)そして、実はもうかわいい盛りは過ぎてしまったんじゃないか?『流星花園』や『貧窮貴公子』の時はそれなりにかわいいとこのワタシでさえ(!)思ったくらいだが、年齢やキャリアを考えるといつまでもかわいいのもどうかと思う(かなりの暴言だな)。でかいし(さらに暴言か)。そして映画の演技もなんかピンとこないんだよな~。『マジックキッチン』の時のジェリーの時ほどピンとこない。さらに友人には「もこみちに似てない?」とまで言われてましたよー(汗)。ならディランもこみちの立場は?(こらこら)
 李冰冰。『ドラゴン・キングダム』の時にも似たようなことを書いたけど、細い。そして困ったことに、華がない(ファンの人スミマセン)。いや、うまいのはわかるし、仔仔とのバランスを考えた上でのキャスティングなのかもしれないけど、ちょっとなぁ…。
 そして、この二人(+大陸俳優の尤勇さん)が北京語ネイティブであったから、トーさんが香港を舞台にしているのにもかかわらず、オリジナル原語をいつもの広東語ではなく北京語にしたというのも、ちょっとマイナス要因になったかも。エンドクレジットでは、この3人の広東語吹替えキャストが記されていたけど、広東語ダイアログで映画を見たら、また違うイメージになっただろうか。
 しかし仔仔、やっぱり台湾人だなぁ、と喋りを聞いて思った。発音が典型的台湾人なんだよね。
 そうであっても、やっぱり親分作品!って断言できるのは、脇を固めるのがお馴染の皆さんだってこと。林雪とロイ、そして助演男優賞ものの劉備様もとい尤勇さんに、ついつい目が行っちゃいますよ。仔仔目当てで観に来た若いお嬢さん方、そのへんはどうお感じだったかしら?
 あと、日本語字幕のついている劇場公開作品で、こんなにじっくり黄又南を観たのは初めてのような気がする(笑)。『AV』は言うに及ばず、チャランポランな役がはまるけど、わりとハンサムくん、だよね?  
 
 うー、これを観たらなおさら改めて、『エグザイル/絆』が観たいですー。
 東北地方では仙台で今月下旬に上映されるけど、3月中に我が街に来てくれるってこと、ないかなー。やっぱりせっせとリクエストしなくちゃダメかしら。
 なんてったってキネ旬洋画ベストテンに5年ぶりに入った香港映画ですよ!だから是非、上映お願いしますよ!>全国の映画館主さん

原題&英題:胡蝶飛(Linger)
製作&監督:ジョニー・トー 脚本:アイヴィ・ホー 撮影:チェン・シウキョン 音楽:ガイ・ゼラファ
出演:ヴィック・チョウ リー・ビンビン ラム・シュー ヨウ・ヨン マギー・シュウ ロイ・チョン ウォン・ヤウナン

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