« そうだ、香港、行こう。…でも台湾も行きたい。 | トップページ | 《深海尋人》(2008/香港) »

鉄三角(2007/香港)

 80年代後半~90年代初頭の香港映画黄金期を支えた3人の映画監督、それが徐克さん、リンゴ・ラムさん、そしてジョニー・トー親分である。TV局時代から一緒に仕事をしてきたという3人が集結し、全体を3パートに分けて、脚本なし&ほぼ即興演出状態で作り上げたのがこの『鉄三角』。
 これはまー簡単にいえば、リレー小説の映画版ってやつですね!旧正月シーズンに観るのには、実にピッタリなお祭り映画ではないですか!てなわけで鑑賞いたしましたよ。

 不動産のビジネスマン阿山(ヤムヤム)、タクシー運転手の輝(古天楽)、古物商の莫(孫紅雷)は親友同士。阿山は妻(ケリー・リン)の浮気に悩み、輝は黒社会のチンピラにゆすられており、どうしようもない状態に追い込まれている。事態を打開するには、金がいる。莫の店で愚痴っていた3人のもとに、不思議な人物がやってきて、古い金の破片と名刺を渡して去っていく。
 翌日、その人物の死をTVのニュースで知った3人は、名刺に記されたウェブサイトにログインし、立法院の地下に財宝が眠っているという情報をつかむ。これで問題は解決とばかりに、さっそく立法院の地下に潜入する3人組だが、それを妨害したのは刑事の正文(カートン)。実はこの刑事こそ、阿山の妻の浮気相手であり、彼女が妊娠を告げたことに困り果て、やはり金を必要としていたのだ。なんとか刑事を振り切り、財宝の入った大きな箱を転がしながら逃亡する。
 箱を開けた3人はそこに隠されたものに大驚き。その箱は古い棺であり、そこには純金の服を身につけた、古代女性のミイラが眠っていたのだ!
 刑事に加えて輝を追うチンピラたちもこのお宝争奪戦に参戦したり、3人の中に裏切り者がいることが発覚したり、阿山の妻にピンチが迫ったりと、まったく予想不可能な展開の中、お宝はいったい誰が手にするのか…? 

 2年前の香港映画祭で唯一観られず、日本公開もなさそうなのでVCD鑑賞となったけど、自分で書いたあらすじに自信がありましぇ~ん(苦笑)。実際、「あれはどーなった?」とか「確かさっき、阿山の奥さんは○に○○○○○のに、なんで今は平気なんだ?」などといった矛盾もいっぱい。…でもいーんだ、お祭り映画なんだから(爆)。

 演出の順序は徐克→リンゴさん→親分、らしい。その演出がどこで切り替わるのか?までは残念ながら見極められなかったけど、徐克さんの演出は序盤から不穏な空気をまとわせ、ケリーとカートンのエロティックな絡みを見せてくれた。(さすがに親分じゃあの色気は出せない?)それが中盤では一転して、人がバンバン転がるわ殺されるわ。しかもいつの間にか阿山夫婦が仲直りしているしさぁ。あれー、リンゴさんってこういう演出する人だっけ?徐克さんとリンゴさんといえば成龍さんの『ツイン・ドラゴン』でもタッグを組んだけど、あの映画を観たのもずいぶん前だから、どーゆーノリかというのもすっかり忘れているんだけど(苦笑)。
 唖然とする展開を見せた中盤から、劉備様…もとい尤勇さん&林雪がいきなり登場してきて、おそらくここからがしんがりの親分演出。またまた予想不可能のクライマックス。この場面は今までの親分作品を観た人ならたまらないものだけど、バイオレントさやダンディズムを前面に出した従来の作品とは違い、どっかコミカルさを強調していて面白かった。暗闇に乗じて状況が二転三転する、三つ巴のお宝争奪戦。これを文章で説明するのは難しいなぁ。とにかく、一番笑ったのはここだった。

 キャストは大半が親分作品経験者で、唯一の外様が徐克作品(『セブンソード』)から参加の孫紅雷。この人は大陸の人だからしょうがないのだけど、なんでセリフが北京語よ…(泣)。大陸に金出してもらうための出演とはいえ(こらこら!)、香港に来たなら広東語でしゃべれよー、《明明》の周迅を見習ってさ(違う)。
 でも、彼が北京語をしゃべることによって生まれる利点が一つある。それは暗闇のシーンでは彼がしゃべることでヤムヤムとの区別がつけやすくなるということである。だってねー、ヤムヤムも紅雷さんって、両方とも眼鏡&短髪キャラなんだもの。背丈も同じくらいだから暗闇ではちょっと迷うのよ。だから、北京語を喋ってくれればそれが紅雷さんだってわかりやすいのさ。まさかそれを狙ったのか?(絶対違う)
 あ、髪で思い出したが、明るめの茶髪だった古天楽は、最後のパートでいきなり白っぽい金髪になってなかった?あれって別の仕事の都合かな?
 こういう統一感のゆるさ、他の映画では許されないかもしれないけど、香港映画、特にこういうお祭り映画だったら許せちゃうんだよね。ああ、ホントに香港映画に甘くてごめんね。

 劇場公開は難しくても、DVDくらいは出してくれないだろーか。セリフ等を確認したいところもあるのでね。

英題:Triangle
製作&監督:ツイ・ハーク リンゴ・ラム ジョニー・トー 脚本:ヤウ・ナイホイ アウ・キンイー他 撮影:チェン・シウキョン アクション指導:チン・カーロッ 音楽:ガイ・ゼラファ 
出演:サイモン・ヤム ルイス・クー スン・ホンレイ ラム・カートン ケリー・リン ユウ・ヨン ラム・シュー

|

« そうだ、香港、行こう。…でも台湾も行きたい。 | トップページ | 《深海尋人》(2008/香港) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

香港映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14197/43769199

この記事へのトラックバック一覧です: 鉄三角(2007/香港):

« そうだ、香港、行こう。…でも台湾も行きたい。 | トップページ | 《深海尋人》(2008/香港) »