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2008年12月

皆様、よいお年を…。

皆様、よいお年を…。
地元で撮った『言えない秘密』ポスター。出し忘れてたような気がする。

休みに入ってからは2年前に続いての北海道ビンボー旅行をしていたため、すっかり中華度が薄くなっていました。でも、襟裳岬の最寄駅近くで『赤壁』のポスターを見かけたり、小樽で大量の台湾人団体客に遭遇したりして、全く中華度がないってわけではなかったよ。

さて、今年は地元で上映される純粋香港映画が全くなかったわりに、トニー主演作品を2本観ることができたという、素直に喜べない複雑な気持ちになった1年でした。
東京で『放・逐』がそこそこヒットしているようなので、地元映画館にお願いしています。同じトーさんの『胡蝶飛』は上映決定しているので、きっとやってくれる、と思いたい(泣)。
若者の皆さーん、日本映画ばかりじゃなくて、もっと他の国のも原語版で観ましょう!いくら不況とはいえ、娯楽まで内向きじゃ世界が広がらないよf^_^;

あまり長文にすると、携帯の電池が減るので、今年の更新はこのへんで。
今年映画祭やイベントでお会いできた皆さん、たいへんお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
ではでは、よいお年を〜(^O^)/

と帰省途中の鈍行列車内からのアップでした。

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『香港女子的裏グルメ』池上千恵&『香港最強手信』蔡 象文

『香港女子的裏グルメ』池上千恵&『香港最強手信』

 今年もあと、残すところ1週間を切ってしまったなぁ…。
この夏は9年ぶりの夏香港だったわけだが、実は今頃の季節に行くのが好き。
クリスマスイルミネーションや映画が楽しめるし、気温も日本(特に東北)よりもずっと暖かいので、旅するにはちょうどいい季節なのだ。
 しかし、これまでは天皇誕生日前に業務が終わっていた我が仕事も、昨年からクリスマスをまたいだ26日に業務終了となってしまった。フライトは26日を過ぎると正月対応運賃になってしまうので、クリスマス前に行くよりも割高になる。それに今年は26日が金曜のため、週が明ければあっという間に年末だ。そんなわけで、この年末年始は妙に休みが短いとも感じるし、もうクリスマス香港が楽しめないことを残念に思ってしまうのであった。

 来年は2月の連休がないので、年度末の仕事を早めに切り上げて、4年ぶりの春香港旅行にしたいと考えている。春休みがうまく映画祭とかち合ってくれればいいなぁ。そして、いつものごとく茶餐庁で安上がりにごはんして、陳意斎のような地元っ子御用達のお店でローカルなお土産を買いたい。
 そう思ったのは、数ヶ月前に中華系ブロガーさんの間で話題になった『香港女子的裏グルメ』と、香港で発行されたお土産ガイドブック『香港最強手信』を立て続けに読んだからだったりするのである。

まずは『裏グルメ』。
この本は、著者である池上さんのblog「開心香港街市」が元となったblog本。
 …すみませぬ、一応香港系blogやっててもうすぐ5年、このblogについては全然存じ上げませんでした!
 香港渡航歴11年&二桁になるアタクシ、以前から書いているように茶餐廳に通い始めたのはここ数年のこと。それまでは飲茶love(今もだけどね)状態だったし、そうでなくても香港では選ばなくてもおいしいものが食べられるから、金はかかるにしろ食べるものには困らなかったのだ。だけど、茶餐廳に通い始めるようになったら、今までどれだけ食費に金をかけすぎていたのか、ということを思い知った次第。

 茶餐廳については、以前『香港無印美食』(龍陽一)を読んだけど、あれはエッセイメインだったので、イメージできない部分も多少あった。でも、この本はblogをもとにしているので、写真も豊富だし、ガイドとしても利用できる便利な作りになっている。
 さすが香港レジデンシーだなーと思ったのは、我々旅行客が滞在する九龍や港島側だけじゃなく、元朗や天后などのローカルエリアもカバーしているというところ。もしかして、そのへんにお住まいだったのかな?とも思ってしまうけど。
 ここで紹介されたお店は、実はどこにも行っていない(苦笑)。でも、このメニューの豊富さはどこの茶餐廳にも共通だし、メニュー名もはっきりしたから、これからは現地で何を食べようかとあれこれ迷うことはないのかな。
 しかし、おいしさの基準が“おやじシーシー度”ってーのはナイスですね。
いかに香港好き女子(含むもとはし)が香港おやじ好き、もといおやじ情報に信頼を得ているかというのはよくわかりますよ、はっはっはっは。

 お次は『香港最強手信』。
“手信”というのが北京語の辞書に載っていなかったんだけど、おそらく「お土産」と同意義じゃないかと思われる。
 檀島のエッグタルト、陳意斎のツバメの巣ケーキ(そんなに好みじゃないが…)、英記茶荘のぽーれい茶、マンダリンオリエンタルのローズジャム、『裏グルメ』でも紹介されているJenny Bakeryのパイナップルケーキなど、よく知られている定番お土産から、中環の蘭芳園特製のペットボトル入りない茶、飲茶でお馴染蓮香楼の八寶鴨など、意外なお店のお持ち帰りまでが紹介されている。100%Made in Hong Kongを名乗った、まさに最強のお土産たち。どれも買ってみたいけど、さすがに英記の2200元するぽーれいには手が出せんな(笑)。個人的には銅鑼湾にあるZoeのケーキと、鴨[月利]洲のMonde Chocolatierのチョコなどを試してみたい。
 巻末には、贈る相手別のお勧めリストなどもあって、非香港人の身とでもこれは便利。
来年6月末まで有効のクーポン券もついているので、春香港に行ければこれは是非とも使おうかな。

 未だに香港と言えば「グルメ、ブランドショッピング」と言われるけど、そんなのはもう過去の話なのよね。今後も香港道をつきつめていきたいし、まだ本当の香港を知らない方々にもこの街の奥深さを知ってもらいたいもんだねぇ、なんてことを思う、クリスマスであった。

 明日で仕事は終わり、週末からちょいと旅に出るので、今年の長文エントリはこのへんで。あとは何か面白いものがあったら、ぼちぼちアップしていきます。
 それでは皆様、Have a happy holiday!

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K-20 怪盗二十面相・伝(2008/日本)

 今年は金城くん迷にとっては、嬉しいことこの上ない1年だったんじゃないかな。
春には『死神の精度(香港タイトル:甜言蜜雨)』、秋には『赤壁』、それに続いてこの『K-20』と、主演映画が3本も公開されたんだもんね。
 東京が水没したり、地球が滅ぼされたりというパニックものばかりでダークなこのお正月映画の中、銀幕でも景気の悪い話は見たくないもんね、肩の力を抜いて楽しみたいな、とオアシスの主題歌を口ずさみながら観に行った。

 舞台は第二次大戦が回避され、戦争が終結したパラレルワールドの日本にある“帝都”。
 そこでは全盛期からの華族制が守られていたために、人々の生活格差が激しく、職業や結婚が制限される社会と化していた。1949年、帝都では怪盗二十面相という義賊が出現し、華族の金品が盗み出されるという事件が多発していた。
 遠藤平吉(金城くん)は下層庶民の一番の娯楽である、グランドサーカスの花形軽業師。サーカスと鳩(!)をこよなく愛する彼は、病気で苦しむ団長の南部先生(小日向文世)を助けたいという一心で、ゴシップ雑誌の記者(鹿賀丈史)の仕事の依頼―二十面相を追う華族の探偵・明智小五郎(トロさん)と羽柴財閥の令嬢葉子(マツタカ)の結納の儀を写真に収めること―を引き受ける。
 しかし当日、羽柴財閥のビルの屋上で彼がカメラのシャッターを切ると、ビルの下層階に仕掛けられた爆弾が爆発。その混乱の最中、平吉を見つけた明智の弟子小林少年(本郷奏多)に二十面相だと指摘されたことで、彼は軍警に逮捕されてしまう。二十面相の罠にはめられたと気づいた平吉は無実を訴えるが、当然警察は聞く耳を持たない。
 平吉は刑務所に護送される途中で、サーカスでからくりを担当する相棒の源治(國村さん)とその泥棒仲間に助けられる。自分が逮捕された後、サーカスは解散させられ、可愛がっていた弟分(今井悠貴)がふきっさらしの野原で親のいない子供たちと一緒に暮らしていた。それを見た平吉は、自らの汚名を晴らし、子供たちを助けるために、二十面相への復讐を誓う。そして、泥棒たちの間に伝わる秘伝書を元に、源治とその妻(高嶋礼子)たちの協力を得て自らを鍛え始める。
 鍛錬の途中、平吉は二十面相に襲われた葉子を助ける。それがもとで、葉子と明智を自分の計画に巻き込むことになる。その過程で二十面相は羽柴家所蔵の『バベルの塔』の模写を狙っているとされていたが、本当の目的は葉子の祖父が生前興味を持っていた、ニコラ・テスラ考案の巨大電磁波発生装置を入手することではないのか、ということに平吉は気づく。その謎を解く鍵が、『バベルの塔』に隠されていたのだが…。

 実はアタクシ、怪人二十面相ものも、少年探偵ものもちゃんと通っておりません。
 だってホームズ派だったもん♪乱歩のその他の作品も映像作品でしか触れてないからねぇ。
 なんてーことはさておき、この映画で描かれるのは、怪人二十面相の誕生という「エピソード1」的な物語なのだが、…んー、正直言ってパラレルワールドにしちゃったことで、これは乱歩の二十面相とは別物なのでは?と思わせられるところもあるんじゃないかな、と思った。
 なによりも、本当の二十面相の正体があまりにもあっけなくわかってしまうのと、そのあとの物語を乱歩の正伝とすり合わせていくのは、あの結末ではかなり強引なのでは?と思わせられちゃったからである。確かに原作は乱歩自身じゃないにしろ、『サーカスの怪人』でほのめかされたという、二十面相はサーカス団員の過去を持っていたという設定を忠実に守っていたというからこそ(「ダ・ヴィンチ」12月号、北村想さんインタビューより)、原作は未読にしろ、ホントにその結末でいいのかなーという気持ちにさせられたもんで。

 筋書きに対する感想はここまで。次は映画自体について。
 監督こそ、これが約15年ぶりの劇場映画となる岩手出身の佐藤嗣麻子さん(この方、TVドラマの脚本家として知られるけど、監督デビュー作は日英合作の『ヴァージニア』。『エコエコアザラク』の最初の映画版を観てます)だけど、スタッフはほとんど、あの『三丁目の夕日』二部作の人たち。
 …うわ、実はあの映画は超苦手。だって、最新VFXで昭和30年代東京の姿を画面に見せられても、ワタシゃその時代を全然知らないし、きれいなだけで陰の部分が見えないし、なにしろ“昭和礼賛主義”が気に入らないもん。だから、同じことをやられたらやだなぁと思ったけど、さすがに監督が違えば演出方針も変わるわけで、上海ロケも効果的に使い(おお、お馴染のあの街角だ!と心の中で喜んだぜ)、アクション主体で見せた演出(嗣麻子さん曰く、平吉が駆使するアクションはワイヤーじゃなくて、映画『YAMAKASI』で知られる、フレンチワイヤーアクションことバルクールという技らしい。eiga.comより)をうまくサポートしていたので、それは評価したい。まぁ、こちらは完全に架空の都市だからね。街特有の汚さや暗闇がないのはしょうがないのね。
 でも、そういうスチームパンクな冒険活劇性を前面に押し出したので、ゴシック的ムードの漂う乱歩作品とはまた違う雰囲気になってしまったのが、乱歩がお好きな人にとっては残念なんじゃないかな、って気もする次第。

 そういうおどろおどろしさを払拭した作りになったからこそ、金城くんが起用されたんじゃないか、などとも思ってみたりする。あくまでアクション映画として割り切るってことでね。
 彼も出ている映画のスケールがでっかくなってきている(特に中華圏)ので、本人としても余裕があって、かなり自由に演じていたように感じた。でも、『赤壁』に続いてまたしても鳩使いってのはとにかく笑うしかない。これは偶然らしいんだけどね。
 今ではさすがに彼も『不夜城』の劉健一や『リターナー』のミヤモトのように、自らの出自をイメージさせるようなキャラクターを演じることはなくなって、ここではしっかり日本の下層庶民を演じていた。そういう役どころでは、ホントにフツーの日本人俳優と同じ扱われ方をされていて、その映画もわざわざここで取り上げなくてもいいか、とも思ったんだけど、今回は脇役に中華電影と縁の深い俳優さんが多かったので、そっちに注目。

 まずはなんといっても『ハードボイルド』でユンファと戦う殺し屋を演じた國村さん!
彼はこれ以外にも未公開ながら何本か香港映画に出ているというのが嬉しい。そんな彼が金城くんとコンビを組むんだから当然ウーさん話で盛り上がるんだろうと思ったら、実際そうだったというのがいい(from eiga.com)。この二人は見ていて楽しく、源治夫婦を主人公にスピンオフを作ってほしいなんて思っちゃうくらい(こらこら)。
 そーいえば問題作『少林ラクロス』にも出ていたよ、のトロさん。中華電影でのキャリアは説明不要ですね。立ち位置としては今回も敵役です、とネタバレにならない程度に言っておこう。トロさんの明智?土曜ワイド劇場的じゃないし、ミスキャストでは?とか最初は思ったけど、キザすれすれのキャラだからああなるのもわかるかな。でも、平吉が変装した明智のボケ気味演技は、20年くらい前にトロさんが“マヌケな動物”と称されていた役を演じた某刑事ドラマを思い出させてくれて面白かったよ(苦笑)。

 中華がらみ以外では、冒険活劇のヒロインに年齢は関係ないということを証明してくれたマツタカちゃん(天然演技が嫌味になりませんな)、気風の良さが魅力的な礼子姐さんの女性陣がよかった。しかし、張傑…じゃなかった、要潤の出番はあれだけかよ!今度は是非、金城くんの弟役としてリベンジを!(うそうそ)

監督&脚本:佐藤嗣麻子 原作:北村 想 音楽:佐藤直紀 脚本&VFX協力:山崎 貴
出演:金城 武 松 たか子 仲村トオル 國村 準 高島礼子 益岡 徹 鹿賀丈史 

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傑克船長 祝[イ尓]好運!

 中華電影以外の映画はあまりDVDを揃えないワタシだが、それでも何本かは例外がある。
その例外に当たるのが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』3部作。

 非常にいまさら感漂うのだが、今年の誕生日でやっと三部作のDVDがコンプリートできたので、やっと観られたのである。そんなわけで感想。
 実はかなり早い時期にDVDで1を観ていて、あー面白いじゃないの♪って思っていたんだが、多忙につき(というより中華電影の追っかけで精いっぱい)2と3を劇場で観ることができなかった。3にユンファが出ると聞いたとき、なんで2を観ておかなかったのよーとちょい後悔したこともあり、DVDでまとめてみることを決意したのである。はっはっはっはっは(なぜ笑う)。
 でも、2から観てホントによかった。だって話がつながっているんだもの。いきなり3から観るのは確かに無謀だ。あ、前2作のアバウトな感想はこちらこちらを参照あれ。 

 前作のラストで怪物クラーケンに飲み込まれ、宿敵デイヴィ・ジョーンズ(以下恐怖タコ船長)の支配する“海の墓場”に連れていかれてしまったカリブのイカれた海賊、ジャック・スパロウ。タコ船長と結託した東インド会社が海を恐怖で支配し、人々は海賊の時代が終わることを予感していた。
 それは当の海賊たちにも危機感を抱かせ、世界の海賊長たちに招集がかかった。しかし、カリブの海賊長たるジャックは海にいない。そこで前作でジャックを策略に巻き込んだエリザベス・スワンと、彼女にわだかまりを持っていたウィル・ターナーが、彼が閉じ込められているという海域の海図を持っている、東シナ海の海賊長に会いに行くことになる。

 ユンファ演じるこの東シナ海の海賊・嘯風(サオ・フェン)のモデルは、香港でもおなじみの中国人海賊・張保仔だというけど、ちょっと調べるとそうじゃないという説もあるようで、ちょいと迷う。でも、彼とおなじ9人の海賊長の一人であるミストレス(マダム)・チンにもモデルがいるようで(鄭一の妻、石陽らしい。FromWikipedia)、そのへんあてにしてもいいのかな。
 さすが海賊だけあって、いかついキャラクター造型しているなぁ。しかもアジトはシンガポールのサウナって(笑)。もちろんエンターテインメントだから、多少の誇張は承知だけど、初登場の場面はなかなか楽しかった。ジャックとの絡みはちょこっとだけだったけど、もうずっと見ていたかったねぇ。あと、二人のツーショットを見て、ジョニデとならんでもユンファってやっぱりでかいんだ、と改めて思った次第。

 しかし、ジャックもそうなんだけど、なんで海賊ってーのはすぐホイホイと裏切るんだか(苦笑)。この嘯風もあっさりと人をだまして、エリザベスをさらっちゃうんだよね。ま、その「誰が敵で誰が味方か」のわからなさもまた、このシリーズの魅力だもんね。
 エリザベスをさらった後の掛け合いもまた面白い。広東語でなんか詩を詠んでるし(nancixさんの記事によると、この詩は李白らしい)、単なるエロハゲおやぢ(こらこら!)じゃない伊達男っぷりも感じる。こーゆーとこ、やっぱりユンファだよなぁって思う。
 その後、よんどころない事情で嘯風は退場せざるを得ず、エリザベスが彼の遺志を継いで海賊長になってしまうのだが、彼女はちゃんと中華テイストの海賊コスチュームを着て海賊の評議会に登場。その配慮、よしとしよう。なんちって。

 特典映像のNGシーンも、ユンファはなかなかおちゃめ。エリザベスに“海賊長の印”を渡そうとしてうっかり自分のひげをもぎ取り、「オレの自慢のひげがー!」とか言ってるし。
 ユンファ単独のインタビューも収められていて(北京語でしゃべってたけど)、楽しんで撮影に参加してたんだろうなぁってことがうかがえる。ウィルことオーリーがかなり興奮してユンファを激賞していたけど、次も共演のチャンスがあってよかったね。あ、でもまだ撮影には入ってないんだっけ。トーさんのあの作品は。

 これまでハリウッドでは“海賊映画は当たらない”というジンクスがあり、それもこのシリーズのヒットでみごと吹き飛ばされたとのことだが、そういえばあまり海賊映画って観たことがないなぁ。小説やマンガではスウェーデンのルーネル・ヨンソンによる『小さなバイキング』とか(これね、これ)、ゴムゴムのルフィくん(あえて検索除け)とかあるけど、日本映画でも海賊ものは少ないような気がする。でも、香港映画ではちゃんと張保仔を主役にした映画もあるんだけど、これは今の今になって初めて知った。ホントもの知らずですんましぇん。今度チェックします。
 さらに香港には張保仔にまつわる史跡もあるというので、これも今度香港に行ったら足を運んでみようかな、と思った次第。
 
 とにかく、やっと観られてよかったよ、パイレーツ・オブ・イーストチャイナ(違う)。

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2008 funkin'for HONGKONG的電影奨&最印象的中華芸能新聞

 前回から間が開きましたが、例年通りに個人賞を。
あ、十大電影では番外にした『赤壁』は、個人賞で入れました。ごめん、ずるくて。
 なお、今年は中華芸能的に気になったニュースも多かったので、そっちについても5つほど印象的なニュースを挙げてみました。

最優秀主演男優賞 トニー・レオン 『ラスト、コーション』

 去年こんなこと言っていたので、今年は殿堂入りさせて、ジェイでも推そうかなと思ったんだけど、やっぱり『色、戒』の易先生の鬼気迫る演技はすごかった。ベッドシーンはどーでもいいが。
 しかし最近のトニー、常にベッドシーンを期待されてるような状態にあるのはなぜなんだ。別にこっちはベッドシーンに何の期待もしていないのに。

 最優秀主演女優賞 ユー・ナン 『トゥヤーの結婚』

 香港女優はやっぱり圧倒的に人材不足だなぁ…。
 でも、中国女優である余男小姐は意外にもフットワークが軽く、ハリウッドから台湾まで、いろんな映画に出ているようなので、今後は張静初に続いて香港映画にも本格的に進出してもらいたい。でもこうしちゃうと、ますます香港女優が育たないんだけどね…。

 最優秀助演男優賞 アンソニー・ウォン 『言えない秘密』 『陽もまた昇る』 『ハムナプトラ3』

 秋生さん、最近かなり働いてません?ハリウッド方面にも行き始めたり、ジョーと義理の親子の役を演じたり。上に挙げた3作品の中では、やっぱり『太陽常在升起』の♪美麗的ソ~ロ~河がよい。あれでかなりつかまれたし。

 最優秀助演女優賞 ジョアン・チェン 『ラスト、コーション』 『陽もまた昇る』

 あ、2年連続だ!すごいぞジョアンさん。
 ここまで来たら、オーストラリア&台湾合作の《意》も観たいんだけど、…日本公開は絶対無理なんだろうな。
 あと、彼女には香港で新作を監督してもらいたい気もするんだけど、誰か出資しません?なんちって。

 監督賞 アン・リー 『ラスト、コーション』
 
       アン・ホイ 『生きていく日々』

      ジョン・ウー 『レッドクリフ part1』

 …すみません、今回は監督を3人選出しました。
 どの監督も、新作が嬉しかったのでね。

 最優秀新人賞 シュー・チャオ 『ミラクル7号』

 しかし、中国は子役俳優も充実してるよねー(笑)。
 徐嬌小姐、今度はアンディ先生と共演だって?楽しそうだねぇ。

 今年の愛とツッコミで賞

 逆境にもめげず今後に期待したいで賞 タン・ウェイ 『ラスト、コーション』

 もう湯唯小姐、ホントにかわいそうだよなぁ。なんであんなにたたかれなきゃいけないんだか。現在撮影中の田壮壮監督の新作で、ジョー主演の《狼災記》は、最初は彼女がヒロイン候補だったけど、なんのかのあって最終的にはヒロインがマギーQになったと聞いたので、もったいないなぁ、これで復帰できればよかったのに、と思った次第。

 なんでそんなにカッコいいんで賞 フー・ジュン 『レッドクリフ part1』

 いやホント、これは中華電影はもちろん、非中華な人々もみな口をそろえて言ってましたよねぇ。男と知名度を上げたか、胡軍よ!part2での大活躍も楽しみだ!

 では続いて、今年の 最印象的中華芸能五大新聞を。
 十大ニュースじゃなくてすんません。
 各ニュースのリンクは、自分が書いた該当記事です。

 第5位 『赤壁』、日本でまさかの大ヒット(爆)

 eiga.comこのコラムによると、興収は最終的には50億円超えるみたいだけど、それでもやっとガリレオ先生に並ぶくらいなのか…。しかし、あそこまで宣伝攻撃をしたエイベには感謝せねばいけないのかもしれないけど、あの会社は嫌いだから、ちょっと複雑な心境。これについては別のところでも書きますね。

 第4位 台湾映画、新時代を迎える

 とかなんとか言いつつ、実際今年自分が観た台湾映画の新作は『言えない秘密』と『ビューティフル・クレイジー』だけなんだが(合作だけど『闘茶』もあったな)、これらの作品を観ると、ホウちゃんやミンリャンとは明らかに違いつつも、彼らの作品の裏に感じられる台湾的雰囲気を若手なりの軽やかさで出しているのがいい。
 ああ、『海角七号』の日本公開はないのかなぁ…。

 第3位 アン・ホイさん、福岡アジア文化賞大賞受賞

 確か、女性初の大賞受賞者でしたっけ。
 過去の大賞受賞者であるホウちゃんやイーモウに比べて、日本での彼女の知名度は高くないけど、『生きていく日々』を観て、現在の香港映画制作の厳しい状況の中でもなんとか頑張って映画を撮っていこうとするアンさんの前向きな姿を感じ、今後の作品に期待したいな、と思った次第。

 第2位 えぢの、えぢの大バカヤロー!

 もうさぁ、ガッカリだよ。
 別にゲーノー人だからセックスするなとは言わないし、写真を撮るのも合意の上だったんだろうけど、秘密の写真はちゃんと削除しておくべきだよ。もっとも、一番許せないのはそれを電脳上にばら撒いた奴らなんだけど、ネットモラルって全世界的に崩壊しているのね(泣)。
 これがなけりゃ、ジルは『梅蘭芳』で知名度を上げられたのに…。

 そして第1位は、やっぱりこれしかないだろう、うん!

 トニー&カリーナ、あまりにも長すぎた春に終止符を打ち、結婚!

 ホントに、どうか二人ともお幸せになってください。

 …ワタシの分まで(こらこらぁ!)

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相変わらずの愛と独断と偏見による、2008funkin'for HONGKONG的十大電影

 やっと、『初恋の想い出』の感想が書けた…。
 忙しかったから、これ書くのになぜか10日もかかってしまったよ。
 この作品をもって、ワタシの今年の中華電影はとりあえず見納め(『放・逐』がこっちでやってないのでね)。夏に香港で買ってきたVCDも実は全部観ていないんだけど、早いところまとめないと師走の忙しさに巻き込まれて何もできなくなってしまうので、毎年恒例のコレをやってしまいます。

 てなわけで愛と独断と偏見に満ちて、早いことで今年で5回目!となった、funkin'for HONGKONG的十大電影を発表しまーす♪
 なお、選定基準はこちらです。では、カウントダウン形式で10位から。

10・武侠怪盗英雄剣 楚留香

9・ファイヤーライン

 両方とも旧作ですが、『香港レジェンド・シネマフェスティバル』で観た貴重な作品。
『楚留香』は若々しいティ・ロン兄さんの伊達男っぷりと、「なんじゃこりゃあああ!」と思わず言ってしまいたくなるストーリー展開にやられた次第。ああ、これが往年のショウブラ武侠電影の醍醐味なのね。カルト映画は食指が動かんが、これなら観られるなぁ。
 『十萬火急』は現在の親分作品につながる見せ所満載で楽しく、ラウチン・中信さん・レイモンドくんのアンサンブルも魅力的。これを『つきせぬ想い』のすぐ後に観たら、多分ラウチンに惚れるんじゃないか…と思うがいかがなものか。

8・些細なこと

7・陽もまた昇る

 両作とも東京国際での鑑賞作品。
 もうすみません、ホーチョンに甘くて。さらにすいません、アートな映画に甘くて。
『破事兒』は未だに『出エジプト記』が観れないので、この短編集をどう評価していいのか迷っているんだけど、短時間でよくがんばってとったよ、偉いねってことで。
『太陽』は美術の美しさとメロディアスな音楽と魅力的なロケ地と実力派俳優の演技があれば、物語が破綻していてもいいのだ、という、まるでかつての王家衛のようなこと(これが彼の悪いところでもあるが)を平気でやりながら、それでいて姜文の個性が出ているってーのをつい評価しちゃいまして、ホントにすんません。

6・トゥヤーの結婚

 ダメダメで辛くてどうしようもなくて悲惨な状況を描いた物語なのに、思わずクスクス笑いを抑えきれないのはなぜだ。たくましく働く寡黙なトゥヤーにくらべ、彼女に恋する男たちの情けないことよ。
愛する人のいるいないに関わらず、働いてしっかり生きなきゃね、と思いを新たにした(なんか違う)。

5・言えない秘密

 香港映画以上に、地方で台湾映画を観る機会は少ない。もし無理してでも「台湾シネマコレクション」や「アジア海洋映画祭」を観に行っていたら、『遠い道のり』や『練習曲』や『海角七号』が上位に入っていたのかもしれない。でも、ジェイが初めて監督したこの作品からも、現在の台湾映画がいかに瑞々しさにあふれているのかが手にとるようにわかる。来年は先に挙げた3作品はもちろん、『DNAがアイラブユー』や『ミャオミャオ』などの旬の台湾映画が、日本で一般公開されてくれると嬉しい。

4・長江哀歌

 今年の中華電影は、ジャ・ジャンクーで幕を上げた。
 もちろん、初期作品の良さもわからないわけはないけど、不意に『男たちの挽歌』のあのテーマが流れてきた瞬間、反則だとわかっていても胸をグッとつかまれてしまったので。そして、彼が自分と同世代の人間であるということも、この映画を観てよくわかったのであった。
 それでも、1位にはできないんだけどね。ははは。

3・ラスト、コーション

 劇場で一般公開された中華電影では、これがトップ。
トニー主演だし、李安さんの作品だから、という贔屓はもちろんある。そして、非常に映画としても完璧である。しかーし、それでも何かが足りない。それはボカシが邪魔というわけじゃない。あまりに完璧すぎると、愛を注ぐのも難しく、それゆえか1番にはできない。
 こんなこともあるのね、なんて思った次第。

2・文雀

 すでに昨年『エグザイル』を1位にしているし、過去に『ブレイキングニュース』もトップにしたので、自分どんだけ親分作品贔屓にしとるんか、そろそろ別格にしたらどうか、という気もしたのだが、この『文雀』もたまらなくよかった。まさかあの『放・逐』の後にこーゆー作品を撮るのか!と驚いたし、これがまたいい話だしねぇ。
 だから日本でももーちょっと親分の知名度が上がってくれるとなおさら嬉しい。だから現在地元で『放・逐』が上映中の皆さん、是非劇場まで観に行ってヒットさせてください!

 そして今年の第1位は、まさかというかやっぱりというか、とにかくこれでした!

1・生きていく日々

 社会問題となっている地域を舞台に、無名&素人俳優のアンサンブルで綴られる、何も事件が起こらない物語。はっきりいって地味地味の極致なのに、これほどまで心をつかまれた映画はかなり久々。
 スターがいなくても、HD撮影でも、低予算でも、これは立派な香港映画。そう思わせてくれるのは、アン・ホイさんが市井の人々の暮らしに温かい目を向け、困難な経済状況でも人の暮らしはこれほどまでにいとおしいのだ、ということをさりげなく伝えてくれているからだ。人々の姿を温かく描くのも、香港映画の特性だからね。
 次回作となる、ヤムヤム&張静初主演のやや悲劇的な作品では、プロの俳優を用いて、同じ舞台でどこまでエモーショナルに描くことができるのか、ということに注目したい。

 ここまでが公式的な十大電影。個人賞等は次回記事にてアップ。
 最後に、おまけの番外編。

 今年の番外:レッドクリフ 

 完結していたら入れてあげたのにねー。だから感想も歯切れ悪いまま終わっちゃったよ。
 というわけで来年エントリー予定。これは前後編あわせて1作品として数えます。

 今年の次点:ミラクル7号

 楽しめたし、いい話ではあるんだけど、吹替版メインの公開形態と、本格的に星仔が大陸を目指したということで複雑な心境にさせられた作品。もうハチャメチャな星仔は戻ってこないのか?
 星仔よ、とりあえずハリウッド版『七龍球』のプロデューサーからは降りたほうがいいと思うぞ。そうでなくても、日本じゃ次に挙げる作品の評判でミソつけられているんだから…。
 
 そんなわけで今年初めて選んだ、最悪中華(もどき?)電影:少林少女

 謝れ、この映画のプロデューサーと監督は星仔と星仔迷と香港電影迷に謝れ!
 もうこの電視台製作の映画、もとい、このコンビの作品なんか二度と観ないぞ!

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初恋の想い出(2005/中国)

 東京で『放・逐』上映が始まった日の朝、ワタシはこの『初恋の想い出』を観た。

 この映画は大好きな『山の郵便配達』の監督、フォ・ジェンチイが手がけた作品だが、これより先に東京・中国映画週間で新作の『愚公移山』を観た時、これまで以上に大きなスケールや大作を手がけても変わらない真摯な映画作りに感心はしたけれど、政府がらみのこういうイベント(こらこら!)でかかるこの映画自体、所詮はプロパガンダだよな、と思って多少がっかりしていた。それもあって、このところ香港より中国映画の公開が増えているのに、寂しさを感じているのであった。
 そんな愚痴はとりあえず置いといて、本題へ行こうっと。

 舞台は中国東北部の架空の街・東林。
 1970年代、この街にある公社(多分)の子弟が住む官舎に暮らす屈然(ヴィッキー)と侯嘉(陸毅)は幼馴染。ある日、遊んでいた侯嘉が呼び出されて帰宅すると、そこには廊下に座り込んだ母親がいた。そして、侯嘉は父親が死んだことを知る。
 80年代半ば、二人は高校生へと成長していた。優等生の侯嘉は父親の死以来脚が不自由になった母親の面倒を見ていた。彼は地元の東林大に進むことを決めたが、成績がイマイチな屈然も一緒の大学に行くことを望む。二人は自然と愛し合うようになっていた。しかし、そんな二人の姿を見た侯嘉の母親は、屈然と付き合うなと告げ、恐ろしいことを息子に打ち明ける。父親の死は自殺で、それには同じ会社の上司だった屈然の父親が関わっていた、と…。翌日、約束していた屈然と高校の同級生たちとの卒業旅行の集合場所に、侯嘉は現れなかった。
 同じ街にいながら、大学は離れ離れになった二人。屈然は、自分の父と侯嘉の父との間の因縁を知る。そんな時、彼女は『ロミオとジュリエット』を読み、主人公の境遇に自分たちを重ねる。家同士は憎みあっても、自分たちの愛は変わらない。そう思った二人は深く愛し合うようになる。侯嘉の母親は「あの子を選ぶか私を選ぶか決めなさい」と息子に迫るが、彼は不自由な身体でここまで自分を育ててくれた母親を見捨てることもできず、葛藤に苦しむ。屈然も侯嘉の父を自死に追い込んだ父を憎み、卒業後に街を出たいというが、父親は同意しない。やがて、二人は死を考えるようになり、地下旅館で初体験をして、睡眠薬で自殺しようとする。しかし、死をためらった侯嘉が屈然をとめ、不審に思った旅館の支配人が両方の家族を呼び出したことで未遂に終わる。屈然の父は侯嘉をなじり、両家の亀裂は決定的なものとなる。かつて侯嘉の父は若い女性と不倫をしていたが、それに悩んで関係を清算したかった女性が上司の屈然に相談したところ、レイプされたと言えば負担が少ないと判断して告発してしまったことがこの悲劇の始まりだった。侯嘉の母は夫に不倫された悔しさを抱きつつ、息子を同じような運命にさせてはいけないと思って、屈然との交際に反対したのだった。
 90年代前期。大学卒業後、侯嘉はボストンに留学し、屈然は地元の企業に就職した。家には兄夫婦が同居しているが、屈然は父への反抗から同じ食卓につこうとしない。ご飯を持って自分の部屋に引きこもり、侯嘉から届いたエアメールを読みふける日々が続く。最初のうちこそ、頻繁に連絡を取り合っていたが、そのうちに二人の連絡は途切れるようになる。二人とも、お互いが変わってしまったのではないかと思うようになり、それを確かめるのが怖かったのだ。やがて、侯嘉の母親がバリアフリーのマンションに越していく。そして、屈然が侯嘉の帰国を知った時、別れてから7年が過ぎていた。
 屈然の父親がガンに冒される。それを知った彼女は、父のガンは自分が迷惑をかけたからだと思い、侯嘉を避けるようになる。そして、彼女は家族の世話をして生きることを誓う。余命わずかな父親は侯嘉を呼び出し、彼の父の死の真相を告白して、この世を去る。
 二人が30代半ばに差し掛かったある年の2月14日、侯嘉はブライダルショップで屈然と再会し、お互いがまだ独身だということを知る。そして、侯嘉は屈然に結婚を申し込むが…。

 この映画のことを最初に知ったのは、朝日新聞で沢木耕太郎さんの「銀の街から」(from [どらく])を読んでからだった。この月イチエッセイは気づいたときだけ読んでいるだけなのだが、沢木さんが珍しく中国映画を取り上げていたので気づいた次第。
 沢木耕太郎さん曰く、この物語は“生き残ってしまったロミオとジュリエット”の物語だという。 
 恋愛にほとんど障害がなくなったともいえる現代(特に民主主義国)でも、この物語が今もなお色あせないのは、恋愛は障害があってもいっそう燃え上がるものであるからであるのだが、社会主義国にして、家族を尊ぶ民族である中国のロミジュリたち―屈然と侯嘉は、恋愛に燃えあがった若い頃に、自由恋愛を良しとしない風潮と家族の情に翻弄される。しかし、彼らが歳を重ねていくごとに、国は改革開放にはしり、民主的ではないにしろある程度の自由恋愛も容認されていくのに、決して結ばれることはなく、家族に償うようになっていく。20代、30代と進むに連れ、一時的な恋愛の情熱よりも、死ぬまでの付き合いとなる家族が大事になってくる。そして、お互いはもう人生の伴侶を決めているのかも、という小さな疑いが彼らを決別させるものの、偶然というべきか、気がつかずなのか、二人ともまだシングルでいた。駆け落ちだってしてもよかったのである。でも、それができなかった。それは家族も自分を愛してくれていたから。そして、30代になった中国のロミジュリは2月14日に結婚衣裳を着て写真を撮るものの、これで彼らがハッピーエンドになったというわけではない。それは、ドレスを着ても顔を曇らせたままの屈然が、やがて目の周りを真っ黒にしながら涙を流し、無理やり笑顔を作ろうとしても、どこか心から幸せそうには見えないという表情をしていることから窺える。もしかしたら、この映画の後で二人は本当に結婚したのかもしれないが、そこからまた物語が始まる、ということだってわかるからだ。
 初恋は決して実るものではない。いくら初恋の人と結ばれても、あの頃とはきっと全然違う。
 この映画を見終わって、そんなことを思った。同じ“初恋”ものでも、『初恋のきた道』があまり好きでないのは、もしかしてこういう気持ちがあるからじゃないかと思う。

 ヴィッキーはいつもの元気いっぱいな演技を封印し、10代から30代半ばまで、愛と情の間でゆれる女心を好演。上海国際映画祭女優賞受賞も伊達じゃない。でも、個人的にはおてんば演技の方が好きだ…といっても、もうそんな役どころが出来ないお年頃?
 なかなかにハンサムな陸毅は、『ジャスミンの花』にかぶるようでかぶらないキャラだったような。この手の初恋ものに登場する大陸男優では、『初恋』の学校の先生とか、『スカイ・オブ・ラブ』の[イ冬]大為とか『故郷の香り』の郭暁冬とか、どーも垢抜けないけど「ぶさ」とも言い難い、実にビミョーな男優ばかりだったので、それが感情移入を妨げるような気がしてならないんだけど、そんな彼らよりはいいとしても、どっか中途半端な印象を受けるのはなぜなんだ。これがリウイエや陳坤だったらまた違う気がするんだが。

 あと、気になったのが時代と舞台設定もろもろ。
 もしかして、架空の地方都市にしたのはわざとか?ロケはハルピンで行われたらしく、春に舞う綿毛や、石造りの重厚な建物は素敵だったけど。舞台を架空にしたから、文革末期の荒廃した雰囲気もなく、屈然の着る木綿の服にセンスの悪さが感じられないのか。『陽もまた昇る』でも、70年代後半の田舎でそういう服は着ないのでは?と思ったところがあったけど、もしかして両作品とも、服の着こなしでフィクションを強調しているのか?

原題(英題):情人結
監督:フオ・ジェンチイ
出演:ヴィッキー・チャオ ルー・イー

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ジャンユー&秋生さん、香港電影の現状を語る語る。

 東京の香港電影迷の皆さーん、本日より公開の放・逐こと『エグザイル/絆』、ご覧になってますかー!
 東京でヒットしないと、ワタシの住むど田舎の地方都市まで上映が回らずにDVD化されちゃいます!ワタシはもちろん、ワタシの街の映画ファンにも、是非この映画を観てほしいのです!
 だからどうか、劇場でご覧になってヒットさせてください!それだけ今、地方都市の映画館で香港映画を観るのが難しくなっているんですよ!
 どうかぜひ、お願いいたしますです!

 さて、先月の来日時には精力的にプロモーションを行っていたジャンユー&秋生さん。最近の映画プロモの大多数を占めるヘンなタレントの営業活動に絡まれなかったことが幸い(それやったら、絶対秋生さんが怒るに違いない)だったけど、東京公開が近くなってあちこちの媒体に二人の顔が出てきたのが嬉しい。そうそう、こういうのがまっとうなプロモ活動なんだよね。

 そんなプロモの一端として出たJ-WAVEのMODAISTA内の番組「T-STYLE CAFE」を、地元のコミュニティFM経由で聴くことができた。
 サイトではジャンユーのインタビューが取り上げられているけど、他の媒体でも香港映画の現状への苦言をバンバン言っていた秋生さんは、「香港映画のいいところは臨機応変に対応できるところであるが、それもまた欠点でもある」というように述べていた。
 また、ジャンユーは現在のハリウッドに対しては「全世界に力をふるっていても、根底にあるのは“アメリカニズム”。今のハリウッドには新しいものを作り出す力がないから、リメイクにばかり頼る。それが大問題」と言っていた。…もちろん、同意。そんなところで作られたディパがあんな結果になったのも、かの地のダメっぷりを露呈してるよなーって思ったもん。
 オサレFM局であるこの局が珍しく香港映画をプッシュしてくれるのね、と思ったら、9月の試写会のうちにすでに局員さんに目をつけられていたようで、やっぱり非香港電影迷にももっと観てもらわなきゃなー、と思った次第。(…よく考えたらJ-WAVEはこの映画を含む親分作品のジャパンプレミア上映となるフィルメックスのサポートをしているので、その流れで取り上げられたとなれば自然ではあるんだけどね)

 番組中に流れるのはフェイやら『恋する惑星』サントラ収録のフランキー・チャンのインストルメンタルなど、現在の香港ポップスじゃなくて数年前くらいの曲が多かったんだけど(中華楽曲の範囲を広げるとジェイやF4になっちゃうもんね)、番組後半ではどっかで聞いたことがあるような声と歌が…、と思って聞いていたら、これ、トニーが8年前に歌った『面対面』じゃないか!
 J-WAVEの誰だ、この音源見つけてきたのは!

 ところでワタシ、星光大道に刻まれた名前の数が101人だったということは知らなかったざんす。行っても数えたことなかったし。でも、ダルメシアンじゃないんだから(笑)、水滸伝にちなんであと7人増やしてもいいと思うぞ。なんちって。

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★★★じゃなくても、全く構わないよ。

 ここ1,2年話題をさらっている、みすらんのグルメガイドブック。
 おいしいものは好きだけど、なにがかなしゅーておふらんすのタイヤ会社が評価したものをありがたがらなきゃあかんねん、こちとら安くてお腹いっぱいで幸せになる田舎もんで庶民だから、お高いオサレなお食事なんてもんは興味ないのよ、なんて暴言を吐いてみたりする。
 さて、昨年東京版が発売された時にも話題になったが、どーもこのみすらん、中華がお気に召さないらしく、東京の中華料理の★の数が少なかったそうだ。
 てーことは、そんな方々が香港でグルメ調査をするとなると当然…、と思ったら、案の定の結果になった次第。

なぜ東京より★★★少ない?香港の美食家から不満の声 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

レストランなどを星の数で格付けする「ミシュランガイド香港・マカオ版」の概要が2日、当地で発表された。

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 しかし、香港では三~一つ星評価を受けた店が計22店で、東京版(2009年)の173店に及ばなかったことから、「『美食天国』香港のイメージが壊れる」と不満の声が上がっている。

 香港・マカオ版で三つ星評価を得たのは計2店。香港の有名広東料理店「龍景軒」と、マカオのフランス料理店だけだった。

 でもさぁ、これでよかったんじゃないかな。
 だって、香港の一流店のお値段が、みすらんのせいでどんどん高くなったら困るもん。

 それに、香港の食の魅力はやっぱり庶民の味。
 だから、みすらんで評価されたところなんて、やっぱり行かないよ。

 庶民の味といえば、この本ですが、まだ読了してません。
 次回の香港行きまでに読んで、行く店を決めておきます。

 

 実は恨ミシュラン派(笑)のもとはしでした。
 そーいえばあの本には福臨門と陸羽が取り上げられていたんだっけ。

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「レスリーって、すごかったんだね!」

 これは、2週間前の連休に、新宿で『覇王別姫』を観た時、同じ回で観ていた若い(多分大学生くらい)お嬢さんが言っていたという言葉。

 そうだよなぁ、この映画、15年前の作品だから、大学生くらいだとほとんど知らないんだろうなぁ。
 その年月がいかに長かったかは、上映されたフィルムの傷みが物語っている。
 画面には傷が多く、つなぎや音声も途中で切れる。いろんな場所で、何度も何度も上映されてきたんだな…。

 ワタシはこの映画をビデオやTV放映でしか観たことがないので、劇場で観ること自体が初めてだった。
 ケイズシネマの画面はあまり大きくないけど、眺めるには十分。
 そこで繰り広げられる京劇の豪華絢爛さと、激動の20世紀に翻弄された蝶衣と小樓、菊仙の姿に改めて胸をつかまれた。

 今回注意して観たのは、今は丞相殿をやっている張豊毅と、『夜宴』の皇帝様こと葛優。
 丞相様、さすがに若いなぁ~(笑)。でも、改めて観たらなんとなく空気が読めていない(苦笑)マッチョぶりが気になるんだよね。
 しかし、葛優さんは変幻自在だよね。彼がここで演じた袁さんをほとんど忘れたまま、夜宴を観ていたんで、そのちょいワル皇帝っぷりに多少やられていたんだが、そうだそうだ、この人ってこういうエキセントリックな演技が得意だったんだ、といまさらながら思い出した。
 あと、印象的だったのは、デヴィッド・ウーがかなり目立ってたってことか?
 ワタシと友人たちの間では、デヴィッドといえばchannel[V]の呉曼(wu-man)だったので、ワタシ同様久々に観た友人曰く、「うわーwu-man、懐かしいって思っちゃった!」とのことだった。

 いずれ、ニュープリント版を作ってくれないだろうか。
 陳凱歌の新作『花の生涯・梅蘭芳』はかつての日本ヘラルド映画を母体にした角川映画で配給されるとのことだけど、『覇王別姫』の配給権を持っているのって、角川だっけ?それともかつてビデオを発売していたアスミック・エースの方?

 とにかく、どちらかの配給会社さん、ご検討の方よろしくお願いします。

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