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カンフーダンク!(2008/台湾・香港・中国)

 ♪我不賣豆腐(豆腐)、豆腐(豆腐)、日本語吹替だけかよ功夫、功夫(功夫)、功夫(功夫)、主題歌だけでは満足しないよ豆腐!←ここは「周大侠(マスター・チョウ)」のサビのメロディで歌っていただきたい。

 香港旅行記はまだまだ続けるけど、早くアップしなけりゃ終わりそうなので、今日はお休み。
 休み明けに地元で『カンフーダンク!』を観た。ああ、やっぱり字幕で観たかったなぁ。東京での字幕版上映は2週目から増えたそうだけど、ここ東北の田舎はもとより、東北最大の都市仙台でも吹替版のみ上映なんだもの。なんでかなー。そんなにジェイって日本じゃ無名か?

 こういったけど、日本ではジェイって意外と誤解されているというか、アジアのスーパースターという認識をされていないような気がする。確かにイケメンじゃないし(こらこら)、スターっぽくないはにかみ屋さんだし、日本で彼が紹介されるときはいつも「台湾長者番付ナンバーワン」なんていう妙に拝金主義的な枕詞(中華系だから?)がつくし。
TVワイドショー&スポーツ紙系向け露出を手がける広告代理店(〇通?)が「全ての日本女子はイケメン好き」と考えているからかどうなのかは知らんが、いくらジェイがいわゆるイケメンじゃないからって、それゆえの実力のすごさを全く伝えずに、ご本人よりゲストの名前の方が主語に来るような取り上げ方っていったいどーよ?そうでなくても、このところのエンタメの扱いがまるで20年前に戻ってしまったかのように欧米≧日本>アジアになっていると感じるのに…。
 それに追い打ちをかけているのが吹替メインの上映。配給側はこの映画を本気でヒットさせようとか、ジェイの知名度を上げようなんてことは全然考えてないんだなぁ、やっぱり誤解されているんだなぁと思って失望した次第。確かにジェイは忙しいし、英語でも日本語でもなく北京語で歌うことから日本人のアンテナには全く引っかかってこないのかもしれないけど、宣伝の側ももうちょっと“アジアのカリスマ”に敬意を払って、その旨を取材側に意識させてあげようよ、と思ったのであった。
 …考えすぎかもしれないけどね。

 さて、本題。
 監督の朱延平。うわー久々にこの人の名前を聞いたよ、誰が呼んだか“台湾の王晶”!
日本の映画ファンにとって台湾映画といえば、ホウちゃん、ヤンちゃん、ミンリャンのいわゆる“台湾ニューウェーブ”の面々や、李安先生のような国際派が思いつくのに、彼らは一般的にはマイナー。だからといって台湾に娯楽映画がないわけではなく、かつては実はこいつ一人で全て娯楽映画を作ってるんじゃないかと思うほどの数をこなしていた監督だ。しかもほとんどの作品が徹底的に娯楽に徹していて、困ったことに(?)ある意味王晶以上にナンセンスで、ある種の香港映画より壮絶な展開を見せてくれる作品も少なくない。
 そんな評判の監督だから、「絶対なんかやらかすだろーな」と思っていたら、まー案の定か。

 天津郊外のバスケットコートに、男の赤ん坊が捨てられていた。彼を拾ったホームレス(ジャッキー・ウー)は、「功夫武楼」という武術学校の師父(エディ・コー)に赤ん坊を託す。武術家の方世玉にちなんで(?)方世杰と名づけられた彼は、師父と「四天王」と呼ばれる師匠たち(マンタ、梁家仁、ヤン・ニー、ホアン・ポー)に可愛がられ、カンフーを学びながらすくすくと育つ。しかし、師父は自分が体得した瞬間移動の術を世杰に伝えようとする前に、術のトラップにハマッて凍死してしまう。
 成長した世杰(ジェイ)は、ちょっと勘違い屋さんだけど、カンフーを愛する素直な好青年になっていた。が、師父に代わって就任した校長には疎まれ、いうことを聞かないと追い出されてしまった。
 公演で野宿しようとした世杰は、香港人の小男リー(とっつぁん)と出会う。彼の抜群のコントロール力にリーが目をつけたからだ。一攫千金を狙い「富豪化計画」を世杰に持ちかけたリーは、彼にバスケをするように進める。そして、バスケットの名門チームを持つ第一大学に、「生き別れの両親を探す天才バスケ少年」との触れ込みで売りこんだ。当のバスケチームは世杰が密かに思いを寄せていたリリー(阿Sa)がマネージャーを務めていたが、彼の兄でキャプテンのウェイ(ボーリン)はチームメイトの裏切りにあって以来酒びたりで使いものにならず、リリーが思いを寄せているシャオラン(バロン)は恋人の死とケガでボロボロになっていた。
 最初の試合こそロングシュートを決めるものの、勢いだけでバスケの基本もわからない世杰のプレイはハチャメチャ。ウェイとリリーは基本を学ぶよう示唆し、彼はやがてカンフーで学んだことを応用して超絶なダンクを決めるようになる。ウェイとシャオランは世杰を認め、復活を遂げた第一大学はトーナメントで快進撃を続ける。
 決勝戦の対戦相手は悪名高き火球隊。キャプテンのティエン(畊宏)はかつて第一大学に所属していたため、ウェイやシャオランの弱点をついて反則スレスレのプレイを繰り出す極悪プレイヤー。しかもこのチームのオーナーは、功夫武楼の校長と取引して世杰を追い出した張本人。
 火球隊の攻撃を受けてウェイやシャオランは傷つき、一人になった世杰は「四天王」の助けを借りながら攻めていくが、残り3秒で放ったロングシュートが予想もされない相手に妨害されてしまい、絶体絶命に…!

 いやぁ、かわいいですねージェイ。あのあか抜けない感ある坊ちゃんヘアは、実は李小龍へのオマージュだそうだけど、気づいた人は少なくないよね?そんなところから、ジェイが好きなジャンルで伸び伸びやっている楽しさを感じて、こっちもつられて楽しくなる。
 カンフーとバスケはジェイがこよなく愛するもの。迷であれば誰もが知っているこれを映画に盛り込まんでどーする?これはそんな企画ありきで作られたアイドル映画である。しかも、愛とリスペクトはジェイの側にはあるんだけど、製作側には感じられない。いや、それが悪いってわけじゃなくて、とにかく面白けりゃ何やってもいーじゃん、愛とリスペクトなんて小ざかしいこと言ってんじゃねーよって勢いで作ってしまっている。つまりジェイの愛とリスペクトと、香港からそうそうたるスタッフを招いて天津でロケを敢行し、かなりのバジェットで作られたのならそれを存分に生かさなきゃと目論んだ作り手の勢いが化学反応して出来上がり、アイドル映画として見事に成功している。

 でもね、ジェイにそんなに思い入れがなくて、ある程度ここ数年の大作コメディを観てきた人には、厳しく見られそうな欠点も多い。例えば世杰はおとぼけキャラでも、そのおとぼけさが観る人にどう受け取られるかが微妙だし、ウェイやシャオランのエピソードも登場が唐突なので中途半端に語られる消化不良。四天王の大活躍もよく考えればいくらピンチだからといっても「それかなり反則!」とツッコミたくなるし、残り3秒の危機を劇的に覆す荒業(といってもその伏線はしっかり張ってある)も、真面目な人なら「そりゃねーべー」ものである。

 それでも、「そりゃねーべー」で腹を立てては絶対いけない。そんな人は『少林サッカー』でも同じことを言っているはずだ。なによりもこれはそんなことも大いに許されるアイドル映画だし、ここは素直に大笑いすればいいんだから。確かにあの『少林ラクロス』もクライマックスは「そりゃねーべー」な展開だったけど、あれに不満だった人にはぜひこっちの「そりゃねーべー」展開に笑ってほしい。あの映画にはここまでのつき抜け感がなく、バカに徹さないスタッフの妙なこだわりを無理やりねじ込ませたことが失敗要因なんだから。

 そんなメガすげー展開を横にして、香港電影迷であるワタシの心をつかんで話さないのは、世杰とリーの泣かせる擬似親子関係。『イニD』では秋生さんと、『黄金甲』ではコン・リーとそれぞれ親子関係を演じてきたジェイだけど、金儲けの道具として利用される関係からお互いを認めて支えあい、実の父親以上に慕うまでになる展開に、『わすれな草』でニコが演じたスモーキーと、やはりとっつぁんが演じたヒョウの関係に似たものを感じたので、ベタではあるけど胸がキュンとした次第。まったく、ここでも親孝行者かよー、ジェイ(笑)!

 あと、特筆すべきは杉浦先輩こと畊宏(爆)。スクリーンでは久々のお目見え。ついでに結婚おめでとー♪ホントは親友なんだけど、イニDに続いてジェイの敵役(しかもアホ)、そして相変わらずいい筋肉がつきまくってる二の腕に胸筋を惜しげもなく晒してくれて、そのお約束っぷりに大笑いしましたよー。やーっぱ彼はこうじゃなくっちゃね。
 そうそう、エンドクレジットで気がついたんだけど、南拳の弾頭と不機嫌な要潤…もとい張傑もカメオ出演したらしい。で、どこに出てたかわかる?できればもう一回観て確認したいんだけど、こっちの上映はすでに昼間1日1回のみ上映に縮小されちゃったのよ…。

原題:功夫灌籃
監督:チュウ・イェンピン アクション監督:チン・シウトン 美術:ハイ・チョンマン 音楽:吉田清之&石川 光
出演:ジェイ・チョウ シャーリーン・チョイ エリック・ツァン チェン・ボーリン バロン・チェン ウィール・リュウ エディ・コー ン・マンタ リョン・ガーヤン ヤン・ニー ホアン・ポー ジャッキー・ウー ウォン・ヤッフェイ ケネス・ツァン

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受信: 2008.09.02 08:25

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