« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月

中華趣味の皆様、よいお年を〜♪

よいお年を〜♪
実家近くにいたケリー・チャン。某駅近くにできるマンションのイメージキャラクターのようざんす。年々中華色の薄い年末年始を過ごしておりますが、これが今年最後の中華ネタかしら?「Time Egoist」って…なんかすごいネーミング。

 今年は観た香港映画的には満足したものが多かったけど、映画祭公開ばかりで地元公開が少なかったのがなぁ…。って去年とまた同じようなことを愚痴っててすみません。
 でも、2月に香港へ行けたし(加えてマカオ初上陸)、6月の學友さん演唱会も大いに楽しんだ。えーまー、7月のトニー来日には大いに悔しい思いをしたけど、また来てくれるんだろうから、そのときのお楽しみってことで。
 そして今年はいつもお会いする皆さんに加え、いつも読んでいるbloggerの皆さんにもお会いできたのも嬉しかったです。今後ともよろしくお願いいたします、とこの場を借りてご挨拶いたします。

 来年のお楽しみは『ラスト、コーション』…なんだが、はたして地元は全国同時公開に間に合うのか?そしてジェイ演唱会。はい、とっても楽しみです。
 そして、来年は2月の連休にも3月の年度末休みも行けそうもなさそうだけど、なんとか夏(多分8月のお盆前)に休みを取って香港へ行き、《赤壁》を観て盛り上がりたいもんです。

 では皆様、来年もよろしくお願いいたしま~す! 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

『我很忙』周杰倫

 周杰倫世界巡回演唱会まで2ヵ月をきった今日この頃ですが、
 皆様いかがお過ごしですか。ボクはとっても忙しいです。

 …と、手紙かよ!とツッコミ入れられること確実な前書きにて失礼します。

 教師も走るということから由来する師走もいよいよ暮れていこうとしています。仕事納めやら年末年始の家事やらで3連休から今日の今日までばたばたと過ごしていたらもう2007年もあと3日かよ!と愕然とするもとはしです。って思わず前書きののりを引きずってみる。
 こんなアタシも忙しかったわけだから、この人に“ボクはとっても忙しい”と言われればハハーッ!と納得するしかないよねー。
 そんなわけで、とっても忙しい人の最新アルバムをやっと入手いたしました。
 早速iTunes&iPodに入れて、街歩きや移動中の新幹線の中で聴いてました。

 PCを買い換える前まで、手持ちのノートPCの動作が不安定だったので、それまでiPodに入れていたジェイのアルバムもショパンとフォーフォーだけだったんだけど、改めて『葉恵美』を入れたら、結構いいよなーと思った次第。最初の感想ではあんなに批判していたくせに、現金だよなー自分(苦笑)。いや、単に最近『東風破』が好きになったからなんだが。

 開幕曲の『牛仔很忙』。…聴いて思わず目が点になる。いくら今回のアルバムコンセプトがカウボーイだからとはいえ、はたしてこれはありなのか?しかもバリバリのカントリー。ジェイのアルバムの開幕曲といえば、今までずっとマイナー調だったではないか!いったい何の心境の変化か、ジェイよ。
 そんなビックリを別にすれば、あとは安心して聴ける(無難…といったらやや暴言か?)ラインナップ。実は日本でも同時発売された《不能説的・秘密》のサントラ『Secret』をまだ入手していないので、聴き比べてみたほうがいいのかなーなんて思ったんだけど、それはまたいずれ。

 美メロバラードが思ったより多かった中で、どーしても毛色の違う曲ばかりに注目しがちなワタシのお気に入りは『陽光宅男(明るいオタク)』と、最初聴いた時うっかり『黄金甲』か?とか口走ってしまった(それは耳のせいじゃない?)『無双』。あ、出だしが面白い『おしゃべり(字が出ないため日本語タイトルにて御免)』もいい。
 最初にラジオで聴いた『甜甜的』、かわいいんだけど、曲の間に入る「♪ちゅ~!」にどうも笑ってしまうわー。

 今回の日本盤は新たな試み?として原語歌詞にカタカナで読み仮名つき。完全に武道館演唱会対策としての企画でしょうね(笑)。これくらいだったら、ワタシみたいな北京語学習者なら「別になくてもよめるからなー」なんて思っちゃうんだけど、出来ない人にはやっぱり必要だよね。

 そんなわけで武道館演唱会までヘヴィロテして、当日は歌いまくろうっと。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

『ラスト、コーション 色・戒(いろ、いましめ)』張愛玲

 年末という季節ゆえに読むのに時間がかかるかなと思っていたんだけど、大きな仕事が片付いたので、集中的に一気読み。ちょっと苦労はしたけど、なんとか読み終わってよかったわー。というわけで、『いろ・いましめ』他、本邦初訳の張愛玲の世界を大いに堪能。

 まず、表題の『いろ・いましめ』(えー、それで通すの?)。
 昼下がりのけだるい(多分)空気の中に展開する、上海マダムたちの麻雀大会。そこで展開されるのはとめどないおしゃべりで、まだ若い麦夫人―ヒロインの佳芝もそれに加わっている。そこにやってくるのが、この大会のホステスである易太太のご主人、易先生。彼は…、

 ねずみ男に似てるんですか?

とマジ恋トニー迷がショック受けること確実な描写。
 おかしいなぁ、でもねずみ男に似てるなら出世顔というよりビンボくさいはずなんだが、とよく読んでみると、なんだねずみ男似じゃなくてねずみ顔なのか、そんなこと一言も書いてないのか、ああ紛らわしい。…って一人で早合点するなよ。

 物語はどんどん進んでいく。ページ数にして約50ページほどの短編のせいか、佳芝がまだ学生で、抗日組織のスパイとして上海に潜り込んだこと、抗日の闘士である裕民に思いを寄せていることをサラリと述べ、やがて彼女が易太太の知らぬところで易先生と不倫をしている(と見せかけて彼の命を狙っている)ことがわかる。彼らが寝ているということは匂わせられるけど、当然事細かなセックス描写はなし。当たり前やん。やがて、彼女が易先生を暗殺するチャンスを作り出すものの…!
 とまあ、わずかなページでこれだけの濃密度。これがいったいどうやって画面に描き出されるのか?佳芝の情念は、彼女の策略がいかに愛に変わるのか、そしてセックスと社会情勢はどう関連付けられるのか?…なんかアンタ、セックスにばっかこだわってないか、オマエこそ「スケベェさん」じゃねーのかもとはしよってつっこまれそうだけど、ほら、戦時下の恋愛を描いた作品には愛と性を全面的に出したものも少なくないじゃないの、古くは『愛の嵐』だったり、最近なら『ブラックブック』もそうだろうし。だから、ついついそういうことを思ってしまうのよ、って説得力に欠ける理由ですみません。

 残りの作品の感想も。
『愛ゆえに』
 これは張愛玲が初めて手がけた映画の脚本をノベライズした短編だとか。その映画の題名は《不了情》。でも、中華圏映画の名作として知られている作品とは全く違うらしい。
 友人のつてを頼って、ある家の家庭教師となった主人公。その家には主人と娘しかおらず、病弱な夫人は田舎で静養中だという。家庭教師先での子供とのふれあいと、その父親との不倫。身分の高い家に入ったことで、主人公の父親は彼に金を無心するようになる。そして、病気により田舎で静養していた妻の帰還と、彼女の口から出た思いがけない真実…。
 うーん、メロドラマ。なんとなく東海テレビ製作のドロドロ昼ドラの原作にも向いていそう。張愛玲曰く、この小説は“通俗小説”を書くことに挑戦したとのことで、どうりでメロドラマな展開なわけなのね、と納得した次第。

『浮き草』
 30代独身女性が船旅に出る。目的地につく間、これまであったいろいろなことを回想する…。
共産党が実権を握った'40年代末は、これまで大陸で商売をしていた人々が共産主義の台頭を恐れて次々と脱出し、香港に滞在したり海外に行ったというが、この主人公もまさにその一人。しかも、外資系商社で働いていてこともあり、その頃の同僚には西洋人も多かった。
 西洋人と結婚した姉の友人の思い出話や、日本への船旅で知り合ったインド系イギリス人と日本人の夫婦など、他民族の人々とのエピソードで綴られたコスモポリタンテイストあふれる紀行文風の短編。いま横浜や神戸の中華街で暮らす人の中にも、55年くらい前にこうやって故郷を離れた中国人もいるんだろうな。中華民国時代の自由な雰囲気の中で築かれた上海人の気質も匂わせられる。これが一番面白かった。

『お久しぶり』
 とある街(特定されていないけど北京かな)に住む、ご近所同士の2組の家庭の話。他愛ないおしゃべりが延々と続き、特にこれといったオチもない。街の人々の姿を活写した短い物語という印象。

 こんな感じかな。どの作品もそれぞれ面白かった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

クリスマスには『地下鉄の恋』を

クリスマスには『地下鉄の恋』を
 クリスマスイヴを控えた3連休前、語学教室のムービーナイトで『サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋』を観ました。
 上の写真はシュトーレン&クリスマスチョコケーキと『地下鉄』。

クリスマスには『地下鉄の恋』を

 カレーと『地下鉄』。ってぜんぜんクリスマスじゃない絵だな。

 実は日本語字幕じゃなくて、英語字幕で上映。日本版DVDが入手できなかったとのことでこうなりました。でも皆さんだいたい英語のわかる人だったのでまぁいいか、ってことで。そのあとに中国語でもちょこっと流してもらったのですが、「中国語のほうがなんとなく意味が理解できるんじゃない?」との意見もありましたよ。
 香港での場面は色がきれい、と評判でした。

 ああ、やっぱりこの映画はクリスマスに観るのが一番いいよねぇ…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こ、これは喜ぶべきなの?

 おっす!オラもとはし。
 オラ、今日はもう早く寝ようと思って、でも寝る前にちょっとと思ってネットサーフィンしてたんだけど、こんなの見っけてすっげぇビックリしてる。
 ホントなのかぁ?

実写版映画『ドラゴンボール』亀仙人役はチョウ・ユンファに決定 - シネマトゥデイ | 映画の情報を毎日更新.

 …似てない悟空の真似はとりあえずおいといて(苦笑)、星仔も製作にかかわっているというこの米国版『七龍球』、初期の天下一武道会のところまでしか読んでいない世代のワタシでさえも、その設定を読むごとに「はぁ?悟空が高校生?なんだそりゃ?」とツッコミを入れていたわけなんだが、キャストに欧米人や日本人や韓国人がいて華人がいないのは残念だなぁと思っていた。参考はもにかるさんのこの記事を。

 しかし、ここにきてこーゆーニュースが出るとは…。ちとコメントに困るな。

 とりあえず今日はこのへんで。詳細わかったらまた追記してツッコミます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ぶちゅ~」はどうも…とか言ってたら(苦笑)。

 『ラスト、コーション  色|戒』の公式サイトがグランドオープンしてました。
 おお、ブログパーツまである!あとで設置しておこうっと。
(…と思ったんだけど、予告の音がミュートにできなかったので設置断念。すんません)
 予告もそんなに激しくないしね、まずは安心。

 あと、あの聘珍楼でタイアップメニューがあるのかぁ…。
ちょうど暮れに中華街に行く予定があるのだけど、デザートくらいならお一人様でも食べられるわよね(苦笑)。

 しかし、しかーし!未だにまだ東北の上映予定が決まっていないとはあまりにも地方格差ではないか。仙台はもちろん、どうかどうか早いところ地元盛岡でも全国同時公開を決めちゃってくださいよ。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

白い馬の季節(2005/中国)

 地球温暖化、熱帯雨林の消失、そして砂漠化。21世紀を迎えて、地球の環境問題はますます悪化する一方だ。
 急激な経済成長の裏には必ずその影響を受けるものがある。日本だって昭和30年代の高度経済成長期に豊かさを手に入れたが、その裏では土壌汚染による公害や、都会への人口流出による地方の過疎化が進んでいる。今流行の昭和映画続編では、表のきれいな部分のみ取り上げていて、裏の部分をなかったモノのように表さないので、それがどうも腑に落ちないので観る気分になれない。
 閑話休題。その、かつての日本のような、いやそれ以上の勢いで近代化・高度経済成長を遂げているのが中国である。来年の北京五輪に向けて急ピッチで都市部が開発されているが、やはり地方ではその経済格差が激しくなっている。さらに地球温暖化の影響で、草原や高原の砂漠化も進行している。砂漠化や経済格差の影響を受けるのは一般庶民だけでなく、自然と密接に生活してきたモンゴルの遊牧民とて変わらない。モンゴル族のニンツァイが監督と主演をつとめた『白い馬の季節』は、これまでの『天上草原』や『モンゴリアン・ピンポン』のように、漢民族や外国人からは憧れを持って見られてきた、内モンゴル自治区のモンゴル族の現状をリアルに描いた映画である。

 雨が全く降らず、強い風ばかりが吹き付けて荒地になった内モンゴルの遊牧地。
ほとんどの遊牧民が伝統的な生活を捨てて街へと移り住み、その地域に残ったのはウルゲン(ニンツァイ)の一家だけだった。羊も次々に餓死し、一人息子のフフーの学費も払えないほど、一家の生活は困窮を極めていた。さらにこの地域にも漢民族が入り込み、彼らの生活を脅かす。一家には年老いた「サーラル」という白い馬がいた。妻のインジドマー(ナーレンファ)はウルゲンに馬を売るように言うが、家族同然のサーラルを手放す気はウルゲンにはない。
 一足早く秋の牧草地に移ろうとしたウルゲンが見たのは、鉄条網を張る漢民族労働者たちの姿。草原の砂漠化を防ぐために、一般の牧草地も自然保護区に指定せざるを得ないのだ。怒りのあまり彼は労働者に殴りかかり、警察に逮捕される。罰金刑に処せられたために一家はますます貧しくなる。ウルゲンは一族出身の画家ビリグに助けを求めるが、彼は耳を貸そうとしない。
 一家は街に移住することを決意し、インジドマーはフフーとともに草原を離れる。ウルゲンも街のナイトクラブのオーナーに馬を売るが、失意のあまり立ち寄った街のクラブにて、サーラルの屈辱的な姿を目にして逆上する。彼を救ったのは、一度自分を見放したビリグだった。
 叔父の忠告に従い、ウルゲンはサーラルを野に放つことにする。民族服を脱ぎ、ゲルを片づけ、フフーと共に生まれ育った草原を後にするウルゲンだった。
 
 全編を通して画面から聞こえてくるのは、ごうごうと吹きつける強い風の音。きっと音声はほとんど同録なのだろう。お下げ髪の母親、腕白盛りの息子、そして父親の順に画面に登場するが、その生活は決して豊かでも理想的でもない。そして、彼らの住むゲルの周りには、もうほとんど何もない…。
 豊かさと引き換えに、我々は多くのものを失ってきた。それでも、伝統は守るべきものだと自覚していることもあり、細々とながら生き続けているものも少なくない。しかし、ウルゲン一家のように、自然と共に生きる民族の場合は違う。近代化や生活環境の激変に加え、地球環境の悪化も彼らの生活に多大な影響を与えている。チンギスハンの末裔であるモンゴル人として伝統を守り、本当は草原で一生を終えたい。しかしそれすらもできない。こういう状況を見せつけられれば、遊牧民たちが街に移らざるを得ない理由も大いにわかる。
 さらに説得力があるのは、漢民族を一方的な悪役にしておらず、金に目のくらんだ同胞もいれば、遊牧民の生活に憧れる漢民族の中年なども登場させてバランスを取っていることだ。冒頭、漢民族によるウイスキー大宣伝部隊がやって来て、インジドマーやサーラルが驚いてパニックになる場面があるが、宣伝部隊のトラック運転手を務めたのがその中年おじさんで、それに申し訳なく思ったからなのか、片言のモンゴル語をしゃべりながら一家を助けてあげる。それもインジドマーに密かに惚れているからなのだが(もちろんふられる)、彼は都会があわずにストレスで身体を壊して(だったと思った)内モンゴルで働いていると説明していた。そういう人ももちろんいるのだろうな。
 また、ウルゲンをめぐる人々で印象的に描かれていたのが、草原で暮らす彼の叔父と、人気アーティストとなったビリグ。年老いた叔父は草原に命を捧げているようなものだが、妻と押さない息子を抱えたウルゲンにはその覚悟がない。また、チンギスハンをモチーフにしたグラフィカルアートで人気を得たビリグをウルゲンは激しくなじるが、彼とてモンゴル族の誇りを捨ててはいないことが、クラブで騒ぎを起こした場面のあとにわかる。ウルゲンに伝統的な鎧を着せ、サーラルと共に傷ついた姿をキャンパスに描き、「この絵はオレでもありオマエでもある」と彼に告げることで、ビリグが民族として社会に敗北したこととそれに対する諦観を抱いているように感じた。

 街に出た後も、もしかしてウルゲン一家には幸せは来ないのではないか。そして、モンゴル族だけではなく、さまざまな理由で伝統を捨てなければいけない少数民族が、中国にはまだまだいるのではないか。中国政府と思想的な対立をしているチベットにも鉄道が開通したことで漢民族が流れ込み、今後の生活がガラッと変わることも予想されているともいう。この国がいったいどこに行こうとしているか、それは中国が好きであっても嫌いであっても、同じアジアの人間として、見守っていかなければいけないのだろう。いや、それしかできないのだけど…。

原題:季風中的馬(Qak-un sarel/Season of the House)
監督&脚本&出演:ニンツァイ 撮影:ジョン・リン
出演:ナーレンホア チャン・ランティエン

| | コメント (0) | トラックバック (0)

というわけで、本日買ってきました。

 『色、戒』の他、張愛玲の短編が収められた文庫本『ラスト、コーション 色・戒』を。
 黒地&金字の帯がなんともゴージャス。
 表紙も国際版ポスター版でよかった。あの赤バックに「ぶちゅ~」のヴィジュアル(公式サイト参照のこと)がちょいと苦手なもんで。

 張愛玲の本は『傾城の恋』しか読んだことがない。容易に入手できる邦訳本が少ないからってこともあるからね。台湾版の『海上花』(フラワーズ・オブ・シャンハイ原作)も持っているんだけど、その元ネタが平凡社の中国文学全集から出ていたので、そっちを読んだほうが早かったし(苦笑)。
 原作が約50ページの短編ということもあってか、いくつかの短編も併録。いずれも初邦訳というのは嬉しい。翻訳されたのは中国近現代文学を専門となさっている元都立大教授の南雲智さん。台湾から出版されている張愛玲全集12巻の『惘然記』を底本としているらしい。
その他の短編もあわせ、読んだら感想書きますね。

 しかしなぜ集英社文庫から?と疑問に思っていたのだが、そーいえば中国現代文学つながりでは『山の郵便配達』が出ているし、李安さんつながりなら『ブロークバック・マウンテン』(E・アニー・プルー。実は未読アルよ)がここから出ていたんだっけ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『色、戒』金球奨ノミネートですってよ、奥様!

 …って、なんで奥様?まぁそれはいいとして。
 米国ではオスカーと並ぶ二大映画賞である、ゴールデングローブ賞(中国語では金球奨)の外国語部門に『色、戒』が選ばれたそうですってよ、奥様!
詳しくは下のリンクをご覧になってね、奥様!

ゴールデン・グローブ賞ノミネート発表!「つぐない」が最多7部門で候補に : 映画ニュース - 映画のことならeiga.com.

 しかし、このラインナップをみると、まるで今年のカンヌ映画祭のコンペティションを見ているのかのような錯覚をしてしまうんですが、いかがざんしょ(笑)?

 『色、戒』といえば、本日めでたく集英社文庫から張愛玲の原作本が発売。
明日買いに行こうっと♪

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『坂和的中国電影大観 SHOW-HEYシネマルーム5』坂和章平

 ワタシがこのblogを始めて、来年1月でちょうど4年になる。2004年1月から今まで書いてきた記事数は、長短合わせてこの記事で832本。単純に計算すれば1年に280本書いてきたことになる。来年末までに1000本行くかどうかは、今後のスケジュール次第だけど、いずれは今まで書いてきた映画についてのあれこれを何か形にしたいかなーとは思っている。
 このココログでは、blogで書いた数々の記事を1冊から単行本化してくれるココログ出版というサービスがある。もちろんタダでしてくれるわけじゃないから、それなりの出費も覚悟はするけどね。問題は誰に読んでもらおうかってことで…(苦笑)。うちの母には、「自費出版っていっても簡単には売れないことは知っているでしょ?」と言われましたよ。いや、売って儲けようって気はもちろんさらさらないんですよ。いろいろと心配はあるけど、来年カネとヒマに余裕が出た頃もっと考えてみます。

 そんな前書きはどうでもいいとして、久々に映画評論の本を読んだ。
 著者は都市及び住宅問題を専門となさっている大阪在住の弁護士、坂和章平さん。都市再開発と街づくりに関する著書を多く出され、実務にもおわれているであろう合間を縫って多くの映画を鑑賞し、新聞に映画評の連載を持ち、映画についての本を本書を含めすでに5冊出されているという、まさに“我很忙”な弁護士さん。
 そんな坂和さんが中国映画に“転んだ”のは2002年から大阪のシネ・ヌーヴォで開催された《中国映画の全貌2002-3》。これは現在大阪では大阪アジアン映画祭の一環として上映されており、東京では三百人劇場→ケイズシネマで上映されているあの《全貌》シリーズだけど、坂和さんののめり込みぶりを見れば、これってやっぱりすごい特集上映なんだな、と改めて思った次第。(ちなみにワタシの中国映画暦は池袋の旧文芸坐で上映されていた徳間書店主催の『中国映画祭』がスタートだが、その頃すでにイーモウもカイコーもビッグネームと化していたので彼らの作品は観られなかった)中国映画にグッと胸をつかまれ、さらに何度かの中国旅行の経験もあった彼はその後坂を転がる勢いで、大阪で上映された中国映画上映に足を運び、ついでに香港映画や台湾映画も観て、さらには中国に関連した日本映画やミュージカルまでも加えて合計66本の感想をこの本にまとめたとのこと。うーむ、恐るべしナニワのオッチャン弁護士。すごい仕事だ。

 この本はそれぞれテーマ別に分けて、初心者にもわかりやすい丁寧な解説に、彼自身の思い出をちょっと交えつつ独断と偏見で評論していったものだけど、まー、個人個人の映画に対する感想ってホントに十人十色だからね。みんながいいというものに異を唱えることも否定しないし、その逆もまた然りだからね。
 …ただ、ちょっと引っかかったのは、本人は前書きで「決して盲目的に『中国映画万歳!』と言っているわけではない」と言っているのにもかかわらず、どこかに中国映画を優先気味に観ちゃっているのではないか、と感じさせる部分がそこここにあることだ。それはやっぱり、香港映画や台湾映画の扱いに感じさせられる。ワタシはこれら三地域の映画を“中華電影”と呼んでいるし、昔からプレノンアッシュの飲茶倶楽部を始め、これらの映画を“中国語圏映画”とまとめてはいるけど、それぞれの個性の違いは政治的基盤も頭に入れて充分に区別している。それがあってワタシは香港映画を贔屓し、台湾映画や大陸映画の秀作も愛しているのだけど、それら三地域の映画をすべて“中国映画”とくくってしまったら、なんだか複雑な気分にさせられる。もっとも、一般的な人々は北京語も広東語も上海語もどうでもよくて、中国語をしゃべっていれば中国映画と認識してしまい(で、成龍さんが出ていれば香港映画)、もっと悲しいことにアジア人が日本語じゃない言語を話しているから韓国映画と勘違いされている事実だってある。ああ、話がずれていくな、閑話休題。

 中国映画を観に行くと、他の映画より観客の年齢層が高く、自分の両親より年上の方々が観に来ているとすぐわかる。それは坂和さんがおっしゃっているように、「ある世代のある監督によるある映画には、今の多くの日本人が失ったものを思い出させるもの」があり、それを求めて観に来ているんだよなってわかるんだけど、それならなぜ『単騎、千里を走る。』はコケたんだ?
 ともかく、今後に控える高齢化社会に関連しているかどうかはいいとして、ワタシはもっと広い年代の人々に“中華電影”を観てもらいたい。いまでこそ、シネコン時代でハリウッドの大味続編映画や有料テレビドラマや中身のない泣ける“純愛”を扱った邦画が我が物顔でお金を消費させているけど、そういう映画ばかりじゃ観客が育たないし、いつかソッポを向かれるに違いない。メジャーじゃない映画を観る前に映画に失望されるにはあまりにも残念だ。確かに今日中関係は感情的にソリがあわないと感じている人もいるけど、政治と芸術は別だし、日本のドラマやマンガだって香港や台湾で人気だし、中国の若者だって興味を持っている。また、『ディパーテッド』に満足した人には是非『無間道三部作』を観てほしいし、なぜオスカーを受賞したリメイクよりもオリジナルがいいといわれるのか、比較して考えてもらいたい。
 そんなことを考えながら、ワタシは観た映画の感想を今日も書きつづけている…、っていうのは今考えた後付けの理由(爆)。でも、これからは独断と偏見を入れつつも、読みやすく公平な視点をもって書いていくことを心がけなければね。って最後は本の感想でもなんでもないな。ホントにすみません。

 ところで、この本自体は3年前に出版されていて、それより前に4冊このシリーズが出ているということになるのだが、坂和さんのサイトを見に行ったら、あれから巻を重ねて今や第14弾までいっているとのこと。

…やはり恐るべし!ナニワのオッチャン弁護士。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007 funkin'for HONGKONG的電影奨・個人賞の部

 十大電影のお次は個人賞。

 なお、今年からセレクトを変えました。だって、各5人にすると、いつも同じメンバーが選ばれるんですもの。そんなわけで今年からは俳優部門から4人、製作部門から3人(組)、新人賞1人、その他愛とツッコミで賞というのをもうけてコメントを残したい人を2人選んでみました。ちなみに個人的好みはなるべく廃して選んでいるつもりですが、どうなるんやら。

最優秀主演男優賞 アーロン・クォック『父子』

 …すみません、トニーじゃありません。あるいはトニーじゃなくてすみません。御贔屓俳優なので殿堂入りさせようかと思ったのだけど、来年があるのでそれ次第ってことで。
 もともとワイルドな味わいを持った彼だけど、『ディバージェンス』とこれでの鬼気迫る演技でギラギラした俳優魂を披露。今後この路線が続くかもしれないけど(それ以外も見たいぞ)、甘さがあったアイドルのイメージを振り切ったのは見事。

最優秀主演女優賞 カレン・モク《童夢奇縁》

 これも趣味ですね。というより、普段観ている映画がオトコくさい作品ばかりなので、あまり女優のイメージが残らなくて。これもまた「カレンもそういう歳なんだなぁ…。お母さん役を演じるなんて」なんて感慨深く観てしまったわ(苦笑)。歌手活動と並行しているのであまり映画に出てくれなくなったのだけど、日本でもある程度名前は知られているんだから、なにかいい作品にでてほしいなぁ。一度トニーとちゃんとした共演をしてほしいって思うんだけど、いろんな事情でダメなのかな?(かなり昔に一度共演しているのは知っているけど、観たことはないんですよ)  

最優秀助演男優賞 チャン・チェン『天堂口』

 いやー、映画自体はどーよ?って気分になったけど、この映画の張震はホントにクールだった。
『呉清源』でも思ったけど、現代的な青年のわりには、クラシックな衣裳がよく似合うんだよね。彦祖とは確かにルックスやキャラがかぶると思うけど、この映画では二人が並んでもちゃんと違いがわかったぞ。もう10年近いつき合いだからかね。

最優秀助演女優賞 ジョアン・チェン『ジャスミンの花開く』

 助演はすーちー@傷城かケイト・チョイかどうしようかと迷ったけど、主演のツーイーを食う勢いで圧倒的な存在感を見せた陳沖さんに。まだハリウッドでもボチボチと活動しているんだろうけど(『オータム・イン・ニューヨーク』の監督だもんね)、中華圏への帰還も嬉しい。中華圏と世界の映画界の繋ぎ役として頑張ってほしいな。

最優秀監督賞 パトリック・タム『父子』

 祝、御復活!そしてその復活作がただでさえよかったので素直に決定。
今後はコンスタントに映画を作ってもらいたいけど…難しいかな。

最優秀美術系製作賞 アンドリュー・ラウ&ライ・イウファイ『傷だらけの男たち』

 いつものメンツですが、あの撮影はさすがと思ったので。ちなみに美術系製作とは、非アクション系映画での撮影・美術・衣裳・音楽をまとめたものです。

最優秀アクション系製作賞 スティーブン・トン・ワイ『墨攻』

 美術系に対してアクション系は、読んで字の如くアクション映画での製作で印象的だったもの。もちろんアクション指導も入る、ってことで、今回はリアルで重々しいアクションを降り付けたトン・ワイさんに一票。…そろそろ舞踊系アクションに飽きがきているので(苦笑)。

最優秀新人賞 ジェイシー・チェン『男兒本色』 『早熟』

 『父子』のン・キントーくんも忘れがたいけど、今後の期待も込めてジェイシーに一票。もしかして《新宿事件》にも顔を出すのかな?もーちょっと日本でも名を売っておこうよ。だから『早熟』を一般公開してほしいのよー。

 以下、愛とツッコミで賞。これはどうしても一言いいたい人に対し、無理やりに賞を与えてあれこれ言いまくるという、書いている自分は非常に自己満足的で、それ以外には非常に迷惑という賞である。今年はこの二人を選んでみたアルよ。

そろそろ次段階に行ってほしいで賞 チャン・ツーイー『女帝』『ジャスミンの花開く』

 ファン・ビンビンや林志玲、湯唯小姐などの中国&台湾の新星女優もようやっと日本に紹介されるようになったものの、いまだにアジアンビューティーといえば彼女。しかし、その取り上げられ方もそろそろきつくなってきてるんじゃないの?旧作の『茉莉花』はよかったけど、『夜宴』のあれはいかにも張藝謀映画の劣化コピーじゃないのよー。彼女にはそろそろ次のステップに進んでもらって、小娘から脱皮を図ってもらいたいわ。そんな彼女のハリウッドでの次回作は、『七人の侍』リメイク版での女子侍役らしいけど…だからそーゆー役は(以下オチのないツッコミが延々と続くので略)。

来年の活躍も期待したいで賞 チョン・シウファイ『マッド探偵』 『放・逐』 『アイ・イン・ザ・スカイ』 『誘拐ゲーム』

 わずか1ヵ月間にこれらの映画を立て続けに観たせいか、顔ははっきりわからなくとも、その存在ははっきりと認識しました、シウファイさん。えーと、『大事件』での大陸から来てリッチーくんと仲よくなる殺し屋さんでしたっけ。ってそれはユウ・ヨンじゃなかったっけ?

 以上の結果を持ちまして、今年の2007funkin'for HONGKONG的電影奨をお開きにしたいと思います。なお、毎年のことながら受賞者&受賞作品には何も送りませんのであしからず(当たり前だってば)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

愛とツッコミと独断と偏見で人の迷惑顧みず、今年もやります2007funkin'for HONGKONG的電影奨

 はい、あれこれ言わずに今年も始めます。
 まずは私的十大中華電影。

10 呉清源 極みの棋譜

 なんか初っ端から「えー」と言われちゃいそうですみません。
ワタシは映画にはもちろん娯楽を求めているけど、この映画みたいに、伝記映画としては説明不足でとりとめもないと言われても、大画面のスクリーンにビシッとした構図で撮られた生真面目で精神的なイメージを大切にする映画も好きなんです、ハイ。この映画、来年早々に地元でも上映されるけど、そのときはどういう気持ちで捉えられるのだか。

9 男兒本色

 10位がアート系だから、バランスをとるわけではないんだけど、9位にはコテコテのアクション映画を。今年はベニーさんの前作に当たる『プロジェクトBB』も上映されて、さすが大御所&古天楽主演だけあって、手堅くウェルメイドなアクションコメディにはなっていて、それと比べればこっちはかなり乱暴な感もあるんだけど、それでもやっぱり若い力と勢いのほうを評価したいなってことで。

8 雲南の少女 ルオマの初恋

 個人的に拾い物映画。地元でもクリスマスウィークに1週間上映してくれるので、今年の映画納めとして観ます。
 雲南の少数民族とか、都会から来た青年との恋とか、彼女の素朴な願いとか、映画的にちょっと狙ってるかな?って感じられるところは多少あるのかもしれないけど、決してアマアマではなく、かと言って悲劇にならずに希望を持たせたラストも好感が持てるし、なんといってもルオマを演じた李敏小姐の凛とした感じがよいじゃないですか。

7 マッド探偵

 ジョニー親分&ワイさんの“香港の藤子不二雄”コンビ復活作。
突拍子もない設定に新影帝ラウチンの怪演に加え、その他のキャストも強烈な印象を残し、混乱したままの頭で観ても充分楽しめた作品。全体的に陰惨で無情を感じるのに、どことなくユーモアが目立ったのは、やっぱりワイさん的な持ち味なのか。 

6 アイ・イン・ザ・スカイ

 ジョニー組が続きます。
地味な物語をサスペンスたっぷりに語るのは師匠譲りかな、ナイホイさん。
ヤムヤム炎の復活には、評価分かれそうだよなー。来年の各映画賞(特に金像)ではどう評価されるのかな?

5 クレイジー・ストーン

 意外だ。これが意外にも上位に来てしまった。
ダサいのに、カッコ悪いのに、コテコテの中国映画なのに!(って偏見かよ)
でもさすがは大プロデューサー様アンディ先生が絡んでいることもあるし、やはりコメディだった『モンゴリアン・ピンポン』から進歩したニン・ハオ監督の手腕が見事だったってことか。機会があったらまた観たいな。

4 傷だらけの男たち

 自分やっぱりどうしても甘くなっちゃうよなぁ、トニー作品には。
さすがに1位にはするまいって思ったし、日本側配給のイメージソング全面出しまくりのプロモーションや泣く泣く断念したトニー平日緊急来日&緊急舞台挨拶など個人的につらかったことも多かったのになぁ…。ああ、大甘でこの位置に落ち着けちゃったけど、やっぱりa〇exなんて大っキライだー!

3 早熟

 これ、多分去年上映してくれれば、確実に『イザベラ』『四大天王』と争ってました。
旧作なのにこの位置においたのは、是非とも一般公開してほしいからですよ。『恋空』やらのうすっぺらーいケータイ小説映画でオンオン泣いてるジョシコーセー(&この映画で儲けた原作者と製作テレビ局の人たちとその他もろもろ)の首根っこひっ捕まえて拉致して、3日間くらい映画館に閉じ込めてこの映画を強制的に見せて洗脳してやりたいくらい一般公開希望してます。さすがにこれを実行に移する勇気はないにしても、そんな気持ちになるくらい強く一般公開希望。

2 父子

 ああ、やっぱり観たかったよ、ホーチョンの『出エジプト記』。だけど国際スタッフの陰謀かなんか知らんが、ワタシはチケを取り逃した…。そのかわりに観たのがこの映画なんだけど、確かに観てよかった。…でも未だに『出エジプト記』を観られなかったのが悲しい。って愚痴で終わるのか(泣)。

1 放・逐

…すみません、ホントに堅すぎる1位ですみません。やっぱりどうしてもこれを1位にせざるをえません。それだけカッコよかったんですもの。久々に爽快な気分になった親分映画だったもんなぁ。

 以上です。次は個人賞部門をアップ予定。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『倒数第2個女朋友』王文華

『倒数第2個女朋友』王文華
 3年前の台湾旅行で買ったこの本、今頃になって読んでます(苦笑)。

 ちょうど3年前の今頃読んだ『蛋白質ガール』の王文華の長編小説。もちろんまだ邦訳はされていない…はず(自信なし)。
 「ワタシはいつも誰かの『最後から2番目の女』なのよね」と呟くのは、主人公の一人、28歳の周[王其](キキ)。自分が付き合って別れた男は、自分の後に付き合った女性と結ばれてしまうという意味。彼女の他、20歳になったばかりの安安と32歳のGraceも同じ境遇に見舞われている。そんな彼女たちがどうやって“最後の恋人”になろうとするかを描き、その彼女たちが付き合う男たちも交えた6人の群像劇。

 いま参加している中国語教室が自由課題にシフトし、教室のある日にそれぞれ好きな課題を持ち寄っているのだけど、それならば自分が楽しんでできる課題がいいよなと思ったところ、この本が読みかけだったのを思い出したもんで。
 仕事の合間や一人でお茶を飲みに行ったときに開き、電子辞書片手にゆるゆるーと調べて、1日1ページの手帳に調べた単語などを書きつける毎日。

 しかし、『蛋白質』でもそうだったんだけど、結構固有名詞が多い。サミーの歌みたいに中華ものだったらなんとかなるんだけど、問題は西洋系の固有名詞。ウィル・スミスの《絶地戦警2》を観に行きたい、という文があって、何の映画?と首をひねった。『メン・イン・ブラック2』か『バッドボーイズ2バッド』かどっちかだと思うんだけど、多分後者だろう。(MIBは面白かったけど、いわゆるB-BOY系映画は興味なしだからわからんのよ。)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

台湾之光 衣錦榮帰

 このタイトルは、「李安先生、故郷に錦を飾る」という意味です。
 ちゃんと辞書で調べましたよ(苦笑)。 

 もにかるさんnancixさんがすでに記事をアップされていますが、昨日台湾で行われた金馬奨にて、『色、戒』が作品賞、監督賞、主演男優賞をあわせて7部門受賞したそうです!
恭喜、恭喜!

 とりあえず台湾からの情報にリンクを。
聯合新聞網 | 影視娛樂 | 2007金馬獎 | 金馬色戒拿七獎 李安大贏家 あ、こっちも。

Jinmajiang

 左からジョアンさん、若々しいなぁ。“台湾之光”李安先生、清楚な湯唯小姐、無精ヒゲで珍しくワイルドな宏くん。

 ジョアンさんは別作品(《意》。台湾映画?オーストラリアとの合作?)での主演女優賞受賞となったけど、《赤壁》撮影でカリーナの誕生日パーティーにも行けないトニー先生の不在をカバーしていたのかな。そのジョアンさんのライバル(主演女優賞)候補&新人賞ノミネートだった湯唯小姐は新人賞を受賞。まーまるっきりの新人だし、大陸のお嬢さんだし(ってそれはあまり関係ないか)、これからに期待ってことでね。

 ところで香港映画はなんとかわかるし、大陸映画も『帰郷(落葉帰恨)』や『雲水謡(これも合作?)』など、これまたなんとなくわかるんだけど、台湾映画って…最近やっぱり製作本数増えてきているのかな?と感じた次第。ジェイ初監督作品《不能説的・秘密》ももちろん台湾映画だものね。
 昔は、金馬奨といえば「なんでそれがノミネート?」と思わされるものが結構あったんだけど(例えば『ブエノス』で主演男優賞がレスリーのみノミネートなど)、ノミネート作品には全体的にアート的な傾向が高いのか。最近は香港映画の受賞が目立っていることもあってなのか、ここ数年は中華圏全体を公平に見るようになっているのかな?なんて思った次第。歴代の受賞作品はwikipediaにあったっけ。
 どうも金像奨のほうばっかり目を向けちゃって(反対に大陸の金鶏奨はスルー)、こっちをおざなりにしちゃうけど、ちゃんと台湾映画にも眼を向けなければ、とこの時期になるといつも思うのであった。『花蓮の夏』観たかったなぁー。

 なにはともあれ、トニーは『恋する惑星』『インファナル・アフェア』に続いて三度目の金馬ウィナーとのこと。つべこべ言わずにお祝いしよう。

恭喜、梁朝偉先生、恭喜!

(追記)…と喜んでいたときに見たeiga.comのこの記事
記事中にある(コピペできなかった…)こういう初歩的間違いは毎度毎度のことなので言わせていただきます。
おーい、「中華電影界にトニー・レオンは2人いる」ってーのは常識ですよー?
そして、『ドラマー』に出ていた「トニー・レオン」は、正式名を「トニー・レオン・カーファイ」といって、日本では中国名のほうで認識されているんですよー。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『楊貴妃になりたかった男たち』武田雅哉

 香港映画を観始めていた頃によく感じていた疑問がある。
「なんで香港映画のヒロインは男装が好きなのか?」
 例えば『笑傲江湖』の東方不敗(ガンダムシリーズの敵キャラに非ず、念のため)。例えば『金枝玉葉』2部作のウィン。例えば古惑仔シリーズ&『ポートランド・ストリート・ブルース』でサンドラ・ン姐さんが演じた十三妹。例えば『トワイライト・ランデブー』でチャーリー・ヤンが演じていた旅芸人の女の子。そして同じくチャーリーが『バタフライ・ラヴァーズ』で演じた、中国文学史上最も有名な男装の麗人、祝英台。
 その反対も然りである。男優たちの女装だって多い。例えば、『キング・オブ・ギャンブラー』でのトニーの乳母エリックとっつぁん、『kitchen/キッチン』でロー・カーインが印象的に演じた元男のエマ姐さん。まーこれは物語の進行上必然的なんだが、それ以外に「意味あんのか?」ってくらい女装しまくっていた男優たちがいたような気がする。例えば『暗戦』でのアンディ先生。ファムブランドもジャストサイズで着こなせそうなスタイルだけど、顔だけは…って迷の皆さんすんません(謝)。
 …えーと、でもトニーも似合わない女装やった経験あるんだよね。『鹿鼎記』あたりで。あと『月夜の願い』で家輝さん(有名なのは『大英雄』の女装)と胸に風船を入れたメイドに扮してカリーナんちに潜入したりしてたよね?

 なぜ、香港映画のヒロインは男装するのか?
 あと、なぜむくつけき野郎どもは女装したがるのか?
そんな疑問にヒントを与えてくれたの(か?)は、一見ヤバそうな(?)ネタを面白く分析して意外な拾い物になった『〈鬼子(グイヅ)〉たちの肖像』の武田雅哉先生だった。



 「中国人は、とにかく『四大』が大好きである。」という一文から始まり、その中国人が愛する「四大美女」とそれらの美女を男性が演じることでも御馴染、京劇の「四大名旦」がまず紹介される。その中にはもちろん、現在リヨン先生ご出演で撮影が進んでいる梅蘭芳も写真入りで紹介されている。彼の写真を見て、「ああ、やっぱりよんとは違うよなー…」って思ったもんなんだけど、それはまた別の話。
 そんな始まりから、京劇の名旦じゃないのに、なぜか女装に命をかけ、身も心も捧げてしまった多くの男たちと、男たちに恐れられながらも自己実現のために男装した女たち、中国語で言うところの“服妖(異装の怪物)”の生き方を、文学作品と『鬼子』でも紹介された近代中国版東スポこと『点石斎画報』等から分析(という名のツッコミ?)していく本である。
 男装の麗人といえば、先に挙げた祝英台とディズニーアニメのヒロインにもなった花木蘭。祝英台は文人として、花木蘭は武人として男装するという目的の違いがはっきりしている。これは後に続く流れを作っているといえるかな。
 でも面白いのはなんといっても女装する男性たちの話。その目的も様々で、なるほど!と膝を叩きたくなるものから、いっぺん頭はたいたる!と言いたくなるほどトホホーな理由もある。とにかく読んでて笑いが止まらない。纏足での歩き方を再現するために専用道具まで作ったなんて、涙ぐましいじゃないか(笑)。
 さらに面白いのは、女装・男装に飽き足らず?性転換した人々の記録まで残っていること。これは今でいうならばインターセクシュアルな人々にあたるのかなーと思うんだけど、その記録の中には明らかにフィクションか呪いにでもかかってんじゃないか?『らんま1/2』かよ、といいたくなるものも多少ある。もしかして高橋留美子さんって、中国のこのへんの記録をどっかで拾い読みしてらんまの基本設定を作ったんじゃ…ってことは絶対ないな。
 最終章近くには、近代以降の中国&香港での女装事情が紹介されている。ここでは香港映画で女装する男優たちはホントに軽い程度でしか紹介されてないけど(当然といえば当然?)、この本を通して読むと、彼らが女装する理由はなんとなくわかるような…気もしないか?これは今後も考えます(爆)。
 でも、周恩来が学生演劇で旦を演じていて、しかも結構見られる姿だったってーのは意外だわ。と、しばしその御姿に見入った次第アルよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『我が名はエリザベス』入江曜子

  ベルナルド・ベルトルッチが『ラストエンペラー』を作ってオスカーを得たのは、考えれば20年くらい前だったっけ?ちょうどその頃、ワタシも中国語を学び始めたのだが、学ぼうと思ったきっかけは、決してこの映画を観たからというわけではない。ジョン・ローンも好きじゃなかったしね(笑)。
20年くらい前はちょうど中国ブームが来ていて、経済の急速な発展とその勢いが世界中に注目され始めた頃で、これからはアメリカじゃなくて中国が来る!と言われていたような気がする。そんなことがあったり、当時読んでいた本やマンガに中国をモチーフにしたものがあったり(何だかはあえて言わぬが)したので、こちらも自然と中国に興味を持った次第。それでも『ラストエンペラー』を観たいとは思わなかったのよね。結局件の映画をビデオで観たのは大学生の頃で、ジョン・ローン演じる溥儀やジョアン・チェン演じる婉容が中国語ではなくて、ピーター・オトゥールと同じくらい(と当時は思った)流暢な英語を話していたのに、大いにガッカリした次第。

 その映画が日本でブームになった頃、これに乗じていろんな映画や本が登場していたことを思い出す。西洋的視点で描いたことに対抗して、その数年前に中国で作られた梁家輝主演の『火龍・ラストエンペラー』が公開されたり(残念ながら未見)、婉容を主人公にした『運命の貴妃』とかいう映画も大学の授業で観た覚えがある。主演は確か劉暁慶だったっけかなー。書籍でも、溥儀の自伝として有名な『我的前半生(我が半生)』やその周辺書、あるいは完全に便乗したような本も多かった。さすがブームに弱い日本だよね、ハハハ。でも、その頃ワタシは全然読む気にもなれなかったのだ。
 その頃出版され、3年前にやっと文庫化されたのが、この『我が名はエリザベス』だった。職場イベントの古本市に出品されていたので、ちょっと興味を持って売上貢献した次第(笑)。

 清朝末期の天津で西洋文明の恩恵を浴びて育った少女、婉容。民国初期の中国では充分に進んだ考えを持つ彼女が、なぜすでに終わった時代の象徴のような溥儀のもとに嫁いだのか。建前としては、殿下を西洋文化に触れさせたいから、奥方は西洋的な教養を身につけている方がふさわしいというものだったらしい。しかし、これは完全なる政略結婚であり、宮廷に嫁いだ婉容がふれるのはあまりにも前時代的なしきたりに第2夫人淑妃との確執、そして溥儀の秘められた性的嗜好に愕然となるのであった…。やがて彼らは紫禁城を明渡すことになり、日中戦争の混乱に巻き込まれていく。溥儀が満州国の皇帝となっていらい、婉容の存在は闇に封じられ、自室幽閉や阿片中毒などの苦難が彼女を襲う。離婚したいと願っても、それは決してかなえられず、日本軍による傀儡政権が彼女の虚像を作り上げる…。

 溥儀の性嗜好ってーのは実は少年愛嗜好なんだが、特に驚かなかったと同時に、映画ではそーゆー場面全然なかったよな?もっともオトゥールさん演じた家庭教師ジョンストンさんとはどこかホモソーシャルっぽいつながりを匂わされていなかったっけなー、なんて漠然と覚えている程度だけど、これは真実なの?有名な事実?
まぁ、知ったからって詳しく調べようとするつもりもないのでいいんだけど(投げやりだなー)。まーなー、年頃の女性にとっちゃ、自分の夫がBL愛好者だと知ったら確かにショックだな。ルイ16世(彼もフランスの“最後の国王”か)みたいな内気で錠前作りが大好きなオタク気味キャラだったらまだ救いがいがあったのだろうけど。…ってこれはあまりにも『ベルばら』的認識?

 物語では、婉容が溥儀や彼の臣下、さらには日本の傀儡政権に対する不満等を交えながら、それでも悲劇の縁へと追い込まれてしまう様を語っているのだけど…、うーん、さすがのワタシでも、どうも感情移入はできなかったな。
 それはやっぱり、かの映画でジョアンさんが熱演した婉容のエキセントリックさにひかれすぎていたのもあるし、やっぱりこの時代があまり好きになれないこともあって、のめりこめなかったのかもしれない。
 とか言っているけど、そーいえば『色、戒』の時代とこの時代ってちょっとかぶるんだよね。ただ、場所が違えば起こっていることも全く違うってことか。
 そんなとりとめのないことを思いながら、感想を終えたいと思う。
なんか全体的にやる気のない感想ですが、素直に書いております、はい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

呉清源 極みの棋譜(2006/中国)

 昭和期の日本で活躍した外国籍の人間は意外と多い。有名なところではやはり映画にもなった力道山か。そんななか、昭和期の囲碁界の生ける伝説となった呉清源の名前は知らなかった。未だ存命中の彼の伝記映画が『呉清源 極みの棋譜』である。

 昭和初期の日本。名棋士の瀬越(柄本明)と喜多(松坂慶子)の招きにより、呉清源(張震)は14歳で母(シルヴィア)や妹とともに来日した。彼の碁は相手の読みを遥かに超えた打ち方を見せ、好敵手の木谷(仁科貴)や兄弟子の橋本(大森南朋)を魅了する。その奇想天外さは対戦した木谷が考え込んだ挙句に鼻血を出して昏倒してしまうくらいのものだった。
 しかし、間もなく日中戦争がやってくる。清源は家族を帰し、碁に打ち込むために日本国籍を取得する。中国で紅卍会という新興宗教に入信していた清源は、同じ流れを汲む篁道大教の道場に通っていた中原和子(伊藤歩)と結婚するが、戦乱が日本と中国に暗い影を落とす中で、碁を通じて心理を追及する姿勢はいよいよ極まり、長岡良子(南果歩)率いる新興宗教・璽宇教に和子とともに帰依してしまい、碁の世界から離れてしまう。
 戦後、読売新聞の主催で打ち込み十番碁という対戦の機会が与えられ、清源は棋界に復帰して相変わらずの強さを誇る。その間、新興宗教ではトラブルが起こり、そこに残してきた和子が逃げ出したことから、夫婦揃って脱会する。
 昭和中期、清源は街を歩いていてバイクに跳ねられ、その後遺症でしばらく碁が打てなくなる。やがて、恩師の瀬越が自殺し、親友の木谷もこの世を去る…。

 映画に求められるのは爽快さや娯楽であるのはもちろん言うまでもないけど、この映画で描かれるような、一人の人物が大きな画面にただ佇んでいる姿から、その人物がどんな人生を送り、どんなことを思いながらスクリーンの中で生きているのか、各自があれこれ想像をめぐらせられそうな映画もまた必要だ。ほとんどの日本人(中国人もか?)が知らなかった呉清源氏の生涯を描くには、もちろん『知ってるつもり!?』的視点も必要なのかもしれないが、こういう“魂のあり方”を画面に描き出した手法だって悪くはない。…いや、観終わった後に近くの人が、「これってとりとめもない『知ってるつもり!?』じゃん?」とやや不満げに呟いていたのがちょっとひっかかっていたので。
 田壮壮さんは前作の『春の惑い』でも、大きな事件を一切廃して、禁断の恋への予感にときめく主人公の姿を淡々と描いていたので、ある程度そうなるんじゃないかということは予想済みだったし、それだからこそ、こっちも碁のことを勉強しなくても清源さんの半生に伴走できたような印象。
 今の平和な世の中でも、中国人が日本で行きぬくのは大変だろうけど、天才少年棋士として有名だった清源もこの映画に描かれた以上の苦悩を体験してきたのだろう。そういう厳しさの中でも、自分が打ち込む碁と、そこにある真理を追究し続けた彼は、さしずめ“盤上の哲学者”なんだろうな。

 坊主に近い刈り込まれた頭に黒ぶち丸めがね、仕立てのいい和服に身を包んだ張震演ずる清源は非常にディーセント(上品)で美しい。完全に中国人設定だから日本語が片言でも全く問題ないし(本人はロケ終了後すっかり忘れてしまったって言ってたけど)、冒頭で清源さん本人と語り合う姿はほとんど本人の孫(微笑)。彼と伊藤歩ちゃんが90歳近い呉夫妻と語り合う姿なんて、ホントに祖父母を訪ねてきた孫夫婦(孫が中国人、妻が日本人)って雰囲気だったし、ホントにはまり役。これをいい機会にもっと日本でも知名度が上がればいいけど…って無理か。いくら『天堂口』の公開が控えているとはいえ、ねぇ…。
 そんな清源の苦悩や迷いを全面的に押し出したせいか、日本人キャストは彼から一歩引いたくらいの位置で熱演。(?)どっしりと落ち着いた柄本さんに米倉斉加年さん(今のNHK朝ドラのおじいちゃん役もよかった!)、お父さん(川谷拓三)に似てきたなぁと思った仁科さんが印象的。ノーベル賞受賞者(川端康成)を演じた野村宏伸、はっきり言って美味しすぎ。逆に大森南朋くんは、さすが『ハゲタカ』の鷲津からプータローまであらゆる役柄をこなすカメレオン俳優だけあって…あまりにも地味でした(チョイ泣)。

 これを観て碁に興味を持ったかというと、実はそんなんではないんだけど(本当にすみません>日本棋院さん)、激動の昭和を天才がどう生きてきたかというテーマで観てみれば、個人的にこの映画はただいま強力大ヒット中の某昭和映画続編よりずっと価値がある。しかもそれを中国人監督が作ったという点でもやっぱり価値がある。
 まぁ、あの日に広島で行われた本因坊戦があんな状態だったってのが果たしてホントだったのかどうなのかはなんとも言いがたいんだけどね。あの時、瀬越さんの息子さんは亡くなってしまったと言うけど、いったい広島のどのへんで橋本さんたちは本因坊をめぐって戦っていたんだろうか(この部分はあえてネタバレ避けてます、ハイ)。

英題:The Go Master
監督:田壮壮 衣裳&プロダクションデザイン:ワダエミ
出演:チャン・チェン 柄本 明 伊藤 歩 仁科 貴 大森南朋 南 果歩 シルヴィア・チャン 米倉斉加年 松坂慶子

| | コメント (0) | トラックバック (0)

誘拐ゲーム(2007/香港)

 “無間道三部作”以来、サスペンス流行りの香港映画界。そこで描かれる事件はさまざまあれども、誘拐を軸にした女性同士の対決というのはあまり観たことがない。原題が“誘拐”そのものであるのが、『カルマ』や『カオマ(まぎらわしい…)』で御馴染のロー・チーリョン監督の『誘拐ゲーム』である。はい、チーリョン作品には欠かせないカレーナちゃんはもちろん出ています。

 新進劇作家のヨン(カレーナ)の弟が誘拐された。犯人グループは劇上演時の舞台上での身代金取引を要求。捜査に当たったホー警部(レネ)と部下のチー(シウファイ)は犯人を突き止めて追い詰めるが、ミスで犯人を転落しさせてしまい、あわせてヨンの弟の命もを失わせてしまう。
 3年後、ヨンは悲しみを振り切るが如く演劇にのめりこむが、今度は最愛の夫が癌に冒される。夫の治療は海外に渡らなければ受けられず、莫大な費用がかかる。そこで彼女は夫に内緒で、大陸出身の大富豪ウォン(グォ・タオ)の小学生の息子の誘拐を企てる。しかし、ウォンの息子は偶然にもホーの息子と同級生で、雇ったネパール人は間違ってホーの息子を誘拐してしまう。単純ミスに怒るヨンだが、警察への恨みもはれない彼女はこれに乗じてホーへの復讐も企て、ウォンへの要求と同じ額をホーに突きつける。間の悪いことにホーの息子は、ホーと離婚した夫(チーラム)の間で親権を争っていた。あまりにも厳しい要求にホーは精神的に追い詰められていく…。

 なーんかアキラ黒澤の『天国と地獄』っぽい…というか、日本の女性ミステリー作家の作品で同じような話がなかったっけ?と思わせられる筋書きだった。
愛する者のために一人の女は罪を犯し、もう一人の女は追い詰められ、それに巻き添えを食った男が2、3人…。事件はなんとか解決するけど、後味はあまりよろしくなかったなぁ。
 だいたいヨンって売れっ子劇作家じゃないのか?あんな立派なスタジオで稽古ができるなら、夫の渡航&治療費もなんとか自費でで出せそうなんじゃないかって思ったんだけど、それ以上に費用がかかったってことか?ってーのが最大のツッコミ。夫を救いたい一心で犯罪に手を染めたんだろうけど、なんかだんだん犯罪の魅力に取り付かれてしまったんじゃないかと。対するホーは息子を救うに先立つ金がなく、息子の友達だったウォンの息子を誘拐してウォンに身代金をせしめようとまで思いこむのも怖い。しかもそのときのレネの表情もどこかイッちゃってたし…ってこれは『カルマ』の犯罪心理版か?まぁ、同じ監督だからな。

 しかし、カレーナの金髪ショートは『姉御』以上に姉御だったぜ(笑)。あと、ウォン役は『クレイジー・ストーン』の前立腺炎持ちの警備主任ことグォ・タオさんだけど、いい俳優さんだと思っただけに、あれだけの出番は非常にもったいない…。彼、『私の胸の思い出』にも出ているって聞いたけど、こっちには来なさそうだから、いつかDVDチェックするか。それ以外にもあれこれツッコミしたくなる映画だけど、その中での救いは意外にもシウファイさん演じたチーさん(なんか緊張感のない名前…漢字で書くと“智叔”らしいが)だった。ジョニー組では脇役ながら重宝されている彼だけど、こういう役もできるのかー。いろんなところで拝見した皆さんのツッコミ通り、あの“もろこしヘア”はいかがなものかと思ったけど、カレーナとレネの両方に関わり、二人を支えながらそれぞれ心配していく役どころはおいしい。ご退場は予想していたけど、それでもクライマックスまで取っておいてもよかった気がするなぁ…。

 この手の、キャストがはっきり言って地味で、俗に言うB級テイストが多い香港映画の中でもBマイナスくらいの出来の映画(すみません厳しいこと言って)って、DVDスルーでもなかなか手が出ないけど、今回こうやって観るチャンスがあったのは素直にに喜んでいる。自分がDVDよりも大きな画面で観たい(でもベストは映画館)主義だからなおさらかな。そんな意味で今年の中国映画祭事務局には感謝しているけど…、今度開催する時は、どうかフィルメックスと時期をずらして開催してくださいね!お願いしますよ。

原題:[糸邦]架(The Kidnap)
監督:ロー・チーリョン
出演:カレーナ・ラム レネ・リウ チョン・シウファイ チョン・チーラム

| | コメント (3) | トラックバック (1)

ぼくの最後の恋人(2006/香港)

 “負け犬の遠吠え”なんて言葉が流行ったのもあったけど、そんなの関係ねぇ(今年しか使えない流行語)。それはもとより、いい歳こいた女子の恋愛問題ってまだまだあれこれある(含む自分…っておいおい)。それは日本だけじゃなくて香港でも同じみたい。さらにその女子が大酒飲みの姐御肌だったらどうなる?そんな問題を描いているのが、『早熟』と《門徒》の間にイー・トンシンさんが撮りあげた『ぼくの最後の恋人』だったりする…ってそういう映画じゃないか?

 シウマン(ミリアム)は30歳を目前にしたビール会社のキャンギャル。若さはそろそろなくなってきたけど、“千杯不酔”とあだ名されるくらいの呑みっぷりがウケていて、雇い主の店長(ヴィンセント)や屋台街を仕切るボス(中信)にかわいがられている。
 ある日、シウマンは火鍋屋の屋台で酔いつぶれている男性を発見し、家に連れて帰る。彼の正体は中華系フランス人のマイケル(彦祖)で、職業はなんと中環にある小さなフレンチレストランのシェフ。世界中を旅していた彼は香港に魅せられ、ここで店を持つことを決意したものの、あまりのこだわりに客がつかず、店を閉めることにしたのだ。彼を気の毒に思ったシウマンは共同経営者になることを申し出る。自分のカフェを持つことを恋愛以上に夢見ていた彼女は、彼のレストランで昼間だけカフェを始めることにする。同居することになった2人は恋愛抜きの生活を送っていたが、店長やキャンギャル仲間にはやし立てられ、案の定恋愛関係に。
 彼女の人脈と明るさのおかげでカフェは大賑わいだけど、夜の部は相変わらず閑古鳥。彼女に申し訳なく思ったマイケルは、友人(テレンス)の訪問で旅心をかき立てられ、さらに新たな出資を申し出た美食チェーンの女社長の依頼を受けてしまったことで、シウマンと袂を分かつことに…。

 香港女子ってどことなく姉御肌と思うのは、見ている女優がみんなそういうタイプだから?だってカリーナにミシェルにカレンにサミーにetc…(苦笑)みんな勝気な役どころを得意とするよね。ははは。
 ミリアムことチカちゃんは、ここ2、3年香港映画でよく顔を見るようになったけど、以前も書いたようにサミーと印象がかぶるんだよね。だから彼女も姉御肌が得意なの?個人的には《花好月圓》みたいな役柄がかわいいと思うんだけど。
 彼女の演じるシウマンは、豪快で気がいいんだけど、どーも恋愛対象にはされない女子。うーむ、なんか他人とは思えないキャラだ(笑)。恋愛よりも夢を追うタイプで、自分のカフェを手に入れるまでは、たとえライバル社からオバさん扱いされてもビール会社の派遣(だよね?)でせっせと頑張る。そんな彼女がひょんなことから夢をかなえてしまったら、後は恋愛を叶えるしかないのは全世界女子的お約束?…違うと思うが。
 しかし、そんな彼女の元に飛び込んだのが、ガイジンでイケメンのマイケル。ある意味演じる彦祖もガイジンか。彼が街を行くたびガイジン扱いされていたのには笑ったけど、中華系西洋人ってアレが典型的なのかな?まーそれはいいとして、ちょーっとそこができすぎだよねー(苦笑)。そこまでできすぎなくてもいいんじゃないかなトンシンさん、と思った次第だけど、ベタでアマアマだけどそれなりに楽しめたからとりあえず許そう(偉そうに)。

 しかし、彼を自分の下に引き抜いたあのオーナー…。北京語しゃべっていたから大陸から移民して香港で成功したセレブって設定なんだろうけど、かなりスノッブで「イケメンシェフは飾り」的扱いで見下しているのって、なんか、ホントにありそうな感じがしちゃったりして。実際どーなのかしら、なんて勘繰るのは無粋?   

原題:千杯不酔(Drink, drank, drunk)
監督:イー・トンシン
出演:ミリアム・ヨン ダニエル・ウー ヴィンセント・コック アレックス・フォン チン・カーロッ テレンス・イン 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『色、戒』地元上映の、果報は寝て待て。

 中国映画祭で観た作品の感想は、あと3本ほどあるんだけど(読んだ本の感想も…)、ちょっと身辺多忙のため足踏み状態。早いとこ書かなきゃとも思うけど、あまりあせらないようとするか。

 で、今日は一息ついて『色、戒』話でも。
 なんかワイズポリシーさんのblogによると、昨日から全国主要都市のTOHOシネマズにて特典つき前売り券が発売されたそーですが、私の住むとーほぐでは、盛岡どころか大都市仙台でも…、

 残念ながらまだ上映館が決まっておりません。

 地元の映画館(今日は2館ほどはしごしてきた)でも、ポスターも何もありませんでした。
 あったのはアキラクロサワリメイク映画とかそんなんばっかり。
 まーいいです。そんなもんです、多分2週間前くらいに上映が決まるかもしれません。傷城もそうだったし。とーほぐの映画館は前売りもあまり出さないので、指輪もゲットできなさそうです。それもしょーがないです。すでに持ってますし(某ルート経由でいただきました。多謝)。
 もし、ブロークバックのように、こっちの上映が東京上映から3ヶ月ほど遅れる(そうだったんです)としても、ちょうど封切り予定日から2週目の週末にジェイ演唱会@武道館に行くので、そのついでに観てまいります。そーすれば皆様の話題についていけることは確実ですし。

 今週はいよいよ李安さん&宏くん&湯唯小姐来日ですわね。
せっせとネットチェックしたい次第。そして主演当人の来日は…こないだのように直前にわかることがなければいいんだが、2月は比較的動きやすいので(香港にも行かないし)、いつ来てくれても大丈夫かな?

 ともかく待ってるぜぃ、トニー先生よぉ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »