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男兒本色(2007/香港)

男児本色(2007/香港)

with『鉄三角』。こっちも観たかったなぁ…。

 香港の爆発王、ベニー・チャン見参!
♪ちゃららー、ちゃんちゃん、ちゃららー、ちゃんちゃん、ちゃちゃーちゃちゃーちゃちゃちゃっちゃちゃ♪(と意味なくBGM)
 おいおい、ヒーローものじゃないだろうが。えー、大変失礼しました。

 ジョニーさんほどじゃないにしろ、ベニーさんもまた多作な人である。ここ数年は1年に必ず1回は彼の作品を観ている。『BB』でしょ、『ディバージェンス』でしょ、『ニューポリ』もそうだもんね。さらにもっと時をさかのぼれば、御馴染の特警ニ部作(ジェネックスコップシリーズ)もある。名前を挙げた作品では、ほとんどの映画に派手な爆発シーンがある。成龍さんのアクションが見モノのニューポリでも警察爆発シーンがあったけど、さすがにBBは赤ちゃんをビックリさせないように爆発は控えめだったよね?いや、それ以前に赤ちゃんビックリなヒヤヒヤ場面はいくらかあったか。
 そんな爆発大好きなベニーさんだが、成龍さん以外にはニコを主演にした作品も多いのはいうまでもない。ジェネックスの1作目からすでに8年が過ぎ、あの頃は生意気でオレ様といわれたニコも、今やすっかり成長してなんと1児のパパ。彼の成長っぷりと合わせて、後輩にあたるショーンやジェイシーとのコラボレーションや、新たな悪役アクションスターとの絡みにもわくわくしながら、『男兒本色』を観たのであった。

 刑事のチャン(ニコ)は半年前、ギャングの現金輸送車爆破の巻き添えで恋人を失った。それ以来、彼はギャングへの復讐に生きることを誓い、強引な捜査で警察の問題児となっていた。今そのギャングの事件を追うのは、別の警察署に所属する警部捕のフォン(ショーン)。ある夜、彼は路上封鎖による検問で標的のギャングたち(呉京、オンくん他)に遭遇し、大乱闘を繰り広げるが、フォンはギャングたちに容赦なく叩きのめされる。
 一方、警邏課に所属するワイ・キンホー(ジェイシー)はまじめな若き警官だが、彼の兄が元警官(実は潜入捜査官)でありながら、ギャング一味に加わっていたことで事件の容疑をかけられたため、彼の身を案じた上層部は本格捜査を前にワイを休職させようとする。最愛の兄の汚名を晴らしたいと願うホーは、チャンとフォンに協力を要請する。ギャングとの接触で3人は数々の危機にさらされるうちに、ホーの兄が既に殺されていたという悲しい事実が判明するが、同時に警察側にギャングへの内通者がいることがわかる…! 

 次から次に繰り広げられる、すさまじい爆発!
 ウーさんが「バイオレンスの詩人」ならベニーさんは「爆発オペラの指揮者」かよって勢いでドッカンドッカン爆発させる。とにかく爆発させすぎ。ああ、ジェネックスでコンベンションセンターをど派手に爆発させていた時が懐かしい。あれは今の路線につながるほんの序章みたいなもんだったのね(苦笑)。おそらくこの爆発過多な演出で好き嫌いがわかれるんじゃないかな。
 もう一つの見せ場はワイヤーも効果的に利用したニコたちと、本格派である呉京&オンくんのアクションシーン。トラムステーションから飛び降りた(だったっけ)勢いでトラムにぶち当たったり、ビルから転落して木に引っかかったり車にぶち当たっても怪我一つしないのはすごいが、それが香港クオリティってことで(苦笑)。

 ニコたちも頑張っていたけど、本格派はさすがに違うわけで、とにかく強いとしかいえない(そしてそれが誉め言葉になる)悪役二人の存在感は抜群だった。呉京って顔だちが結構甘いというか、基本的にファニーフェイスの人なのに、よくもあんな憎々しげな悪役ができるもんだよなぁ。オンくんは『ニューポリ』『スター・ランナー』そして『マッド探偵』とそれぞれ違うキャラクターを演じているので(デビュー作の『ブラックマスク2』は未見)、まだまだつかみきれないところがあるけど、今回は若いホーを圧倒しながらも、どこかで奇妙な感情(って腐女子的意味じゃないよ)を交える大人っぽい役柄だった。いい味出してるぞ。

 主役3人は、それぞれがやや意外性を出した役どころを演じていた印象。
 ニコはほとんどがヒゲ面。あれ、不精ヒゲじゃないの?とちょっと違和感を抱いたけど、見ていて不自然には思わなかった。若さとオレ様っぽさを前面に押し出してたジェネックスの頃や、父を慕うような少年っぽさを見せたニューポリの役とはまた違うんだが、それがあっていたかあっていないかに関わらず、いつの間にかこういう役が回ってくるようになったんだな、ニコよ…。他の皆さんがおっしゃっていることとかぶるけど、願わくばもーちょっと文芸ものにも出てほしい。アクションものへの出演が多いのは本人の意向なの?それとも事務所?あるいは生活のため?>それはないだろ。
 ショーンは丸刈りかよ!一瞬誰だかわからなかったぞ!妙な貫禄があるので一瞬若い頃のマ○ケン(若手の方じゃなくてサンバの人)かと思ったじゃないか!登場時はイケイケなオレさまだったのに、呉京たちと乱闘して銃弾飲まされて入院&それを排出したあたりからひそかにお笑いキャラ化してないか?今回の彼の役どころについて、文楽迷の皆さんのご意見を聞きたい…。
 そして今回初めて演技を見たジェイシーくん。面長の顔立ちには確かに若い頃のお父様の面影がちょっとあるが、それでもパパはパパ、息子は息子ね。 アクションももちろんあるけど、役柄の性格付けもひとひねりしていていい。彼のキャラクターが一番よかったので、あのラストは…(泣)。
 心優しく、失踪した兄を常に気遣い、兄のために走り、敵を殺すことではなく逮捕することで正義を貫こうとするホーは、実はこの映画の裏テーマに違いない「正義とは何か?」を体現したキャラクターじゃないか?とひそかに思っているのだがどうだろうか。
 そう、この物語は実は勧善懲悪ではなく、裏側が結構入り組んでいる。ギャングと通じ合う警察上層部が登場したり、クライマックスでの警察署ジャックでは、みんな誰が警官かギャングかがわからなくなる。また、復讐心に燃えているチャンは相手に殺意を抱くのだが、やはりギャングに兄を殺されているホーは復讐であっても相手を殺すことを否定する。それが警官として、また善人としての正義なのだ、と言っているように感じた。台詞に「正義(中国語でなんて言ってたっけ?)」という言葉がよく出てきたので、ちょっとそんなことを考えてみた。

 この映画、来年の劇場公開が決まっているとのこと。これは嬉しい。
成龍さんも出てこないし、物語も荒削りだけど、本気度も高いので是非一般の映画好きの皆さんにも観てもらいたい。全国拡大ロードショーじゃなくてもいいから、ちゃんと愛のあるプロモーションをしてほしい。『龍虎門』の時のようなファンをガッカリさせるプロモーション(&吹替版メインの劇場公開)はもういやだ。宣伝側がその映画の魅力を誇大表現なしに正しく伝えてくれたら、一般の人だっても芸人吹替&タレントのイメージキャラなんかにつられずに映画館に足を運んでくれるのだから。

英題:Invisible Target
監督&製作:ベニー・チャン
出演:ニコラス・ツェー ショーン・ユー ジェイシー・チェン ウー・ジン アンディ・オン マーク・チェン サム・リー

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