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放・逐(2006/香港)

ほうちく【放逐】
[名]スル
 ①その場所や組織から追い払うこと。追放。「業界から―する」((以上Yahoo!辞書より)
 ②組織を裏切った5人の男たちが、飯を食ったりじゃれあったり金塊を強奪しながらゴロゴロ転がっていくさまを描いたジョニー・トーの映画。

 …何を言いたいんだ、このまえがきは。

  1999年12月、中国返還直前のマカオ。生まれたばかりの子供をあやす女性(ジョシー)のもとに、二組4人の男たち(アンソニー&林雪、ジャンユー&ロイ)がやってきて、彼女の夫ウー(ニック)の行方を尋ねる。実はこの男たち、かつては殺し屋だったウーの仲間で、5人はフェイ(ヤムヤム)のもとで働いていた。しかし普通の暮らしを求めてウーが戦線を離脱したため、フェイはウーの抹殺を仲間の2人に命令し、他の仲間は彼を守るべくウーのもとにやってきたのだ。ウーの帰宅とともに、アパートは三つ巴の死闘となる。しかし、5人はあっさり和解し、一緒に飯を作って再結集を誓う。
 5人は仕事を斡旋してくれるエディ(シウファイ)のところへ行き、いくつか仕事を紹介してもらうが、その中にはフェイを襲うというものもあった。そこで5人はフェイを襲うが、銃撃戦でウーが負傷。4人はウーを闇医者のところに担ぎこむが、そこにまた急所を負傷したフェイとその一味がやってきて再び銃撃戦に。この戦いでウーが命を落としてしまう。ウーの亡骸を妻のところに届けた4人は、当然妻になじられ、街を去ることにする。妻は彼らに復讐することを誓う。
 4人は離れの島に来たが、ちょうどいいことにここには依頼された仕事のひとつである金塊があることに気づく。しかし、金塊はすでに警察(に偽装したチンピラ?)に押さえられ、4人はがっかり。しかし、程なく進んでいくと、彼らと別のチンピラの金塊をめぐる激しい銃撃戦に遭遇。唯一生き残った警察の制服を着た男(リッチー)の助太刀をして敵を皆殺しにし、彼と金塊を分け合う。そして4人はウーの妻がフェイの元にいることを知り、彼女を助けるためにマカオ市街に戻る…。

 観てから1週間経ってしまったこともあって、あらすじがかなりアバウトだけど、はっきり言って物語はあってなしが如き。だから許してー。
 ジョニー親分の映画の中で何が好きかと尋ねられたら、やっぱりやりびでしょう!と言ってしまう。これは3年前にDVDで観て、あーなんてすごいんだ、かかかカッコいい…としか言えず、同じ年の地元の映画祭に、ロイがこの映画とともにやってきてくれたので改めてでっかいスクリーンで体験でき、「かかかカッコいい…」と惚れこんでしまった次第。
 以降、ジョニー親分の映画には、時折うげげげーという気分にもさせられながら(黒社会二部作など)付き合ってきたのだけど、やりびのように胸をつかまれる映画にはなかなか出会えないでいた。だけど、この映画をずっと待ってて本当によかったよ!去年のヴェネチアでこの写真を観て以来、絶対この映画は面白いに違いないって思っていたもの!
で、観てみたら、

ホントに面白かった。カッコよかった。以上。

 …え、これで終わりにしちゃダメ?んじゃ、もーちょっと書こう。
何がよかったって、もちろんファーストインパクトだったあのやりびにはかなわないところがあっても、ストーリーはなきに等しくてもいったいどう転がっていくのか分からないスリルあり、血腥くも美しい銃撃戦の親分的様式美あり、決してハンサムじゃないけど恐ろしく濃ゆい味わいの男たちの熱演あり、腐女子じゃなくてもときめいちゃう熱ーいホモソーシャル風味あり(男子校的シモネタのりあり、ロイのちゅー場面あり)、ともかく親分特製のセット定食(もちろん○肉ミ○チなんてもんはない)を茶餐庁でいただいてうわーおいしかった!っていいたいくらいかっこよかったんですよ!もちろんそれ以上のツッコミはやろうと思えば出来るけど(リッチーの存在意義は?とかあれこれ)、そのへんは眼をつぶっても許されるでしょう、香港電影迷的には。
 あと、個人的に今回は各キャラクターの衣装&スタイリングもジャストフィットで楽しませていただきました。秋生さんのノーネクタイスーツ+トレンチ、ジャンユーのパンク気味ヘア、ロイの長髪、警官の制服とティアドロップのグラサンがよく似合うリッチー、ダークスーツの胸元にコサージュ(多分)を飾ったヤムヤム、皆さん、妙なセクシーさ(ほめ言葉です)を醸し出してたわ。

 上映前にプログラミングディレクターの林さんから「この映画は来年上映予定です」とのアナウンスがあったので、また再び日本語字幕で観られる機会があるのはとっても嬉しい。また大きな画面でこの映画を心ゆくまで堪能したいけど、そのためには一般の人にももっと観てもらいたい。本当にそう思う。そのためには毎度言うように宣伝側には作品に愛とリスペクトを持ってもらいたいし、一般の人にも観てもらえるような適切さのある宣伝をしてもらいたい。各界の賞賛の声は必要だけど、無関係のタレントを使ったり、日本版イメージソング(そんなのつかないか)なんてものは絶対つけてほしくない。そして、今回の上映では女性客も多かったのだから、男性だけじゃなく女性にも観てもらえるようにしてもらえればもっといいなぁ。
 ともかく、また観たいし、未見の方にはホントにオススメの1作。

英題:Exiled
監督&製作:ジョニー・トー
出演:アンソニー・ウォン ン・ジャンユー ロイ・チョン ラム・シュー ニック・チョン リッチー・レン ジョシー・ホー ホイ・シウホン チョン・シウファイ サイモン・ヤム

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