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2007年9月

夜の上海(2007/日本・中国)

 いつも元気いっぱいで、大きな目がキュートなヴィッキー・チャオ。
 そんな彼女のどアップになった『夜の上海』のポスターが、うちの近所に貼られている。ああ、まさかこんな盛岡のど田舎で彼女の顔が拝めるなんて!なんていいながら、友人と件の映画を観に行った。

 カリスマメイクアーティストの水島直樹(モックン)は音楽祭の仕事のためにパートナーの高橋美帆(西田尚美)と共に上海にやってきた。恋人でもある美帆との関係に悩み、情緒不安定気味の水島は、音楽祭が終わると同時に何も持たずにふらふらと夜の街を歩き出す。いつの間にか迷子になった彼は背後からやってきたタクシーに飛ばされる。幸い死にもせず、怪我ひとつなく(!!)すんだのだが、慌てたのは彼にぶつかったタクシー運転手の林夕(ヴィッキー)。タクシーに彼を押し込み、強引に観光に出るが、北京語のできない水島とはとにかくかみ合わない。林夕は修理工の東東(もこみち、違ったディラン)に思いを寄せているが、水島を乗せている最中にかかってきた電話で、彼が翌日結婚することを知る。ショックのあまり水島を放り出す彼女だったが、行きがかり上、彼と行動を共にする羽目になる。北京語も話せず、一人ではまったく何もできない水島と、東東への思いを吹っ切れず、やけくそ気味に街を突き進む林夕がタクシーで過ごす“上海の長い夜”の中、まったくかみ合わない二人は次第に心を通わせるようになり…。

 いやもう、とにかくヴィッキーがかわいい!
 寝癖が飛び上がるぼっさぼさ髪でタクシーを乗り回し、がさつな運転で稼ぎまくる林夕(香港の人気作詞家と同じ名前なのは単なる偶然か)。一応恋する乙女なのに、うっかり告白のタイミングを逃して後悔しまくり。喜怒哀楽がはっきりしていてかわいらしいし、決めの日本語台詞「ワタシノコト、スキデスカ?」もなんともいえず愛らしい。
 とにかく、これは冒頭からエンドクレジット直前までヴィッキーを愛でる映画なのである。以上。

 え?それで終わり?ということは、それ以外は…?
 ええ、それ以外はもうダメダメです。思わず暗黒もとはしに変身したくなるくらいダメダメです。
 
これより後は超ネタばれでツッコミますよー。

 まず、あんなところ(道端)でボーっと立っていてタクシーにぶつけられたらフツー死にますよ、水島さん。あんなに吹っ飛んでボンネットにぶつかってよく無傷だよなー、この映画は香港映画じゃないはずなんだか。
 そんな水島さんを取り囲む人々にもそれぞれドラマが用意されているのだが、はっきり言ってそのエピソードは不必要だったと思う。特に美帆ちゃんと彼女に恋して上海までついてきた建築家(?)の年下男河口(塚本高史)のエピソード。水島の日本人アシスタント2人のうち、マイペースなメガネ男子加山(和田總宏。個人的には塚本君より彼のほうがよかった)のええカッコしい場面はともかく、いまどきのギャルっぽさが鼻についた原ちゃん(大塚シノブ。この子誰?)と、最初観た時とてもサムとは思えなかった通訳(サム)の「モリコーネが好き」談話もなんか浮いていた感じ。ちなみに友人曰く、このときのサムは若いころのさだまさしに見えたとのことで、鑑賞後の飲み会で「あのサムは“サムまさし”だね!」と妙に盛り上がってしまいましたよ。
 それをもぶっ飛ばす勢いで、最も浮いていたのが、何をやってもくどくてしつこく、すでにそのくどさも達人の域に達した感もある竹中直人の暴走演技。なんかくどいも痛いも通り越して言葉を失ったよ…。ま、彼はこれが芸風だからあきらめるしかないか。
 えーと誰か忘れているなぁ、ああそうだ、ディランもこみち!彼は初見なんだけど、いやぁ、噂にたがわず見事なもこみちっぷりだ。しかし、ヴィッキーとはつりあわんなぁ…。(話はそれるけど、個人的にはヴィッキーもそろそろトニーと組んでもいけるんじゃないかと思うよ。兄妹役じゃなくて恋人同士の役で。閑話休題)

 この映画、チラシに曰く、上海版『ローマの休日』&『ラブ・アクチュアリー』を狙ったらしいけど、せっかくあんなにステキな上海の夜景が撮れているんだから、過去の恋愛映画の名作にインスパイヤされたものじゃなくて、脚本に一ひねり入れたオリジナルなラブストーリーにしてほしかったなぁ…。タクシー映画の名作『ナイト・オン・ザ・プラネット』や王家衛映画、口紅でガラスなどに落書きしまくる映画(があったよね…)など、いろんな映画の断片を継ぎ合わせて、面白がって作るのも悪くはないんだけどね。
 3年前に観た『最後の恋、初めての恋』のスタッフさんの名前もお見かけしているけど、決して批判しているわけじゃないんですよ。上海や中華圏を舞台にオリジナルなアジアンミックス作品に果敢に取り組むその意気は大いに認めていますので、これからもこの路線でも大いにがんばってください、ムービーアイさん!

 最後の最後にこれだけは。
 友人曰く、今回のヴィッキーの役どころは、香港でイーキンと共演した『マイ・ドリーム・ガール』とよく似ているとのこと。というわけで、近いうちにこっちも観てみたいと思います。  

英題:The Longest Night in Shanghai
監督&脚本:張一白 企画プロデューサー:牛山拓二
出演:本木雅弘 ヴィッキー・チャオ 西田尚美 塚本高史 ディラン・クオ 和田總宏 サム・リー 大塚シノブ 竹中直人

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FILMeXではあの短編集と《放、逐》その他いろいろだ。

 東京国際のチケットも心配だけど、今年のTOKYO FILMeXもやっぱりというか案の定というかラインナップがおいしいですねー。
 まずオープニングが待望の『それぞれのシネマ』だよ!あのバカ監督(くどいようですが誉め言葉です)作品だけのみならず、王家衛もホウちゃんもイーモウもカイコーもミンリャンも観られるんだよ!ありがとう、バカ監督の事務所さん!(最初、ここが主催だと思ってサイトチェックしたら外れていました。でもお礼を言ってしまおう、ははは)

 そして特別招待作品には《放、逐》が!コンペにはヤウ・ナイホイさんの監督デビュー作が!そして『ライス・ラプソディ』のケネス・ビー監督の新作(台湾映画)が、シャオカンの『ヘルプ・ミー、エロス』も早々と登場とは!国際に負けず劣らず、こっちもおいしいねー。

 で、自分のスケジュールと相談した結果、観られるとしたらおそらくオープニング&《放、逐》が続けて観られる週末がベストか。ナイホイさん映画も祝日上映なので、がんばれば観に行けると思うけど結構厳しいかも…。

 ま、どーにかなるか。

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『40 LIVES in 香港 素敵なひとに会いにいく!』

 先週あたりからあちこちで話題になっていたこの本、早速あーまーぞぉーんで購入して読了。この手の本、香港ブームが過ぎ去ってから久しく出ていなかったよね。

 ヘビーヴィジターと若手さん、二人のエディターが香港を訪れ、有名無名の40人にインタビューしまくって現在の香港を浮き上がらせ、かつガイドも兼ねているという異色のインタビュー本というかガイド。しかしよくこんな企画通ったなー、と思ったら、発行社は香港ブームのころによく本を出していたアスキーさんではないですか。おまけに奥付を見たら、お久しぶりです、香港在住の通訳兼ライターの内田和世さんがコーディネイトが務めていましたので、まずは確実に信頼できる本だなと思った次第(あー、それでもライターさんのちょっと怪しい認識もあったけど、まー目をつぶってオッケイなところか)。
 映画関係ではイーキンと陳光榮さんが登場。イーキン、わかってはいたけどえらく髪が短くなっちゃったよなぁ…。日焼けして精悍な印象を受けたけど、ワタシも髪は長めが好みだなぁ。コンフォートさんのインタビューは珍しいので、しっかり読みましたよ。ホントにお忙しい人なのね。日本で知られている人では、フィギュアアーティストのエリック・ソーも登場。個人的に嬉しいのは、この冬の旅行で訪れた2つのお店-レニー・ケイと年華時装公司のテイラー梁さんが登場していたこと。
 あと、新界に住むフツーのご家族や中環のOLさんなどのパンピーな方のインタビューもよい。そっか、今人気のある香港明星はやっぱり彦祖と古天楽なのか。期待の新人なんて言ってられんぞ日本の広告会社よ(苦笑)。

 全体的には良心的な作りで、読んでいて楽しかったです。
 インタビューで訪れたお店のデータも載っていてよいけど、結構ディープなところも多くないかぁ?ま、行ってみてもいいと思ったところばかりだし、銅鑼湾のブティックホテル、ランソンプレイスは金があったら泊まってみたいかな。

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東京国際、今年のラインナップ決定!あとはスケジュールか…。

 やっと東京国際映画祭のラインナップが発表。
テルオカ氏からディレクターが交代したアジアの風、香港映画の上映がなくなるのか?と思ったら、パン・ホーチョンの『出エジプト記』と、ヴェネチアのサプライズ出品『マッド探偵(“ディテクティブ”でよかったのでは?)』が登場なのはまずうれしい。あとはヤンちゃん(エドワード・ヤン)追悼上映か…。

 しかし、今年は例年とはちょっと違う作戦を練らねばならない。
 まずひとつは、協賛企画の香港映画祭の存在。上映作品も『鉄三角』『父子』『男児本色』『天堂口』と観たいと思わされる作品ばかりなのに…なんで平日上映なの?(泣)これは7月のトニー来日に続く田舎もん香港電影迷へのいやがらせですか

Bloodbrothers

 そうなると平日狙いの上京になるんだけど、いったいいつ行けばたくさん観られるんだろう?というわけでシュミレーション。

10/23(火) 15:40 息(張震主演の韓国映画)@ヒルズ
       18:30 鉄三角@オーチャード

10/24(水) 10:50  マッド探偵@シアターコクーン
       14:20  出エジプト記@ヒルズ
       15:00  父子@オーチャード
       (ちょっと待て!なんでこの2作品がかぶっているんだ!?)
       19:00  男児本色@オーチャード

10/25(木) 11:50 鳳凰 わが愛@オーチャード
       13:00 天堂口@オーチャード
       17:20 海辺の一日@ヒルズ

 …うーーーーーーむ。24日が一番おいしいのかなぁ。でも『父子』、なんで『出エジプト記』と重なっているのよー(泣)。しかし『男児』を観たら、もう新幹線がない時間だから、夜行バスで帰る羽目になるか。『マッド探偵』を観るならアサイチの新幹線で来るか前泊しないと無理だし。うー悩ましいーっ! 

 ところでヤンちゃん作品は10/2010/21に大部分が上映されるのですが(22日には『出エジプト記』も)、その両日はワタクシ、なぜか神戸にいるので観ることができません…。
しかし、繰り返しになるけど、前にもまして地方の人にはつらいスケジュールだよなー。それ以前にチケットが取れないと観に行けないので、なんとかがんばってゲットします。今回はプレオーダーってあるのかな?発売当日にチケぴに行けないので、そっちの方が確実な感じがするんだよね。

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桑桑と小猫 -『それでも生きる子供たちへ』(2005/イタリア・フランス)より-

 誰だって子供時代がなかったことなんてない。でも、ワタシたちは子供だったころをいつの間にか忘れてしまう。そして自分のことを棚に上げて、子供たちをないがしろにしてしまう。子供のころと比べて、今の世界(特に先進国)は便利で快適になったが、そんな中でモノに囲まれている今の子供たちは、本当に幸せなんだろうか?そして、先進国の発展と対照的に、発展途上国の子供たちはどうなんだろうか?

 2年前のヴェネチア映画祭でお披露目されたオムニバス映画『それでも生きる子供たちへ(All the invisible children)』は、WFPの飢餓撲滅大使を務めるイタリア人女優の呼びかけにより企画されて、ユニセフのサポートと企画意図に賛同した8人の監督たちが“世界の子供たち”をテーマに作った映画。カンヌの常連エミール・クストリッツァ、ハリウッド映画からドキュメンタリーまでこなすスパイク・リー、父であるリドリー・スコットと共同で監督したイギリス人CMディレクターのジョーダン・スコット、そしてアジア代表として我らがウーさんから日本初紹介の方まで監督のメンツもすごい。そんな映画のエンディングを飾ったのが、意外にも初めて中国大陸で撮影した(しかも12年ぶりの中華電影!)というウーさんの『桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)』だった。

 時と舞台は現代の北京。お城のような家に住む桑桑(チャオ・ツークン)はピアノとお人形が好きな女の子。でも、パパとママ(お久しぶりです、小豆子ママまたは陸一心の妻ことチアン・ウェンリー)はいつもけんかばかりしている。どうやら自分には弟がいるみたいだけど、ママがあんなに怒っているのはただごとじゃない。パパは家を出て行ってしまった。桑桑は自分に弟がいてもいいとママに言うと、ママに激しく怒られる。離婚寸前の両親に心を痛めた桑桑は心を閉ざし、ママと一緒に乗った車からお気に入りのフランス人形を投げ捨てる。
 片手が砕けた人形は屑拾いのおじいさんに拾われる。おじいさんは数年前、同じ場所に捨てられていた孤児を拾い、小猫(チー・ルーイー)と名づけて貧民街で育てていた。自分のいた場所で発見された人形をもらった小猫は大喜び。そして、あともう少しでおじいさんが自分のためにためてくれたお金で学校に行けることを知り、彼女の顔は明るく輝く。
 そんな喜びもつかの間、ある日市場に屑拾いに出かけたおじいさんが、トラックに轢かれて死んでしまった。天涯孤独の身になった小猫は花売りの親方の元で、多くの少女たちとともに花を売ることになる。町の花売りの仕事は子供にはとても厳しく、一毛でも多く儲けないと親方にひどく殴られ、ご飯を投げ捨てられる。しかし小猫はめげなかった。彼女の明るさとかわいいフランス人形は、同じく厳しい環境で生きる少女たちの心を癒していく。
 一方、裕福であっても満ち足りず、心を閉ざした桑桑は人形をすべて壊してしまう。ママも人生に絶望し、死を考えることになる。思いつめた顔をしたママにより車に乗せられた桑桑は、通りかかった広場で花売りに苦労する小猫の抱く人形に目が釘付けになる。その人形の壊れた手には接木がしてあった。それを見てなにかを感じ取った桑桑の唇がとあるメロディを口ずさんだとき、ママは車のアクセルをふかし、湖に突っ込もうとしていた…。

 ウーさん映画での子供の描写で一番印象的なのは、なんといっても『フェイス/オフ』のあの「虹の彼方へ」が流れる銃撃戦の場面。宿敵キャスターの息子アダムに、彼の銃撃が原因で死んでしまった息子を重ねたショーン(でも顔はキャスター)が彼にショックを受けさせないよう、ヘッドホンをかぶせて逃げさせたあの場面は、ヘッドホンから流れるあの曲にのせて繰り広げられる阿鼻叫喚のバイオレンスも、子供を生きさせるためと思うと非常に高貴に感じてしまう。…のか、ホントに?まーそれはともかく、バリバリのアクション映画が多いウーさん作品で、メインキャラに子供がいる設定の映画があまり思い浮かばないので、なおさらそれを考えてしまうのかも。いずれにしろこの場面、ひいては『フェイス』という映画では、ウーさんは子供を守るべき存在であり、未来を託す象徴としてみているということがわかると思う。
 バイオレンスの詩人と呼ばれるウーさんだけど、こう呼ばれることは多分彼の本意じゃないだろう。ホントは恋愛ものも『狼たちの絆』のような軽妙なコメディも撮りたいだろうし、銃撃も暴力もなくて子供にも観てもらいたい映画だって作りたいに違いない。そんな彼が《赤壁》を前にして撮りあげたこの映画には、鳩も飛ばなければ暴力もなく‐あ、約2ヵ所あったか‐、困難な状況に面しながらも希望を失くさない二人の少女の姿があった。
 もうひとつ注目すべきなのは、彼女たちの生きる背景のリアルさと、その過酷さに絶望を抱かない子供の力かな。かつての高度成長期の日本を彷彿とさせ、おそらくその時以上のスピードで発展していく中国とその象徴である北京。今こそ食品問題や公害問題であれこれ言われている中国だが、これは高度成長期の日本でも同じことが言われていなかっただろうか。そして、あまりにも急スピードで変化する社会では、貧富の格差は想像以上であり、豊かであっても決して幸せではないことも示される。一方、貧しい子はお金がないと学校へ行けないから、小猫の一番の願いは学校へ行くことであり、その夢をかなえるために必死で働く。自分の育ての親は失っても、彼女には人形があったから、決してさびしくはなかった。
 学校に行けば字も習える、友達もできる、勉強すれば今よりもう少しよくなる。『男たちの挽歌』の英題じゃないけど、小猫には“Better Tomorrow”を信じる力があったから、貧しくても笑っていられた。そんな彼女と自分の捨てた人形を見た桑桑も、もしかしたら知らず知らずに小猫の気持ちが伝染し、絶望から自力で這い上がって、ついには死に急ぐママを引き止めたのかもしれない。
 物質的に満たされた日本の子供たちから見れば、この話は結構ベタなのかも知れない。でも、桑桑のようなさびしい子供たちが日本にいないわけじゃない。ワタシたちは今の世の中に失望してしまって「こんな世の中はいやだよね」といつも言ってしまうけど、子供たちはこれより先の未来を生きなければいけない。20年後の彼らに同じ言葉を言わせちゃまずいよね。

 主人公の二人の少女もまたそれぞれに印象的。汚れた赤い頬に乳歯の抜けた歯をみせてにっこり笑う小猫はもちろんかわいいし、ピアノの間の床に仰向けになってズリズリする(公式サイトの予告編動画参照)桑桑の動きにも愛されない孤独がにじみ出ている。彼女たちを演じた子役ちゃんたち、将来はきっといい女優さんになれるよ。

監督:ジョン・ウー 製作:テレンス・チャン リー・シャオフン リー・シャオワン
出演:チャオ・ツークン チー・ルーイー チアン・ウェンリー

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張國榮跨越97演唱会

 祝!レスリー先生51歳のお誕生日おめでとーう!

 おーそういえばこのたび前進座から独立した歌舞伎俳優の中村梅雀さんも同じ歳だーとかかなりわけのわからんことを(いや、この記事を見たからなんだが)言いながら、あの97年の演唱会VCDをやっと観ることができた。

Leslie1997live 張國榮跨越97演唱會(VCD)

 前々からも書いているが、ワタシの中華明星演唱会初体験はこのコンサを元にした10年前のレスリー演唱会だった。しかしアレを見られたのは今思えば奇跡だったよ、ワタシにしてはかなりリスキーなことまでやっちゃったもんなー、今じゃ若気の至りなんていって笑えるわよねなんていってしまうのだが、そうだよなぁ、いくら東京演唱会も伝説のステージと化しても、やっぱり地元香港の紅館(香港コロシアム)での演唱会にはかなわないもんなぁ。

 この演唱会は1996年12月12日から新年をはさんで1月4日まで全20回行われた、レスリー歌手復帰後初の本格的ソロコンサート。アイドル時代の往年のヒット曲(『Monica』や『風継続吹』など日本のカバー曲多し)から自ら歌った映画の主題曲を中心にまとめた前半と、コンサート直前に発表された広東語アルバム『紅』の曲を中心にめくるめくお嬢の世界が展開する後半で構成される豪華贅沢グラマラスなコンサート。さらに衣裳はすべて親友ウィリアム・チャン先生がデザインし、豪華絢爛に拍車をかけていたっけ。
 自分この当時はねー、まだペーペーの香港電影迷だったもんでねー。まーもちろんこの時からトニーは好きだったし、『ブエノスアイレス』撮影中の話もハラハラしながら聞いていたし(たしか「カリーナという人がいながらトニーはレスリーに走ったらしいぞー」ってーかなり冗談めいたゴシップが仲間内を駆け回っていたっけ。爆)、そんなときにこれを観ちゃったワタシは、一瞬自分を見失いましたよ。(こらこら!)

 コロシアムの四面をフルに使ったステージングはやっぱり国際フォーラムとは段違い。そういえば東京演唱会もオープニングは同じだったなぁ。でも1曲目が確か違った。ノリノリの『恋愛交叉』が東京の開幕曲だったけど、香港では帰還を象徴する『風再起時』だったか。キラキララメラメスーツにシースルーシャツにものすごいボリュームのロングコート、ああ懐かしや…。(ついでに『無極』の鬼狼のマントを見るたびこれを思い出す)しかし、ライヴVCDというものを初めて観ることもあるんだけど、ご親切に字幕もついているのね。…いやだから、このVCDは買って10年間ずーっと寝かせていたんですよ、はははのは。
 最初こそクラッときたものの、そのあとの前半部分(disc1)は心落ち着けて観られましたよ。一緒に歌う余裕も出てきたし。薄れ行く記憶を脳の奥底から掘り起こしつつ、あーそういえばこんなシーンあったっけなー、この場面はさすがに紅館ならではかー、なんて思いつつ。『覇王別姫』主題歌『當愛已成往事』の前に展開された、あの映画のオープニングを彷彿させる子供たちの京劇は実際に北京から招いた子達だったのか。日本版ではダンサーたちが扮装してやってた記憶があったな。このときにレスリーが着ていた青ラメに花をあしらった上着が好きだったわ。

 そして後半。うわーすっかり思い出したよ、めくるめくボクの世界へカモーン!状態!!アナタはスト(以下顰蹙を買いそうなので省略)か!と口走りたくなるがそれでもうまく表現できずに言葉を失ってしまう『偸情』だよ!うわー興奮して血圧が多少上がったー(多分)。どうもこの驚きをうまく説明できないんだよねー、いつも。その後、数曲はさんでいよいよクライマックスのデカダンお嬢爆走曲『紅』が来たー!
…うーむ、なんていっていいのやら。妖艶とか華麗とか世紀末的頽廃(確かに世紀末も近かったな)とか、口に出すとどーも陳腐になってしまってうまくいえない。そーゆー魅力があったのよね
 で、このVCDに収められていたのは、12月31日の公演。レスリーが『紅』を歌い終わったのが午後11時56分。つまりこれが96年最後の曲だったのだ。その後はダンサーや京劇を演じた北京の子供たち、ゲストのカレン、すーちー、ウィニー・シン、プロデューサーのフローレンス・チャンさん(はじめて見ました!)を呼んで会場で一斉カウントダウン。さっきまであんなに妖艶だったのに、ルージュを引いたままの顔で子供たちに「ねぇ、チャンおじさんに新年の誓いを教えてよ」と聞き、急にスイッチが入れ替わってしまうレスリーがおかしい。カウントダウンを迎え、新年最初に歌ったのが伝統的年末年始の歌『Auld Lang Sang(蛍の光)』。会場に漂っていたのは、和やかな空気と新年への期待。
 アンコールは千秋楽の1月4日の映像。キラキラ衣装を脱ぎ捨て、シックなタキシードのレスリーが会場の母親や唐さんを紹介し、『月亮代表我的心』を歌う。10年ぶりに聴いたこの曲は、テレサのオリジナルより軽い感じで、非常に彼らしい歌い方だった。
 そして大トリの『追』。サビの「アナタはワタシの目標だから追いかけてまた追いかける(自己流訳失礼)」に感慨深い気持ちになる。そして、最後の最後に「どうかこの時のボクをいつか思い出してください。ボクもいつかアナタたちのことを思い出しますから」(これも意訳です。すみません)という言葉に、6年後に去ってしまう彼の不在を改めて感じたのであった…。

 ホントはもっと早く観てもよかったのかもしれない。でも、亡くなったばかりのころには絶対観られなかった。10年経った今だから心も落ち着かせて観られた。また、いつかじっくりと観ようっと。

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ラッシュアワー3(2007/アメリカ)

 ディパこと『無間道風雲』のようなリメイクばかりでなく、今年はやたらと人気シリーズのパート3か続編ものばかり上映されているのは、まさに今のハリウッドがネタ切れ状態であり、お手軽に銭を稼ごうとしているかがよくわかる。パンピー観客はハリウッド至上主義だから、ディパを誉めてもなかなか元ネタまで行ってくれないし、約15年前に完結したと思われていたあのボクシング映画や、バツイチになって娘が大きくなって頭髪がすっかり寂しくなっても相変わらず運の悪い刑事の映画が復活して、しっかりヒットしてしまうとはどーゆーことだか。そんな「パート3」ブームに乗って6年ぶり(だった気がする)に帰ってきた『ラッシュアワー3』を観た。
 ストーリーは説明しても意味ないので省略(笑)。冒頭は1と同じロサンゼルスから始まるので、中国大使のハンさん(御馴染ヘンリー・Oさん)も登場。でも1からかれこれ8年も経っているので、ハン大使の娘スーヤンも成長。なんとビックリ、張静初になって帰ってきたよ!いやーかわいかったなー。『七剣』の彼女しか知らなかったからなおさらそう思っちゃったよ。

 やっぱりさー、成龍さんがいいのは香港で映画を撮るときであって…なーんて思うんだけど、日本ではプロジェクトBBよりこのシリーズの方が断然人気ってーのは、それは単にこの国のエンタメ嗜好が未だに欧米至上主義だからなのか?なんてひねくれてスマン。あれ?成龍さんってハリウッドに見切りつけて帰ってきたと思ったら…あ、もしかして出演契約結んでいたからか。
 確か、最初はゲストにイーキンが決まっていたんだよね?それが相方(クリス・タッカーだ)がギャラでゴネて製作が延び、いつの間にかイーキンの出演も消えたと思ったら、いきなり真田さんかよーとさらに驚く。話は香港編の2よりヘコヘコなのに、敵役はかなりグレードアップしてる。

 さすがJAC出身だけあって、真田さんのアクションは相変わらずシャープだなー。『無極』では鎧を着ていたので、それほどすごいとは思わなかったけど、今回は最初から飛ばし気味なので、成龍さんとの勝負は久々にわくわくしちゃいました。そのぶんカーター(相方)は邪魔だったー。どうも日本では謙さんのハリウッドでの健闘ばかり注目されちゃって、同世代の真田さんの海外での仕事はあまり評価されていないみたいだけど、ハリウッド大作ばかり出るからいいってわけじゃないし(注・別に謙さんを批判してはいません。だって好きだもん)、ヨーロッパやアジア映画にも軽いフットワークで出て、将軍も宇宙船の船長も悪役もゲイもやれるってことは、役者としてかなりすごいことじゃない?もっとそこに注目しようよ、マスコミさん!
 真田さん演じるケンジは幼少時に親をヤクザに殺されて中国に送られ、そこの孤児院で成龍さん演じるリーと出会って兄弟として育つけど、仲は決裂して違う道を行くことになったという、この話だけで香港ノワールが1本できそうな設定なのだが、まず始めはなぜ日本人なのに中国の孤児院で育つ?というツッコミができるな。まーリーの年齢設定がだいたい40代半ばでケンジも同年代とすれば、彼らの幼少時は文革真っ最中、だから大陸で暮してもものすごく過酷だったかも。そうなるとやっぱり香港育ちってことになるか。で、ケンジは新宿でブイブイいわせたヤクザの息子で、親を殺されて香港に売られて危うく少年愛の愛好者に買われるところを救われて孤児院に…と考えれば(妄想すれば?)とりあえず設定に合点がいく。ってホントかよ。で、リーと決別した後はヤクザの血筋を生かしてアジアンマフィアの世界に身を投じて、ついでに米国留学で箔をつけてパリに本拠地を構えたってことになるのか?ってかなり妄想し過ぎだよな。
 英語の発音もいいし、ところどころで光っていたケンジだけど、クレジットに比べて本編での立ち位置がラスボス前のキャラってーのはどーよ。キミはピーター・ホーか?(詳しくはこれこれを参照あれ)
 工藤夕貴は…、これって2のツーイーと同じじゃーん。こんなのでいいの?なんか、ますますかわいそうな気がするよ。 

 しかし、観ていて一番気になったことはこの一つ。

 クリス・タッカー、いらんわ。

 …って、それをいっちゃぁおしめぇよ!
 以上。とりとめもなくてホントにスマン。

監督:ブレット・ラトナー 音楽:ラロ・シフリン
出演:ジャッキー・チェン クリス・タッカー 真田広之 チャン・チンチュー イヴァン・アタル 工藤夕貴 ヘンリー・オー ロマン・ポランスキー マックス・フォン・シドー

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『ラスト、コーション』の「ラスト」はlast(最後)ではなくlust(情欲)である。

 どうも《色、戒》の邦題はこの英題直訳で決まりそうだけど、絶対誤解を招くこと間違いなしだよね…(そーいえば、某ヒライケンちゃんの曲に「Love or lust」ってーのもあったな。蛇足失礼)。

 そんな心配はさておき、この映画の金獅子賞受賞に最初はピンとこなかったワタシも、一夜明けてその意味を考えると「あー、やっぱりこれってすごいことだわ」と改めて実感するのであった。だってアジア人監督である李安さんが、メインフィールドの欧米と地元の中華圏で作った2作品で世界の頂点に上り詰めるなんて、こんな偉業は今まで誰一人として達成したことはない。おそらく各新聞媒体でももっとも速くレポートしてくれる河北新報の齋藤さんの記事でも、最初は厳しいことを言っているなと思ったけど、それは李安さんが常に欠点のない満点の作品を作ることを評価した上で、あえてキャストに苦言を呈したのかなと考え直した次第。

 しかし、彼はホントにチャレンジングな監督だ。『いつか晴れた日に』で欧米デビューした後、もう中華圏に戻らないかと思ったらいきなり武侠片の『臥虎蔵龍』を撮り、ついでにハリウッドでアメコミヒーローもん(『ハルク』ね)を撮って「ご乱心か!?大丈夫か?」とハラハラしたあとにあの『ブロークバック』で、しかもテーマは同性愛で流行語にまでなったくらい。後で書くけど、あの『ラッシュアワー』にも出てくるんくらいだもんな。
 ヴェネチア&ゴールデングローブで最高賞、オスカーで監督賞を得た李安さんが次に撮るのは中華圏でとは思っていたけど、オスカーを受賞したばかりの頃は、この記事でも書いていたけど、まさかトニーと組んで撮るとは思えなかったのよね。その希望があっという間にかなっちゃって、ヴェネチアに出されて、さらに金獅子を獲ったってことで、なんだか夢の中にいる気分だよ(って自分関係者でもなんでもないじゃないか)。

 当然台湾では、彼を“台湾之光”と褒め称えたブロークバックの時に続いて大騒ぎだったみたいだし、台湾にいい顔をしない中国が久々にいちゃもんつけたし(これ最近やってなかったもんな)。今ただでさえ日本を始め各国に顰蹙買われちゃっているんのに、なんでそんなマイナスなことするのかなー?
 そんなせいもあるのか、はたまた李安さんより男優賞を獲った米国を贔屓したいのか、日本のネットニュースではやたらとネガティブ記事が強調されたけど、そんなことは気にしたくない。だって日本だって、今年はあのバカ監督(敬称です)にヴェネチアらしい賞が贈られたじゃないか!彼は李安さんに8年先だって金獅子賞を受けているし、お得意のギャグを駆使して銀獅子賞だってもらっているんだから同じだよー、とフォローしてみる(笑)。

 いずれにしろ、日本公開が楽しみ。アジア版主題歌にはなんと學友さんが決まったというし(日本では流れないかもしれないが、日本版主題歌なんかつけるんじゃないぞ)、中華圏でもこれから公開なので、その動向からますます目が離せなくなるわ。
 でも、さっそくおやぢメディア(夕刊フジ)がこーゆー記事載せてます(苦笑)。もーやらしーんだからぁ。これがホントのLast lust?なんちて。

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《臥虎》(2006/香港)

 ずいぶん間が開いてしまったけど、《黒白道》に続く潜入&黒社会もん第2弾。

 潜入捜査官の経験があるワイ警部(苗僑偉)は香港黒社会の一大勢力になりつつある“仁義社”の殲滅を狙って、1,000人の潜入捜査官を潜り込ませる“臥虎”作戦に着手した。一方、仁義社ではジム(エリック)、ウォルター(ジャンユー)、フェイ(小春)、トミー(チーラム)などの実力者が、頭領選挙を間近に控えて虎視眈々としながら、警察の放った1000人の潜入捜査官を焙り出しては葬っていた。そのうちの一人、四眼が殺されたことを知り、ワイ警部は仁義社との全面対決に出ることにしたが、仁義社内部でもいざこざが起き、崩壊寸前の危機に立たされていた…。

 警察VS組織暴力(=黒社会)というテーマは古くから描かれており、ここ数年では無間道三部作のヒットでそれに追随する作品が多いというのは繰り返し書かなくてもわかるけど、前半は警察メインで行きながら、結局は黒社会での人間模様に終始していたのがちょっと気になったなぁ。もちろん、エリック兄貴、ジャンユー、小春、チーラム、ショーンに加え、『傷城』の淑珍パパの岳華さん、ベテラン映画監督でもある張同祖さん等、力のあるキャストを黒社会側に揃えすぎてしまったから警察の描写が半端だった気もする(それでも最後に「えーっ!?」と驚く真実が明らかになるんだが)。警部役の苗僑偉さんが結構印象的な演技をしていただけあって、それが残念。
 キャストではエリック兄貴とジャンユーと小春に重点が置かれていたけど、どっちもどこかで見た役的な印象が…。しかし小春、着実に年を重ねているんだな。ジャンユーはぶちキレ演技でもなく、かといって『無間序曲』のような意表を突いたインテリヤクザ的キャラではなかったけど、子持ち男マフィアの哀愁は感じた。

 この映画は王晶プロデュースだけど、復活してからの彼は相変わらず作るのがインスパイヤ映画ではあっても、これや『黒白森林』のようなシリアスな作品も多く作るようになったよなー、と改めて思った。それでも、何かが足りないと思うのは、やっぱりワタシが彼の作品に求めているのが、ベッタベタなコメディだからかな?などと思う次第だった。

監督:マルコ・マック 製作&脚本:ウォン・チン 脚本:ゲイリー・タン 撮影:ライ・イウファイ
出演:エリック・ツァン ン・ジャンユー チャン・シウチョン ミウ・キウワイ チョン・チーラム ユエ・ホア チン・ハイルー ジョー・チョン ショーン・ユー

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祝!《色、戒》金獅子賞!!

 遅く起きてネットチェックしてビックリするやら喜ぶやら。
  むしろ、驚きが先立ったかな。

 asahi.com:ベネチア国際映画祭の最高賞に「ラスト、コーション」 - 文化・芸能.
 もひとつ読売新聞の記事も。

 正直言って、李安さんはまだ『ブロークバック』での記憶が新しいから、まさか2作連続金獅子ってのはありえないんじゃって思っていた。それに上映時には賛否両論でむしろ問題作扱いされていて、受賞するにしてもオゼッラ賞どまりなんじゃないかとも思ったし、先の記事でも書いたように、カンヌでの傾向からして審査委員長が中華系であることも有利ではないとばかり思っていたし。…つーと考えられるのはひとつ。まさか、今年でヴェネチアのディレクターを引退するアジア映画の味方、マルコ・ミュラーの陰謀?なんちって。
 あまりにも予想外の展開で、現地ではこんなこと(fromシネマトゥデイ)もあったようですが。

Leeang

 でもまぁ、トニー迷にして、なおかつ李安さんの作品が好きで、彼にはアメリカよりも中華圏で映画を作り続けてほしいと思っているワタクシもとはしとしては、ここはもうごちゃごちゃ言わずに素直に喜ぶしかないですね。そして今回の作品が、はたしてブロークバック越えしたのかどうかは、ぜひともこの目でしかと確かめるしかないですね。

 では、昨年のオスカーの時以来になりますが、最後はこの言葉でしめませう。

恭喜!李安先生、恭喜!

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ヴェネチア映画祭もいよいよ後半。

 いやー、しかしなぜいつもヴェネチアの頃は忙しいんだろうか。日本もまた文化の秋だからかしらん?
 ことしのヴェネチアは《色、戒》だけじゃなく、我的最愛欧米電影であるこの作品も上映されているので、ついつい浮かれてしまったんだけど、あっという間にもう後半ですよ。昨日はついにサプライズ作品でジョニー親分の《神探》も上映され、中華圏は最終日の《天堂口》(祝!香港映画祭上映決定!)の上映を残すのみ。しかもこれは授賞式後の上映なので、情報が世界を駆け巡るときにはすでに受賞作品が決まっているってことなんだよね。
 さて、何になるんでしょうね、張藝謀審査委員長さん?

Zhangyimou_2

 「さあね。いくらワタシが審査委員長だからといって、中華圏作品が受賞するとは限らないよ。もしかしら“Django”だったりするかもね(笑)。去年のカンヌをごらん、王家衛が審査委員長でも、パルムは『麦の穂を揺らす風』だったし、中華圏受賞はなかったじゃないか」

 ごもっともです、審査委員長。あまり余計な期待はせずに、冷静に結果を待ちたいと思います。「果報は寝て待て」と言いますしね。

 …それ、期待しているってことじゃないか。

 すみません。このへんにしておきます。

 おまけ。姜文作品《太陽常照升起》の美女3人。易先生太太(陳沖)もいます。

Sunalsorises

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《色、戒》世界プレミアのそのとき。

 えー、コンペ部門のトップを切って、無事にワールドプレミアを成功させた《色、戒》。
…しかし、この作品がこれほどまでスキャンダラスに取り扱われるのは、2年前の金獅子ウィナー李安監督の受賞第1作だからか、それとも歴史と悪とエロスを前面に押し出した?ような作風ゆえか、あるいは単なるマスコミの賑やかしだからか?いくらなんでもそういう質問はあまりにも不勉強だろうと思った記事その1は下のもの。

Yahoo!映画 - ニュース <「ラスト、コーション」のトニー・レオンがヴェネチア到着、勘違い質問にも余裕の笑み―イタリア>.

 この質問って誰がしたんだろうか?欧米マスコミ?もし中華マスコミだったらそれってどーよってツッコミたい。どうすれば「リャン・チャオウェイ」と「レイ・ミン」を間違える?

 もうひとつは「トニーと湯唯小姐は本当にやってるのか?」ってー質問だが、そんだけ件のシーンがリアルだとしても、その質問はあまりに頭が悪いよな。アイノコリーダでもアイノルケーチでもないんだし。アーイノルケーチ♪>意味なく歌うなよ。

 さすがに日本主要マスコミには、当日この映画に先駆けて行われた例のバカ監督(これでも誉め言葉です)のぶち壊れ映画大絶賛記事しかなかったが(それでも某J事務所のタレント二人カンヌで人気記事よりは信憑性あるが)、やはり河北のヴェネチアレポートではある意味厳しいことを書かれていました。
 んーまー、これは前作が絶賛されたものにとってはかなり宿命的な厳しさではあるんだけど、賛否についてはあまり気にしないでおくしかないか。別にこの映画に金獅子を獲ってほしい、トニーにヴェネチアでも男優賞をなんて全然これっぽっちも望んでいないし(本音です)、カンヌ同様、参加することに意義があるんだからね。

Lustcaution2

偉仔「ねー監督、僕の○○○シーンでの○○、どう思う?みんなあれこれ言うけど、恥ずかしくはないよねー」
李安「下衆の勘ぐりはあまり気にしないほうがいいよ。わかってくれる人はわかってくれるから」
湯唯「この二人、アタシをはさんで何話してるんだか…」(以上設計對白)

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