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女帝[エンペラー](2006/中国)

 本題に入る前に、こんなネタをひとつ。

映画「梅蘭芳」に出演のチャン・ツィイー、わずか6シーンでギャラ2億円!—中国(Record China) - 芸能 スポーツ総合サイト:Sports@nifty.

 いや、別にワタシゃ彼女がキライだとかやっかんでるとかそーゆーわけじゃないんだけど、こーゆーニュースを配信してもなんだかなーって感じなんですよ、レコードチャイナさん。あーそーバブリーねーって感じぃ。
 なんてやる気なし子な前振りですが、ツーイーがこんなにイケイケなのはなぜなんでしょうか?『狸御殿』あたりまではまー微笑ましかったんだけど、ここ最近の出ずっぱり状態は、うーむ…。日本マスコミもアジアンビューティー=ツーイーみたいな図式を築いちゃって、まぁ韓流女優よりはいいとは思うけど(とまた火に油を注ぐようなことを言ってみる)、そんなわざわざステロタイプ化しなくても、もっと他にもあるだろーがよーと思うのだ。
 そんな中、わが街にやっと『夜宴』こと『女帝[エンペラー]』がやって来た。映画館側のプロモーションが『傷城』より力入っていたのがなんとなく切なかった…。しかしこの読ませ方、アタマの悪そうな邦題だよねー、と今さらながらこっそり呟いてみる。

 時は五代十国時代の唐。若き婉(ツーイー)はもともと皇太子(彦祖)と愛し合っていたが、彼の父親に見初められて王妃となった。しかし、夫であった皇帝はさそりに刺されて死に、彼の弟(葛優)が王位を継いで新しい皇帝となった。彼は婉を妻とし、夜は彼女の肉体に溺れ、昼は反抗する者を次々と殺していた。皇太子は恋に破れたことで遠くの地に去って芸術をたしなんでいたが、父親の死と同時に都から刺客が差し向けられたことで父親が叔父に殺されたことを知り、都へと戻る。都には許婚の青女(周迅)がいて、皇太子を気にかけるが、復讐心に燃える彼は彼女を信頼できず、かつての恋人である自分の母の心変わりが許せなかった。
 新帝の即位式で、皇太子は演武の代わりに仮面をつけて諷刺劇を演じる。それは前帝の死の真相。怒り狂った新帝は彼を契丹に派遣したことに見せかけて暗殺しようと試みるが、それを婉妃の命を受けた青女の兄(黄暁明)が助ける。そして、婉妃は新帝を暗殺しようと決意する。
 天下を獲ったと喜ぶ新帝は豪勢な夜宴を催す。婉妃は彼の杯にこっそり猛毒を盛り、毒殺を試みるが…。

…ううううううー、なんつーか、最初から最後までどっかで観たぞこれはデジャヴか感が拭えないのはなぜだ?なぜ美しい竹林を思わせぶりに撮る?なぜ皇太子はマヌケな仮面をかぶっている(バイクには乗っていないが)?なぜ戦いながら踊る?なぜ近衛兵はスローモーに動いて虐殺する?なぜ自害のシーンをわざわざスローモーションにする?なぜ音楽がパーカッション?等々…。これ、すでに先達がいるじゃないのよ。それをわざわざ繰り返すのはリスペクトかそれともインスパイヤ(という名のパクリ)か。中国娯楽電影の巨匠らしいフォン・シャオカン監督作品は運悪いことに全部観ていないんだが、『イノセントワールド・天下無賊』の評判を聞く限りではホントに面白い映画を作る人と思ったのに、初見映画がこれだったのは自分的に不幸かなぁ…。あとでDVD出たら観てフォローしようか。

 キャストでは周迅ちゃん&葛優さんがよかった。周迅ちゃんはさすが金像ウィナー。中華オフィーリアを儚く演じて印象的だし、お人形のようなルックスなのであのお公家眉(としか思えない)がよく似合う。葛優さんは『覇王別姫』『活きる』でしか知らなかったんだけど、これまで観たなかでは一番色気のある役だった。いい役者さんだ。さすがトニーより早く康城影帝になった男だ。
 ハムレット彦祖。本来なら彼が主役になるはずじゃないのか?うつけのふりをする代わりに仮面劇に耽るのはなんとなく不気味。しかも復讐に燃えるわりには詰めがアマアマ。これはあまりにもそんな役回りじゃないのか?それでいいのか、本当に!
 そして問題の女帝ツーイーだが…やっぱり眉毛ヘーン(爆)。どういうセンスだよティン・イップさん。そして、その欲望のあり方がよくわからない。ギラギラしようとして全然なっていないどっか中途半端なキャラに終わっているし、女帝にしては貫禄がない。脇がいい演技していることもあるせいか、なんか負けている。こういうキャラはコン・リーなら容易にこなせると思うが、ツーイーには早すぎたんじゃないのか?小鼻ピクピクな表情を見るたび、やっぱり小娘感があるし、ましてやシャオカンさん、イーモウ専売特許の“らぶらぶ邪念”まで真似することはなかったんじゃないかしら。あ、彦祖とラブシーンがなかったのは正解だったと思う。なんとなくそう思う。

 ところで、字幕翻訳は御馴染水野衛子さんだったけど、字幕監修にここ数年人気の昼のドロドロドラマ(『真珠夫人』とか『牡丹と薔薇』とか『偽りの花園』とか)脚本で御馴染の中島丈博氏がついていたのね。するとターゲットは昼ドラ好き主婦か。それなら出生の秘密とか腹違いの兄妹とか近親相姦(未遂)とかいじめとか壮絶な仕打ちとか盛り込むのもアリかな…なんて言っても意味ないか。

原題:夜宴(The Banquet)
監督:フォン・シャオカン 原案:ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』 美術&衣裳:ティン・イップ 音楽:タン・ドゥン アクション指導:ユエン・ウーピン
出演:チャン・ツーイー クォ・ヨウ ダニエル・ウー ジョウ・シュン ホアン・シャオミン

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