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かくして、無間地獄に堕ちもせずに残された屍どもの群れが勝利した。

…なーんか、インファ好きとしても日本人映画ファンとしても、ものすごーーーーく納得がいかない今年のオスカーの結果でした。

アカデミー作品賞「ディパーテッド」に 「硫黄島」逃す(asahi.com)

作品賞は「ディパーテッド」。香港映画「インファナル・アフェア」をリメークした作品で、マーティン・スコセッシ監督は過去5回、逃してきた監督賞を、ようやく受賞した。

いくら中華電影迷とはいえども、ワタシはやっぱり日本人だし、今のハリウッド大作にはこれっぽっちの魅力を感じないので、今年の作品賞ノミネートには日本人キャスト&日本語セリフを起用した『硫黄島からの手紙』(同じ日本ものでも、去年の『SAYURI』が遥か昔のことに思へる…)や多言語起用&多地域舞台の『バベル』が選ばれたのにはホントに素直に喜びましたよ。日本ではほとんど無名だった菊地凛子ちゃんがこれで助演女優賞を獲ることはない(まだ若い俳優さんなんだからもっと活躍しようよ!)とはいえ、単一的グローバリズムの悪魔の棲む牙城のようなハリウッドで、日本を比較的正しく捉えた作品や世界情勢に目を配った作品が生まれたのは米国人にも我々にも異文化理解のためになることだし。
つーか暴言覚悟で言えば、『ディパ』以外何が獲っても大いに嬉しかったのよ、要するに!

しかーし…こういう結果なんだから、昨年のオスカーで、李安さんがアジア人初の監督賞を得ながら、作品としての『ブロークバック』自体は同性愛者が主人公だからと関係者に露骨に嫌われて(としか思えない)作品賞を落とした悔しさを思い出し、やっぱ米国映画人ってとことん保守的だわ、って思った次第ですよ。
でもさ、『ディパ』ってインディーズじゃなくて大ヒットしたハリウッド映画じゃん、だからアメリカ的にはいいじゃん、いいじゃん、すげーじゃん(爆)ってパンピー映画好きの方には言われるかもしれない。
ああ、そうだね。確かにあの映画は久々のハリウッド作品だもんね。そりゃ喜ばしいねー(以上棒読み)。
でも忘れちゃいけない、あの映画はオリジナルなんかじゃなくてあくまでも香港映画のリメイクだ。しかも脚色賞も受賞だ。
つまり、もともと国際的に普遍的なテーマを秘めたアジア映画史上に残るオリジナルをそのまま見せず、米国(&米国好きの国)向けにかなりわかりやすく翻訳して約2時間半に伸ばし、全編に下品な言葉と流血と死体の山をちりばめた作品が今年のオスカーを制するという、つまりは国際色豊かなノミネート傾向に思いっきり逆行した結果となったってことだな。
というわけでゴタゴタ言わず、史上最大の暴言を叫ばせてくれ。

おーい映画芸術科学アカデミー会!こんな“ご褒美受賞”になるならどーして2年前『アビエイター』&スコに作品&監督賞をやらなかったんだ!
それで今年はイーストウッド&『硫黄島』に賞をやればよかったんだ!(注・もちろん2年前のイーストウッド作品も素晴らしいことはいうまでもない、念のために)

ああ、スコに罪はないとはいえなんか彼を許せない自分がいるぅぅ。
もっとあれこれいいたいけど、後日NHKBSで放映される授賞式総集編を観た後、改めてここじゃなくて非中華日記でゆっくりグチります(おいおい)。

あ、それでも最後に提案。香港電影金像奨協会は、是非とも今年の金像のプレゼンターにスコを呼びなさい。そしてアンドリュー&アランコンビと並ばせるんだ。どーだろうか。

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コメント

脚色賞って、要するに、
「アメリカ人のお口に合うように加工したで」賞
だったんですねえ。
「グローバル化に逆行」、激しく同意です。
ああ、それにしても、釈然としない。口惜しい…。
中国人留学生と鬱憤をぶちまけあった
今日の午後でした。

投稿: きたきつね | 2007.02.27 00:19

そして、今年の監督賞と作品賞は「今までずっと無冠の帝王だったスコちゃんを、今年こそは称えてあげま」賞だったというわけで…(爆)。
まぁ結局、ハリウッドが世界に門戸を開いて各国で映画を作り始めた効果がノミネートに出ても、所詮アカデミー賞はアメリカ人のための映画のお祭りだったっていうことですよね。
やっぱり映画の世界はいろんな意味でまだまだ開けていないんですね。切ないなぁ。

投稿: もとはし | 2007.02.27 17:56

 そしてそのアカデミー賞は有料テレビ局とはいえ、日本で生中継番組や特集コーナーが作られ、スポーツ紙にそれなりに取り上げられ大々的に「アカデミー賞受賞作!」と宣伝に利用されハクがつく?のに、
 我らが香港電影金像奨や台湾金馬奨や釜山国際映画祭や上海国際映画祭は、中継どころか、スカパーの各国チャンネルでしか報じられないのですよね。日本女優が、映画監督がゲストになろうが、日本国内では話題にもなりやしない。
 嗚呼。今年も香港電影金像奨はネットラジオにしがみついて、見られない動画にイライラしながら速報を待ちわび、せっせとネットで画像を収集し、半月か1ヶ月後に業者経由でダビダビ録画モノを入手すべく駆け回るのか…(でも業者が扱ってくれなかったらもうアウトなのよね…)。

投稿: nancix | 2007.02.28 00:01

これは日本だけではなく、世界のほとんどの国でも「世界のエンタメ映画の最高峰がアカデミー賞」という認識があるゆえか、大々的に取り上げられるのでしょうか。これはスクリーンクォーター制のある韓国でも、中華電影より西洋電影の人気がまだまだ高い台湾でも同じだと思われます。
日本アカデミー賞も、某TV局の独占中継だからか、作品賞受賞作も日本以外であまり話題にならないような気がします。カンヌや釜山や東京国際はエンタメより芸術性が高い映画祭ですから、母国以外への中継ってあまりないようだし、何かない限り大きな話題にならない気もするし。
やっぱり、アメリカ映画ってのは未だにとってもアメリカ的な単一的グローバリズムの象徴なんですよね(苦笑)。

金像の場合、情報がリアルタイムに入る以前に、日本での呼称に揺れがある(朝日新聞では「香港電影金像奨」と漢字で書かれるが、某コムストック、現キュービカルは「香港フィルムアワード」と書くなど)のも気になります。
でも、ネットメディアの発達で日本の香港電影迷がその場で情報をゲットできるようになったことは、10年前にはとても想像できたものじゃないので、今の情報環境には感謝しておりますよ。

投稿: もとはし | 2007.02.28 19:16

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「ディパーテッド」が米国アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞を獲得いたしました。 ぱち。ぱち。ぱち。(以上、棒読み) 同作のトーンに合わせて「ケッタ糞悪い!」と、あえて口汚く罵らせていただきます。 失礼あそばせ。ほほ。 あーあ、監督が違ってたら..... [続きを読む]

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