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2007年1月

堕落した者にあって、死者にはないもの。

今BSで、途中からだけど『NYPD15分署』を観ている。ラストは電話がかかってきていたので、ユンファが〇まみれで〇〇しながら〇〇〇〇場面は見逃したんだが(すごい伏字失礼)
この映画の原題は“The Corruptor(堕落した者)”。ユンファが演じるNY市警15分署初の華人刑事チェンと、『ディパーテッド』で見事アカデミー賞助演男優賞候補にノミネートされた(苦笑)ディグナムことマーク・ウォルバーグ(以下マーキー・マーク)演じる白人刑事ウォレスが衝突しながらも友情を深め、華人マフィアが絡む連続殺人事件に立ち向かう物語。

いやー、マーキー・マークが若いなぁ(爆)。張り切ってガンガン脱いでくれるし。
ユンファはこれがハリウッド進出2作目だったっけ?華人マフィアとつながりのある“悪徳警官”役なので、意識して体重を増やしてふてぶてしい感じを出したというのを公開当初聞いた気がするんだけど。しかし、『リプレイスメントキラー』から『バレットモンク』まで、ハリウッドのユンファ主演作はどうもなぁ…って作品が多い中でも、これは比較的いい出来の作品だと思う。贔屓目かしらん(苦笑)。ネタが社会派なんだよねー。多民族国家アメリカの闇を描いているってこともあって。機会があったら、DVDを借りて見直そうか。

で、この映画をチョコチョコと観ながら感じたのは、『ディパ』にはないものがこの映画にはあるなぁと思ったのである。それはオリジナルにあって、リメイクですっかり消えてしまったものなんだけど。
それは何か。
ホモソーシャル的な男たちのつながりである。

以前『男たちの絆、アジア映画』の感想2本(これこれね)でも書いたけど、アジア映画(特に香港ノワールと日本で呼ばれる映画群)では、男女の恋愛沙汰よりも同じ集団に属する、または立場を異にする男たち同志の繋がりが強調され、濃密に描かれる傾向にある。それがホモソーシャル的なつながりであり、それが腐女子な皆様(非腐女子も)の興味を大いにそそる要素となっていたりする。

男たちの絆、アジア映画
四方田 犬彦編 / 斉藤 綾子編
平凡社 (2004.5)
通常2-3日以内に発送します。

この『15分署』では、それらのアジア映画ほど濃密ではないけど、チェンとウォレスが反発しながらも絆を強めていき、師弟関係(偶然にも武侠小説的!)を築いていき、チェンが銃弾に倒れたあとはウォレスが彼の意志を継ぐだろうということを匂わせて劇終となる(と思った)。このへんがとっても中華電影的なので、比較的馴染みやすかったのかな、なんて思った次第。まー欠点を言えばいっぱいあるわけで、ハリウッド製中華明星電影にしつこくついてくるヒップホップがホントにうっとおしいとか、殺戮シーンが身も蓋もないとかあるけど、それは敢えて目をつぶるか。

そう、『ディパ』に欠けていると感じたのは、ビリーとコリン、そして彼らと繋がる男ども(コステロおやぢ、ドゥーハン、ディグナム)とのホモソーシャルなつながりがないこと。つまり人間関係があまりにも希薄なんだって思ったんだよ。『無間道』三部作が面白いのは人間同士の駆け引きであって、決してアイディア一発だけじゃないんだけどなぁ…。そのへん、アメリカ側の脚色者はわからなかったのかなぁ?そしてスコちゃん、アンタもホントはこれを撮りたくなかったとか言ってたけど、(参考はこれ)、ホントはちゃんと取り組めばそのへんのくだりも描けないこともないのに、そーゆー気持ちだったからついついおざなりにしちゃったんじゃないの?なんてツッコミたくなったし、無間道迷としてはホントに悔しいんだけど、オリジナル側の人々はそのへんどー思っているのかしらん?

しかし、某サイトの投稿レビューを見ると、意見は見事に真っ二つですねー。これがきっかけでオリジナルの知名度が上がってくれれば嬉しいにこしたことないけど、ね。

こんな感じで、『ディパ』に対する意見はこれで打ち止めにしたいと思います。
今週末からは『墨攻』も始まるから、頭を切り替えなくちゃねー。

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旧正月前だからか、なんかいいのがないなぁ…香港映画。

香港へ行ったなら、たとえ友人と一緒でも映画は何か観たい!と思い、Yahoo!電影をチェックしているんだが…。

観たいのがほとんどないぞぉ、おい!(大泣)
洋画の『ブラッド・ダイアモンド』や『バベル』は日本でも観られるもんなぁ。あと今頃やっているのか、和製『つきせぬ想い』…。(こらこら!)
でもユーザーレビューでは高評価だし、解説にも『つきせぬ』のリメイクと一言も書いていないのが気になる。

2週間後に行くわけだから、当然スケジュールも変わっていると思うんだけど、もしやっていたら、とりあえず《生日快楽》を観ようかな。
《黄金甲》も九龍で1館、新界で2館やっているけど、どの館ももうすでに1日1回上映なので、これはおとなしく日本公開を待つしかないな。

もちろん、日本未公開作品のDVDも買いたいのだが、ここ2年間の作品では何がいいかなぁ。《早熟》や《放・逐》が欲しいと思ったけど、今年日本公開が予定されているとも聞くし。《我要成名》はもちろん買うよん♪
ちなみに観たのでは『イザベラ』&『四大天王』が絶対欲しい。

そこでこの記事を偶然目にしてしまった香港電影迷の同好の士の皆様!これが面白いよとかこれを観て是非つっこんでもらいたいと思う作品があったらコメント欄にて教えていただきませんか?(但しドラマは除く。持って帰るのが大変なので)
採用された方にはお土産…はありませんが、必ず観て感想を書きますので。
…すみません、ホントに他力本願でm(_ _)m。

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ただいま日本を中国語で紹介する訓練中

日記にも書いたけど、最近XPのノートパソ(word)で中国語の文書を作ることを覚えた。
本業は中国語なんて全然関係ない仕事なんだけど、10年以上通っている中国語教室で、今年から「日本の伝統文化を短文&口語体の中国語で紹介する」というテーマの授業が始まったのだ。簡単に言えば、「お寿司」「和服」「ひな祭り」などを中国語で紹介することね。
教室のクラスメイトが通訳ガイドの勉強をしていて、平泉の中国語紹介や日文中訳などをいままでチョコチョコとやってきたんだけど、本格的にいこうという感じらしい。通訳ガイドかぁ。ワタシもやってみたいけど、試験がすんごい難しいらしいのよねー。

実際取り組んでみると、どうもアバウトになりすぎて講師の先生にバッシバッシと訂正される。うーむ、どーやって勉強すればいいのかしら、やっぱり中文の日本ガイドブックを香港で探して、参考書として使おうかしら、と思っている次第。
あ、クラスメイトには以下の本を紹介してもらいました。週末、これも探しに行くか。

日本
日本
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.26
日鉄技術情報センター著 / 漢思有限公司中国語訳
学生社 (2006.11)
通常24時間以内に発送します。
見てわかる日本 伝統・文化編
JTB (2002.12)
通常2-3日以内に発送します。
小点心
小点心
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.26
陳 淑梅著
日本放送出版協会 (2005.7)
通常2-3日以内に発送します。

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『深夜特急1 香港・マカオ』沢木耕太郎

香港行きに備えて、いろいろと準備しているのだが、今回はマカオにも行きたいから、何か資料があるといいんだけど…と思っていたら、沢木耕太郎さんの『深夜特急』がかなり前に読み途中のまま放り出していたのを思い出した。いまさらかよーって思ったんだけど、久々に読みたくなったので、最初から6巻まで読むことにした。
そういえば10年前、このシリーズを基に、大沢たかお君が旅した当時の沢木さんの辿ったルートをめぐったTVスペシャルも放映されたっけ…。あと、このシリーズの題名と今はなき蘭桂坊のデリ、ミッドナイトエクスプレスが同じ名前って縁もあったっけねぇ。

深夜特急 1
深夜特急 1
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.22
沢木 耕太郎著
新潮社 (1994.3)
通常2-3日以内に発送します。

オンライン書店ビーケーワン:深夜特急’96→’98全記録

↑本の表紙画像がなかったのでついでにこっちも。これは大沢くん版深夜特急ビジュアルブックの表紙。bk1ではお取り扱いないそうです、あしからず。

沢木さんが全てを投げ打ち、インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスに行くと決意したのは26歳の時。最初はデリーまで飛行機で行くつもりだったのが、買った航空券が香港とバンコクでストップオーバーできるものだったから、まずは香港に立ち寄ったところ、すっかりハマってしまってつい長居してしまい、ついでにマカオまで行ったというのがこの第1巻。なーんだ沢木さん、ワタシらと同じやないのー、なんてつい思ったしまったのはいうまでもなく(笑)。
しかし、その時代を計算してみると(沢木さんは1947年生まれ、つまり今年還暦!)、彼が旅したのは1973年…。すでに30年以上前かよ(泣)。そのせいか、件の大沢君の番組では、当時のホテルが残っていなかったので重慶大厦かどこかで撮ったんだっけか。

沢木さんの目から見た香港は、星野さんが『転がる香港…』で描かれたような下町の風景とはちょっと違うものを感じる。それは時代が20年以上違うってことや、滞在した場所の違いもあるんだけど、一番の理由は沢木さんが初めてこの街を訪れたからってことだろうか。その点では、沢木さんとほぼ同い年で初めて香港を訪れた自分の考えにも通じるものがあったし、中国語がほとんどできないで英語と筆談で2週間ほど過ごしたと言うのはなかなかである(って生意気だな)。
その中で彼は、普段観光客が見ることのない香港庶民の光も見れば影も見る。それは過去から続き、この時点では未来であった20世紀末の返還、そして現代にも共通する風景である。それでも、彼はこの街の熱気にあてられてしまい、しばらくの間(今もかな?)彼の世界で一番好きな場所のポジションを占めたという点で、香港という街の魅力が読み手にも伝わってくるよなぁと思った次第。

そして、香港と違った刺激を求めて渡ったマカオで彼はにわかギャンブラーと化し、獲ったりすったりを繰り返す。ここで、彼のハマった「大小」が事細かに説明されていたので、やり方などを手元のガイドブックと照らし合わせてみたんだが…うん、確かに簡単で、それゆえにハマりやすいかも。マカオに行くと決めたのは、単にエッグタルトが食べたいとか、『イザベラ』や『2046』(『ロンゲストナイト』や《放・逐》もだか…)のロケ地めぐりをしたいって思ったからで、決してギャンブルなどするもんかって思うんだけど…。ま、どーなるかはわからんな。

確かにもうずいぶん昔の話になるので(そしてオリジナルが発行されたのももう20年前になるんだよねー)、今の香港とはすっかり変わってしまっているのは事実。でも、旅をすることと未知の出来事に出会った快楽を伝えてくれることは確か。さすがにワタシはもうビンボー旅行もできないし、重慶大厦に泊まる勇気もないけど、旅するにあたっては、いつも見たことのないものに出会いたいという気分になっている。そうでなければ楽しくならないしねぇ。

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♪It's Infernal Affairs, It's Infernal Affairs….

タイトルはSly & The Family Stone『Family Affair』の替え歌になっているのですが、マニアックでどーもすんませんm(__)m。ただやりたかっただけなの。

それはともかく、いやぁ、ついに観ましたよ『ディパーテッド』
眉毛ハリセンボン(Fromシャークテイル)…もといマーティン・スコセッシ(以下スコ)の監督作品、なに観ていたかなぁと調べたら、『ケープ・フィアー』『クンドゥン』、そしてリバイバルで『ラスト・ワルツ』を観ていましたよー。出演作品なら、ゴッホを演じたアキラ黒澤の『夢』と、ロバート・レッドフォードの『クイズ・ショウ』を観ているぞ。なーんだ、代表作の『タクシー・ドライバー』や『レイジング・ブル』観ていないもんなぁと思っていたら、意外と縁あるんじゃないのよスコちゃんと

で、以下本編の感想。くどくなるのもアレだし、ネタバレもまたアレなので箇条書きで。

〇製作に一応メディアアジアも協力しているのか。そのわりにアランさん&フェリックスさんの“無間道産みの親”コンビの名前がエンドクレジットの中盤に出るのはなぜだ
〇《無間道》1作目にあたる筋に入るまでが長すぎる。そこまで説明しなくともいいと思うのだが。
〇フランシス・コステロ(ニコルソンおぢさん)、すげーエ〇おやぢ。こいつしゃべる公衆猥褻罪だよ(笑)。
〇ビリー(レオ)とコリン(ジミーちゃんもといマット)って州警察の所属なんだ。市警との関係はいわゆる“本庁と所轄”みたいなもんか。
マデリンちゃん、華がねぇよ…。おまけに老け顔だから、もともと童顔のビリーはともかく、コリンと並んでも彼女の方が年上に見えるのはなぜだ
〇キョンがいない。んでディグナム(マーキー・マーク…って昔の名前か)の使い方は…あれでいいのかよぉ(泣)。
コステロよぉ、取引ヤクだけでいーじゃん。アジア向けに無理やり広東語を話す蛇頭みたいな自称中国政府の奴らとのマイクロプロセッサー取引なんかセッティングしなくても…。
〇そして、これが一番言いたいこと。
警察もマフィアもファッ〇ンフ〇ッキンばっか言ってんじゃねえよ!
思わず言った数を数えたくなっちまったじゃねえかぁ!(3分に1回は確実に言っていたよなぁ。300回くらい言った?)あとコック〇ッカーとか〇ロウ〇ョブとか卑語オンパレードだったよなぁ、これだからハ(以下略)

…あ、でも、一つ見直したことがある。
レオが意外にもよかったのよ。もちろん本家ヤンには敵わないのはいうまでもないんだけど(ええ、ひいきの引き倒しってことは充分にわかっていますって!)、未だに10年前のロミジュリとか豪華客船沈没映画でのアイドルっぷりが強烈で「オマエなんてアイドルのくせに!」なーんてずっと思っていただけに、いつの間にかオトナのオトコになってくれたし、頑張っていたのはよくわかったからね。ま、いつものことながら誉めても惚れないのはいうまでもないぞ。わはははは。
オスカー獲れるといいね、『ブラッド・ダイアモンド』で(苦笑)。
あと、監督賞はスコちゃんじゃなくて『バベル』のイニャリトゥ監督に獲ってほしいでーす(爆)。

で、結局あっち(オリジナル)とこっちとではどっちがよかったの?と問われれば…。いわなくてもわかるよね。だから言わない。
でも最後にもう一度言わせて。

だからオマエらぁ、フ〇ッキンファッ〇ン言い過ぎじゃ!←これはしょうがないんだって、警察とマフィアの話なんだから。>セルフツッコミ

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香港行きに備えて、久々にガイドブックなんて買ってみた。

えー、やっと決まりました。2月の香港行き!\(^o^)/
いやぁ、ここまでの道のりは大変でした。今回は親友との二人旅なんだけど、都合により某旅行代理店じゃないと行けないということになり、帰盛してから申し込んだら連休にかち合うためにフライトもホテルも満杯でキャンセル待ち…。申し込んだ時点でキャンセル料が発生するってことで、もしこのまま2月まで取れなかったら諦めようね(つまりキャンセル料を払いたくない)と覚悟していたんだけど、申し込みから2週間で成立しました。ラッキー♪

そんなわけで約2年ぶりの香港行きとなるんだけど、この年末年始に香港に渡られたKEIさんnancixさんのレポートを読む限りでは、どうもかなり変わっている雰囲気…。うーむ、手元にある2002年版街道指南も、ルリユールまでして大事にしている『秘伝 香港街歩き術』なんかもう役に立たない…(当たり前ざんすよ)

街道指南は香港に着いたら(ちなみに午後着)買うからいいとして、それまでどう行動するかを考えなければ。特に友人は10年ぶりでワタシほど香港マニアじゃないので、彼女に退かれないようなルートを考えないといけないし、今回は初めてマカオに上陸するので、そっちの計画も立てたいしねぇ…。
てなわけで買ったのはこの2冊。

香港マカオ
香港マカオ
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.21
成美堂出版 (2006.5)
通常2-3日以内に発送します。

香港
香港
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.21
NOVA (2006.8)
通常2-3日以内に発送します。

いつもは香港オンリーのガイドしか見ないんだけど、香港・マカオが一緒になった方がいいと思って選んだのが『いい旅・街歩き』。そして、昨年あちこちのblogでも話題になっていたNOVAの『フラヌール』シリーズも。安価で手軽そうな『地球の歩き方ポケット』も、ニコのインタビューがあったのでひかれたけど今回は諦めた。
実際向こうへ行ったらガイドもあまり役に立たないんじゃないかなと思うんだけど、何も知らずに行って「あーあそこ行っておけばよかったー」と後悔するのもなんなのでね。
それまではせっせと情報収集ね。あと、健康管理にも充分に気をつけねば。

まーでも、一番のお目当てはやっぱり映画とDVDなんだけど(笑)。滞在中には《門徒》のプレミアがあるらしいけど行けないし、クリスマスと賀歳片の谷間なのであまり期待していないけど、何か拾いもんを見つけられるといいかなぁ

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動くアンディ先生を見ましたよん。

…と言っても昨日行われた『墨攻』のジャパンプレミアに行ったわけじゃなくて、日テレ系CSの G+映像 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)スターの御姿を拝見したんだけどね(笑)。あ、要WMPです。

《刺馬》の撮影で頭を剃ったと聞いたから、てっきりスキンヘッドだと思ったんだけど、見てみると『終極無間』での刈り込み頭より少し短いって感じかなぁ。…と思ったらそんなことはなく、かなり短かったわ!なんか高校球児みたいに短くて清々しいわー。ははは。
アンさんって実はあまり大きくないんじゃないかと思ったけど(実物を見たことないんで何ともいえないけどね)それでもアンディよりは背が高いか。しかし、ジェイコブさんが意外と小さかったのね…。

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トゥモロー・ネバー・ダイ(1997/イギリス=アメリカ)

このところ中華明星出演のハリウッド映画は小ネタ的な感想記事を書いてお茶を濁してきましたが、今回は久々にマジで書きます。だってこの『トゥモロー・ネバー・ダイ』、“史上最強のボンドガール”と称されるミシェル姐さんが大活躍して名声を上げた、記念すべき作品だもの。でもこれ、もう10年前の映画なのねー…。

その前に相変わらずの雑談を(こらこら)。
映画の007シリーズが始まったのは1962年…ってトニーと同い年かよ。現在公開中の『カジノ・ロワイアル』が21作目だそうなので、だいたい2,3年に1作というペースで作られていることになるのか。
しかし、それほどの長寿&人気シリーズだというのに、ワタシは今までこのシリーズをまともに観たことがなかった。なんでかしらー?初代ボンドのショーン・コネリーもこの作品じゃなくて80年代後半~90年代前半に出たハリウッド映画で渋く主演を張っていた時に認識したしね。あと、3代目のロジャー・ムーアは、成龍さんも出た米国版賀歳片?ともいえそうな『キャノンボール』にて、確か“自分をボンドだと思い込んでいる大金持ちのボン”というセルフパロディを演じていたことを思い出したなぁ。
そんなこんなで全然観ずに大人になったのだが、それじゃあんまりだなぁと思ったので、去年の12月の日曜洋画劇場で『ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999)を観てみた。
以下簡単に感想。…ふーん、こーゆーのか。ヒーローものの元祖って感じ?とか、ボンドガールってーのは、必ずボンドと恋に落ちなきゃいけないわけ?とか、おおー、ヤツの上司Mは英国の重鎮女優ジュディ・デンチ様だ、かっこいいなぁなどなど。
で、結局ジェームズ・ボンドってーのは知力体力時の運(最後のは違う)に恵まれ、皮肉屋くんで女ったらしのスパイで、変装も変身もせずに巨悪をやっつける史上最強のヒーローってーわけね。なるほど、男子の好きなもんがいっぱいだな。7年前に『花様年華』プロモの際、某女性誌のインタビューにてトニーが「このシリーズが好きだ(そして『東京攻略』で林貴仁をやった)」といったのは納得だぜ。

で、いいかげん本作の感想。
英国艦隊と中国空軍のレーダーを操作してお互いをニアミスさせ、両軍の衝突から第3次世界大戦を起こして一儲けしようというのが今回の悪者のメディア王カーバー(ジョナサン・プライス。『未来世紀ブラジル』の人だわ)。この頃はまだ、北朝鮮も脅威というほどじゃなく(2002年の『ダイ・アナザー・デイ』で取り上げられるんだっけ)、中東が欧米と衝突するという状況でもなかったんだけど、インターネットや衛星放送の世界的な広がりがあったからこういうネタになったのか。メディア王の広げるサテライト放送のネットワーク参加に、中国政府が拒否を示したということでこーゆー作戦を考えたらしいんだけど、北朝鮮のことは考えていたんだか(それは言うなってか)。
都合のいいことにカーバーの奥さんが元カノだったってことでボンドに白羽の矢が立てられ、身分を偽装してハンブルグで行われたパーティーに行くんだが、そこで拉致されたり大暴れしたり奥さんと昔の激情が甦ってベッドインしちゃったり悪の手から彼女を逃がそうとしても殺されてしまうのはもうお約束か。
で、そのパーティー会場で、ボンドとカーバーは自称新華社通信の女性記者、実は中国外交院公安部の捜査官ウェイ・リン(中国名に直すと林維か?)と知り合うんだけど、これが待ってましたのミシェル姐。『SAYURI』の豆葉姐さんを演じた時は中華系のわりに意外とバタくさいルックスなんだなぁ(彼女はマレーシア華僑だけど、中国南部系の血筋だよね?それともミックスなんだったっけか)なんて思ったんだけど、ホルターネックの水色ドレスで会場に現れた姿はツーイーのようなイケイケではないし、どっかバタくさく感じた大きな瞳にスリムなボディがうまい具合に働いてて、小柄でも西洋人ばかりの集団でちゃんと負けていなかったように思えた(一応誉めてるんですが)。
だけど彼女の見どころはそんなところではなく、ベトナム沖に沈んだ英国艦隊の戦艦を海中で捜査していたボンドと鉢合わせした中盤以降。カーバー一味にまとめてとっ捕まった二人が手錠でつながれてからの逃亡劇がまーカッコいい(はぁと)。手錠につながったまま一味の男どもを次々に蹴りまくるし(ボンドも手錠で彼女をぶんぶん振り回していたなー)、カーバーのビルを脱出して2人でバイクでサイゴンの街を逃げる時に「アタシが前に乗るのよ!」といった感じにボンドと座席を争ったり、中国公安部の秘密基地(!)に潜んでいたザコキャラを次々に倒すくだりはもうスカッとしましたわん。まぁ、主人公はあくまでもボンドなので、要所要所はヤツが締めるし、ラストはキスシーンまであるんだけど、ミシェル姐は確かに“史上最強のボンドガール”にふさわしいなぁと思った次第。贅沢を言えばクライマックスでは素手で野郎どもを倒してもらいたかったが、そこまでやると別の映画になるか。

あ、別の映画で思い出したけど、ボンドとウェイ・リンがバイクで逃走するサイゴンの場面での、古いバラック街のぶっ壊れぶりが、まるで成龍さんの映画のようでしたよ。この部分だけ妙に香港映画ノリやなぁ、と妙なところで感心してみる。
しかしことごとくぶっ壊されたあの街の復興費用って、いったいどこが払ったんだろうか?やっぱりMI6?

原題:Tomorrow never dies
監督:ロジャー・スポティスウッド
出演:ピアース・ブロスナン ミシェル・ヨー ジョナサン・プライス テリー・ハッチャー ジュディ・デンチ

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暗いところで待ち合わせ(2006/日本)

昨日でこのblogは3周年を迎えたのだが、さらに偶然なことに、一発目&二発目のレビュー(『最後の恋、初めての恋』『藍色夏恋』)と今回の『暗いところで待ち合わせ』は、すべてチェン・ボーリン出演という共通点がある。おやおやこいつぁ春から縁起がいいや(笑)。原作は乙一の同名小説。乙一、おついち…すまん読んだことねーよ!職業柄読んでいてもいいはずなのに今までずーっとスルーしてたよ!今度読んでおこう。
題名を聞いて思い出したのが、オードリー・ヘップバーンが盲目の女性を演じた(実は未見なんだけどね)『暗くなるまで待って』。この映画を受けてのこのタイトルなのかしらん。

暗いところで待ち合わせ
乙一〔著〕
幻冬舎 (2002.4)
通常24時間以内に発送します。

本間ミチル(田中麗奈)は3年前に交通事故で視力を失い、ロシア語通訳の父(岸部一徳)と私鉄の駅を見下ろす家で穏やかに暮していた。しかし、その父も突然死んでしまい、一人暮らしを始めたミチルはすっかり家に引きこもり、親友のカズエ(宮地真緒)と遊びに行く以外はほとんどを家で過ごしていた。
近くの駅でなにか事故がおきたらしいある冬の日、ミチルの目が見えないことを利用して、一人の男が彼女の家にそっと忍び込んだ。男は近くの印刷工場に勤める大石アキヒロ(ボーリン)。そして事故で死んだ印刷工松永トシオ(佐藤浩市)は彼の同僚だった。中国生まれのアキヒロは職場の人間関係に馴染めず、特にトシオとは折り合いが悪かったのだ。
アキヒロは駅の見える居間の窓の隅に陣取り、ミチルに気づかれないようにじっとしていた。腹が減ったら冷蔵庫の中のパンを拝借し、何かを見張るように身を潜めていた。そして、ミチルは自分の家に誰かがいるということを感じ取る…。

映画化に関してはアキヒロをボーリンに合わせて中国人の血が入っている(恐らく残留孤児子女の2世か3世?)設定にしたり、ミチルがピアノを弾くことを趣味にしているなどオリジナルが加わっているらしいけど、それらは映画的効果をあげているのでマイナスにはなっていない。台詞も極力抑えられている。しかし、決して退屈ではなく、一人ぼっちのミチルの生活の淋しさと、彼女に気づかれまいとするアキヒロの緊張感を伝える。
ストーリー的には“真犯人”の動機がイマイチ伝わらないとか、ミステリーとしてはどうかな?と感じたりで細かいところでいろいろつっこみたいんだけど、そのへんは目をつぶっていいんじゃないかな。ミチルとアキヒロの見つかりそうで見つからないスリリングな関係に絞ったから、その面白さでひきつけられたし。(原作でもそれが前面に出ているのか?)ここから思い出したのは『恋する惑星』のフェイとトニーのエピソード。ええ、異性の部屋に忍び込んでしまうという部分だけが共通しているんだけどね。
ともかく、邦画にしてはやかましくない、ゆったりしているささやかな小品(といっても上映時間2時間9分…)という印象。

ボーリンは意外と声が低いなぁ。日本語の台詞に苦心していたというのはよくわかる。
彼は数年前に日本に3ヵ月短期留学していたことから、香港(出演作は『ツインズ・エフェクト』《情癲大聖》『バグ・ミー・テンダー』…って全部観ていないわ)や台湾だけでなく日本での活躍も見込んでいたってことだよね。観るのをすっかり忘れていた、あの柳楽優弥くんと共演した『シュガー&スパイス』では日本語をしゃべっていたんだろうか?で、今やっている『東京タワー』ではどーか?ともかく、彼には今後も日本語を頑張って習得してもらって、中華俳優が日本で活躍できる基盤をせっせと作ってもらいたいような気がする。
しかし、実際3年ぶりに映画を観たってせいか…なんかステに似ているなぁと思ったのはワタシだけだろーか。
麗奈ちゃんは中国で初の連ドラに挑戦したり(日本じゃTVドラマに出ないもんね)、この映画の前にボーリンと共演したのが台湾映画『幻遊伝』など、密かに中華世界進出を試みていたのね。一度彼女の中国語を聞いてみたいんだが、『幻遊伝』は観るべき?そーいえば、ここではノーメイク…だったよね。もしそうなら、意外とお地味さんだったのねーなんてちょっと思ったのだが(苦笑)。
あとは脇役が無駄に豪華というか(誉め言葉です)。浩市さんの登場(それもいきなり死ぬし)にビックリした次第。杏ねーちゃんこと井川遙嬢の登場も同様。うーん、意外と井川です。しかし…それでいいのか井川、とちょっと端っこで呟いてみる。

監督の天願さんは昨年亡くなられた今村昌平監督の息子さんで、世界的に評価の高いお父様の数々の作品で脚本を務められているのですねー。あと、『アジアン・ビート』の一編で監督デビューしたとのことで、アジア方面と無関係ではなさそうな感じ。監督作は多くはないみたいだけど、今後のアジアンコラボで活躍してくれたら注目したいかな。

監督&脚本:天願大介 原作:乙一 音楽:めいなCo.
出演:田中麗奈 チェン・ボーリン 佐藤浩市 井川 遙 宮地真緒 岸部一徳

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米国から無間道風雲が上陸するのと同じ日、香港からの黒社会抗争も幕を開ける。

えー、なんとも物騒なタイトルですが、要するに《無間道風雲》ことアメリカン・インファナル・アフェア『ディパーテッド』と、ジョニー親分渾身の作品『エレクション』の公開日が、東京では一緒らしいってことをこのblog独特の表現で説明したものです。まぁ、オリジナルを愛する人間としては、この《無間道風雲》の扱いに非常に困るものだし、観る前にあれこれ文句をつけたら面白さも半減すると思うので、ブツを観てからあれこれ言います>って結局なんか言うのかよ、自分よ。
しかし、《傷城》のリメイク権も、いまソフトバンクのケータイでしゃべくりまくっている某プロデューサー俳優がまた狙っているってー噂を聞いたのですが…。たのむ某ブ○ピ、どうかやめてくれ!だからと言って某T○Sに正式に買われて『インスパイア・アフェア 無間輪舞曲』のU氏プロデュースのもと、日曜劇場でドラマ化されるってのも勘弁してほしいんだが(泣)。

それはともかく『黒社会』の話題。
先日の毎日新聞ウェブサイトにて、ジョニー親分のインタビューを発見。プロモーションがフィルメックスの時期とかぶった(!)せいか、え?今頃出たの?感がなんとなく…。いや、今頃の露出で間違いないんだけど。インタビュー内容は、わりとオーソドックスで当たり障りのないものだったけど、全国紙でのインタビューをあまり受けていないような親分なので、ある意味貴重なんじゃないでせうか。

この冬はお正月映画がまだまだ強いこともあって、第2弾映画の紹介もあまり見かけないんだけど、先日立ち読みした雑誌(誌名失念、スマン)の映画評でこの『黒社会』が紹介されていた。けっこうダークな紹介の仕方だな、と思ったら、ダークな米国独立系電影(デヴィッド・リンチ作品等)の評論で有名なT氏の文章だった…。あ、そういえばこの方、『終極無間』のパンフにも批評を寄せておられたっけなぁ。

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ああカイコーよ、どこへ行くと思ったら日本に来るのか。

昨日、リヨン谷原の中国語会話をボヨーと観ていたら、陳凱歌監督がインタビューに登場していた。なんでも去年の夏、東大の刈間文俊教授が北京を訪れてロングインタビューしたそうで、TVとラジオ(金&土で放送される応用編)で連動されるようです。機会があったらラジオの方も聴いてみようかな。

それで思い出したんだけど、カイコーったら来年度日本でちょこっとだけ教えるんですねー。うらやましいわー>立命館の学生さんたち



asahi.com:陳凱歌監督、立命館大客員教授に?-?映画?-?文化芸能.

中国の陳凱歌(チェン・カイコー)監督を、京都市の立命館大が、今春新設する映像学部に客員教授として招く。就任は4月1日付。

彼はNYで教えた経験(その時にデュラン・デュランのPVも作ったんだっけ)もあるので、まー心配はしていないんだけど、どんなことをやるんだろーなー。カイコーの講座、受けてみたいけど、もうすでに大学生じゃないし、といっても今の仕事は簡単にやめられないし(笑)。

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新春の中華ネタに思ふ。

年明けそうそうグチるのもアレなので、なるべく控えめにしながらあれこれ書こうと思います。

昨年に続いて新年合併号で“華流特集”を組んだ『AERA』
これまでさんざん韓流&ぺ様を大フィーチャーし続けたこの雑誌も、今年は韓流の波が退くと察したのか、記事に無理やりな韓流こじつけはなかったものの(ただ後のレギュラーページでは『クローサー』ですーちーの彼氏を演じた大韓俳優ソンちゃんのインタビューを掲載)、どーも韓流(特にぺ様)特集ほど熱がこもっていないように思えるのはこっちの気のせいか…。まー、韓流の熱病にうなされるようなブームにならなくていいです。でも台湾ドラマはなんか観てみたいなぁ。F4主演作品以外で面白い台湾ドラマってあります?>お詳しい方に質問。
この特集では“華流度深層意識テスト”なる簡単なチェックがあったのだけど(詳しくは省略)、ワタシは合計14点で「ハマる素質充分」でした。…でも中華趣味人間にはあまり意味ないチェックだなぁ(爆)。
ちなみに“華流明星映画”では、今月うちの街で田中麗奈ちゃん&ボーリンの『暗いところで待ち合わせ』が上映されるので、それを観ます。もちろん感想はこっちに書くからねー(^_^)。ボーリンはイザベラちゃんと共演の『バグ・ミー・テンダー(虫不知)』にも出ていたのか!それならいずれ観る機会を作らねば。

○今年は元旦からシネコンに出かけては映画を観ていたのだが、行ったのが松竹系シネコンのMOVIXと、松竹系映画も上映する独立系地元シネコンだったこともあって、松竹とキュービカル(コムストック&キネティック等が合併)の共同配給による『墨攻』のビジュアル-つまり5分刈りヒゲ面アンディ先生の姿-がどこに行ってもあった。キュービカルは無間道三部作を配給してアジア映画に強くなったせいか、宣伝にかなり力を入れているなぁ。ギャガさんがやっているような新聞形式プロモの『墨攻新聞』も面白いけど、まさか美術展とのコラボまでやるとは!うう、帰省している間に観ておけばよかったよん…。

○ところでアジア映画配給といえば、なーんか某av○xが触手伸ばしているんですよね…。この会社が製作に加わった『きずしろ(あえてひらがな書き)』がすでに日本版主題歌(byぴんちーぷー小姐)まで決まっていて、一応この夏日本公開を目指しているらしいという情報に続き、2年後公開予定のウーさん10年以上ぶりの中国語映画『赤壁(の戦い)』の配給権(製作権もか?)まで獲ったことをMSN毎日新聞サイト経由で年末に知って、ちょっと頭を抱えた次第。ええ、これに関しては後でゆっくりとあれこれ言おうと思います。

○最後に我的近況。2月の連休を使って友人と香港&マカオ行きを決定したのであるが、某J○Bにフリーツアーで申し込んだところ、ホテルの空きが確定しなくてただいま返事待ちざんす…。これなら、個人旅行サイトで中級クラスホテルのツインを押さえて、ネットで一緒に格安航空券を2人分申し込んだ方がお得かしらん。

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『転がる香港に苔は生えない』星野博美

☆明けましておめでとうございます
今年もfunkin'for HONGKONG及びもとはしをよろしくお願いいたします☆

では、今年お初のエントリは前回予告のとおり、『転がる香港…』です。

転がる香港に苔は生えない
星野 博美著
文芸春秋 (2006.10)
通常24時間以内に発送します。

年末年始は実家に帰省し、某番組でアンジェラ・アキ嬢の故郷をテーマにした歌を聴きながら過ごしていたのだが、「ふるさと」という言葉は、日本人には生まれた場所を意味していても、他の国―特に流浪を繰り返してきた人々には違う意味なんじゃないかなと、ぼんやりと思っていた。1ヵ月半後には旧正月を迎え、多くの華人がそれぞれの故郷に帰っていくのだが、ふるさとを後にしても決して帰ることの出来ない華人だって少なくないだろう。そんな人が多く集った“借り物の土地”…それが香港だ、とワタシは認識していた。

80年代半ばの学生時代に、香港に語学留学生としてやってきたのが、著者の星野さん。それから約10年後の1996年、彼女は再びこの地に舞い戻る。返還の瞬間を見届けるため、そのときの街の人々の姿をカメラに収めるため、そして、かつて九龍城塞で出会ったひとりの大陸からの密航者・阿彬に再会するために…。
一言に“香港人”といっても、人々はそれぞれがさまざまな背景を抱えていて、まさに映画のようなとしかいえない想像のつかない人生を背負っている。彼女が出会ったのは大陸から渡ってきた人々がほとんどだ。もちろん、香港生まれの香港人も友人の中にはいるのだが、すでに海外に移民した人や、移住はしたものの結局帰国してきた人なども少なくない。もとからの香港っ子でも、いろんな手段で大陸からやってきた人でも、この街には本当に複雑な感情を抱いている。そして、中文大学で広東語を学ぶ一方、本職のフォトジャーナリストとして返還前後の街の姿を記録し、すでに死んでいた阿彬を知る人と必死にコンタクトを取ったり、茶餐廳で出会った美青年ウェイター子俊に一目惚れして深水[土歩]に居を定めた(深水[土歩]といえば無間道のファーストシーン…だよね)星野さんの身にも、この街の厳しい現実が降りかかってくる。星野さんが住んだのは古いアパートである“唐楼”。映画にもよく出てくるアパートであると思うけど、いくら香港に憧れて、暮らしてみたいと思う身であっても、家賃の高い香港の住宅の中でも比較的安価な唐楼で自分が暮らせるかどうかと考えると…ああ、自信がない(泣)。しかし、その描写が非常に詳しいので、映画で観られないホントの香港の姿を想像するのは容易だった。

この本に書かれている光景は今から10年前の香港の姿だ。そうか、もう10年経ってしまっていたのか…となぜか感慨深く思ったと同時に、では、今の深水[土歩]はいったいどうなっているのだろうか、かなり変わってしまったのではないだろうか、とも思った。それは、4年前のSARSのことがあったから…。
香港へ行っても、いつも行くところは同じなので、たまには下町も散策してみたいのだが、もうこの本で描かれたような光景も、なくなりつつあるんだろうな…。

本当は、出版されたときに読むべきだったのかもしれない。(そういえばビーケーワンでリンクを作った時にオリジナル版に対する野崎先生の評を発見しましたよ)でも、返還から10年を経た今読んでも、その意義は充分あるのはいうまでもない。今度香港へ行くときには、ちょっと違う観点で見てみたい気がする(たぶんその余裕はないかもしれないが…)。

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