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《偸吻》(2000/香港)

なんかさー最近多いよね、年下男子と年上女子の恋物語(例:映画&小説の『天使の卵』に『東京タワー(by江國香織)』、小説『人のセックスを笑うな』など)。で、男子はたいてい学生で女子は学校の先生だったりお医者さんだったりするんだよ。いわゆる“青い体験”ってヤツ?
…っていうと、オマエ幾つだよと突っ込まれるに違いないからこれ以上言わないけど、そんなにスキャンダラスっぽさを感じさせない印象があるのは、恋愛対象として年下君の存在がそれだけ一般的になったからかしらん。かつてのルミココヤナギ&ケンヤオースミみたいなカップルはどーでもいい(爆)として、ハリウッドにはティム・ロビンス&スーザン・サランドンのような12歳差のヴェテランカップルがいるから、そのへんは安心してもいいと思うのだか(こらこら)。
と、相変わらずわけのわからん前振りにて失礼します。
今や香港の若手監督といえばホーチョンかステって勢いなんですが(ホントか?)、そのステは監督デビューする前、フツーにアイドルだったわけで(その前にはマーク・ロイと“香港のパーフリ”的なユニット“DRY”で活躍していたとはいえ)、先日、そのアイドル時代に出演した旧作《偸吻》を観てみたのだった。

スティーブンこと李逸輝(ステ)は大学入学を前にして、幼馴染の大賓とともに大学の近くに部屋を借りる。スティーブンには幼馴染で看護師見習をしているスーキーという彼女がいたが、家族公認の仲とはいえどもキスすらも出来ないことに悩んでおり、自立を機にスーキーとの仲が進展することを望んでいる。しかし、スーキーはそのそぶりも見せず、スティーブンもまたオクテ気味なので、性的に奔放な大賓が自分の彼女の“ヴィヴィアン・チョウ”を連れ込み、メイクラブに励む様子を感じ取ってはドギマギするばかり。
大学の第1日目、彼はバスに同乗した女性に一目惚れする。文学部の彼はフランス文学の講座を取ったが、そこでその女性と再会。彼女-ソフィー・チョン(クリスティ)はこの講座の担当講師だったのだ。しかし、美貌に似合わずソフィーの講座は厳しく、彼女目当てに講座を取った大賓は痛い目に合わされる。
別の日、大賓の友人である大学の先輩から、2人は彼らのソサエティの新入生歓迎会(O CAMP)への参加を要請される。このO CAMPは男女学生の交流を目的としているが、要するに酒抜きの合コンで、交流方法は“王様ゲーム”みたいなもの。そこでスティーブンは、くじ引きであたった地味で眼鏡の新入生エイミーとコンビを組むが、エッチなゲームに馴染まないエイミーは泣き出してしまう。その後、彼はエイミーに謝り、2人は付き合うことになるが、カップルになってからエイミーはガラッと変身してしまい、大胆な行動に出るようになる。彼女の大胆さにひかれ、スーキーが物足りなくなってしまうが、本当のことをつい言い忘れてしまう…。
一方、スティーブンはソフィーが手紙を見て涙ぐんでしまうのを目撃する。バスに落とした手紙を拾うと、それはフランスからの手紙。辛い失恋をしたと気づいた彼は、少しでも彼女の気持ちに近づけるようにと、フランス文学の勉強に熱を込める。彼はいつの間にか、仏文学ではトップレベルの学生になっていた。
ある日、彼のアパートを訪れたスーキーとエイミーがばったり鉢合わせ。二股をかけられていたことにスーキーは激怒し、スティーブンを責める。彼はエイミーと破局を迎えた。その後、彼は大学で涙ぐむソフィーに出会い、彼女に付き合ってスタンレーの自宅まで行くことになった。彼女は彼に、自分は10年前に不倫で産んだ子がいたが、1歳にならずに死んでしまったこと、その後フランスに留学してまた妻子あるフランス人と恋をしたことなどの過去を告白する。2人の気持ちが近づき、スティーブンは自分が今までずっと抱えてきた想いを彼女に捧げようとしたのだが…。

…んーまー、こーゆー物語は男子のファンタジーですわね。“青い体験(またかよ)”ものにありがちな、年上女性がオクテな男子に性の手ほどきをするっていうくだりを期待すると肩透かしだけど、かわいい顔して身体はマッチョ(といってもこの作品ではやや太いのだか)なステと絡むのは、清純派のスーキー、眼鏡を取るとかなり大胆(だから彼女との肉体的な絡みが多いし、多分初めてのベッドの相手だろー)なエイミー、そしてオトナの女のソフィーとまー典型的な女性揃い。まーこのへんにつっこんじゃ野暮よね。ワタシもステは好きだけど、あんなにいい体しているわりには、彼に抱かれたいと思わない…(笑)。だから「ふーん」って感じで観てました。もっとも肩はもんでもらいたいと思ったが、簡単に脱がないわよなんて構えたりして。
ところで、香港の新学期は9月始まりで、講座は英語メインで行われるんだっけ。米国的だよね。ワタシは香港への留学経験がないけど、米国の新学期を体験したことはあるので、なんとなく雰囲気が似ているなぁ、なんて感じたのよ。ワタシはほとんど観たことがないんだけど、90年代中盤の香港でシリーズ化していた映画『feel100%』でも、この映画で描かれたようなキャンパスライフがあったのかな。ちょっとそんなことを思った。

あと印象的だったのは、フランス文学の講座で、ジャック・プレヴェールの詩が取り上げられたこと。仏文専攻経験はないけど、ジャック・プレヴェールっていえばスタジオジブリの高畑勲さんを思い出すもんで…。(プレヴェールが脚本を書いたアニメ映画『王と鳥』の監修をされたり、奈良美智さんのイラストが有名な詩集『鳥への挨拶』の翻訳をされている)映画自体もフランス語の章立てがついていて、おそらくフランス映画を意識したんだろうな、なんて。

そんな映画だったんだけど、ラストがなんか…。日本公開はありえなさそうなのであえてネタバレさせるけど、スティーブンはフランスに旅立つんですよ。それは単なる留学なのか、それとも自分を取り戻してフランスに戻ったソフィーとの愛を成就させたのかがちょっとつかめなくて…。もしソフィーとデキちゃった末のフランス行きなら、すっげー安直で、ホンとに男子のファンタジー映画だよなぁ、って思っちゃうんだけど、実際どんなもんだか。と厳しい終わり方ですみません。

仏題:Un Beiser Voie
監督:朱鋭斌 製作:マンフレッド・ウォン 撮影:ライ・イウファイ 音楽:リンカーン・ロー
出演:スティーブン・フォン クリスティ・チョン

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