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アジアの風、もうちょっとだけ強く吹いてくれ。

東京国際が終わると、冬の足音が大きくなってくるような気がする。今年もあと2ヵ月かぁ…。
今月はフィルメックスも控えているので、“映画の秋”はまだまだ続くのだけど、やっぱり国際は自分が参加できる映画イベントの中で一番大きなものだから、ちょっと一区切りつけたい気分になってしまうのだ。

関東から地方に移り住み、そこで映画好きになった私にとって、東京国際は東京近辺の人にとっては非常に美味しい映画祭だよなぁと思っている。だって、会場は2ヵ所に分かれているけれど、普段なかなか観られない映画をたくさんやってくれるんだもの。でも、ワタシのような遠方の人間でも、短期決戦を狙えば、たくさん観ることはできるもんね。あと、六本木と渋谷に会場が分かれた2年前からは、1ヵ所で複数のスクリーンがあるシネコンで行われるようになり、六本木なら映画のはしごも簡単にできるようになったのは助かる。そのかわり六本木⇔渋谷間の直接的な交通が都バスしかないっていうのはどうかなーと思うのだが。
初めて東京国際に参加したのは9年前、その時は特別上映の『Kitchen』とアジア映画賞授賞式記念上映の『ラヴソング』@渋谷公会堂を観た。でも、当時は映画祭といえば、渋谷駅をはさんでbunkamuraと反対側にあった、今は亡き渋谷パンテオン@東急文化会館で催された東京ファンタの方が、存在が大きかった。ファンタについては以前も書いたので、ここではパス。その3年後に実施された協賛企画の香港映画祭も楽しかった。上映館が渋谷東急だったので、ファンタノリは引きずっていたんだけど、記念セレモニー&『花様年華』上映がオーチャードホールだったので、半分国際映画祭って雰囲気だった。そういえば、あの時生まれて初めて、生のトニーを見たんだっけなぁ…。

そんなこんなでブランクがあり、ファンタも2002年以降は足を運ぶこともなく、ちょっと血中香港濃度が低くなっていたんだけど、その間に国際のアジア映画部門上映は「シネマプリズム」から「アジアの風」に変わり、プログラムディレクターにあの暉峻創三氏を迎え、上映本数の増加と共に香港映画の上映も増え、今や東京国際映画祭の中で最大の上映本数を誇る部門になったとか。
テルオカさんには、正直言って感謝している。なんてったって、この映画祭では、香港映画にもいろんなものがあるってことを教えてもらったし、2年前に『2046』のついでのつもりで、パン・ホーチョン3作品のチケを軽い気持ちでゲットしたら、それが大当たりだったのだから。昨年のラインナップだって、香港復活節映画がそのまま日本に引っ越してきたような豪華さだったし、もう喜べないわけはない。

ただ、ここからちょっとマジメなことを書くけど、いくら映画のお祭りとはいえ、これでいいのかなーと思うことも多少ある。
例えば、販売開始直後速攻で完売した映画で、映画祭時での上映ではもちろん満席で大盛り上がりなんだけど、肝心の一般公開時は初日がガラ空きだったりすること(何の映画とはいわない)。なんだかなぁ…っていうのが正直なところ。地方在住者でもやっぱり大スクリーンで映画を観たいっていう願いがあるんだけど、それはやっぱり一般公開でそれなりに人が入ってくれれば、地元の映画館も上映を考えてくれるかもって思うところがあるんで。(ちなみにわが街では、単館系香港映画の上映は、今年1月のF4映画祭と昨年11月の『江湖』以来、全くといっていいほどありません…。大事件も忘不了もディバージェンスも精武家庭ももちろん、猛龍すらも来ていないんだから)
それに関連して、前売時販売のチケットが少なすぎるんじゃないかということ。今年は『シルク』が取れなかったけど、後で聞いたらあまりに完売が早かったので、マスコミ席を当日券に回したら、けっこうな枚数が出たというので、ちょっとガッカリしちゃったんですわ。それならもうちょっと前売の枚数増やしてくれよーって。
とりあえず、こんなところかな。あとは上映スケジュールの問題とか、ティーチインの時の段取り(と質問の質…ってすごい暴言でスマン)をもう少しなんとかしてほしいとか、他の人が書いていることとダブるので省略。

あ、でもこれだけはいいたい。
ここまで多くの国から多くの作品を呼んでいるのだから、アジアの風作品だけで全国上映ツアー(というか移動映画祭)をやってほしいんですよ!
昨年は幕張で台湾映画を中心にアンコール上映され、今年は大阪でセレクトされた作品が上映されるそうですが、ワタシの他にも絶対いると思うんですよ、アジア映画を観たい地方の映画好きが。もちろん香港映画も何か入れてほしいけど、せっかくの機会だから、ここ数年の一押しであるマレーシアやシンガポールの中国語映画が観たい。だって、映画祭ではどうしても香港(または観たい台湾や中国)映画中心でスケジュールを組んでしまうから、その他の映画を脇に回しちゃうんですものー。中華電影好きならきっと共感できそうなマレーシアの『細い目』や、2年前のシンガポール映画『ライス・ラプソディ』、時間があったら是非観たかったですよー。

だからTIFF事務局さん、もしかしたら採算面では厳しいのかもしれないのですが、“アジアの風”移動映画祭というのを是非企画してください。東北ならおそらく仙台あたりで止まっちゃうのかもしれませんが(あるいはドキュメンタリー映画祭の基盤がある山形か?)、そしたら新幹線を使って観に行きますから!(一番いいのは盛岡で観られることだが)
もうちょっとだけ、アジアの風を強く吹かせてくださいよ。

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