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2006夏の悲情城市。

今日は「BOW30映画祭」atシャンテ・シネにて『悲情城市』を鑑賞。3回上映のうち、初回と最終回は早々にソールドアウト。びっくり。(ワタシは4時から上映の2回目を観た)王家衛作品や『英雄』や『無間道』でトニーを知った方で、この作品を観ていないって方も多そうだもんね。初回でトニー迷の皆様が観ていたようで、入れ替えのときに久々に再会。

香港で買った3枚組VCDや、紀伊國屋書店から出されたDVDも持っているんだけど、やっぱり銀幕で観るとまた特別だよなぁ、と思ってしまう。BOW30サイトで予告編が観られるので初めて観てみたけど、ナレーターが来宮良子さんだったのね…。いつみても波乱万丈かい?とかボケたくなってしまった。♪ちゃっちゃららー、ちゃっちゃっちゃっちゃー

それはともかく、この映画を観るといつも、当時27歳くらいの初々しいけどやっぱりキミは職業俳優なのねってーのがよくわかるトニーの姿ばっかり追ってしまうのだが、おお、この映画って見方によってはフィルムノワールにも見えるよなって改めて思ったのであった。もともとこの映画の企画は、ユンファ主演で企画された映画で、その物語の前日譚として設定されたというからってこともあるけど、林家が基隆近辺の顔役で、日本の占領政府からも恐れられていたり、港町を行きかうヤクザどもが上海人や広東人だったりするあたりからも感じる。対象から引いて撮られる修羅場なアクションシーンも効果的。阿嘉の話す広東語を聞いていると、ちょっとだけ香港映画な雰囲気にもなるし。

そして、2.28事件を境に、物語は歴史に引き裂かれる個人のドラマへと発展する。最初に投獄されて獄中の仲間が処刑台に送られるのを見ていた文清が出所後にとる行動のくだりでは、初見時より年経た今なら、その気持ちや感情が理解しやすくなっている。
劇中、多くの人々が苦難を味わって死んでいく。理想を追いながらも弾圧に命を散らした者、激しい拷問で精神を病んでしまう者、いざこざで命を落とす者。日本軍の撤退から国民党の支配までの約4年は、昔から不安にさらされてきた“悲しみの町(原題直訳)”台湾が最も悲しかった時だったのかもしれない。そんなことを考えてしまったのはいうまでもない。

座席が前のほうだったけど、もう何回も観ている映画だから台詞もだいたい覚えているし、字幕に頼らずに画面を眺めて堪能してました。
帰省の新幹線の時間をあわせて、無理して観に行ったんだけど、観られてよかったなぁ。

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