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姐御(2005/香港)

そりゃあ、ウォン・ジンポーが才能ある有望な監督であるっていうのは、『ベルベット・レイン』を観たときにすぐわかった。…だけどそれが成功を収めて、金像奨の最優秀新人監督賞をゲットしたからって言っても、同じことを何も2回やる必要はないと思うし、それってなんか激しく間違ってやいないか?と問いただしたくなったのが、現在東京でひっそりとレイトショー公開されている《阿嫂》こと『姐御』だった。ちなみに珍しく(?)原題と邦題が同じ意味である。…でもなぁ、っていうのはまた後で述べるか。

百徳(エリック兄貴)と、彼の3人の弟分―阿辰(ヤムヤム)、阿花(アレックス)、大風(アンソニー)は、黒社会を牛耳る最強のチームだった。そんな彼らの顔をほころばせるのは、百徳の娘で18歳の小瑛(アニー)だった。しかし、小瑛は百徳の実の娘ではなく、13年前に百徳と敵対した阿鬼を殺し、その妻洛華(カレーナ)によって命を落とした百徳の部下阿九(カイチー)の忘れ形見だった。彼女の未来のために、百徳はヤクザから足を洗うことを決意したのだが、自分の配下に収まった洛華との面会の直後、狙撃されて暗殺される。百徳の最後の言葉を聞いた阿辰は、小瑛を後継者として組織のトップに立たせる。それを気に、阿辰たちの間では自分たちのうちの誰かが百徳を亡き者にしたという疑惑が立ち上がり、血で血を洗う抗争が勃発したのであった…。

ヤクザもんの世界に飛び込んだ若き女性の話といえば、日本人なら真っ先に『セーラー服と機関銃』が思い浮かぶもんなんだが、これはさすがに香港映画なので、当たり前だがそうはならない。いや、何でもありの香港映画なら、あの映画みたいなアクションコメディっぽいアプローチでも充分できるんだけど、そうしなかったんだよねージンポー君は。『江湖』はね、あれはあれでよかったんだと思うし、今回も8ミリ映像やアニメの挿入、岩井俊二監督作品の挿入歌の使用など面白いことをやっていたし、そういうチャレンジは大いに買うんだけど、それをヤクザ映画でやっていいのか?ってホントに思ったんだよな。こういうことするなら別の素材でもよかったんじゃないかって思うんだけど、どーよジンポー?いいか、同じネタは3度は使えないからな、ジンポーよ!

キャスト。野郎どもはまーこのメンツならねぇ。エリック兄貴、ヤムヤム、中信さん、秋生さん、それぞれのキャラクターにあっていたけど、みんな意外性のない役どころなんだよね。なんか無間道とか、古惑仔とか、ジョニーさん作品で御馴染なんだもの(いや、それを言っちゃおしめぇよだな、確かに)。
女子の皆さんは、うーん…(ーー;)。カレーナちゃんの初の極道演技も、新星アニーちゃんの“黒社会のジャンヌ・ダルク”ぶりも、頑張っているとは思うのだが…。特にアニーちゃんは○○演技まで見せてくれて、初主演なのによくやった、えらいよと感心したんだけど、それでもねぇ、って感じですわ。
そうそう、忘れちゃいけないリウイエ君、坊主頭&広東語演技は新鮮でした。惚れるわー(こらこら)

原題:阿嫂
監督:ウォン・ジンポー 
出演:カリーナ・ラム アニー・リウ エリック・ツァン サイモン・ヤム アンソニー・ウォン アレックス・フォン リュウ・イエ リウ・カイチー ツェー・クアンホウ

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コメント

 いま、ATVでブツ切りながら「阿嫂」やってまして。
 でもこれじゃ、姐御になりきれなかったただの甘ちゃんオンナノコの話だよねえ。タイトルに偽り有り。
 うーん、アニー・リウがある一瞬(大笑いした時?)、常盤貴子に見えてしまい、その後はずーっと(やはり常盤貴子だからなぁ)(常盤貴子だからなー泣き出すしかないか、情けない)と頭から離れませんでした。カレーナもただのヒステリック女で必死に貫禄を醸し出そうとしてますが、この役じゃカリーナ・ラウ姐さんの方が合ってましたね…。
 エプロン方中信さん、スープ味見する秋生、悲しい瞳のリウイエ(この時は「風にバラは散った」のトニー的立ち位置でしょうか?)にはワクワクしたのに、あんなことにするかい…。
 とにかく凝った映像、凝った技術、凝った構図を多用したがるのは、若さゆえの気負いと、ストレートに語れるだけの面白いストーリーじゃないと、自信がないからでしょうね。とってつけたようなカレーナのセリフったら。
 正攻法で熱く熱く男たちの気高い群像を語ってきたジョン・ウーの、あの強引なまでの突き進み方で香港映画にハマった者としては、嗚呼ウォン・ジンポー導演よおまえもか、と嘆きたくなります。

投稿: nancix | 2009.06.06 23:49

 うーん、野心作ではあるんだけど、なんだかねぇ…と言いたくなる映画でありました。最近のウォン・ジンポーの動向を知らないのですが、相変わらずこーゆースカした(こらこら)作りをしているのでしょうかね?そういえばしばらく新作を見かけてない気がします。

 アニー・リウは、ドラマ『幸せのスープ』ではかなり美人さんになってましたけど、この映画ではまだまだ甘ちゃん小娘っぽいですよね。あの面々に愛されるには、どうも魅力が感じられないと思ったものです。今の年齢でまたやったら、印象もラストもきっと変わるんだろうけど…。

投稿: もとはし | 2009.06.08 22:32

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