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『七剣下天山』梁羽生

今年から手帳のデイリー欄に本の読み始めと読み終わりを記録している。公私共に本をよく読むけど、仕事を始めてからあまり読めなくなってしまったし、日記blogで感想を書いたり、月ごとに読んだ本の題名をメモしているので、そこから手帳にも記録するように習慣づけるようにしたのだ。
で、『セブンソード』の原作であり、金庸と共に香港の武侠小説界を代表する作家、梁羽生の初邦訳作品であるこの『七剣下天山』を読み始めたのは年度末の3月30日。そして昨日読み終わったので、読了までにちょうど2ヵ月かかっている計算になる。…うーん、昨年ヒーヒー言いながら『碧血剣』を1年かけて読んだから、それに比べれば早い方だけど、武侠小説って読むための時間をとって一気に読まないと面白くないよなーって思った次第なのであった。

梁羽生といえば、我々香港電影迷の間ではレスリーの『キラーウルフ』の原作、『白髪魔女伝』の作者として知られているが、これまで金庸や古龍が日本に紹介されていても、なぜか邦訳が紹介されなかった。なんでだろう?でも、『セブンソード』が公開されたのをきっかけで邦訳がやっと刊行。こういう機会でもないと読めないので、これは嬉しかったな。で、読んでみた。

七剣下天山 上
梁 羽生著 / 土屋 文子監訳
徳間書店 (2005.10)
通常2-3日以内に発送します。
七剣下天山 下
梁 羽生著 / 土屋 文子監訳
徳間書店 (2005.10)
通常2-3日以内に発送します。

…ははははは、これまでの経験からして、武侠ものの場合は映画と小説とでは話はだいぶ違うだろうと覚悟していたけど、全っ然話が違うよなー(爆)!映画の登場人物の名前はほとんど登場するのに、そもそも役割が違う。(傅青主の役割はあまり変わっていないが)ネタバレで書いてしまうけど、映画でリヨンが演じた楊雲ツォン(「ツォン」は馬ヘンに總のつくりの部分)は序章で死んじゃっているし(本編では彼と恋人の満州族の女性の間にできた少女、易蘭珠が活躍する)、韓志邦と劉郁芳は共に天地会に属しているけど夫婦ではない。ドニーさんが演じた楚昭南は楊の死後、天山派を裏切っちゃって清朝に仕えてしまっているし(彼が高麗人という設定はどこにも書かれていなかったような…。これは大韓女優を違和感なく映画に登場させるためのオリジナル設定か?)、辛龍子はじいさんキャラだし、チャーリーが演じた武元英はもともと男性キャラ。(それならば彼女に劉郁芳を演じさせるべきだったのでは?)しかも本編での活躍は少ない。そして、原作でこの物語の中心になるのは楊に娘を託され、彼の死を看取った侠客凌未風なんだけど、彼こそがダンカンくんが演じた穆郎だったのである。確かどっかでダンカン君が「『七剣2』はボクが主役」みたいなことを言っていたんだけど、それって原作通りってことになるんだな、ほー。すると2では最初でリヨンが死に、ドニーさんが敵役になるってことか?

清朝の軍と対立する漢人の侠客たちという物語のアウトラインは全く同じだし、金庸の武侠小説にも、反清復明を御旗に揚げた侠客たちの活躍するものが多い。しかし、この小説では清を支配する満州族の人間にも、漢人の侠客たちと愛し合ったり理解を示す人間が少ないながらも登場する。楊が愛した満州族杭州総兵納蘭明慧(つまり易蘭珠の母)や彼女の甥の詩人容若などがそれ。こういう登場人物がいるため、満州族についてのイメージはそれほどマイナスにはならないのかも。(これは大和民族ののん気な視点だけどね。当の漢民族はどんな思いでこれを読むのかな?)

ところでこの小説は、「天山系列」というシリーズものであり、あの『白髪魔女伝』の直接の続編にあたるため、『キラーウルフ』の御馴染の宿命の恋人たち、卓一航と蓮霓裳こと白髪魔女の名前もあちこちに見られる。白髪魔女の弟子である飛紅巾(彼女もまた白髪)は楊に恋していたが…という師匠の恋をなぞったようなエピソードも登場し、最後の最後には一航と白髪魔女が思わぬ形で登場する。これにはビックリしたし、『キラーウルフ』が観たくなったのはいうまでもない。
初見は10年くらい前だからすっかり忘れているし、感想もまだ書いていないから、今度改めて見直そうかな。

このつぎはいよいよ『射鵰英雄伝』に取り掛かりたいんだが、仕事のあるときはやっぱり落ち着いて読めない。というわけで、仕事が楽になって長時間の移動や空き時間が増える夏に一気読みしようと決意した。以前と同じように市立図書館で借りようか、それとも文庫を買ったほうがいいかは悩むところだけどね。

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原作をがらりといじるのがデフォなのかな? [続きを読む]

受信: 2006.06.04 20:46

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