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『Heroes of earth 蓋世英雄』王力宏

いよいよ今日から宏くんことリーホンが日本上陸。まずは名古屋から始まるそうで、中部&関西方面の宏ファン&中華芸能好きは盛り上がっている頃でしょうか。金曜の東京演唱会、楽しみだなぁ(*^_^*)。
そんななか、やーっとのことで宏くんの新譜『蓋世英雄』を日本盤で買った次第。そーいやぁジェイの新譜も演唱会直前に買って、集中的に聴いていたんだっけなぁ。

Heroesofearth

心中的日月(心の月)』から1年を待たずして作られたこの新譜は、前作で見られた、中華的伝統音楽と現代ポップスの融合をさらに実験的に推し進めたもの。
中国の伝統的民謡「草原情歌」をミックスドアップしたり、チベット合唱など中華エスニックのテイストを取り入れた前作から進化して、今作ではなんと、京劇をHIPHOPに取り入れるという大胆な手法(これらの流れは名付けて“chinked-out”というらしい。chinkというのは欧米世界における中華民族の蔑称らしいが、あえてこの言葉を使っているとのこと)に挑戦している。中華と西洋の融合といえばジェイの『霍元甲』もそうだけど、かの曲は中華メロディ&ハードロックというスタイルのアグレッシブな曲だったっけ。それを考えると、こっちはまた違う感じなのだ。

五月天の阿信の詞による1曲目『在梅邊』は、出だしこそバッシバシに京劇(正確に言えば崑曲)のお囃子で、中華趣味者としてはそこだけでかなりワクワクするのに、歌い出しで「なにぃ!?そう来るか!」と驚かされ、そこから最後までとにかく驚かされまくるという恐ろしい(こらこら)曲。…なんかうまく表現できなくてごめんなさい。この驚きは次の『花田錯』、そしてタイトルトラックの『蓋世英雄』まで引きずられる。この曲こそ、彼の歌う“chinked-out”の精神を込めた、まさに一曲入魂なナンバーなのね。ああ、『覇王別姫』をモチーフにしたというのは、まさにですわね。これは後ほど詳述しますが。ところで、フィーチャリングされているラッパーの“ジン”こと歐陽靖って、うっかり“歐陽峰”かと思ってしまいました。すまーん。
もちろん、宏くんお得意のバラードも健在だし、メッセージ性が高い曲も入っている。…しかし『譲開』で「華流が終わっているならchinked-outだ」という意味の詞があって、日本語訳とオリジナルを比べたらまさに同じだったので、台湾でも“華流”って単語がもうすでに根付いているのか?と疑問に思った次第。ああ、確かにそう言いたい気持ちはわかるぜ、宏よ。宏はまさに宏だ。そして、このサウンドはやっぱり彼にしか作れない。
ゴスペラーズとコラボした『愛にゆこう』は『心中的日月』収録の『forever love』のセルフカバー。宏くんの日本語の歌い方に違和感がないのは、日本語アルバム『Hear My Voice』や2年前のライヴの時にも思ったけど、その歌声がゴスの皆さんにも負けていない!と感じたのは、単に自分が彼をヒイキしているからでしょうか(笑)?曲調もゴスっぽい感じがするので、この曲でコラボっていう選択は大正解。しかーし、歌詞を見ないで聴くと、「♪こーぼーれー落ーちた言葉をー、愛にー」って聞こえちゃうんですが。わはははは。

このところ、ずっと考えてきたのには、同じHIPHOPやR&Bを楽曲に取り入れながらも、ジェイと宏くんとではやっぱり全く違うもんだよなーということだったりする。
個人的にはゴリゴリのHIPHOPが苦手なので、日本やアメリカのこのへんのアーティストでは誰が誰だか全くわからんちんな状態になっているのは事実である(まーもう若くないから、自分)。でも、宏くんとジェイは、それをやってもあまり気にならないし、二人の生い立ちや音楽の土台が全く違っていることもあって、宏くんは宏くんのよさがあり、ジェイにはジェイのよさがあるんだなーと思う次第なのである。もっとはしょって言えば、二人とも音楽に対してすっごく真摯な姿勢で臨んでいるんだなぁという印象。なんてね。もっともなによりも、歌う当人の姿を眼にすると、確かに嬉しくなってしまって大好きになるってーのもあるか。ははは。思えばレスリーも學友さんも、舞台で歌う姿を見てググッと心にきたもんだったからね。

ブックレットの最後には、宏くんが愛し、インスパイアされ、リスペクトしている“heroes of my world”が列挙されている。二人のおばあちゃんを始め、彼が師事を受けた先生方や一緒にアルバムを作った人々、阿妹(多分)やジョリーン(これも多分)やデビタオさんや順子や孫燕姿など多くの台湾アーティストに混じって、今やオスカー監督のブロークバック李安さんとレスリーの名前があった。…そういえば宏くんはレスリーに縁が深い。それを思って『覇王別姫』をモチーフに使っている『蓋世英雄』を聴きなおすと、ああ、そうか…なんて気分になって、なぜかしんみりしてしまうのであった。レスリーの名の後に書かれた「you continue to inspire us」の言葉にもシミジミさせられますわ。

おまけのDVDはまだ観ておりませぬ。これについては宏演唱会の後に、改めて感想を書かせていただきます。

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コメント

もとはしさま。
大阪公演、堪能してきました。
帰ってきて、読み納得しきり。ジェイとリーホンはテイストは違えど、取り組む姿勢は共通ですよね。
リーホン、初コンサ(そして、初生中華明星)で思ったのは、持っている音楽性が広い!驚きの時間を過ごしました。

歐陽靖・・・私もCD聴いた時に思わず「え?」となりました(笑)

東京公演、楽しんできてくださいm(__)m

投稿: 東雲 | 2006.04.21 01:52

大阪遠征、お疲れさまでした。
ただいま東京演唱会の記事を考えて書いているところですが(アップは明日以降)、2年前のコンサートで味わえなかったダンスなども見られて満足です。記事にも少し書きましたが、やっぱりホールコンサートはいいなーと思った次第です。二の腕もちゃーんと見せてくれたし(^_^)


投稿: もとはし | 2006.04.23 22:19

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