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2006年3月

納得できないとは言わないけど、それでも腑に落ちないんだよね。

warner sistersさん経由で見た、ワーナー・ブラザーズ宣伝の方のblogより。

リンク: ジェイ・チョウの楽曲がビデオ/DVDに採用決定 ワーナー・ブラザース映画 宣伝マン日記/ウェブリブログ.

ただいま公開中の『SPIRIT』のエンディングテーマ曲を差し替えた件について、
ジェイ・チョウの楽曲は、もともと東南アジア以外の国では使用できない契約に
なっているため
日本では日本のアーティストの楽曲を使用することになりました。
いろいろと憶測が飛び交っておりましたが、あくまでも契約上の問題であることを
改めてご理解ください。

…うーーーーーーーーーん。

いや、あれこれとワガママや文句を言うわけじゃないんですよ。契約上の問題云々って言うのはこっちもよくわかっているんですよ。

でもね、リンチェイ自身が渾身の一作と言い切って、その映画に賭ける思いをジェイの主題歌に託し、それに応えた彼があれだけ映画にマッチした曲を作り上げたのだから、それを「ジェイ・チョウの楽曲は、もともと東南アジア以外の国では使用できない契約になっている」理由から日本じゃ差し替えたと言うのは、なんだか配給側の、映画作品そのものに対する愛が足りないんじゃないかって思っちゃうんですよ
それならば配給側は、公開決定時になんとか交渉して、契約権をクリアする努力をすべきだったのではないのでしょうか。

しかし、この「契約」、ジェイの楽曲全てが「東南アジア以外の国では使用できない」契約になっているのでしょうか?今、ジェイは張藝謀監督の新作《満城尽帯黄金甲》の撮影に入っていますけど、この「契約」がそのようなものであったなら、もしもこの映画の日本公開が決まり、ジェイがこの映画の主題歌を歌うことになった時、またこういう問題が起こってしまうのではないでしょうか?

『イニD』が吹替版公開メインでジェイの歌が聴けず、『SPIRIT』でそのガッカリが再び実現してしまった今、もう同じことは3回も繰り返してほしくないです。
ワーナーさんを始めとした配給会社さん、ワタシたち映画ファンをガッカリさせることのないよう、今後はしっかりした交渉をお願いします!

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陳奕迅の國語CDと広東語ベスト盤入手。

イーソンのCD。

実家にはジェイの『葉恵美』以降と南拳2枚、そして杉浦先輩(こらこら)のCDを持っていき、弟と一緒にフォーフォー歌っていた。(一部誇張表現あり) そして弟からはイーソンの國語(北京語)CD『黒白灰』と広東語ベスト盤『eason 4 a change&hits』を提供してもらった。近日感想をアップしますね。

しかし、イーソンを聴くのはホントに久しぶりだなぁ…。夏に香港に行けたら、なんかCD買ってくるかな。

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マクダル パイナップルパン王子(2004/香港)

すまん、ベタだとは思うが単刀直入に素直な感想を先に書く。

すみません、泣きました!

ああ、『愛していると、もう一度』でも『忘不了』でも泣かなかった、この自分が!…でも、実写の映画じゃなくてアニメで泣いているわけだから、やっぱり天邪鬼(てゆーか子供?)じゃないのか、という気もあるような気がする。
というわけで、『マクダル パイナップルパン王子』を観てきた。長編アニメ第1作『マイライフ・アズ・マクダル』も日本公開が決定したそうでめでたい。

子ブタのマクダル(レイ・ウィンイン)は大角咀にシングルマザーのママ(サンドラ)と暮らし、春田花花幼稚園に通っている。ところが、大角咀一帯が都市再開発地区に指定されてしまう。そのころからマクダルは貧乏ゆすりをするようになり、ママは心配する。
墓地を買ったママは、マクダルに自分の夫マクビン(アンディ)を主人公にした話をする。「昔、王子様がいました。王子様は成長して、オヤジになりました。おしまい」
「ママー、ハリー・ポッターを読んでよー」とねだるマクダルに耳も貸さず、ママは「パイナップルパン王子」の話をする。ボーッとしたパイナップルパン王子は母の皇后(サンドラ)により、外の世界にお供のおじさん(秋生さん)と共に旅に出たが、不慮の事故によりおじさんが倒れ、王子は香港の街にたどり着く。そこで助けてくれたのはピザ屋のデリバリーをやっているピザファイ(チョイ・ジンナム)。彼は王子を王宮に戻す努力をしたが、王子はそのまま香港に居つき、成長してコックのマクビンとなった。彼は若き日のママ、玉蓮(dejay/the pancakes)と恋に落ちて結婚したが、結婚写真を撮っているときにピザファイと再会し、実は生きていたおじさんと共に、失った過去の自分を取り戻すために妻の前から姿を消してしまうのであった…。

「100%香港製造動画」は伊達じゃない。動物と人間が共存(?)する香港の街はびっくりするほどリアル。さらにその街が王国に変わっていくさまを見ると、こういう発想は実写映画じゃできないもんな、と感心させられたもんだった。クラシックをベースにものすごい突飛な歌詞を載せた音楽も秀逸。(サントラが欲しい!)
そんなところに感心しつつ、物語には思いっきりつかまれた。王家衛の作風(特に『楽園の瑕』!)にたとえられるのもわかる。『楽園』や『ラヴソング』など、香港返還前後に作られた香港映画で描かれたテーマや空気をアニメで描き出すなんて、かなりチャレンジングなのではないか。

思いっきりロマンティストの夫と、思いっきりリアリストの妻。マクビンと玉蓮のカップルには、香港、いや世界中の男女に通じる雰囲気を持ち合わせている。このことを思えば彼らの別離は充分わかっていた展開ではあったんだけど、マクビンが玉蓮に残した手紙のくだりで大泣きしてしまったのだ。あのアンディの語りで
…なんでなのかなぁ、自分がマクビンの気持ちに共鳴したからなのかなぁ。このままでいいのか、という不安定な気持ちがシンクロしたのかな。でも、なぜ泣いたのかは自分でもよくわからない。もう一度観たら答えが見えるかな…。

もちろん、泣いていたばかりじゃなくて大笑いしたのは言うまでもない。
幼稚園での、ミス・チェンと校長先生(秋生さん)による「マルチ教育式会話術(という名のクレームのつけ方や言い逃れの仕方)」には大笑いしたし、あまりにもうっかり(でもブラック)したお供のおじさんの最期とか、結婚写真を撮るときに、玉蓮が「華仔[ロ阿]~」と呟くところとか、大笑いしたもの。
当初はレスリーにマクビンをお願いする予定だったというけど、レスリーだったらもっと大泣きしていたかもなぁ。いや、もちろんアンディもよかったのよ、彼の名誉のために行っておくけど。秋生さんはうまい。特徴的な声してるよね。ママとお医者さんや屋台のおじさんとの会話(というかマシンガントーク)は大ウケだった。

原題&英題:麥兜 菠蘿油王子
監督:トー・ユエン 製作&原作&脚本:ブライアン・ツェー 原作&美術:アリス・マク 音楽:スティーブ・ホー 主題歌:the pancakes
声の出演:アンディ・ラウ サンドラ・ン アンソニー・ウォン レイ・ウィンイン チョイ・ジンナム the pancakes チェット・ラム ジャン・ラム 

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Wing Shya Exhibitionを見てきました。

今日から春休みなので帰省してます。ホントは関西方面に旅行したかったんだけどね(;_;)。

でも、せっかく関東方面に出たので、ヒルズまで出て、ウィン・シャ エキシビションを見てきた。入り口までは人も多かったのに、いざ入ったらほぼ貸し切り状態だったのはなぜ?(苦笑)せっかくの日曜の午後なのに。

pht0603261240.jpg

写真展の構成は、撮りおろしの新作(含む某日本明星)組写真と、『ブエノスアイレス』『花様年華』『2046』『エロス』等、王家衛作品でお馴染のスチール群、新作のメイキング映像、そしてレスリーの秘蔵写真。

そうそう、↓この写真集はウィン・シャの撮影だったっけ。(持っていないけど…)

オンライン書店ビーケーワン:慶

某日本明星の写真には何とも思わなかったんだが(すまん)、新作写真で印象的だったのは桂林とパリで撮った写真を組にしたマギーの“Anticipation”と、テレンスを主役に迎え、日本のアーティストが描いたショートストーリー『Angelmask』を写真で映像化した“Abomination”。少林寺の少年たちが主人公の“Redemption”はなんかエロティックだった…。ゲイっぽいというよりホモソーシャルかな。

スチールは見慣れたものばかりだったけど、『ブエノスアイレス』のアートブックやスチールで写っていた「ウィンが撮った(らしき)ポラロイド」があったのにちょっと驚く。後姿のレスリーの丸い肩を写したスチールにちょっと切なくなる。
ええ、もちろんレスリーの写真たちには胸がキュンとしましたよ。会場係のお兄さんがそばにいたから、泣くまでにはいたらなかったけどね…。

いい気分になってゆったり見られたけど、もうちょっと出品作品が多くてもよかったんじゃないかなぁ。Shya-la-laのデザインワークなんかもじっくり見たかったもんだ。

ミュージアムショップでは全出品作のカタログがなかったのが残念だったけど、その代わりに新作写真を抜粋したカタログ「Distraction/attraction」と、7年前に発行された軽装の写真集「wink」を購入。…よく考えれば『ブエノス』も『花様年華』も『2046』も彼の手による写真集を持っていたからね。ははは。

DSCF0181 

↑本日購入したブツ&2種類あったチラシ。赤いチラシの被写体はコン・リー姐さんだとか。

明日は『マクダル』を観に行く予定です。

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今年の金像ポスター、去年よりよくない?(苦笑)

今年の金像ポスターの話がgicchaさんのblogで取り上げられていたので、思わずワタシも探してきました。
新浪網(但し、めちゃ重いです)より。

kinzo2006_1 
主演男優な奴ら。家輝はちゃーんと二人登場。偉い。個人的にはアーロンのポーズがなんか気に入ってます。アンディ&ヤムヤム、かっこええー。
…これを見ると、昨年のボーダージャンパー(わかる人にはわかるネタですね)はいったい何だったんだろうと思う今日この頃(笑)。

こちらは新人賞の皆さん。

kinzo2006_2

女子の皆さんがクールなのでジェイがイマイチ目立た…ってことはないっすね。冗談ですって(^_^;)A。ジェイの後ろに座っている子がイザベラちゃんです。

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SPIRIT(2006/中国)

♪霍霍霍霍霍霍霍霍(フォーフォーフォフォー、フォーフォフォーフォー)!
…もう最近すっかりこればっかで、どーもすみません。

昨日は年度末の忙しい時期に仕事場でちょっとショックなことがあり、凹んでしまったので、自分を鼓舞するために『SPIRIT/霍元甲』を観に行った。…ええ、もちろんポータブルCDを携えて(なぜそうならざるを得なかったのかという詳細はこちらこちらをどうぞ)。
帰り道に歌うは当然、♪霍霍霍霍霍霍霍霍!「そうさ、やっぱり強いばかりがいいわけなんかじゃないんだよねリンチェイ、そして霍師傳!」と夜空を仰いだものだった…いや、星は出ていなかったけどさ。

19世紀末の清国・天津。霍家拳の宗家に生まれた霍元甲(フォ・ユアンチアと読む)は、師匠である父(コリン・チョウ)に憧れ、強くなりたいと思っていた。母親は喘息持ちで体の弱い元甲の身を案じながらも、「武道に力の強さを求めてはいけない、鍛えるのは自分の精神であり本当の敵は自分自身である」というようなことを言って諭す。父に拒まれても元甲は自らを鍛え、天津一の武術家を目指した。
成長し、宗家の主となった元甲(リンチェイ)は、天津の街の圓環に作られた決闘台で、かつて父親が負けた趙家拳の宗家の息子を始め、多くの武道家を倒してきた。しかし、その決闘で38連勝を喫し、弟子も増えて自惚れも芽生え始めてきた。
そんな折、ベテランの武道家の秦に元甲の弟子が倒されるという知らせが彼の耳に入る。元甲は友人・農勁[艸/孫](董勇)の経営する料亭にいた秦に、一方的に決闘を申し込む。怒りと侮辱で元甲は理性を失い、秦にとどめを刺してしまう。翌日、元甲が家に帰ると、目にしたものは母と最愛の娘の死骸だった。秦の義理の息子の報復であり、彼は屋敷に押し入った元甲と自分の妻子の目の前で自害する。さらに弟子が秦に倒された真実を知り、元甲は茫然とする。
罪悪感のあまり、元甲は天津を離れて放浪する。たどり着いたのは雲南省(多分)の少数民族の村。盲目の少女月慈(孫儷)とその祖母に助けられ、村の人々と自給自足の生活を共にする。失意の元甲を癒したのは、彼らの優しさと雄大な自然だった。彼はそこでやっと、亡き母が幼い自分に言い聞かせた言葉の意味を悟ったのだ。
村で数年を過ごした後、元甲は天津に戻る。清国の凋落により、故郷は変わってしまっていた。新聞では西洋のプロレスラー、ヘラクレス・オブライアン(ネイサン・ジョーンズ)が中国人武道家を次々と倒しているという記事が載っていた。これを見た元甲は絶交した農に金を借り、上海へ。彼に「東洋の病人」と罵倒された清国の人々のプライドを背負って、元甲はレスラーと戦い、見事に倒す。しかし、以前の元甲とは違い、彼は自分に反則すれすれの技を仕掛けてきて自爆しそうになった相手を助け、その戦いと相手を称えたのだ。元甲は上海に居を定め、知育・徳育・体育の三育の養成を目的とした「精武体育会」を建立し、彼を追いかけてきた農をパートナーにして、フェアプレイをモットーとした武道家の養成に心血を注ぐ。
しかし、彼の登場を快く思わなかったのは、疲労した清国を植民地化しようと企んでいた欧米列強の商人たちだった。日本人豪商の三田龍一(原田眞人)を含む彼らは、元甲に列強+日本の格闘家4人と対決する世界初の異種格闘技戦を提案する。相手は4人、対して元甲はたった1人で舞台に上がる。この試合が明らかに不利な戦いであることは、農はもちろん、彼の最後の対戦相手である日本人武道家・田中安野(獅童くん)も気づいていた。しかし、元甲はそれを承知で、戦いの場に身を投じたのである…!

まずは時事ネタ的感想。
この“世界初の異種格闘技戦”を始めとした欧米列強の企みに、なんだかワールド・クラシック・ベースボールにおけるホスト国(米国)のたくらみに共通するものを感じたのはワタシだけでせうか…?(苦笑)だってさー、自国に有利なルールをムリヤリ作り出し、自国が明らかに勝ちそうな組み合わせをして、自国に有利な審判に判断を仰いでどーも納得いかない判定ばっかり出させたんでしょ?せっかくの世界野球なのにそんなことやっちゃダメだよぉ。それが原因で決勝リーグに敗退したって思えば、まさに「自作自受(自業自得)」なわけで。まぁ、「いろんな小細工にも負けず、マッチョ野郎どもに敢然と立ち向かう小柄なアジア人」という、米国進出後のリンチェイ映画でも御馴染の公式は、なんか今回の世界野球にも通じるんじゃないかなーっと…って多少暴言っぽいんだけど(すまん)。あ、日本が優勝したの?よかったねー。
とと、話がずれていくので元に戻そう。

でも、これは決して格闘だけの映画ではない。一人の人間の傲慢と墜落、そして再生とリベンジを描いた映画だ。
「男は、ただ強いだけではいいわけじゃない。勝負に勝つだけじゃダメだ。」
これがワタシの基本的な考えだ。これについて考えるのはアクションものやヒーローものを観たときなのだが、最近では『力道山』(リンクは非中華blogでの感想)にて、自らの出自を隠し、逆境を乗り越えるために勝ち続けるものの、勝ちにこだわることでさまざまなものを失っていった主人公の力道山に対して「なんでアナタはそこまで勝つことにこだわるんだ!」と心の中で彼に問うてみた。…もちろん、力道山はそれに答えてくれなかったが(^_^;)。
この映画では、ワタシのそんな問いに答えてくれた。1対1のガチンコバトルには、相手に対して尊敬を持って戦い、完膚なきまでに叩きのめすのではなく、勝負がついた後は相手の勇気を称賛する。そして敗者もまた、勝者に対して心から感謝し、彼を称える。これぞまさしくフェアプレイ。ともすれば国際関係の縮図のように比喩されてしまうオリンピックやワールドカップは決して国同士の代理戦争ではなく、本来の意味では異なる国や民族や人種が集って公正に戦い、相手をリスペクトするというイベントなのではないだろうか。ただ力が強いだけではなく、自分の精神的弱さを克服し、ルールを守って戦って、勝っても破れても相手に敬意を表することが真の強さではないのか、ということを、この“最後の武道映画”を通じてリンチェイは言いたかったんじゃないかと思うし、彼の考えがワタシの思いに対しての模範回答を示してくれたような気がした。

(注・この後、多少のネタばれあり。未見の方は読むのを控えてください)

一度は自らの強さに溺れたために、愛するものを失った霍元甲。そんな彼が人のやさしさに触れて再生し、そこで悟ったことを若い者に伝えていこうとして、自ら戦いの場に戻ってくる。ストーリーとしてはそんなに目新しいものではないけど、それをシンプルに描いていることで、思いがストレートに届いてくる。監督が久々の中国語映画になるロニー・ユーさん(レスリーの『キラーウルフ』や『夜半歌聲』で御馴染。ハリウッドでは『フレディVSジェイソン』とか、ロバート・カーライルの『ケミカル51』などを作っていたらしい)ということもあって、プロデューサーも兼ねたリンチェイの思いを汲み取ってうまくまとめているなぁと思ったもんだった。撮影も香港映画では御馴染のプーン・ハンサンさんだし、映像的には安心して見られる。ビックリしたのは田中さんの衣裳デザインをワダエミさんが手がけていることだけど、よく考えれば彼女、ロニーさんとは旧知の仲だもんな。

リンチェイはやっぱり素晴らしい!序盤からのアクションの美しさにも思わず惚れ惚れしちゃったし、『英雄』や『ダニー・ザ・ドッグ』でも見られた、ドラマ部分の演技の細やかさにもさらに磨きがかかっていてホントによかった。アクションや格闘技にひかれて劇場に足を運んだ男子どもよ、こーゆーところにも注目しないと彼女を落とせないぞ。…いや、あそこまで頑なに禁欲的になれってわけじゃないけどさぁ(^_^;)。
他のキャストでは勢いで絶交しても元甲に献身する心優しき(ホモソーシャルな?)親友、農がよかったねぇ。演ずる董勇さん、わりとよく見る顔?と思っていたら、大陸のTV俳優さんらしい。月慈ちゃんを演じる孫儷ちゃんは、日本でもBSデジタルで放映された大陸ドラマ『1メートルの光』でピーターくんの相手役だった子とか。なんとなく緒川たまき嬢を思わせる雰囲気。
そして獅堂くんですが…しょうがないとは思うがヘンな名前だよね、田中安野(あんの)。名前の後ろに思わず「秀明」とか「モヨコ」とかつけたくなるじゃないか(爆&意味不明ですまん)。まーねー、中国語はねー、頑張ってはいたけど確かにヘタクソでしたよ(暴言)、 『無極』の真田さんばりの発音&感情を求めてはいけないっていうのはわかっているけど。役柄としてはあれでいいのではないのでしょうか。いくら列強と共謀している連中からの刺客とはいえ、武道家、いや一人の人間として、元甲と共鳴しあい、世界にリスペクトされるべき美しい日本人の姿をうまく体現しているのだから。彼がいるからかえって原田監督演じる三田さんのダーティさ(これって以前彼が演じた『ラストサムライ』の大村と同じ役回りなんだよね)が際立っちゃって、人によっては「この映画の悪役は日本人」すなわち「反日映画じゃん!」なんていう曲解も出てきてしまうんだろうけどさ。
これは中国を日本や他の国に入れ替えても不自然にはならない物語だし、世界共通の普遍的なメッセージだってこめられている。決して反日映画なんかじゃないんだ。(特にぷちナショ気味な方にはわかってほしいんだけど)
確かにこれまでの“霍元甲伝説”や李小龍さんの『ドラゴン怒りの鉄拳』で描かれたような「日本人による毒殺説」がほのめかされるような場面もあるんだけど、これはあくまでもうわさであって本当のことではないらしい。
もしかして配給先さんもそう考えちゃって、主題歌差し替えなんて暴挙に出ちまったんじゃないだろうか。それがホントだったら、ワタシは田中さんが三田さんを罵倒したのと同じ言葉を配給会社に対して言うよ。

だからワタシは、この物語を観終えた後、いろんな思惑で差し替えられてしまった日本版主題歌を、ハイカラさんたちには本当に申し訳ないけど、聴きたくなかった。事情を知っていることもあり、聞いたら絶対愚痴を言いたくなるからだ。ラストの字幕を見守りながら、イヤホンを耳に入れ、ポータブルCDのリモコンスイッチを入れて耳を手でふさぎ、ジェイの歌声とハードな中華サウンドに耳を傾けたのだった。そのサウンドは梅林さんの手堅い劇中音楽ともうまくバランスがとれていて、いい雰囲気だった。
今後はこんなマナー違反みたいなことをせずに、手を膝の上に置いたまま、正々堂々とジェイの主題歌にのせてエンドクレジットを見守りたいものだ。

というわけで、最後に改めて主張したい。

本blogは、この日本で映画『SPIRIT』がオリジナルの形で上映されることを心から希望しております!

原題&英題:霍元甲(fearless)
監督&製作:ロニー・ユー  製作&主演:ジェット・リー 製作:ビル・コン 脚本:クリスティン・トウ&クリス・チョウ 撮影:プーン・ハンサン アクション指導:ユエン・ウーピン 衣裳:トーマス・チョン&ワダエミ 音楽:梅林 茂 オリジナル主題歌:『霍元甲』ジェイ・チョウ
出演:リー・リンチェイ(ジェット・リー) スン・リー ドン・ヨン コリン・チョウ 中村獅童 ネイサン・ジョーンズ 原田眞人

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続『霍元甲』(PV集&香港演唱会ハイライト)

♪霍霍霍霍霍霍霍霍!とまずは一発吼えておこう(笑)。

間が開いた上に、南拳の感想を先にアップしちゃったので遅くなったけど、日本では来月CDつきDVD(?)として発売される『霍元甲』の、『11月的蕭邦』PV集&香港演唱会ハイライトの感想を。なお、以前書いた『11月的蕭邦』ですでに『夜曲』『髪如雪』『四面楚歌』『一路向北』の感想は書いているので今回はパス。

『藍色風暴』はペプシのコマーシャルソングだったらしいので、それを意識したかと思いきや、いい意味で裏切られる(いや、実際これがCM映像だったの?違うよね?)。モチーフはアルバムのコンセプトと同じロマン派調。でもちょっとパンク系&特撮入ってるモード(笑)。雷を帯びて帯電しているジェイに「今だジェイ、そこで変身しろ!」とわけのわからんツッコミを入れる(爆)。レザージャケットの背中に背負った字は「戦争」…うむむ。
『黒色毛衣』は『四面楚歌』と同じヴェネチアロケ。(ついでに撮ったのか?)衣装がHIPHOPなのに、なぜヴェネチアの風景とこの曲調に馴染むんだ?不思議だ。
『楓』はドラマ仕立て。美容師ジェイとその友人がお客の女の子が好きになって、アプローチが積極的だった友人がその子にプロポーズして…という話。ラストは「…あれ?これはどっかで見たことあるような?」という気になったんだが。しかしジェイの家という設定の日本家屋ふうの家、あれはもしかしたら山田太郎くんの家では?
間違い電話から恋が始まる『浪漫手機』。相手役、広東語喋っていたけど香港のタレントか?あと、二人が自転車で走る並木道はこれまた『山田太郎』に出てきた大学の小道では?
『逆鱗』は、…うーん、こーゆーのがHIPHOPのPVの王道パターンだよなぁ。宇豪くん演じるいじめられっ子のピザ屋バイトくんとその友人ジェイが音楽でいじめっ子を撃退する。いわゆる「ディスる」ってやつですわね。血が流れなくてよかったよかった。(アメリカのHIPHOPのPVでは結構血が流れてたような気がするので)
『麦芽糖』はさらに南拳の野郎ども3人が出演。ジェイのヴォーカル、宇豪のアコーディオン、張傑のギター、弾頭のドラムという“なんちゃってびーとるず?”と絵の中から出てきた美女3人組の夢のお話。意外にもマッシュルームのヅラが似合う弾頭、大いに笑わせます。
ピアノ弾き語りのジェイとLaraちゃんがライブで歌うという仕立てになっている『珊瑚海』。なんとこのPVには作詞の方文山さん自らがご登場(&監督も)らしく、熱帯魚店を舞台にした恋物語の主人公(友人役はジェイ)となり、失恋した想いをジェイの曲の詞に託す…という設定。もちろん、フィクションだよねぇ、ねぇ文山さん?
『飄移』のPV演出は我らがアンドリューさん。さすがはカメラマン出身。映像がイケてます。オリジナルのイニDが好きな人にも見てほしいかな。
香港演唱会は、ほー、日本の演唱会と構成は変わらないけど、やっぱり紅館だけあってスケールがでかい。『以父之名』の十字架ゴンドラ、座れるほどでかいんだもの。あとはやっぱり握手タイムよね、これは日本じゃ絶対できない。(除くレスリー。苦笑)

ざっとこんな感じだけど、改めて思ったこと。
ジェイの胸筋って立派だねー。『髪如雪』で再確認してしまった。…いや、別に胸筋が立派な人が好みってわけじゃないんだが(笑)。

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『2号餐』南拳媽媽

普通、ミュージシャンがバンドという形態をとる場合は、メンバーの誰かが脱退したら解散するか、あるいはサポートミュージシャンを入れてバンドの色を変えようとしない努力をすることが多い。デビューしたてのバンドでもインディーズでの活躍が長かったりすると、そういう努力をすることがよくある。しかし、04年にデビューしたバンドユニット南拳媽媽の場合、結成1年で早くもメンバーが交代し、前作の色合いを残しながらも、見事に生まれ変わって(進化して、というべき?)しまったなぁ、と、待望のセカンドアルバム『2号餐』を聴いて思ったものだった。…というより、あまりバンドの色にこだわっていないのかキミたち?

ジェイの演唱会ディレクターである巨砲さんと、レコードエンジニアのGaryさんがサポートに回った新生南拳、彼らに代わってフロントに登場したのは美形ギタリストの張傑くん(見た感じは不機嫌な要潤…わはは)と、わずか17歳の歌姫Laraちゃん(以前も言ったように、彼女は元m-floのLisaを10歳若くして小さくした印象)。もちろん、やんちゃ少年ふうの弾頭くん、ジェイとの連弾はどうもお約束らしいピアニスト宇豪くんは健在。ジェイ演唱会に登場し、彼とさまざまな形で共演したのはこのメンバー。CDジャケットやビジュアルイメージも、ホントにこれ同じバンドなのか?って思うくらい一気にポップになってビックリ。

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宇豪くんが弾く切ないピアノソロで幕を開ける1曲目は、ジェイ演唱会で彼らがインターミッションに歌っていた『破曉(夜明け)』。あの時はPVもバックに流していて、うわー、カッコええなぁ、この子たちにジェイを加えて台湾版ライダーやらせたいよー、とかなり意味不明な賞賛をしたんだけど、曲を聴いてPVを観ると、あの時の思いが蘇っちまいますよー(笑)。宇豪くんと弾頭くんが前半を歌い、Laraちゃんがサビを歌う作りになっていて、3人ともちょっと歌声的にはまだまだかな?と感じることは多少あるけど、このドラマティックな作りの曲が新生南拳を象徴しているのではないかと思う。
特設サイトに流れている曲は、宇豪くんと弾頭くんによる『消失』。これは先の『南拳媽媽的夏天』で聴かれた曲群のテイストに通じるバラード。弾頭くんの声って、意外と甘い?PVはジェイが監督。
メインヴォーカルをとった曲を聴く限り、Laraちゃんは南拳のポップ担当らしい。(で、野郎3人がロック担当。笑)演唱会でも歌った『What Can I Do』(PVがかわいくて笑える)や自ら曲を手がけた『寫給巧克力的歌』などでよくわかる。…なんか、広末っぽいと言われるのわかるー。
張傑くんはギターだけかと思ったら歌も歌うわけで、もちろんソロ曲もあり。わりと正統派な曲を作る人?ってイメージ。
前作が野郎っぽいロックで全編をまとめていたので、それと比べればホントに「えー?」って感じで、前作が好きな人には、多分サウンド的に物足りないのでは?という感じもしたけど、このメンバーの今後の進化が楽しみでもある。まだまだ若いんだからねー、このメンツでもう1枚はアルバムを出してほしいもんだ。

最後にワタシのお気に入り曲へのコメントを。
『破曉』ももちろん気に入っているけど、ジェイで言えば『髪如雪』、宏くんで言えば『在那遥遠的地方』にあたりそうな中華テイストナンバーの『牡丹江』。同名の童謡をモチーフにした曲で、穏やかなメロディに弾頭くんとLaraちゃんのツインヴォーカルがいい感じにハマッている。ピアノがきれいだなーと思っていたら、こんなところでジェイが弾いていたよ。すげーさりげないぞ。

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『霍元甲』周杰倫

本blogは映画『SPIRIT』をオリジナルの形で上映されることを希望しております。

jay_spilogo 

記憶に新しいジェイの東京演唱会で、リンチェイの強力リコメンド映像と共に観客の心に強烈なインパクトを残した新曲『霍元甲』。かくいうワタシもあの♪霍霍霍霍霍霍霍霍!のフレーズ&豪快な太鼓さばきにやられ、これが『SPIRIT』のラストにかかるのか!カッコいいじゃねーか、これは映画が楽しみだと思い、HMVでCDを買わずに帰盛したのであるが…その後は、ええ、ご存知の通りの主題歌差し替え事件発生(詳しくはこの経緯をまとめて下さったwarner sisters様のblogをご覧下さい)。あまりもの理不尽さに「ごめんリンチェイ、『SPIRIT』は観ないかも!」と思わず叫んでいたのだけど、よくよく考えれば映画はちゃんと観るべきで、CDを入手してエンドタイトルの時に自分だけ聴けばいいことじゃないかと思い、初めてyesasiaに注文して購入したのだ。

jay_huo

…というわけでやっと届いたぞ、魂揺るがす霍霍霍霍霍霍霍霍
いやぁもう、すっかりヘヴィローテーションざんす。というわけで感想。今回はとりあえず曲とPVのみの感想。
DVDに収録されている『11月的蕭邦』全曲PV(これもすごいなー)と香港演唱会ハイライトは別記事にてアップします。

曲の一部は台湾アルファの特設サイト映画の予告編、そしてわざわざ「※本編では使われておりません」の字幕が追加されているTVCMで聴けるけど、通しで聴くとやっぱりいいんだわ、これが!あまりにご機嫌になりすぎて高めだった最高血圧も下がったくらいだよ!(嘘みたいな話だが、これは本当です)
台湾や中華圏では、この曲を「中華と西洋の音楽が出会って融合した!」といったような紹介がされていた(と思った)けど、世界初披露だった演唱会での曲を聴いた時点では、かなり中華っぽい度合いの方が強かったように感じたのね。でも、CDを聴くとかなりハードロック度の方が強い(HIPHOP度よりもね)。御馴染方文山さんが書いた歌詞もなかなかよい。女声の部分の歌詞なんて、字面を見る限りなかなかおセンチだし。
この歌はリンチェイ自らが「自分の最後のアクション映画のラストを飾る曲には、失意の若者を励ますという願いをこめたいと願って、人気と勢いのあるジェイに曲を依頼した(妻のニナがジェイ好きだというもう一つの理由もあり)と指名したこともあって、やはりリンチェイ迷であるジェイがそれに見事に応えた作りになっているなぁと思ったよね。ホントにそうなんだなって思った次第。
ジェイ自らが監督したPVは、映画の場面を交えながら(劇中シーンだけど、ちゃんと獅童くんも登場している)中華なお屋敷の中で歌うは踊るは扇を振るはブレイクダンスするはでめっちゃカッコいいし(月並みな形容詞の乱発でスマン)、本編の最後にこのPV流してくれよーって何度思ったことか。あ、ジェイの着ている緑色の上着ってチョットベロアっぽい(どーでもいいことだけど)。
C/Wは香港演唱会で歌った初(これは意外)の広東語曲『獻世』。小春に提供した曲らしい。作詞は広東ポップスといえばこの人!のこれまた御馴染林夕さん。
ちゃーんと伝統的広東語曲的メロディを踏襲しているように思えるのは気のせいか?

『霍元甲』が日本でエンディングに起用されなかったのは、日本でのジェイの知名度を知らなかったビルの計算違い(苦笑)とか、日本でこの曲が流せなかったという契約の問題(というわりになぜ予告編であれだけバンバン曲を使っているの?)とか、アメリカからプリントが届いた時にエンディングに何も曲が入っていなかった(だから最初のマスコミ試写では梅林さんのインストが流れたらしい)など、いろんなことを聞いて、それなりの大人の事情も見えてきたわけなんだけど、いくら欧米系の配給会社が世界に向けてその映画を発信するとはいっても、それをオリジナルな形で観たいと願うファンは必ずいる。そして、その形の映画をたまたま観た人が、中華電影や中華芸能の世界に足を踏み入れるきっかけになるかもしれないってことを、配給会社や製作会社、広告代理店には承知してほしいのだ。わざわざ「泣ける映画だと思う」なんて言わせなくていい。一人の格闘家の壮絶な生き方と、彼に思いを寄せた歌をそのまま見せるだけで充分じゃないかって思うんだ。

というわけで、ワタシは『SPIRIT』を観に行こうと思う。『霍元甲』のCDを携え、オリジナル版が観たいという意思表示をなんらかの形でするとして

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遺跡掘りララちゃん、中国へ行く。

…なんてことはない、昨日TVで『トゥームレイダー2』を観たのであった。(実はこの記事の最初のタイトルは『墓掘りララちゃん、…』だったんだが、それじゃあまりにもひどいだろうと考え直して急遽差し替え。ほほほほほ)

これは、いまや相方と合わせて“ブランジェリーナ”と呼ばれているらしい(笑)、オスカー女優アンジェリーナ・ジョリー小姐が、ほれどーだっ!と言わんばかりのナイスバディをピタピタコスチュームで包み、世界中の遺跡を暴きまくり、ご当地のお宝を掘りまくっては現地民に迷惑をかけ…いや本音を正直に書くな、もとい、遺跡に秘められた謎と財宝を求めて世界を駆ける英国人トレジャーハンター、ララ・クロフトを演じる人気ゲーム(って実はよー知らんが)の映画化第2弾。
いやー、秘宝を求めて大冒険のハリウッド映画っていったら、ワタシ的にはやっぱりインディ・ジョーンズ先生(第4弾はさすがに観たくないんだが…ホントにやるの?)とか、マイケル・ダグラス&キャスリーン・ターナーの『ロマンシング・ストーン』シリーズだろうとか言ってしまう古い人間でホントに申し訳ない。実際、アタシももうハリウッドの映画なんてあまり観なくなったし、アンジェ小姐の演技は認めても彼女が好きかと問われると微妙なので、このシリーズはちゃんと観ていない。
でも、なんで今回観たかというと、ええ、香港ロケと、ヤムヤム&テレンスが出演していたからざんすよ、なんといっても!おかげで『無間輪舞曲』をぶっ飛ばして観てしまいましたわ。

今回ララちゃんが挑むのが、ギリシャの海底から発掘した“パンドラの箱”のありかを示す球形の黄金「オーブ」の奪取。で、彼女が見つけたオーブを横取りしたのがヤムヤム(笑)。彼が演じたチェン・ロウ(って名前だったな)は世界的な墓荒らしで、世界制服を企む組織の依頼でそれを盗んだらしい。ララちゃんはチェンの組織にいた男(兼元彼。役名を忘れたわー)とコンビを組んでスカイダイビングで中国の奥地へ飛び、情報屋&武器調達屋のおばちゃんと会って、万里の長城をバイクでかっ飛ばす。…どーゆールートを使ってどこへ行くんだ、ララちゃんよぉ(笑)。
たどり着いた遺跡にはテレがいた!テレ、どーやらヤムヤムの弟役らしい。ヤムヤムはせっせと兵馬俑を掘り起こし中。(ところで今回ヤムヤムの名前が字幕で登場。これってすごいことじゃないか?)そしてオーブの在処を問うララちゃんと問答無用の戦闘!

あーっ、二人とも兵馬俑壊しすぎ!貴重な世界遺産候補が!(嘘)

オマエら二人ともホントにトレジャーハンターなのかよ、ボコボコお宝ぶっ壊すんじゃねーよ!
…あっという間に片がつく。ヤムヤム、死んだのか?いや、実は生きてるもんだと思いたい。
だけどオーブは弟のテレが持って上海へ!どーやら雇い主のボスに渡すようだ。ララと相方も上海へ!そして奪われたオーブを追って本拠地の香港へ!細菌培養施設(なんと街の中にある!いいのか香港政府、こんな暴挙を許して?)で大乱闘し、オーブの奪還に見事成功、そして中環で建設中のビル(香港島で一番高い世界経済貿易中心ビルか?)の屋上からまたまたダイビング!
オーブが指し示す光から、ララちゃんは“パンドラの箱”がアフリカにあることを知り、そのまま香港を去る…以下あらすじ略。

とまー、こんな感じだったんだけど、ヤムヤム&テレの出番は思ったより少なかったなぁ。残念。これが『ラッシュアワー』だったら多分違っていたのでは…っておいおい。
ララちゃんは香港に行ったときはご丁寧に中華服まで着てくれたので、彼女なりにリスペクトを払っているのではないかと思われる。(って何のリスペクト?もしかして李小龍先生への?)

あと、アンジェ小姐のあの唇を観て、なぜかすーちーを思い出していたんだけど、誰か同意して…くれませんよね、ははは。
(そーいやぁ、ウーさんの『みっしょん・いんぽっしぼー2』のヒロイン、サンディ・ニュートンに関しても、アタシは一人で「なんかすーちーっぽいよね?」って言ってたっけなー)

と、ろくな感想にならないまま終わるのであった。ちゃらーん♪

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『哥哥的全半生・張國榮入門三十首』張國榮

ああ、今年もまた4月1日がやってくる…(涙)。
レスリーを失って3度目の春、か。残念ながら、翌日に地元イベント(中華とは全く関係なし)があるために、今年の命日にヒルズのヴァージンで行われるオールナイトイベント(詳細はもにかるさんのblogにて)には参加できないけど、当日は赤い薔薇と鳳凰単[木叢]でレスリーのことを想うことにしよう。

昨年と一昨年、このblogではレスリーの映画の感想を綴って彼を追悼したのだけど、手持ちのビデオも少ないし(観ていても書いていない映画の感想も多いんだけどねー。『金枝玉葉』とか)、観る時間もなかなか取れないので(もちろん観たら書くけどね。今のところの鑑賞予定は『ハッピー・ブラザー』)、今年はCDやPVやライヴの感想で、彼を追悼したい。

気がつけば、彼が亡くなってから彼の歌をきちんと聴いていなかった。ワタシの中のレスリーが歌手ではなくて俳優として認識されていたこともあるけど、今でも忘れない9年前と6年前の東京コンサートも強烈な印象を放っていたから、歌を聴いてしまったらきっと落ち着かなくなるのかもしれない、と思っていたからだ。
…それでも、無性に聴きたくなるんだよねぇ、レスリーのあのかすれた、でも味わいがあって時に優しい歌声が。ちょうどこの春香港で行われるF4のコンサートでも、彼らがレスリーの歌を歌うと言うしね(^o^)。そんなわけで久々に引っ張り出したのは、デビューから89年の一時引退前までに歌った代表曲30曲を集めたベストアルバム『哥哥的前半生』。しばらくジェイと南拳ばっかり聴いていて、すっかり中華ポップスムードにもなっていたし、久々に聴いた広東語曲もまた新鮮。

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初めて日本でレスリーが紹介されたのって、確か吉川晃司兄貴のデビュー曲『モニカ』を香港でカバーしたアイドルっていう位置だったと思う。なぜか観た記憶があるのよ、彼が出ていた24時間テレビ(笑)。
そんなこんなでワタシがエラそーにレスリーのアイドル時代を紹介する身分じゃないけど、これまで香港で数多く出されてきたレスリーのベスト盤(海賊盤を除いていったい何枚出たんだろうか…)の中で、ワタシが唯一持っているのがこの2枚組CDである。御馴染の『當年情』に『為[女尓]鐘情』などのオリジナル曲から、『風継続吹(さよならの向う側)』『MONICA』『誰令[女尓]心痴(恋に落ちて)』『第一次(禁区)』『H2O(TOKIO)』などの日本のカバー曲まで収録。

1枚目の1曲目が『為[女尓]鐘情』。…ああ久々だ、この歌声。でも、彼の声、こんなにホワッとしていたかなぁ?なんて思ったりして。思えば長い間、レスリーの歌声を聞いていなかったんだなぁ。よく聴いていた頃には彼の声の味をあまりにも意識してなかったんだなぁ、と思った次第。
30曲中カバーが19曲。…といっても明らかに非香港人の作った曲を数えただけで、もしかしたら日本人作曲家(谷村さんとかさぁ)が彼のために書き下ろした曲もあるのかもしれないが。あと、メロディはわかるのに元ネタの曲名がわからんという曲も多少ある。

オリジナル曲で改めていいなぁと思ったのは、先に挙げた『當年情』はもちろん、スウィートな『儂本多情』、これまた鬼籍の人となってしまったムイ姐さんとデュエットしている『縁[イ分]』、そして、トニー主演の金庸原作ドラマ《鹿鼎記》主題歌『始終會行運』!かつて《鹿鼎記》をビデオで一気見したのでそれも一緒に思い出したのだけど、いやぁ、この曲は元気が出るぞ。
カバーだと何がいいかな…。いちばん好きなのはやっぱり『風継続吹』。これを聴くと、レスリーってやっぱり山口百恵さんが好きだったんだなーって思う。吉川晃司兄貴やヒロミゴーや明菜ちゃんのイケイケな曲のカバーより、小林明子さんや『セイリング』のカバー『全頼有[女尓]』のような落ち着いた曲が好きなのは、やっぱり彼を知ってかなりの年月を経たからなのかな…いや、単に自分が歳をとったからよね。

レスリーが歌手として大活躍した80年代から90年代は、香港ではカバー曲が全盛だった。著作権云々の話がどうだったかはよくわからなかったけど(もちろんちゃんと許可とっていたんだよね?)、日本の曲は香港を始めとした中華圏でもすっかりおなじみのものだったというのがよくわかる。
しかし、彼が一時引退した後、香港ポップスもオリジナル曲を歌う歌手が増えてきた。beyondのメンバーが日本のテレビ番組収録中に事故死したことや、レスリーのライバルだったダニー・チャンが不幸な形で亡くなったことなどや、台湾ポップスはそのちょっと前からオリジナル曲がヒットしていて(その頃向こうにいたので)、その人気が香港に飛び火したからなどいろんなことが考えられる。他にもあると思うけど、後は調べていないので…(^_^;)。
もちろん、80年代の香港ポップスを支えていたのは彼じゃなくて、ダニーさんやアラン校長、阿Bやムイ姐などたくさんいるから、そっち方面を押さえなきゃいけないってのはよくわかっているんだけど、レスリーの曲からもそれはよくわかるからね。

このCDのほかにワタシが持っているレスリーのCDは、96年のコンサート前に出された映画の主題歌中心のアルバム『寵愛』に問題作『紅』、日本先行発売の『Gift』とそのオリジナル盤にあたる『Printemps』。…つまり、全部ロックレコード盤です。ははは。このへんと、ロック時代のPV集、そして96年~97年のコンサートのライヴVCDを観ていく予定。

ああ、全部観終わって泣いてるかもしれんなー、自分よ…(T_T)。
ただいまのBGMは『當年情』。挽歌が観たくなる…。

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恭喜!李安先生、恭喜!!

作品賞が獲れなかったのはホントにホントに悔しいけど、受賞には納得してるし素直に喜んでいますよハイ。日本人的には『ハウル』が長編アニメ賞を逃したのも残念だけどね。

作品賞に「クラッシュ」 米アカデミー賞(asahi.com)

主な賞では、作品賞が、人種対立が題材の群像劇「クラッシュ」。監督賞に、保守的な土地で同性愛に目覚めた若いカウボーイ2人の愛と苦悩を描いた「ブロークバック・マウンテン」のアン・リーが決まった。

李安監督、アカデミー賞史上アジア人初の最優秀監督賞受賞おめでとーう!

彼の名前を初めて知ったのは、今から13年前のベルリン映画祭で金熊賞を受賞した『ウエディングバンケット』。アメリカで映画制作を学んだ台湾人監督がいたということ自体が初耳だったけど、アメリカが舞台でもしっかりアジア映画していたのが好印象だったっけ。李安監督作品の常連だった今は亡き郎雄さんとン・シンリンが親子を演じ、台北を舞台に撮った『恋人たちの食卓』もステキな映画だったなぁ。
本格的にアメリカで映画を撮り始めてからの作品では『いつか晴れた日に』がよかった。てゆーか、『臥虎蔵龍(グリーン・デスティニー)』以外は実はそれしか観ていません。いや、なぜかこっちで上映されなかったんですよ、『アイス・ストーム』も『楽園をください』も。あ、確かに『ハルク』はやったけど、けど…(^_^;)。

しかし、『ブロークバック・マウンテン』の作品賞はやっぱり無理だったのね…(泣)。アカデミー協会員が同性愛を嫌う超保守的集団であるって言うのはホントだったか。最近の受賞結果を見る限りでは、変わりつつあるのかなって思ったけど、決してそんなことはなかったのか。ああ、ガッカリ。
ま、李安監督には次回作でまた作品賞にチャレンジできるチャンスもあるもんね。これがゴールじゃないんだから。ところで次回作では女性の同性愛を描くって冗談みたいな噂があるんだけど、それマジっすか?

でもでも李安さん、また中華電影界にちょっとだけ戻ってきませんか?
どこぞのインタビューで『臥虎蔵龍』の撮影はホントにしんどかったって言っているけど、別に武侠ものじゃなくていいし、トニー・レオンを主演に1本撮ってくれなんて実現不可能なワガママは言いませんよ。20世紀初頭の上海を舞台にした欧米人と中国人が入り乱れて繰り広げられる大ロマン(『T.R.Y.』への不満をまだ引きずっているのか>我)とか、アメリカ人の夫を得た中華系女性の里帰りロードムービーとか、そんなんでいいんで。(ってそれでオスカーを狙えるのか?)

最後に今だからいえる恥ずかしい話を一つ。
ベルリン映画祭のニュースで初めて彼の名前を聞いたとき、てっきり女性監督だと思っていましたよ。だって「アン・リー(Ang Lee)」って英語表記で書かれたら、誰だってこれは女の人かって思っちゃうもんね。

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T.R.Y.(2002/日本)

すまん、ワタシの個人的妄想からこの感想を始めさせていただく。

今でこそ、アジアンコラボが一応百花繚乱なのだが、中華電影にハマったばかりの頃、個人的に観たかった夢の企画は、トニー・レオンと役所広司とアン・ソンギがアジアを股にかけて活躍する現代東アジア的『スティング』だった。この3人が一致団結して権力を煙に巻く物語を想像しては、一人勝手にワクワクしていたものだ。しかし3人ともすでに国際的スターだったので、当然こんな企画が実現するわけはない。ははは。
それから数年後、踊るシリーズ等ですっかりビッグスターになった織田裕二が、清朝末期の上海で暗躍する詐欺師を演じ、ピーターくんが日本映画に初出演したこの映画『T.R.Y.』が作られた時、個人的には「…なんかデジャヴュ?」なんて感じてしまったというか、自分の想像力の貧困さに悲しくなったというか、複雑な気分を抱いたんだけど、観には行かなかった。…うん、なんかね、評判云々もいろいろ聞いていたからね。
昨日、TV放映されていたので、かなりかるーい気持ちで観た。ありがとう『県庁の星』!この映画がなかったらこれが放映されていなかっただろうし、ワタシもこの機会を逃したらこの映画を永遠に観なかったであろう!(大笑)
ちなみに原作小説は未読です。

T.R.Y.
T.R.Y.
posted with 簡単リンクくん at 2006. 3. 5
井上 尚登〔著〕
角川書店 (2001.5)
通常2-3日以内に発送します。

1910年、清国・上海。
中国人豪商を騙した罪で刑務所に放り込まれた日本人詐欺師伊沢修(織田)は、豪商が放った赤い眉の殺し屋(ピーター)に命を狙われていた。そんな彼を助けたのは中国人囚の関飛虎(シャオ・ビン)。関は腐敗した清朝に見切りをつけ、人民による革命を起こそうと奮闘していた。二人で脱獄した後、関は伊沢に仕事を依頼する。それは「日本陸軍から大量の武器を奪い、それで人民を蜂起させること」という途方もないもの。ターゲットは陸軍の東正信中将(謙さん)。落とすにはかなり難しい相手だが、関と革命グループ「中華黎明会」の愛玲(ヤン・ルオシー)の情熱にほだされ、彼らの計画に一枚かむことにする。伊沢は関と愛玲、弟分の陳(市原隼人)、朝鮮人詐欺師のパク(ソン・チャンミン)と共に日本へ向かう。彼らが練った計画とは、陸軍学校に留学中の愛新覚羅載寧殿下(松岡俊介)を利用した、突拍子もないものだった…。

上海ロケ敢行(もちろん『花の影』でも御馴染の上海電影製作廠にて撮影)ってことで、上海を舞台にしたいろんな映画(『カンフーハッスル』の繁華街もここだよね?でも《長恨歌》には出ていなかったよね?)に登場しているオープンセットを観るのは楽しかったわ。
…残念ながら、よかったのはそこだけ。後は「うむむむむーーーーーー(-_-;)」と頭を抱えてしまったのは言うまでもない。

まーねー、まず、コンゲームものとしてイマイチ魅力に欠けるというか。『スティング』みたいな、騙し騙されのスリルが感じられなかった。多分、放映時点で本編にかなりハサミ入れてそうだし、原作自体も仕掛けはもっとコンゲームっぽくなっているんじゃないかと思う。読んでいないからなんとも言えないが。
あと、この時代の歴史には明るくないし(スマン)、フィクションだからツッコミ入れるのは野暮だけど、清国の王族が陸軍学校に留学してたってのはありなのだろうか?この時代だったら旧帝大に留学って方が自然だと思うんだが…いや、ホントにあったのかもしれない。やっぱり原作読むか(こらこら)。
その他細かいことにいろいろツッコミいれたら、かなり長くなりそうなのでこのへんでやめとく。

で、ヒーロー織田さんなんだが、んー、確かに彼は熱い男をやらせたらホンマに天下一品だと思う。自分はそれが好みか?と言われると、否というのであるが。ええ、そのへんは個人的意見なので気にしないでください(特に彼のファンの方)。そんなイメージなもんで、自分はどんな織田さんを観ても「熱いなー」と感じてしまうわけで。いや、こんなんじゃいけないんだが。で、詐欺師という役柄なんだが、こういう役柄にはどうも熱いキャラクターを持つ人は向かないんじゃないかと常々思っていて、むしろ人を食った演技ができる人の方が向いていると思うので、この配役には妙に納得がいかなかったりする。くどくてスミマセン。いやー、頑張って中国語話しているなーとか、そのへんの努力は認めるんだけど。…やっぱりこれはアイドル映画なんだねー、と思った次第。
そんな熱い詐欺師とコンビを組む革命家を演じるシャオビンさん。『スパイシー・ラブスープ』に出演されていたそうです。…観たのに覚えていません、ごめんなさーい。でも、いかにも大陸的オトコ前って俳優さんね。同じくパク役のソン・チャンミンさん、愛玲役のヤン・ルオシーちゃん(この二人、もっと役柄を掘り下げてもよかったかも)、よく知りません、これまたごめんなさーい。
そしてピーターくん。…でかっ!and女装にあわねー(爆)!主人公の前に立ちふさがる強敵で、ラストまで行かずに倒されてしまうのって、ちょうど1年前に観た劇場版ファイズのレオと同じ役回りじゃねーかよ!オマケにこっちではろくなセリフがない!ピーター、いいのかそれで?ほんとにいいのか、そんなんで!?彼はアクション要員でもあるんだけど、そっち方面はイマイチかなぁと思ったのは、アクションシーンの撮り方がイマイチなのか、それとも振り付けがイマイチなのか、そのへんがよくわからん。もっともこのへんを追求するつもりはない。あと、もーちょっと文句を言うのならば、組織の名前は「赤眉(チーメイ)」じゃなくて「紅眉(ホンメイ)」にすべき。これは『無間輪舞曲』の「神狗」という名前に感じる違和感にやや近い。いや、中国語の「赤」が変な意味だってわけじゃないけどね。
敵役の謙さん、こんな程度の悪役は演じるのちょろいでしょ(笑)。伊沢の弟分、陳役の市原くん、かわいいんだけど中国語が…。それはしょうがないね。あと、黒木さん演じた喜春姐さんの存在意義は?

んー、でも一番惜しかったのは、映画から清国滅亡前夜の緊迫した空気がイマイチ感じられなかったってことかな。まぁ、日本はその当時明治末期だし、まだ第一次大戦にも突入していないから、国の雰囲気も違ったんだろうけどね。なかなか難しいものなんだなぁ。

と、やや投げやり気味に感想終わります。ええ、今回の感想はかなり投げやりです。

監督:大森一樹 原作:井上尚登 脚本:成島 出 音楽:住友紀人
出演:織田裕二 渡辺 謙 黒木 瞳 シャオ・ビン ソン・チャンミン ヤン・ルオシー ピーター・ホー 市原隼人 松岡俊介 今井雅之

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アジア映画専門館のオープンに思ふ。

東京国際映画祭でもらった1枚のチラシ。そこには、「陽春、アジア映画専門シネコン、六本木にオープン!」と書かれていて、二つ折りチラシの内側にはそこで上映が予定される映画がずらりと並んでいた。そのほとんどが韓国映画だったので、「なんだよぅ、所詮アジアとか言いながら韓流映画館かよ」と心の中で暴言を吐いてしまったのだが、よくよく見ると上映候補作品にはステ監督の2本の映画などが挙がっていた。…なんだ、これでもちゃんと中華電影に配慮してくれているのか。申し訳ありませんねぇ、と先ほどの心の中での暴言をちょっとだけ恥じた自分であった。

多くの韓流ドラマや『流星花園・花より男子』などアジア関連メディアの販売やアジア映画の配給を手がけているエスピーオーが経営するアジア映画専門館「シネマート六本木」がいよいよ来週オープンする。また同様の専門館を大阪の心斎橋にもオープンする予定らしい。
これまでアジア映画専門館を名乗ってきたキネカ大森は別としても(ここはもともと東宝&西友系列の映画館なので、3スクリーンのうち2つは東宝チェーン系配給映画を上映していたし)、ユーロスペースやシネアミューズ、新宿武蔵野館などアジア映画を積極的に上映してくれた映画館は多かった。しかし、キネカを入れても完全なるアジア映画専門館というのは、ありそうでいてこれまでになかった。
「シネマート」誕生のきっかけとその意義は毎日インタラクティブの「アジア銀幕閑話」で紀平重成さんが詳しく書かれている。ちょっと長いけど、以下引用。

邦画を含めたアジア映画の専門館「シネマート六本木」が3月11日、東京の六本木にオープンする。映画の配給、DVDの制作・販売を手がけるSPOの直営館で、4シアターでスタート。4月15日に大阪の心斎橋にオープンする「シネマート心斎橋」は2シアターだ。専門館が東西の2大都市に誕生する意味は大きい。

 というのもドラマから始まった韓流が映画に飛び火して以来、香港や中国、台湾の映画は作っても日本に売れない、売れても上映する映画館が見つからないという状況が続いているからだ。ハリウッド映画以外の作品がかかる映画館が少しでも増えることは、多様な価値観を育み守っていくためには欠かせないと思う。

 このタイミングで開館した理由をSPOの経営企画室長、寺田節さんに聞いた。

 「昨年実施した韓流シネマ・フェスティバル2005は日本未公開の韓国映画22本上映が好評で、ある程度仕入れても入場が見込めるメドが立ちました。それだけでなく香港映画も7、8本は上映できそうです」。韓流というメーンになるコンテンツに手応えをつかんだことが決断を促したようだ。開館の情報を聞いて邦画をはじめタイなどアジア各国の映画関係者から早くも問い合わせが来ているという。

 収支の見通しがつけば理念も生きてくる。「もともと映画で異文化を紹介すれば世界平和に貢献できるのではという思いがありました。本当に相手の文化を知っているのかという疑問を持つことが第一歩ですね。そのとき映画が役立つ」。

 さらに寺田さんはこう強調する。「ブームが去った時こそ重要。上映できる場所がないからと倉庫にしまっている間にタイミングを失ってしまいます。幸い配給からDVD販売まで自分たちでコントロールできる会社なので、ブームに関係なく場を提供できます」

この記事を読んで、ちょっとだけホッとした。エスピーオーの担当さん、韓流映画だけじゃなくて、アジア映画全体の普及と地位の向上には本気で取り組むらしい。

ワタシが韓流をあまりよく思わないのは、次のような理由がある。
3年くらい前までは質のいい韓国映画が紹介されていたから観に行く気力もあったけど、某冬のなんちゃらとその主演俳優(のプロモーター側)が起こした大騒動と、それにあやかろうと次々来日する自称韓流スター、そしてそれをブームと言うマスコミ次々と高値でアイドル映画を買っては全国公開に持ち込む一部の映画会社や、どこか○○○主義が垣間見えるプロモーション側のビジネスの姿勢に疑問を覚え、さらに香港映画の製作本数減少(SARS流行もそうだけど、レスリーの自殺も悪いタイミングだった…泣)とそれと入れ替わりに韓国映画の怒涛の公開ラッシュが始まったために、日本における香港映画の印象が薄くなり、ついには一般人や一般映画評論家に「香港映画は終わった、やる気がない」などと思い込ませることとなった一因じゃないかと考えているからなのだ。

以前も書いたように、香港映画は製作本数こそ減ったものの、決して衰退しているわけではない。nancixさんのコメントにもあったように、中国や韓国との合作や、映画人および俳優が香港以外で活躍するようになって、逆に香港の現場に注目が集まっている。アジアンミックス作品も増えているが、香港に踏みとどまって国際的な注目を集める映画を作りつづけているジョニーさんやトンシンさんのようなベテランもいるし、ステ監督やホーチョンのような若手もいる。まさに現在の香港映画界は雌伏期なのかもしれない。いくらサモハンさんが来日時のインタビューで香港映画に苦言を呈しても、彼だって決して今の香港映画に絶望していないんだろうし、ましてや韓国映画なんて国家の保護という強力な後ろ盾がついているんだから、質や量の云々を比べる時点でおかしい(これは日本と韓国の映画を比べるときも同様)。今書いたことは、ちょっと語弊があって暴論かもしれないけど、ハリウッドの映画産業だって民間企業の集合体でしょ?

以下、ちょっとだけ話はわき道にそれる。
以前新聞で読んだ話だが、日本の大都市圏ほど世界各国の映画を観ることができる地域はないそうだ。それは東京のミニシアターが日本や欧米のインディーズ映画を始め、アジアや東欧、中近東の映画などを区別せずにセレクトして上映し、それにお客さんが集まっているからだということだった。最近は地方でシネコンが台頭し、一部の洋邦のメジャー映画ばかりが売れまくっている状況に対抗すべく、ミニシアターが独自チェーンを組んで映画を公開したという時期も続いたが、シネマートも含めて個性的なミニシアターが登場してきたということは、ヒット作だけでなくもっと個性的な映画を観たい/上映したいという希望が多く出てきたことからなのだろうか。
その恩恵が地方まで来てくれれば、うれしいに越したことはない。でも、ワタシの住む地域にはシネコンはなく、代わりに地元の映画館がシネコン状態になってしまって、同じ映画を何箇所でもやっているという、映画ファンにとってはあまり健全とは言えない状態にある。やはり「この映画をぜひやって!」とリクエストするのが一番の近道だろうか。

地方でアジア映画(特に中華圏)迷をやるのには大変だ。ワタシは田舎在住だから、キネカのアジア映画サポーターズには入らなかった。後からイベントの内容を聞き、「東京の人はうらやましいなぁ…」と思ったものだったけど。いっしょにサークル活動をしていた友人たちも、今ではほとんど香港から離れてしまったので、たまたま再会して「ジェイ・チョウのコンサートがよかった!」と話したくても、ひかれちゃうかなぁと心配したり、逆に韓国明星話に入れなくてちょっと淋しいなんて思うこともある(かといってハマるつもりはやっぱりないもの)。
そんな思いのためにネットがあるのは確かだけど、やっぱり一緒にスクリーンで映画を観て、飲茶しながら「『ブレイキングニュース』のリッチー、悪役でビックリしたねー」とか「『忘れえぬ想い』はよかった!セシリアは『無極』よりやっぱりこっちだよ」とか話し合える友人がそばにいたらうれしいもの。

人間、同じものばかり食べていたら体に悪い。ハンバーガーやお刺身やキムチばっかり食べたいわけじゃない。たまには肉まん食べたいし、エスカルゴもシェラスコも食べたい。映画だってそれと同じだと思うし、観たい映画は遠出するより自分の身近で観て、自信を持って人に薦めたいもの。
例えば、「『ドラゴン・プロジェクト』面白いよ!確かに『スパイキッズ』みたいだけど、アクションは八割がた本人がやっているんだってよ!監督もイケメンだしさぁ」って具合にね(笑)。

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《神経侠侶》(2005/香港)

もしかしたら気のせいなのかもしれないのだが、香港の街では日本よりも警官が街に出ている数が多いような気がする。
特にカーキ色の制服に身を包んだ警官を見かけることが圧倒的に多い。香港返還直後に行った時、彼らに2回ほど声をかけられたことがあり、広東語もろくに使えずうっかり北京語で反応してしまって思いっきり疑われたこともある(笑)。
『旺角黒夜』やその他さまざまな映画でも描かれたように、香港には街中の犯罪も多いので、街を警邏する警官の数も多いのかもしれないが、実際に街を歩く警官には、不思議なことに日本の警官ほど圧力感がない。むしろフレンドリーに見える。それだけ街に溶け込んでおり、街のあれこれを知りつくしているのだろう。
「映画の中の警官は銃弾を雨のように浴びて、生死の際に生きている。でも実際の警官は、毎日規律を守って地道にパトロールしている」という様子がオープニングに示されることで、普通の警官の生活を描くのねとすぐにわかるこの映画《神経侠侶》は、『忘れえぬ想い』の脚本家ジェームズ・ユエンが監督も手がけ、イー・トンシンがプロデュースに回った人情警察ドラマである。

クリスこと陳俊傑(イーソン)は湾仔署の警官になって7年目。着任当初の情熱も忘れ、たいした重大事件にもめぐり合わずに毎日毎日街のパトロールに明け暮れている。同僚のサム(サム)たちとともに参加する警察のサッカーチームで汗を流すことだけを慰めとして生きていた。
長年のパートナーだったリッチーが退職した次の日、クリスが得た新たなパートナーは田舎育ちの新人女性警官マンリーこと廖得男(ジョイ)。元気いっぱいで熱意に満ちあふれ、ついつい暴走しがちなマンリーのパワーに圧倒されてしまうクリス。
ある日、マンリーは道路を横断してきた男性を注意したところ、いきなり罵倒されて驚く。その男はセンこと王志成(ジャンユー)。香港大学の建築家を卒業し、コンベンションセンターの建築にも参加したという有能な建築家だったのだが、事業の失敗で借金取りに追われ、さらに妻子に去られて絶望のあまり自殺を図ろうとしたが、それにも失敗して心を病んでしまったと言う。借金はセンの姉レイチェルが完済したのだが、彼は未だに借金取りの元に通って金を返そうとしているらしい。
クリスと街を回ることで、湾仔の街のさまざまな姿を知っていくマンリー。猫レスキューをしたり、貧困のあまり粉ミルクを強奪しようとした男性(林雪)を救えなかったり、助けてくれたバイク警官のクー(中信)に一目惚れしたりと、いろいろな経験を積んでいく。一方クリスはバスに出没した露出狂を摘発した2人のティーンエイジャーと出会い、仲良くなる。さらにセンは広東の東莞から子供を置いて働きに来たマッサージ嬢フェイフェイと知り合い、ほのかな思いを寄せるようになる。そんな平和な日々を過ごす彼らだったが、湾仔には雨の夜になると女性をレイプしては惨殺する“レイニー・マーダー”と呼ばれる通り魔が出没するようになる。そして、ついに悲劇はクリスと仲良くなった少女のうちの一人に襲い掛かり、フェイフェイにも魔手を伸ばした…!

舞台となるのは買物天国の銅鑼湾とオフィス街の中環に挟まれた湾仔区。コンベンションセンターもこの地区に含まれる。ベイサイドはホテルが並び、その裏にはナイトクラブ街、さらに大きなヘネシーロードを渡ればお肉屋さんを始めとした小売店の市場がひしめき合っており、それほど大きくない地区なのにいろんなものがギュッと詰まっているという印象だ。思えば初めて香港に泊まったのがこの地区だった。街の作りが九龍とは違うので雰囲気も多少違うのだけど、地域ごとに住み分けができている面白さが楽しいと思ったものだった。おそらくあの地区で危険なのはナイトクラブ周辺だと思うが、さすがにへんな事件の現場に出くわしたことはない。
そんな地区だから、おそらく普段は平和なのかもしれない。その平和は、もちろん街のおまわりさんの地道なパトロールによって築かれているものである。しかし、あまりに平和すぎると、たとえ地道な仕事をマジメにこなしているだけでも、市民からからかわれたり罵倒されたりして、クリスのように仕事への情熱も失ってしまう。これは、警官じゃないワタシでもよくわかる。地道な仕事ほど人に理解されにくいと思うからだ。だけど、地道であっても情熱を失ってはいけないとクリスに教えてくれたのは年下のマンリーであり、彼を慕ってくれた少女たちだった。そんな彼女たちを危険に晒したくないと思う気持ちが、凍っていたクリスの心に火を点したのだ。
マンリーはクリスからたしなめられながらも、警察や街の人々の心をのぞいていく。時々おせっかいすれすれの行動に走る彼女だが、それも無駄になっていないという描写に好感が持てる。印象的だったのが、女性警官から嫌われているお局様警官が、喘息持ち(多分)の子供を気遣う電話をしているという意外な一面を観た後、彼女にマンリーが喘息対策のアドバイスをした後日、さりげなく彼女に「子供の具合がよくなったわ。アドバイスありがとう」と言われるところ(うまく説明がしずらいのだが、だいたいこんな感じ)。嫌われ者だからって嫌ってはいけないし、やはりどんな人にも優しくしてあげなくてはという気持ちになったよ。
その二人に絡んでくるもう一人の主人公、セン。精神を病み、突拍子もない行動に出て人に迷惑をかけているけど、人々はそんな彼を突き放さない(ヤのつく方々が揃っていそうな借金取りでさえも)。それは精神を病んでいても、もともとは湾仔の住人であったから、邪険にできないし、かといって甘えさせられないというところから来ているのかな。映画において、精神を病んだキャラクターはかなりエキセントリックに描かれ、破滅していくことがたびたびあるのだけど、センは登場時からこういう状態だったから破滅させるわけには行かないだろうと思ったけど…やっぱり、救われないと悲しいもんね。

歌手としてはすでにトップクラスのイーソンだけど、映画俳優としては脇役出演を観ていることも多かったし、日本公開作でも『玻璃の城』や『ラベンダー』なので、日本での知名度はうーむ…という状態なんだけど、だんだん主演作品も増えてきた(『エンター・ザ・フェニックス』は日本公開も決定したし)のは評価できるかな。でも、彼ももう30歳越えたのか。なんだか感慨深い。同世代の彦祖やステ監督ほどの派手さはないけど、観ていて安心するのは言うまでもない。
ジョイちゃんについては、以前《身嬌肉貴》で書いたことの繰り返しになってしまいそうなので長々と書かないけど、当分は元気いっぱいキャラで行くのだろうか?
ジャンユーは…ええ、こういうキャラを演じさせると、圧倒的にうまい。反則すれすれやん!と言いたくなるほどうまい。…でも金像にはノミネートされていなかったんだよね(^_^;その代わりに脚本賞でノミネート)。エキセントリックなのに、一瞬正気な表情も見せられたりして、人を煙にまいている。それはほとんどショーン・ペンばりの反則(どういう例えだよ、ショーン・ペンって)だよ。
あと、脇役はいつものメンツ(特にシウホンさんや中信やカーロッ)って感じだけど、これらの人々は顔を見るだけで安心する。一番驚いた特別出演はチーホン。その次は原島くんかな。これこれそこのボク、おばあちゃんをいじめちゃいかんよー。

地味であるし、登場するスターも少ないけどとってもいい話。ストーリーはやや散らばり気味だけど昔の映画ほど破綻してなく、ラストまでにうまく収束する。ジェームズさん自身が脚本を書かれただけあって、比較的しっかりしているよ。こういう作品がたくさん作られて、今後の香港映画の基盤を支えていくのかな。そうであれば嬉しいな。まー題材が題材なので、日本公開が難しいのは言うまでもないんだけど…。

英題:CRAZY N' THE CITY
脚本&監督:ジェームズ・ユエン 製作:イー・トンシン 音楽:レイモンド・ウォン
出演:イーソン・チャン ン・ジャンユー ジョイ・ヨン アレックス・フォン ホイ・シウホン ラム・シュー サム・リー チン・カーロッ リウ・カイチー 原島大地 レイ・チーホン 

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《千機変2花都大戦》を観ようとしたら…。

先週、中国語教室で『花都大戦 ツインズエフェクト2』(from CINEMATOPICS ONLINE)の中国語版VCDをクラスメイトから借りました。これ、もう日本版DVDも出ているけどね。

で、今晩観ようとして、DVDプレイヤーに入れたら…。

画面が映りませんでした(大泣)。

うう、こんなの初めて。大陸製のVCDでもPBC入力をいじれば今までは観られたのに。もしかしてうちのDVDプレイヤーと相性が悪かったのか?

しょうがないので、まだ観ていなかった《神経侠侶》を観ました。
いいや、今度ちゃんと日本版のDVDを借りよう…。

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