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『還珠姫』瓊 瑤

中国の人気女性作家、瓊瑤(チョン・ヤオ)が自ら脚本を手がけたドラマ《還珠格格》が香港で放映されていた7年前、ワタシはほぼ3カ月おきにかの地に渡っていたほど、香港にとりつかれていた(笑)。でも当時映画産業自体はかなり低迷しており(そういえば『星月』もこの頃だったな。あと『リング』がやたらと当たってしまった時だ)、TVドラマが人気があったということを覚えている。その当時もっとも人気があったのが《還珠格格(「格格」は満州語で皇女)であり、夏に信和中心を訪れると、紅館で連日コンサートを行っていた金髪の華仔の生写真よりも、このドラマでブレイクしたヴィッキー・チャオやルビー・リン、蘇有朋(アレック・スー)のグッズの方が目立っていたっけなぁ。いまでこそ“中国四大女星”ではツーイーが抜きんでちゃっているけど、実際は彼女よりヴィッキーの方が人気があると思うんだが、どーだろーか?

還珠姫
還珠姫
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.15
瓊 瑶著 / 阿部 敦子訳
徳間書店 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。

昨年の秋、『還珠姫)』と題されたこの本の翻訳が日本で発行されたと聞いた時、「遅い、遅いぞ徳間書店!」と呟いてしまったのは言うまでもない。確かに金庸小説の翻訳にかなり時間がかかったからというのもその原因なのかもしれないけど、女子向けの中華時代小説ってそんなにないので(同じ瓊瑤の『寒玉楼』もずいぶん前に邦訳されていたけど)、ちょっと読んでみたいもんだと思っていたのだ。せめてチャングムがブレイクする前にって…(泣)。
でも、簡訳版とはいえ、こうやって邦訳されたのは嬉しかったわ。

時は清朝、乾隆帝の時代。自らが乾隆帝の落胤であることを知った18歳の夏紫薇は、父親に名乗るべく、侍女を連れて上京していたが、乾隆帝へのお目通りがなかなか出来ずに焦っていた。そんな時、彼女は女盗賊の小燕子と知り合って意気投合、義姉妹の契りを交わす。紫薇の身の上を知った小燕子は彼女の力になるべく、皇帝に逢える近道として御猟場に連れて行くが、弓を受けて負傷し、皇帝の元に担ぎこまれる。その時、たまたま彼女が落胤のしるしを持っていたことから乾隆帝は彼女を姫と認定してしまい、小燕子は“還珠公主”として宮中に迎え入れられてしまう。もちろん彼女にとってこれほど不本意なことはない。そこで彼女は紫薇を助けた福爾康・爾泰兄弟や五皇子の永[王其]と一計を案じ、紫薇をなんとか皇帝と引き合わせようとするが、小燕子を気に食わない皇后の陰謀や、宮中の不自由なしきたりがそれを阻む…。

…いやぁ、さすが簡訳版!読み始めたら止まらなかったわ。しかし、『笑傲江湖』を除いては読み進めるのに骨が折れた金庸小説を読んできた身としてはすいすい進みすぎて物足りなかったのもまた事実。あとがきを見ると、第3部まででていると言うので、いずれ完全版が翻訳されればいいんだけど。

この本を読んでて爽快だったのが、小燕子と紫薇の友情。どーも日本の『大奥』あたりに慣れていると、宮中を舞台にしたドロドロした展開ってーのをついつい時代小説に求めたくなるのに(そうか?)、小燕子は義理堅いキャラクターになっているので、自分が公主として宮中に迎えられても、その位置には決して甘んず、何とかして皇帝の落胤である紫薇を招き入れたいと奔走する。小燕子が武術に秀でていると言うのもポイントが高い。一方の紫薇は芸術と文才に秀でているので、この二人はホントに名コンビなのだ。

せっかく邦訳が出たから、ドラマもちゃんと観てみたいんだけど、日本でソフト化は厳しいかな?ヴィッキーとルビーじゃイマイチ知名度が…なのかなぁ?

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