« 2006年1月 | トップページ | 2006年3月 »

2006年2月

黄金週を前にして、宏くんが渋谷にやって来る。

もう誠に遺憾なり、としか言えない(大泣)『霍元甲』差し替え事件はとりあえず脇に置いといて、ジェイに続いて宏くんことリーホンの4月来日公演も決定したのはご存知の通りかと。ええ、ワタシも東京公演の申し込みをする予定です。
しかし、東京のみ2daysだったジェイと比べ、宏くんは大阪・名古屋・東京(NHKホール)の3公演なのね。NHKホールのキャパって3000人くらいだっけ?そうすれば動員数もジェイと同じくらいか。でも、宏くんも国際フォーラム公演だったらもっとよかったんだけどなぁ。

それはさておき、R&BやHIP HOPを主体に中華的センスを盛り込んでいる曲を作っているのはジェイも宏くんも同じだけど、やっぱり曲へのアプローチの仕方などで二人は全然違うよなと感じる。それは今までの彼らのCDのレビューでも書いてきたし、育った環境が全然違うからなのかもしれないけど、今月始めの日本演唱会では中華圏でのハデハデなライヴを下敷きに聴かせる曲を中心に構成しながらもしっかり中華明星としての自分をアピールした印象のジェイに対し、宏くんは一昨年の小規模ライヴでは聴かせる構成で攻めた。
そんな宏くん、今回の初の単独ホール公演では、はたして中華圏ライヴのハデハデなノリで行くのか、それとも日本的な聴かせるライヴになるのかは、まだわかんないもんだなぁ。個人的には多少のキラキラ☆ミ衣裳(&二の腕見せ)もありだけど、宏くんに関しては聴かせるライヴの方が嬉しいなぁって思う。だけど、迷の方はやっぱりハデハデ&キラキラ系の方がいいのかな?

(追記)…と書いていたら、宏くん迷の『My Favorite Things☆』の東雲さんがアンケートを取っていらしたそうです。…ほー、なるほどー。φ(..)メモメモ

| | コメント (5) | トラックバック (0)

好男好女(1995/台湾=日本)

ホウちゃんの映画って、あれだな、気合いを入れて「さぁーホウちゃんの映画観るぞぉー」って覚悟を決めて観ないとついていけない。『珈琲時光』はまだ気楽に観られる映画であるけど、『悲情城市』で世界的成功を収め、『戯夢人生』やこの映画に至るまでの“台湾現代史三部作”を観るのは、特に覚悟がいるし、やっぱり台湾の現代史をあらかじめ知っておかないと辛いんじゃないかなって思った。かくいうワタシは恥ずかしながらまだ『戯夢人生』を観ていないんだけどね。

女優の梁静(伊能静)は3年前に恋人の阿威(カオ・ジエ)を失った。そんな彼女は映画『好男好女』で、抗日戦の闘士だった蒋碧玉を演じることになる。
1940年代前半の台湾、蒋碧玉は想いを寄せていた鐘浩東(リン・チャン)が抗日戦に身を投じることを知り、彼とともに大陸へ向かうが、国民党のゲリラには日本兵のスパイと間違えられて投獄されてしまう。何とか銃殺刑を逃れた彼らは台湾へと戻り、碧玉は浩東との間に男児をもうけるが、その子は養子へと出されてしまう。その悲しみに暮れる暇もなく、二人は闘い続ける。
'45年、戦争は終わる。碧玉は台湾でラジオ局に勤め、浩東は基隆中学の校長となる。彼らは理想を社会主義に求め、2・28事件を経て国民党が台湾を占領し、自分たちを支配することに危機感を抱いていた。そこで浩東は機関紙「光明報」を発行し、国民党を警戒する。しかし、これが国民党に摘発され、浩東は処刑される…。
ホステスだった梁静は極道だった阿威と愛し合っていたが、彼女の目の前で商談中に銃殺される。その3年後、『好男好女』の碧玉に自分を重ねてのめり込んでいく梁静のもとに自分の日記がファックスで送りつけられ、無言電話が頻繁にかけられてくる。寂しさのために姉の恋人と寝てしまい、それが姉に知られてしまい修羅場となる。心身ともにボロボロになった梁静は、無言電話をかけてきたストーカーに亡き恋人を重ねて自分の想いを吐露する。
その後、ロケ隊は広州に出発することになり、その前日、実在の碧玉が72年の生涯を閉じた…。

この映画の背景となっているのは、1950年に台湾で勃発した白色テロ(リンクはwikipedia)。『悲情城市』でも御馴染の2・28事件も白色テロとして見られるらしい。あ、こういう本も出ているのか。

台湾・少年航空兵
黄 華昌著
社会評論社 (2005.9)
通常2-3日以内に発送します。


今でこそ台湾は日本に優しく、親しみを持ってくれているところ
であるが、60年程前までは日本の統治下にあり、もちろんその統治に反抗した人も確実に存在する。(某大臣さん、それ、一応わかっているよね?)そういえば『上海グランド』でレスリーが演じた許文強は台湾の抗日ゲリラの闘士だったな。
ホウちゃんの映画は『悲情城市』でもわかるように、事件を直接描かない。でも、その事件の合間に生きた人々の日常を淡々と描く。だから、先に書いたように時代背景がわからないとかなり辛いのは言うまでもないし、今回は劇中劇という形で歴史が描かれているのでなおさら複雑。はい、ワタシも台湾で暮らした人間のくせに、国民党占領直後の台湾史をほとんど知らなかったので、自分の勉強不足を痛感しつつ2回観ました。だって、劇場公開ならパンフのシナリオ再録を追えばいいけど、DVDじゃねぇ…。なお、この事件の背景に関しては特典映像としてホウちゃんがインタビューで語ってくれています。当時の台湾の状況には東西の冷戦までも反映されていて、ホントに複雑だったみたいだ(ってずいぶん軽く語っているな自分)。
国交の関係上か、日本人の目はどうしても日中関係に向いてしまうため、これまで台湾がどんな歴史をたどってきたかはついつい見落とされがちだ。ホウちゃんの映画はそれを語り、世界に発信している。そこからワタシたちは台湾の悲しみを知ることができるのだ。そういえば、もうすぐ2月28日である…。

とまーシリアスな感想はここまで。あまり政治的な方向に話を持っていきたくないもんでね。ここからは毎度の如くだけど、多少暴言ありの超主観的感想。
いやー、今回の映画はホウちゃんの映画ではかなり手強かった!蒋碧玉も鐘浩東も実在の人物なので、恐らく劇中劇としないと描きにくかったんじゃないかと推測するけど、時間があっちこっちに飛躍するので「あれ?これはいつでなぜこうなる?」と首をひねったもので。
イノチンこと伊能静ちゃん、今では山田太郎の綾子ママのイメージで定着しちゃったけど(笑)、この映画では彼女自身のキャリアの転換になった作品だそうで、かなりの熱演(黒い下着姿や官能的なダンスも見られるぞー)。でもホウちゃん、「彼女の演じた碧玉はイマイチだった」って厳しいことを言っていたが(苦笑)。
台湾語ロックシンガーの林強、実は演技を観るのはこれが初めて。…でも顔がわかりにくいぞ(泣)。梁静の恋人阿威はホウちゃん作品常連のカオジエ兄貴だが…これもよくわからない。ってーか画面暗すぎ。なんで?と思ったら撮影がリー・ピンビンじゃないからなのか?(それは不明)
ちなみにエンディングテーマはフェイの元旦那として有名なドゥ・ウェイだった。

ホウちゃんはこの作品以降、『憂鬱な楽園』や『ミレニアム・マンボ』などでは現代の若者を主人公にしたり、『海上花』(この映画の日本側チームが製作を担当し、公開直前に仕掛け人の某氏が失脚したのは有名な話)では清朝を舞台にしたかと思えば、『珈琲時光』では敬愛する小津安二郎(この映画にも梁静がビデオで『晩春』を観ている場面がある)にオマージュを捧げ、初の日本語映画に挑戦したりとさまざまな作品を作り上げている。
ホウちゃんに対する印象は人それぞれだけど、『珈琲時光』を素直に楽しみ、やっぱりホウちゃんの映画はいいなぁと思っている自分としては、今年日本公開予定の『スリー・タイムズ』が楽しみだったりする。配給もこれまでの松竹ではなく、王家衛や蔡明亮作品の配給を務めてきた御存知プレノンアッシュなので、結構スタイリッシュなプロモを期待したいんだけど。ええ、日本語イメージソングなんてないプロモをね。(そのへんは心配しなくとも大丈夫だろうって)

英題:Good man,good woman
監督:候孝賢 製作総指揮:奥山和由 製作:市山尚三 原作:蒋碧玉 脚本:朱天文
出演:伊能 静 林 強 高 捷

| | コメント (0) | トラックバック (0)

もう、予告を観るだけでいいような気がした…。

えー、本日正式に『霍元甲』の日本語版主題歌がアナウンスされてしまい、「もう何も言いたくない…」状態だったのですが、KEIさんの記事を見て真相を知り、愕然としました。だから、もうちょっと言います。ちなみに元記事はサンスポだそうです。

真実を知ったときの感想。

…なんで?それってホントのアジアンミックスなの?

いろんな方が書かれていましたが、予告編にはしっかりジェイの歌が使われているのに、観ていないのは悔しいと思って日本の華納兄弟予告編サイトに行ったら、確かにそうでした。
ううう、小さな画面を見ながら一緒に歌いましたよ、♪霍霍霍霍霍霍霍霍って!(T_T)(T_T)(T_T)

この映画、日本じゃ予告編観るだけで、後ほど中華圏版DVDを観てフォローしたほうがいいような気がしたよ。
ええ、もちろんリンチェイと獅童くんとお二人の迷の皆さんには悪いって充分わかっていますよ。でもさ、せっかくリンチェイがあれほど思い入れてジェイに主題歌を依頼したっていうのを知っているから、今回の件に関してはまことに遺憾で…。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

ここらでクールダウンして固有名詞バトン。お題は【梁朝偉】

このところやや不機嫌な記事ばかりアップしてしまい、ホントに申し訳ないですm(_ _)m。
ついに『霍元甲』マスコミ試写でもエンディングに日本語曲が流れ始めた(fromアジア批評)と聞き、多数(の一般大衆)の支持を得るために一部(の熱心なファン)をないがしろにするという、どっかで見た構図に肩を落としまくりですが、いつまでもグチってはいられない!
あの演唱会以来、にわかジェイファンモードが入りまくりなもとはしでありますが、ワタシはあくまでもトニー・レオンのファンです。…と改めて強調しなくてもここをいつも見ていただいている皆様はご存知か。ははははは。
ワタシが日本の端っこでギャーギャー言っている頃、トニー大使は香港映画への希望を語っていたのだから(from:nancixさん)。

tonyinhkent

大使近影(笑)。

そうだ、たとえ日本マスコミから全然リスペクトされず、宣伝担当の大手代理店(韓流ブームに手を貸しているとの噂のあそことか)からないがしろにされても、香港映画は決して死なないし、日本じゃ知名度があまりにも低すぎる中華ポップスだって、中華圏から発信されて全世界に浸透しているからへこたれないんだ!ここは日本だからそんなんどーでもいいと文句言うヤツは勝手に言ってろ!と血圧が上がり過ぎない程度に暴言を叫んで、握り拳を作ってしまうのだ。

…というわけで本題。(ってあんなに熱くなってたのは前振りだったのか!>自分)

今日は今までたまった不満ガスを一気に抜くため、favorite colors*diaryのミサさんから受け取った「固有名詞バトン」をネタに書かせていただきます。
ミサさんから託されたお題は、もちろん“梁朝偉”ざんす。

PC・本棚の中に入っている梁朝偉
PC画像は数え切れないくらいだなー。デスクトップにノート、職場パソコンの壁紙は確実に梁朝偉(本当です)。
本棚の中には映画関連雑誌や本が多数。これまた数え切れない。でも、オススメなのはこれでしょう。地元の書店でもあったので、まだまだ入手可。

フェイス トニー・レオン
キネマ旬報社 (2001.5)
通常2-3日以内に発送します。

今妄想している梁朝偉
ちょうど季節的なものもあって、「旧正月の休暇をいつもの北海道じゃなくて岩手県で過ごす梁朝偉」。
例えば、雪の小岩井農場で埋もれ…じゃなかった、岩手雪まつりを見ている姿とか、安比高原スキー場のかなり長いゲレンデをスキーで颯爽と滑走する姿とか、本州一冬が寒いと噂の岩洞湖の氷上で寒さに震えながらワカサギを釣っている姿とか、花巻温泉の露天風呂で肩まで浸かっている姿とか、水沢の蘇民祭で下お(と限りなくローカルネタで暴走しそうなので以下自粛)

最初に出会った梁朝偉
これまた何度も書いているけど、台湾留学を控えていた頃に観た『悲情城市』での、耳の聞こえない写真店主、林文清役。
その後、台湾に渡ってから『ワイルド・ブリット』や『欲望の翼』が公開されて、台北の街角やポスターでよく彼の顔を見ていたんだけど、あの頃はなぜか知らないけど観に行かなかったんだよねー。

特別思い入れのある梁朝偉
作品名で挙げれば、『悲情城市』『ハードボイルド』『裏街の聖者』『ブエノスアイレス』『花様年華』&『2046』、そして無間道三部作。
それ以外では、6年前のカンヌ映画祭にて『花様年華』のソワレで(もちろんネット経由)観た姿とか、これで男優賞をゲットした時のことかなぁ。

…とまぁ、かなり簡単にまとめたものになってしまいました。いや、もっと詳細に書いてもよかったんだけど、多分詳細に書き始めたら止まらないに違いないので、ね。

バトンを回したい2人+それぞれのお題

このバトン、かなり前から渡っていてあちこちのblogでお題を見かけたのですが、こちらからはまだバトンを渡したことのない方に依頼しちゃいます。というわけで次のお二人に。こちらを見ていたら、よろしくお願いいたします。

ろばみみ:blogのgicchaさん(張學友か任賢齊)

きたきつねの穴のきたきつねさん(中国茶)

あ、もちろん強制ではありませんし、他の方でも引き継ぎたいという方もいらしたら、どうぞお申し出くださいませ。お題もこちらから指定いたしますので(^_^)。

| | コメント (7) | トラックバック (2)

「香港映画は元気がない」とか「落ち目だ」というのは、そろそろ終わりにしませんか?

皆さーん、『インスパイア・アフェア 無間輪舞曲』毎週観ていますかー?(爆笑)
この間ヒマだったので久々に観たら、「神狗」摘発&ボス逮捕!そしてウォン警視、もとい伊崎警部が殺されてしまい、このドラマはいったいどこへ行くんだ、アマアマなラブストーリーになるはずじゃなかったのか?とますます目が離せなくなりました(かなり大嘘)。というより、かなりストーリーが破綻してきています。はたして、これを香港で放映してしまってホントにいいのでしょうか?いくら竹野内くんが香港で人気がある(逆にチェさんは全然人気ないらしい)とはいえ、あまりのインスパイアぶりにかなーり不安です。
そんなこの頃、地元の新聞のTV欄コラムに『無間輪舞曲』評が掲載され、「『インファ』に似すぎ、でも主演二人は演技の持ち札が少なく、空気が読めない。このドラマの成否を考えると、日韓友好の観点からひりひりするサスペンスといえよう」と批評されておりました。ごもっともです。先行して掲載された地方もあるでしょうが、共同通信が地方紙に配信したコラムなので、おそらく地元新聞が強い地方では読めるコラムではないかと思います。

このインスパイアといい、「♪霍霍霍霍霍霍霍霍!」日本の劇場で聞けない(と思ったら霍元甲の子孫が上映中止を訴えているんだって?)危機といい、日本から香港映画&中華芸能へのリスペクトのなさに心を痛める毎日。(誤解のないように言っておくけど、中華ものが一番!後はいらんとか断定しているわけじゃないんだからね。ここは中華趣味blogだから、中華ネタが多くなるのさ。当たり前じゃん)

そんなワタシが大いに凹むのが、大新聞で「香港映画は元気がない、一時期の勢いがない」となどと、ネガティブな印象を与えることを堂々と書かれた記事を目にすることだ。今週、その類の言葉を二つの新聞で見かけた。まず一つは読売新聞『忘れえぬ思い』評

最近の香港映画には一時ほどの勢いが見られない。ウォン・カーウァイら監督もいまひとつ元気がないし、アンディ・ラウやマギー・チャンら俳優陣も韓流に押され気味。

…(;_;)。そうか、一般の映画評論家には今の香港映画の状況って、やっぱりそうとしか見えないのか。なんだか残念だ。
もう一つは朝日新聞での『SPL』についてのサモハンさんのインタビューだ。

ジャッキー・チェンとの共演作「プロジェクトA」や、監督した「七福星」など、俳優、監督、製作者として香港映画界を引っ張ってきた。しかし、最近の香港映画は元気がないと指摘する。「映画のレベルが下がったことや海賊版のはんらんが原因だろう。自分にできることはベストを尽くして映画に出ることだけ」


もちろん、それらの問いは否定的には使われていない。前者の記事では後の文章をよく読んでいくと、『忘れえぬ思い』という映画に香港映画復活への希望が込められている。後者はサモハンさんにそれを問うことで、香港映画の現状を客観的に見てもらっている。
だけど、ワタシが思い入れ過多なせいもあるかもしれないが、今までさんざん「香港映画は落ち目だ」と書かれてきた記事を見てきたこともあって、もう今さら「元気がない」とか「勢いは韓流に負けている」とか「落ち目だ」という言葉は見たくない。なによりも、それらの言葉を書くことで一般のヒトにネガティブなイメージを植えつけてほしくないのだ。今の香港映画を語るのに、もっといい言葉があるのじゃないかって思ってしまう。
製作本数が少なくなったからなど、きちんと調べれば裏づけはいろいろできるかもしれない。でも日本映画だって、これまでは内外で「黒澤や小津の時代に比べて落ち目じゃん」といわれてきた時代が長かった。でも最近は評価される映画だって増えてきたし、国内でも人気が出てきている。今の香港映画って、かつての日本映画のような状態なんだと思う。だから、同じ経験をしてきた日本は、もうちょっと香港映画に対して寛容な目を持ってもいいんじゃないのかな。そして、アクションだけじゃなくて、その多様性をどんどん紹介してもらえれば、いうことはないんだけど。それが、今後の香港映画の勢いにつながっていくんだから。

要するに、「簡単に落ち目って言うな!ネガティブな言葉はインパクトが強いから大いに誤解を与えるぞ!」ってことが言いたかっただけです、はい。
これ以上書くとワガママいい放題になりそうなので、今日はこれで終わり。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

海南鶏飯を作ってみた。

中国海南省出身の人たちによって生み出されたという、シンガポール発のアジア料理海南鶏飯(ハイナンジーファン、またはチキンライス)。一昨年の東京国際コンペ部門にノミネートされたシンガポール映画『ライス・ラプソディー』の原題はまさしく《海南鶏飯》であり、今年の香港電影金像奨では、この映画から最優秀新人監督賞(ケネス・ビー)と最優秀主演女優賞(シルヴィア・チャン姐さん)の2部門にノミネートされている
また、一昨年から東京国際のメイン会場となった六本木ヒルズのすぐ近く、麻布十番商店街の入り口にある海南鶏飯食堂は日本に海南鶏飯を紹介したことでも有名で、ワタシ自身も国際で上京するたびに食べに行っては(参考に昨年書いた日記をどーぞ)、この海南鶏飯にすっかりとりつかれている。

海南鶏飯食堂ではスープで煮た鶏肉に、肉を煮たスープで炊いたジャスミンライス(タイの香り米)を添えて出されるのだが、これがもう言葉でうまく表わせない味で、香りからして東南アジアにいる気分。地元にもチキンライスを出すお店はあるけど、ご飯は普通のジャポニカ(多分岩手産の「ひとめぼれ」だな)なので、ここまでエスニックな気分は出ない。
恵比寿店に行ったとき、お店のランチョンマットに書いてあった海南鶏飯のレシピをもらってきたので、そんじゃー東京やシンガポールに行けない分、おうちで海南鶏飯を楽しむか、と思ったら、ジャスミンライスがどこに売っているのかわからない…。楽天市場にあると教えてもらったけど、ちょっとそれだけ買うのもなー、と控えていたのだが、駅ビルにある輸入食品店ジュピターコーヒーにてジャスミンライスを発見。これは灯台下暗し!いますぐ憧れの海南鶏飯が作れるではないか!と大喜び。
さらに昨日は『霍元甲』差し替え事件(こらこら)で凹んでいたので、凹んだ時にはおいしいものを食べなきゃな、と海南鶏飯作りにチャレンジしたのであった。

pht0602202035.jpg

なお、つけあわせはスライスしたきゅうりと香菜代わりの三つ葉。スープは鶏スープをベースに前日作ったわかめとオニオンのスープ。たれは生姜たれ・チリソース・中国式濃口醤油でいただくのだけど、チリソースの替わりに豆板醤、醤油は減塩醤油にチェンジ。

スープは顆粒を使ったので、かなりお手軽に作れた。トータルで40分くらいかな。ジャスミンライスを炒める油には、サラダ油に鶏の皮を炒めたものを使用。あらかじめ米を炒めることによって、吸水させる手間がないのが便利。今回、鶏肉はモモ肉を使ったけど、胸肉を使うともっと雰囲気が出るかも。
で、この鶏飯のポイントはやっぱりジャスミンライスだわ!ニンニクとしょうがで炒めたけど、さすが香り米だけあって、炊飯器で炊いている間中はおいしそうなにおいがもうプンプンしていた。香りだけかげば麻布十番店(または恵比寿店)、なんちて。
やっぱり温かいうちに食べるのがポイントだな。お弁当にするにはちょいとキツイし…。ニンニクが強いもんね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

『SPIRIT』主題歌差し替え、それこそが作品に対する“罪”だ。

周杰倫無與倫比日本演唱會で聴いたジェイの新曲で、リー・リンチェイ(ジェット・リー)主演『SPIRIT(霍元甲/Fearless)』主題歌『霍元甲』のサビ部分「霍霍霍霍霍霍霍霍!」にやられた(いや、それ以外でもだ)身分としては、現在劇場でかかっている『霍元甲』の予告でジェイの主題歌が聴けると聞いたので、同じワーナーで配給している『無極』に予告がついていないか、と楽しみにしていたのだが、結局それを観ることができなかった。そして、さらに追い討ちをかけるように「日本公開版はジェイの主題歌じゃないらしい」という噂を聞き、いやな予感がしていたのだが、『November's Chopin 11月的蕭邦』でのぷぅさんとKEIさんのコメント、そしてblog「アジア批評」さんと周杰倫迷のみったんさんのblogの記事でそれが確実らしいとわかり、かなりショックを受けている。

コンサートを観た方ならご承知かと思うが、この曲にはリンチェイ自身が熱いコメントを寄せている。『霍元甲』の主題歌をジェイが歌うことになった経緯はみったんさんが詳しく書かれているのでそちらをご参照いただくとしても、これはあまりにもひどい仕打ちではないか。今までも日本における中華映画のプロモーションの仕方への疑問はあれこれ書いてきたが、この映画の扱いはこれまでで一番ひどいのではないか。
『イニD』の全国公開は字幕ではなく吹替がメインだったし(さらに地方在住なので選択の余地がなかった)、製作にアニメ版に係わってきた某a○exがかんでいたため、エンディングまでav○xの新人(これのおかげでレコ大新人賞受賞?)だったのは仕方がないと譲る(悔しいけど)。でも、リンチェイ自身が「最後のアクション映画」にしようという気持ちで臨み、ジェイに主題歌を任せて作り上げたこの映画は、やはり主題歌を変えずに中国・香港オリジナル版で公開するべきではないか?もっとも、オリジナル版ではカットされているという、ミシェル・ヨー姐さんの名前が日本版のチラシに挙がってきているから、もしかして内容自体も日本公開編集版(『無極』のように?)になっているのかもしれないが。
歌舞伎役者でドラマ&映画出演も多い中村獅童くんが武道家役で出演することによって、さらなる演技の異種格闘技戦に臨み、『2046』で世界に認められた梅林茂さんが音楽を手がけたこのアジアンミックス映画だが、日本にとってそれだけでも十分に誇れるものではないか。それでも満足じゃないのか。
まだ公開まで1ヵ月ある。ワーナーさん、どうか考え直してほしい。ジェイに代わって日本版の主題歌になったのは、ジェイと同じSME所属の若手ユニット、HIGH and MIGHTY COLOR「罪」という曲だそうだ。…なんとも皮肉なタイトルじゃないか。

しかし、まだ打開策はあるのではないか、というわけで、ここで一つ提案を。
SMEといえば、今までに親会社の映画部門では洋画のイメージソングに起用したアーティストのPVを、該当洋画の冒頭に上映するというプロモーションを行ってきたことでも知られる。(例:『めぐり逢えたら』とドリカム、『きみに読む物語』とケミストリー)この手法、純粋な映画ファンには首をひねらざるを得ないという意見もよく聞いてきたが、それを逆手にとって、ジェイの『霍元甲』のPVを先付けで上映してもらえないだろうか。もちろん全国のスクリーンでだ。ジェイの主題歌がイメージソングに格下げされてしまうのはもちろん悔しいが、もうすでにチラシができてしまった(でも公式HPは完成していないなぁ)今、そこまでやってもらわないと気がすまない。ただ、今回は配給がソニーピクチャーズではなくワーナーだから、実現は難しいと思うところもあるが、リンチェイもジェイ自身も、もちろん日本のジェイファンも思い入れがあるのだからなおさらである。

だから、もしワーナーかSMEの宣伝担当さんが見ていたなら、上記の件について、是非ともご検討をお願いいたします。どうぞ宜しくお願いいたします、本当に(涙)。

| | コメント (8) | トラックバック (4)

ベルリン映画祭、イザベラに愛を!

えー世界的(というか北半球的か?)にトリノ五輪一色のようですが、トリノと同じヨーロッパにあるベルリンは五輪より映画祭が熱かったようです。五輪は4年に一度ベルリンと同じ時期に行われるだけだけど、それでも毎年盛り上がるというベルリン映画祭はすんばらしいっすねぇ。

で、日本時間の今朝、閉会式が行われたそうです。

asahi.com: 浅野忠信さん主演作、受賞逃す ベルリン国際映画祭?-?文化・芸能.

主な受賞は次の通り。

 審査員グランプリ=「ア・ソープ」(ペルニレ・フィッシャー・クリステンセン監督)、「オフサイド」(ジャファール・パナヒ監督)▽監督賞=マイケル・ウィンターボトム、マット・ホワイトクロス(「ロード・トゥ・グァンタナモ」)▽男優賞=モリッツ・ブライブトロイ(「エレメンタリー・パーティクルズ」)▽女優賞=サンドラ・ヒュラー(「レクイエム」)▽芸術貢献賞=ユルゲン・フォーゲル(「フリー・ウィル」)▽音楽賞=ピーター・カム(「イザベラ」)

ああ、浅野くん&ラッタナルアーンさん&ドイル兄さん、残念っす…。

invisivlewaves

どっちメインだかわからない画像で申し訳ない。
なんからぶらぶだなぁ、二人とも(違う)。


で、これが本題じゃなくて、驚かされたのが我らが美肌監督(詳しくはこちら)、パン・ホーチョン監督の新作《Isabella(イザベラ)》が音楽賞(担当は御馴染ピーター・カム。彼についてはKumiさんが書かれています)を受賞。
…え、音楽賞?なんで?国際映画祭でこういう賞があるなんて、初めて聞いたんだけど?
詳しくはもにかるさんが書かれているんですが、主演のチャッピーもイザベラちゃんも、俳優賞候補にはなっていたようで…。でも今年はヨーロッパの作品が強かったってことなんですね。それでも評価されて賞が与えられたのだから、これはやっぱり期待していいんじゃないかな。
しかし、チャッピーとイザベラちゃんが親子を演じるとは…。確かにチャッピーも30代だから、結婚して子供がいる役でも不自然ではないんだけど(^_^;)。あと、イザベラちゃんはどんな感じの子かよく知らないので、これは観たいと思います。やっぱし今年の東京国際まで待ったほうがいいのかな?

isabella_1

レッドカーペット・アライビング。白ネクタイのチャッピー、卒業式の先生か結婚式のお父さんみたい…。

isabella_2

こちらがイザベラちゃん。

| | コメント (4) | トラックバック (2)

『無極』について、もーちょっと語らせろ(偉そーに)。

現在日本と、ベルリン映画祭で好評上映中(多分)の『無極』週末の全国興行収入ベスト5にも入ってまずは一安心(ライバルと見られた某韓流明星主演の刑事映画は10位だったらしい)。ネット回りしたり新聞サイトの批評を読むとツッコミまくりな論評が多いのですが、まーそれもまたよしってことで(って軽く言ってるなぁ)。
今回は前回の感想で書ききれなかったことについていくつか。

まずは言語の話。
真田さんもドンも自分で声をあてたということもあり、セリフもちゃんと馴染んでいた印象。特に真田さんは『天地英雄』の貴一ちゃんより言い回しがうまかったんじゃないかと思う。『ラストサムライ』は英語映画だけどセリフはほとんど日本語だったし。昔、香港映画に出たときは、どーだったんだろうか?日本人役だからほとんど日本語?やっぱり吹き替え?
あと、ニコとセシもちゃんと自分で吹き替えていたよね?違う?セシはいつものアヒル声とちょっと違う声もところどころ混じっていたようにも感じたので、多少怪しいところがあるが。いくら同じ中華民族とはいえ、広東人が北京語を話すのも容易じゃないんだなーと思う今日この頃。

次はアクションの話。
今回は武侠映画には珍しく、剣以外の武器もよく出て来たなーと思った次第。蛮族との戦いで敵陣に乗り込んだ光明が使った武器は鉄球(一見でっかいアメリカンクラッカーのようだが)だったし、無歓は鉄の扇だった。そういえばニコ、「扇って男性が使う武器にしては珍しいんだよね」とも言っていたか。あと、鬼狼の使った剣には、金蛇郎君(碧血剣)を思い出したなぁ。(下の写真を参照。なお文庫版『碧血剣』は品切れのようです)

オンライン書店ビーケーワン:碧血剣 3

で、衣裳の話。
この作品で金像奨衣裳デザイン賞にノミネートされた正子公也さん。三国志や水滸伝などのビジュアルデザインが有名で、歴史武将イラストの第一人者と言われているらしいけど、ワタシが彼の名前と絵を知ったのは、金庸小説の文庫版や前々回の記事で書いた『還珠姫』のカバーイラスト。金庸小説というとどーしても李志清のイラストという印象が強い(ただ、『鹿鼎記』のカバーは高村薫作品や秋田文庫版手塚治虫作品で御馴染の西口司郎さんだった)ので、最初はんー?という感じだったけど、『還珠姫』の華やかな表紙絵がよかった。正子さんのイラストには中華っぽさももちろんあるんだけど、やっぱり日本人ってことで、どこかに日本風のテイストも入っている感じ。でも、そのテイストは明らかにワダエミさんとは違うのよね、うまく説明できないけど。パンフにはキャラクターの衣裳や美術のイメージデザイン画も収録されていたけど、光明の家、もとい海棠精舎は、デザインでも実物でも日本的な感じだもんなー。あと、光明の華鎧(感想エントリでは間違って変換してたなー。多少直しましたが、もしまだあったらお許しを)はちょっと曹操(NHK人形劇版『三国志』ね)っぽいと思った次第。

カイコーと真田さんとドンはベルリンに行っていたそうだけど、現地の観客の反応が気になるなぁ。やっぱり大ウケだったのだろうか、ドンゴン走り(爆)。

| | コメント (5) | トラックバック (1)

『美少年の恋』水田菜穂 ヨン・ファン原案

どうもこんにちは、突如腐女子スイッチが入っちまった今日この頃のもとはしです(爆)。
いったいどうしたんだろう、自分?よくわかりません。

腐女子スイッチが入ってしまったといっても、『無極』での無歓と鬼狼の関係にエヘエへとヨコシマンな妄想をめぐらせているわけじゃなく(あ、でも一瞬妄想した)、突如として自宅にあるBL小説(といってもそんなに多くないぞ)を読み倒しているわけであって、ちょっと時間を置けばすぐ醒める年中行事みたいなもんなのでご安心下さいませ。(台湾で一部勢力が毎年短期間ホントにちょこっとだけやっている反日運動と同じくらいの年中行事です。ってどういう例えをあげているんじゃい)

そんなわけで久々に読み直したのがノベライズ版『美少年の恋』。

美少年の恋
美少年の恋
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.16
ヨン ファン原案 / 水田 菜穂著
角川書店 (2000.7)
この本は現在お取り扱いできません。

ああ、これってもう6年前になるんだ…。ちょうど地元で『美少年』が上映されていたとき、参加していたニフの読書会チャットで「『美少年の恋』観てきたのぉー(はぁと)」とはしゃいでいたら、「ノベライズ出ていたよー」と教えてもらい、早速最寄の書店に買いに行ったのを思い出したわ。

実は『美少年』って、ワタシの香港映画短期間ヘビーローテーション鑑賞映画ナンバー1です(爆)。それまでは『ブエノスアイレス』の半年間6回(劇場上映時)だったのだけど、日本公開前にVCDを買っていた『美少年』は劇場上映前後にVCDをガンガン観ていて、結局半年間で8回鑑賞という記録を作りました。…アタシってアタシっていったい(泣笑)。

で、久々に読んでみたのですが、…んー、『美少年』観たくなったなぁ。あと、香港の実在の地名やお店の名前もどんどん出てくるので、やっぱり香港へ行きたいなぁと(って結局そこかい)。冒頭の香港の描写から、もう風景が目に見えるようで…。
前半はステが演じたジェットの目線で描かれ、後半は彦祖が演じたサム(ファイ)の視点から描かれていて、基本的には映画と同じ筋。ジェットが好きかサムが好きかで評価が分かれちゃうかも。(実際ワタシの知人内では分かれました。ステ好きな方には「サムがメインで期待と違ったわ…」という意見もあったし)
なお、有名な話ですが、この映画が公開される経緯はもにかるさんご本人が詳しく書かれていますね

しかし、この映画にハマッていた頃には、まさかステが監督になったり、彦祖がこんなにいい俳優になると思わなかったよなー。時代は回っているわけね。

ところで『美少年』は上にもあるようにもう品切れなんだけど、近年のアジアンBLムービーのヒット作『ボクカレ』もノベライズ化されていたっけなぁ。これはどんなもんなんだろうか?

僕の恋、彼の秘密
ラディ・ユウ脚本 / チョン リン著 / 松繁 梢子訳
竹書房 (2005.12)
通常2-3日以内に発送します。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

『還珠姫』瓊 瑤

中国の人気女性作家、瓊瑤(チョン・ヤオ)が自ら脚本を手がけたドラマ《還珠格格》が香港で放映されていた7年前、ワタシはほぼ3カ月おきにかの地に渡っていたほど、香港にとりつかれていた(笑)。でも当時映画産業自体はかなり低迷しており(そういえば『星月』もこの頃だったな。あと『リング』がやたらと当たってしまった時だ)、TVドラマが人気があったということを覚えている。その当時もっとも人気があったのが《還珠格格(「格格」は満州語で皇女)であり、夏に信和中心を訪れると、紅館で連日コンサートを行っていた金髪の華仔の生写真よりも、このドラマでブレイクしたヴィッキー・チャオやルビー・リン、蘇有朋(アレック・スー)のグッズの方が目立っていたっけなぁ。いまでこそ“中国四大女星”ではツーイーが抜きんでちゃっているけど、実際は彼女よりヴィッキーの方が人気があると思うんだが、どーだろーか?

還珠姫
還珠姫
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.15
瓊 瑶著 / 阿部 敦子訳
徳間書店 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。

昨年の秋、『還珠姫)』と題されたこの本の翻訳が日本で発行されたと聞いた時、「遅い、遅いぞ徳間書店!」と呟いてしまったのは言うまでもない。確かに金庸小説の翻訳にかなり時間がかかったからというのもその原因なのかもしれないけど、女子向けの中華時代小説ってそんなにないので(同じ瓊瑤の『寒玉楼』もずいぶん前に邦訳されていたけど)、ちょっと読んでみたいもんだと思っていたのだ。せめてチャングムがブレイクする前にって…(泣)。
でも、簡訳版とはいえ、こうやって邦訳されたのは嬉しかったわ。

時は清朝、乾隆帝の時代。自らが乾隆帝の落胤であることを知った18歳の夏紫薇は、父親に名乗るべく、侍女を連れて上京していたが、乾隆帝へのお目通りがなかなか出来ずに焦っていた。そんな時、彼女は女盗賊の小燕子と知り合って意気投合、義姉妹の契りを交わす。紫薇の身の上を知った小燕子は彼女の力になるべく、皇帝に逢える近道として御猟場に連れて行くが、弓を受けて負傷し、皇帝の元に担ぎこまれる。その時、たまたま彼女が落胤のしるしを持っていたことから乾隆帝は彼女を姫と認定してしまい、小燕子は“還珠公主”として宮中に迎え入れられてしまう。もちろん彼女にとってこれほど不本意なことはない。そこで彼女は紫薇を助けた福爾康・爾泰兄弟や五皇子の永[王其]と一計を案じ、紫薇をなんとか皇帝と引き合わせようとするが、小燕子を気に食わない皇后の陰謀や、宮中の不自由なしきたりがそれを阻む…。

…いやぁ、さすが簡訳版!読み始めたら止まらなかったわ。しかし、『笑傲江湖』を除いては読み進めるのに骨が折れた金庸小説を読んできた身としてはすいすい進みすぎて物足りなかったのもまた事実。あとがきを見ると、第3部まででていると言うので、いずれ完全版が翻訳されればいいんだけど。

この本を読んでて爽快だったのが、小燕子と紫薇の友情。どーも日本の『大奥』あたりに慣れていると、宮中を舞台にしたドロドロした展開ってーのをついつい時代小説に求めたくなるのに(そうか?)、小燕子は義理堅いキャラクターになっているので、自分が公主として宮中に迎えられても、その位置には決して甘んず、何とかして皇帝の落胤である紫薇を招き入れたいと奔走する。小燕子が武術に秀でていると言うのもポイントが高い。一方の紫薇は芸術と文才に秀でているので、この二人はホントに名コンビなのだ。

せっかく邦訳が出たから、ドラマもちゃんと観てみたいんだけど、日本でソフト化は厳しいかな?ヴィッキーとルビーじゃイマイチ知名度が…なのかなぁ?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

愛とツッコミの香港電影金像奨ノミネート2006

4月8日(土)に発表される香港電影金像奨のノミネートが発表。詳しくはもにかるさんのblogこちらを…。

まずは総評。
いやなんていうか、考えてみればノミネートされた作品数が少ないねぇ(泣)。『セブンソード』&《如果・愛》11部門、《黒社会》&『イニD』が10部門か…。復調傾向にある香港映画とはいえ、製作本数が減っているのは…(;_;)。あと、昨年に比べてラインナップが地味というか、アクションものが多いというか。もうちょっとバリエーション豊かでもよかったんじゃないかな。
では、各部門ごとにツッコミ。

最優秀作品賞
『セブンソード』《如果・愛》『The myth/神話』《黒社会》『頭文字D』

んー、さっきも書いたけど、今年は意外にも地味?いや、そうでもなくて派手?
だって、徐克先生久々の監督作品『七剣』に、ピーターさんが久々に香港で監督した《如果、愛》、カンヌのコンペ部門に初出品されたジョニーさんの《黒社会》、そしてアジアンミックス映画時代の到来を告げるイニDに成龍さんの《神話》など、渾身の作品が揃っているもんなー。…まー、確かに去年は『功夫』と『2046』の戦いで、けっこう派手だったけど。今年は予想が難しそうだわー。

最優秀監督賞
ツイ・ハーク(セブンソード)ピーター・チャン(《如果・愛》)イー・トンシン(《早熟》)ジョニー・トウ(《黒社会》)アンドリュー・ラウ&アラン・マック(頭文字D)

例年ならジョニーさん、トンシンさんが受賞の常連だけど、久々に香港で映画を作ったピーターさんとツイ・ハークさんがベテランの意地を発揮!というのも見たいわ。

最優秀脚本賞
オーブリー・ラム&杜國威(《如果・愛》)イー・トンシン&秦天南(《早熟》)ジェームズ・ユエン&方晴&羅耀輝(神經侠侶)張志光&陳淑賢(《童夢奇縁》)ヤウ・ナイホイ&葉天成(《黒社会》)

アクション系が多い今回のノミネートのうち、さすがに脚本賞はドラマ系作品が揃っているなぁ。…でも、どれも観ていない。すまん。

最優秀主演男優賞
アーロン・クォック(ディバージェンス)レオン・カーファイ(長恨歌)アンディ・ラウ(童夢奇縁)サイモン・ヤム(黒社会)レオン・カーファイ(黒社会)

…あ、カーファイがダブルノミニーだ。そしてアーロンが金馬に続いてノミネート!なんだか新鮮だ。できれば金馬との2冠を目指してほしいぞ、アーロン!

最優秀主演女優賞
チョウ・シュン(《如果・愛》)カリーナ・ラム(《怪物》)サミー・チェン(長恨歌)シルヴィア・チャン(ライス・ラプソディ)カレン・モク(《童夢奇縁》)

昨年がツーイーだったので、同じく大陸出身の周迅の受賞はどーだろーという気もあるが。あえて予想を立てればサミーかな?

最優秀助演男優賞
アレックス・フォン(方中信)(《千杯不酔》)フー・ジュン(長恨歌)リウ・カイチー(SPL)ウォン・ティンラム(《黒社会》)アンソニー・ウォン(頭文字D)

やはりあの文太パパが最高だったアンソニーさんがダントツでは?でも、セクシーな胡軍も、あの最期が泣かせたカイチーさんもよかったもんな。中信さんと王晶パパの演技は観てないからなんとも言えんが。

最優秀助演女優賞
チャン・チンチュー(セブンソード)テレサ・モウ(《早熟》)スー・イェン(長恨歌)カリーナ・ラム(《阿嫂》)マギー・シュウ(《黒社会》)

カレーナちゃんは主演とのダブルノミニー。昨年の彦祖状態ですね。ところで『七剣』の張静初さんって、チャーリーの幼馴染陸毅くんのお嫁さんだっけ?それともパンクな敵役女子だっけ?(調べたら奥さんの劉郁芳でした)

最優秀新人賞
フィオーナ・シッ(《早熟》)イザベラ・リョン(《虫不知》)劉心悠(《阿嫂》)葉[王旋](《情義我心知》)ジェイ・チョウ(頭文字D)

うおー、今年の黒一点はジェイか!イザベラ嬢はホーチョン新作《Isabella》にも出ているよね?

最優秀撮影賞
姜國民(セブンソード)ピーター・パウ(《如果・愛》)ピーター・パウ(無極)鄭兆強(《黒社会》)アンドリュー・ラウ&ライ・イウファイ&伍文拯(頭文字D)

これまた選べないメンツだなー。

最優秀編集賞
アンジー・ラム(セブンソード)邱志偉(ディバージェンス)ウェンダース・リー&コー・チーリョン(《如果・愛》)パトリック・タム(《黒社会》)黄海(頭文字D)

昨年は確か『功夫』でアンジーさんでしたか。お、ホーチョン作品や『メイド・イン・ホンコン』でも御馴染の編集マン、ウェンダース君がノミネートされている。

最優秀美術指導賞
黄家能(セブンソード)ハイ・チョンマン&黄炳耀(《如果・愛》)ウィリアム・チャン(長恨歌)雷楚雄(《情癲大聖》)ティン・イップ(無極)

本命ウィリアムさん、対抗ティン・イップさんかチョンマンさんだと思うんだけど…。

最優秀衣裳デザイン賞
潘穎茵&陳顧方(セブンソード)ハイ・チョンマン&ドーラ・ン(《如果・愛》)ウィリアム・チャン(長恨歌)ウィリアム・チャン&余家安&利碧君(《情癲大聖》)ティン・イップ&正子公也(無極)

おお、正子さん!彼のデザインことはいずれネタにしようと思っていました。こうなったらワダエミさんに続く衣裳デザイン賞日本人受賞者を目指してほしいが、敵がけっこう強いかも?

最優秀アクション指導賞
ラウ・カーリョン&トン・ワイ&ホン・ヤンヤン(セブンソード)李忠志(ディバージェンス)ジャッキー・チェン&スタンリー・トン&元徳(神話)ドニー・イェン(SPL)ユエン・ウーピン&袁信義&谷軒昭(ドラゴン・プロジェクト/精武家庭

すげー、選べねー(爆)。『神話』以外全部観ているけど、こんなに豪勢なメンバーがアクションを手がけていたのね。

最優秀新人監督賞
鄧漢強(《b420》)ケネス・ビー(ライス・ラプソディー)スティーブン・フォン(精武家庭)

あ、嬉しい、ステ監督が入っている!これはもう期待するっきゃないっすね!

最優秀音楽賞
川井憲次(セブンソード)ピーター・カム&高世章(《如果・愛》)久石譲(《情癲大聖》)ロー・ターヨウ(《黒社会》)チャン・クォンウィン(頭文字D)

昨年の梅林さんに続いて、日本人音楽家の受賞はありか?と思いきや、川井憲次さんのノミネートだけでもすごいのに、ニコ&ボーリンの西遊記こと《情癲大聖》の音楽って、あの久石譲さんなのー!?これはびっくりよ!まー久石さんは宮崎御大や北野武映画のほか、カンヌで無声映画の音楽の指揮をしたり、フランス映画や韓国の『トンマッコルへようこそ(直訳?)』の音楽も手がけているから、お手のもんだと思うんだけどさー。

最優秀主題歌賞
『如果・愛』ジャッキー・チュン(《如果・愛》)『Endless Love』ジャッキー・チェン&キム・ヒソン(神話)『下次不敢』アンディ・ラウ(《童夢奇縁》)『飄移』ジェイ・チョウ(頭文字D)『無頼』ロナルド・チェン(《龍[口甘]威2之皇母娘娘[口尼]?》)

なんか、今の香港でのヒットチャートを見てるみたいなノミニーだこと。豪華だなー。アンディと学友さん、そしてジェイ。何が獲ってもおかしくないな。

最優秀音響効果賞
『セブンソード』《如果・愛》《情癲大聖》『無極』『頭文字D』
最優秀視覚効果賞
『セブンソード』『神話』《情癲大聖》『無極』『頭文字D』

このへんは難しそうなのであえてコメントせず。

最優秀アジア映画賞
『ココシリ』(中国)『ハウルの動く城』(日本)『スリー・タイムズ』(台湾)『親切なクムジャさん』(韓国)『いま、会いに行きます』(日本)

なんとなーく、どういう基準でアジア映画を選んでいるかわかったような気がする。日本映画は評価の高いのとヒットしたので選んでいそうだ。韓国は香港映画のライバル的な意味合いもあるし、中国と台湾は芸術性を重んじて選んでいそう。それを思うと今年は昨年の金馬奨に続いて『ココシリ』になるのか?いや、案外『ハウル』かも。

こんな感じで今年は非常に予想が難しそう。全体的には『七剣』と《如果・愛》が大多数を分けあうような気がする。でもなんかサプライズがほしいのも事実だなぁ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

PROMISE(2005/中国)

「…しかしカイコーよ、キミはいったいどこへ行くんだ?」
ここ7、8年ほど、陳凱歌の新作を観るたびに、思わずそう呟いてしまうワタシである。デビュー作の『黄色い大地』とカンヌでパルムを受賞した『覇王別姫』に圧倒された人間としては、それ以降のカイコーの迷走にやや頭を抱え気味だった…というのは、2年前の『北京ヴァイオリン』でも書いた通り。あの映画は観た当初「いやぁ、ええ話やぁ…」だけですませていたが、でもカイコーらしくない映画だよなーと後で思い直したこともある。そんなこともあって再び「キミはいったいどこへ?」と心配したのであるが、製作決定の報から2年を経て目の前に現れた『無極』こと『PROMISE』には、ああまた英文そのままタイトルかよ、この路線いいかげんやめようよワーナーさん、と例の如くツッコミながら観たのだが、本編にはそれ以上にツッコミまくって頭を抱えてしまったのは言うまでもなかった…。
いや、つまんなかったわけじゃないのよ、決して。むしろ大笑いして観てたのよ、とっても気持ちよく。でもさー…というのは後ほどにしてあらすじ。

(注・今回もネタバレで書いているので、例によって未見の方はこの後をなるべく見ないようにしてください)

時は未来における3000年前、ところはアジアのどこか(で公用語は中国語)。
戦場の跡で盗みを働く少女傾城は、死体から奪った饅頭を高貴な身分の少年と奪い合う。少年は「ワタシの奴隷になれ、そしたら食べ物をやろう」と言い、傾城は同意するが、饅頭を受け取った途端逃走する。そんな彼女の前に運命の女神満神(陳凱歌夫人陳紅)が現れ、「そなたを全ての男に愛される女にしてやるが、その代わり真実の愛を知ることはできない」と告げる。少女はそれを受け入れて、20年の時が過ぎる-。
華鎧に身を包んだ大将軍光明(真田さん)は、蛮族との戦いに挑む。彼は先に奴隷を放って蛮族との戦いに挑むが、その奴隷の中にいた崑崙(ドン)が自らに与えられた俊足で蛮族の放つバッファローの大群を散らし、光明に勝利をもたらす。奴隷の中でたった一人生き残った崑崙を光明は評価し、二足歩行を許して直属の奴隷とする。
光明のもとに、北の公爵無歓(ニコ)が王の命を狙っているという知らせが入り、光明と崑崙は王の元へと急ぐ。しかし、道に迷った光明は満神と出会って「華鎧の者が王を殺す」という未来と、自分の運命を予言される。さらに無歓の従者鬼狼(リウイエ)に襲撃され、光明は重傷を負う。再会した崑崙に光明は自分の華鎧を貸し、王を救うように告げる。
王は全ての男を惑わす傾城(セシリア)を王妃にしており、無歓は王から傾城を奪おうと反乱を企てていた。それを止めようと乱入した華鎧の者が放った剣で、王は命を落とす。彼(崑崙)は傾城を奪取して逃走するが、無歓によって滝壺に追い詰められ、傾城は囚われの身になる。傷が癒えた光明は崑崙とともに傾城を助けに行く。すでに裏切り者として将軍の地位を追われていた光明は、傾城を一目見るなり恋に落ちるが、真実の愛を知らない傾城は彼の前からいったん姿を消す。崑崙は彼女を探しに行くが、その途中で鬼狼と出会い、自らの出生の秘密を知らされる。やがて傾城は光明の元に戻り、光明はひと時の幸せに溺れるが、彼らに対して無歓は執拗に迫ってくる…!

なんか改めてあらすじを書いてみると、筋はものすごーく破綻していたんじゃないかと。だからもっとわかりやすく書けば「国同士の戦いも、あまりにも不毛な愛の四角(いや、五角か?)関係も、すべての発端は饅頭である。つまり、食べ物の恨みはそれだけ恐ろしい…」という、いろんなところでもすでに挙げられているこの一言で終わってしまう。
その「食べ物の恨み」話を、香港電影迷にはすっかり御馴染のセントロ・デジタル・ピクチャーズによる豊富で過剰なCGを駆使してこれでもかこれでもかって勢いで2時間4分で描く。はははははははははは。なんて無駄に豪華なんだ!(注・これは決してけなしているんじゃなくて誉め言葉です)おかげで冒頭から遠慮なく大笑いさせられましたよ!いや、今までの中華武侠電影にだって、『英雄』『十面埋伏』『七剣』の例を出さずとも、CGはふんだんに使われてきた。しかし、ここ5年間に観た中華武侠電影の中では一番多く、かつわかりやすいCGを使っていたんじゃないかな。まーそうしたいがために、時代と舞台を架空の設定にした(おそらく)中国映画初のファンタジー仕立てにしたんじゃないかと。もう思わないとここまで過剰なCG使用に納得できないかな(笑)。…しかし、CGをふんだんに使いまくると話が破綻するってー恐るべき反比例は、ハリウッドや日本だけではなかったんだな。ははは。

ま、ここまで破綻してるとホントはどうしようもないんだが、それを補ったのはキャストの演技力だったわー。
ニコは皆さんおっしゃるとおり、かわいそうな役どころだったけどホントに素晴らしかった!ドンがメイン(そう、真田さんじゃなくて。確かにこの物語の核をなすキャラは崑崙なんだけどさー)の、あからさまに韓流狙いなプロモーションから路線変更したのは正解である。いや、こんな田舎でも、真田さんとドンの後にニコの名前が読まれたCMが流れた時には耳を疑ったもんねー。(…って、こらこら!)いくら立ち位置が悪役(本人は認めていないが)とはいえ、「『美』で運命に挑む」というキャッチが間違いじゃないほどの美意識バシバシな伊達男ぶり。日本だったら間違いなくみっちーだよな(これまた皆さんおっしゃってますが)。幼少時のトラウマ(だろう、あれは)により邪悪にしか生きられなくなった男という複雑さもうまく表現してくれたし、リウイエ君とのカップリングだってよかったー(あ、変な意味じゃないよ)。髪型はさりげなーく現代的(細い三つ編みを編みこんだ髪型、日本でも長めの髪の若手男優がよくやっているよね?)ってーのもポイント高し。
リウイエ君といえば、全くプロモに現れなかったせいもあって、扱いが地味なのかなーと思いきや、けっこう目立っているではないか。いや、目立っているっていっても、顔は白塗りで半分薄布に隠れているし、雰囲気的には特撮ドラマの悪の神官ってーイメージだし、最初の登場シーンがあまりにも速すぎて、リウイエ君だとは気づかなかったんだが(^_^;)。しかし、彼もまた悲しいキャラであった…。ああ、きっとこの5年間は、無歓にこき使われたながらも忠誠を尽くしてきたんだろーなー。

他のキャストでは、やっぱり真田さんがすごい!との一言に尽きるでせう。
幼い頃から彼の姿(特にアクション方面で)を観て育ってきたので、親しみのある俳優さんである。みちのく国際ミステリー映画祭にて、彼の斜め前の席で『真夜中まで』を観たこともあったっけ。でも、すでに45歳!トニーやアンディより上かよ!と気づいた時には改めて愕然としたりして。まー彼、身長も多分トニーやアンディと同じくらいでは…。
ここ10年くらい、彼の出ていたドラマや映画を観ていると、キャリアを感じると同時に、殺陣やちょっとした演技に色気を感じさせたり、どっか年齢不詳で中性的なものもあったり(これはRSCで『リア王』の道化役を、アジア人で初めて本場で演じたというドキュメンタリーで観たときに感じた)で、彼は面白い俳優さんになってきたなーと思ってきたけど、海外進出については『ラストサムライ』以前に「アジアでなんかやりたい」発言をしていたのね。そんな彼にとっては念願の企画だったわけで、英国演劇やハリウッドの他にも香港映画出演の経験もあるから(また出てほしいぞ、ただし今度はアクションよりもドラマで。トニーと共演ならなお言うことなし)、かなりリラックスしてできたんじゃないかしら。ただ無敵なだけじゃない非力さも見せつつも、傾城との絡みに感じられるどっか崩れかけたエロさ(ええ、あのセックスシーンも含めて!)もまたよし。あ、もちろんアクションシーンは言うことなし。演技派にしてアクションも魅せてくれる俳優さんというのは、アジア的にはポイント高いしね。
そうそう、真田さんと中華女優というカップリングは絵になるー。『真夜中まで』でミシェル・リーと共演した時に思ったけど、今回セシリアとツーショットを見せてくれたときも同様。いや、それは真田さんが中華女優の皆さんと身長差が極端じゃないからってだけじゃないんだけど(笑)。聞いた話では真田さんとセシの仲がけっこうよかったみたいで、そーいえばパンフではセシ自身も「真田さんが好みー」とか言ってたもんな(^_^)。現在撮影中の英国映画『サンシャイン』では多分20年ぶりくらいにミシェル・ヨー姐と共演だというから、そっちではどんな絡み(といってもミシェル姐なら絶対恋愛抜きだな)を見せてくれるか楽しみだ。
で、セシなんだが…、フツーならこういう役どころにはツーイーとかヴィッキーとかシュー・ジンレイを当てるよな。そこをあえて外して香港の庶民派女優セシにしたというのはカイコーの狙いだったというけど…、うーん、それはどうかなぁ?というのも多少は感じたりして。『旺角黒夜』『忘不了』のすっぴんで感情を露にする思い切った演技を評価している身としては、セミヌードやらベッドシーンにも果敢に挑戦する潔さも好と受け取るけど…なんてったって厚化粧だったしな(爆)。
とりあえず、キャストについてはこんなもんかな。誰か忘れているような…。あ、ドンのことか。
いやーすごかったね、あの“人力加速装置搭載人間”っぷりは!“そのまんま人間8マン”っぷりは!普段の彼に感じるイケイケっぷりなど微塵も感じないよ。その勢いでガンガン話を引っ張ってくれるけど、やっぱり彼は主役じゃないんだよねー、とまたまた敵をたくさん増やしそうな結論に落ち着く。でも、その熱意は認めるよ。もっとも単独主演の次回作は…すみませんm(_ _)m。

パンフにあったカイコーのインタビューで気になったのは、「最初はレスリーが生きていたら、彼に無歓を演じてほしいと思っていた」というコメント。今まで彼とコンビを組んできただけあって、やっぱりカイコーもレスリーの不在を気にかけていたんだな。もちろん、ニコの起用は大成功だったんだけど、ニコとレスリーに通じるものがあると述べたコメントは興味深かった。
…それにしても、こーんな映画を作っちゃったカイコーよ、キミはいったいどこへ行くんだ。やっぱり映画という無極の定める運命の中へか?

このほか、衣裳や小道具のことや気になったことがいくつかあるんだが、それはまた日を改めて書くということで。てーか、忘れないうちに書ければいいんだが…。

原題:無極
監督:チェン・カイコー 製作&出演:チェン・ホン アクション指導:トン・ワイ&ディオン・ラム 撮影:ピーター・パウ 美術&衣裳:ティン・イップ 衣裳:正子公也 音楽:クラウス・バデルト
出演:真田広之 チャン・ドンゴン ニコラス・ツェー セシリア・チャン リウ・イエ

| | コメント (2) | トラックバック (4)

『南拳媽媽的夏天』南拳媽媽

pht0602082302.jpg

今週初めのジェイ演唱会でゲストし、ジェイとのコラボレーションを見せてくれた男子3人&女子のユニット「南拳媽媽」。ここで彼らを見て惚れたー(●^o^●)と思った人は、ワタシと藍*aiさんの他にどれくらいいるんでしょうか(笑)?
そんなわけでコンサート翌日、新宿のHMVで南拳のファーストアルバム『南拳媽媽的夏天』を早速ゲット。昨年夏にLaraちゃんと張傑くんが加入して新生した南拳の最新アルバム『二号餐』(情報多謝です>ぽちさん)は売っていなかったので、ただいま中華ポップス輸入代理店サイトを物色中。

いくら中華芸能好きとは言っても、ワタシの守備範囲は映画と香港芸能方面に偏っているし、台湾ポップスに夢中になったのも90年代後半まで(阿妹と宏くんがデビューした頃まで)で、その後は香港ポップスに移行してしまった。だから宏くんとジェイを聴き始めるまでの台湾ポップスの現状を知らないし、今でもよくわからない(台湾に1年住んでいた弟の方が詳しいくらいなんだよなー)。唯一の例外はリッチーなんだけど、彼も映画経由で知ったからねぇ。
ましてや陳淑樺や張清芳、男性なら趙傳や伍思凱や伍佰などのソロアーティスト(といっても伍佰はバンドを持っているが)が好きだったので、ユニットやグループはなんだかぴんと来なかった。しかもワタシが台湾にいた頃は小虎隊の全盛期だった(うわー)。

だんだん思い出話になってきたので(悪い癖だ)本題。『南拳媽媽的夏天』は南拳が野郎4人のユニット(現メンバーのピアノ弾きの宇豪くん、弾頭くんの他、ジェイの演唱会PD巨砲さんとレコーディングエンジニアの蓋瑞ことGaryさん。彼は『部屋においでよ』に出ていたらしい)だった時のもので、ジェイも曲のプロデュース、楽曲提供、アレンジ、コーラス、そしてPV監督などで助っ人参加している。多少はジェイの曲に似ているかなぁと感じるものもないわけじゃないけど、全体的にはR&Bよりかはロックっぽい印象。

好きな曲は台湾語も交えた『小時候』。PVではジェイも出演。西遊記をモチーフにした『[口喜]遊記』も面白い。巨砲さんとGaryさんはどちらかといえばロック的な曲を作るみたい。宇豪くんはジェイと連弾しただけあってピアノのメロディが冴えるメロディアスな曲を作り(彼は淡江中学でのジェイの後輩。うわー、この子ともきっとどっかですれ違ったかも!)、3曲作詞した弾頭くんはR&B方面が得意みたい。よくよく聞いてみるとそれぞれ個性がはっきりしてくる。もうちょっと聴きこめばさらにわかるかな?

『二号餐』は入手してから書こうと思うんだけど、公式サイトで、ジェイ演唱会で歌った『破暁』と『What can I do』を試聴してみた。
…うん、なかなかいい感じ。Laraちゃんの声が入って、かなりポップな色合いが高まったのかもしれない。
ところで、プロフィールを見てみたら、どーやらLaraちゃんってロシア系の血が入っているらしい(ほんで国籍は美國)。それじゃますますLisa(ジェイ演唱会の記事を参照。彼女は日本とコロンビアのダブル)だぞ。ははははは。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

久々に、中華小ネタにツッコミ。

もとはしは東北在住なので、毎日毎日降る雪と白一色の雪景色にやや飽き気味
今週始めにジェイ演唱会に行ったせいか、はたまたココログユーザーのヴィジュアリスト手塚眞さん『怪医黒傑克 両位神秘医師』(リンク先は中文)のプロモーションで行かれたと聞いたせいか、なんだか台湾に行きたいなぁなんて思っちゃったり、その一方、金像奨のノミネートが発表され、nancixさんのところで、「香港影視娯楽大使」に決定した梁朝偉先生の写真を見たら、ああ香港も行きたい、金像も観たいぞっと思ったり。…つまり雪まみれの現状から逃げたいのか、自分よ?…うん。

現在は金像ノミネートへのツッコミや南拳CDの感想を書いている途中で、明日はいよいよ『無極』を観るつもりなので、中華ネタは当分つきないんだけど、今コメントしないとタイミング悪いかなーという中華ネタをいくつかチェック。

☆サイドバーにも書いたけど改めてこっちにも。
タイにウルトラマンの街を作る(from:asahi.com)って言っているタイの製作会社チャイヨーが作るウルトラマンの主演がイーキン!(from:文匯報)ってーのは驚き。ウルトラマンっつったらなんてったってアンディじゃーん。うむむー。でもイーキンもヒーローが似合うオトコだからなぁ。タイでウルトラマンを作るならば香港で仮面ライダーを、って前から勝手に言っているが、主演はジェイ&南拳で…ってしつこいぞ>自分。

リヨン谷原、ついにリヨン化計画開始か!と思わず口にしてしまった、来年度のNHK語学講座キャスト決定のニュース(MSN毎日インタラクティブ)。4月からの『中国語講座』、初心者向けだけど観てみるかな。きっと『七剣2』日本公開の暁には、この番組でダブルリヨン対談が実現するんだろーなー。

☆ジョニーさんの青春柔道映画『柔道龍虎房』(リンクは感想)の日本公開決定はめでたい。ついでにキャッチコピーが素晴らしい!

『泣いてもいいから前を見ろ!』

思わず拳握りたくなりませんか?さらに「♪オレの話を…!」とか歌いたくなるし。(いくら“龍虎”だからってそれはどーだよ)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

『November's Chopin 11月的蕭邦』周杰倫

pht0602082258.jpg

↑なんだかチョコレートの箱みたいだと思った歌詞ブックレット(右)

本題に入る前にまず一言。

祝!周杰倫先生香港電影金像奨最優秀新人賞ノミネート!

…以上。では本題。(なお、金像ノミネートについては近日記事をアップします)

ジェイ演唱会ですっかりヘヴィロテになっている『11月的蕭邦』。今回は日本盤で買ってみた。
ヴェネチアロケの写真が満載のチョコ、もといブックレットとカレンダーはなかなか美しい。風景が。もちろんジェイも。(こらこら、おまけみたいに言わないの)あと、イニDオリジナル版の主題歌&挿入歌も入ったのは嬉しい。(『initial J』買ってなかったもんで)

『葉惠美』や『七里香』を継承したようなHIP HOPナンバーもあるけど、全体的にはメロディアスな曲が多くて聴きやすかった。ラップをやってもスローなビートだったりするし、“11月のショパン(直訳)”という題名が象徴するように、クラシックを原点とした曲調なので、初心者にも馴染めるんじゃないかなーって思うんだが、いかがなもんでしょうか?

印象的な曲についてコメントを、DVD収録PVの感想とあわせていくつか。
ショパンのノクターンをモチーフにした『夜曲』は過ぎ去った愛を歌った曲。PVではニューヨーク(だよねー)を舞台に、逝ってしまった恋人を偲ぶストーリー展開に仕立てられていた。ペプシのCF曲だという『藍色風暴』はロックとヒップホップとエレクトリックと賛美歌が融合した激しい曲。ちょっとリンプ・ビスキット(ウーさんの『M:i-2』のテーマで御馴染)っぽい?中国の故事をテーマにしてかなわぬ恋を歌った『髪如雪』はジェイ自らがPVを監督したそうで、現代と古代、二人の女、赤と白という鮮やかな対比が美しい。PVはヴェネチアロケ敢行&周迅と共演の『四面楚歌』は実体験から歌ったもの?あとはイントロのアコースティックギターが美しい『黒色大衣』や効果音が激しい『逆鱗』も印象的だし、コンサートでも南拳のLaraちゃんとデュエットした、透明感あふれる『珊瑚海』も聞きこむとステキである。実は初視聴になる『飄移』(祝・金像奨最優秀主題歌賞ノミネート!)、イントロ前の文太パパ&拓海の北京語での会話が楽しかった。『一路向北』、これはやっぱりスクリーンで聴きたかったなぁ。これを聴いてちくしょう吹替版のバカー(爆)と叫び、DVDレンタルでオリジナルを観ることを決意したのは言うまでもない。もちろん『楓』『浪漫手機』『麦芽糖』もよかった。捨て曲ははほとんどなし。よーしよし。

今までに何度も書いているように、ワタシはアメリカと日本のHIP HOPがホントにダメなんだけど、ジェイだとそういうナンバーもすんなり聴けてしまう。なんでだろうか?と思ったところ、やっぱり声かなーという結論にたどり着いた。よくよく聴いてみるとジェイの声ってやや高め(と言ってもそんなに高くもない)で透明感がある印象がある。ジェイに限らず、中華男子(特に台湾)アーティストの歌声は高めで甘い。日本や米国のラッパーは声が低いからどうも、と思うことがあるんだけど、ジェイの声でラッブされると、その声のよさから非常に馴染めるのだ。(宏くんのラップも同様。でも宏くんとジェイはまた雰囲気が違うんだよね。これもまたいつか記事にしてみたいんだけど…)まぁ、ジェイの曲はジャンルがクロスオーバーしてるから、それぞれのジャンルのいい点を生かして聴けるという利点があるのかもしれないね。

…やっぱり「霍霍霍霍霍霍霍霍!」じゃなかった『霍元甲』のシングルも買っておけばよかっただろーか。

そういえば、本日の読売新聞ジェイ演唱会の記事が出たようで。レビューを書かれた大野さんは6年前のレスリー演唱会の記事も書いていた記憶もあるので、中華アーティストのライヴもよく観られている方のようです。結構好意的な評価で嬉しいですねー(^o^)丿。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

忘れえぬ想い(2003/香港)

「泣かせる映画と銘打つものには絶対泣いてやらなーい。ウルトラマンで感動したら遠慮なく泣くが」とかなんとか日ごろから言っている天邪鬼もとはしであるが、天邪鬼であっても泣いて感動することが決して嫌いなんじゃない。ただ、某セカチューと某冬のなんちゃらの大ヒット以降、日本におけるエンタメ業界が、猫も杓子も日本ものもハリウッドものも泣かせよう泣かせようとあからさまに狙って「これは泣ける!」と強調して宣伝している風潮がものすごーく気に入らないのだ。
小説はともかく、セカチューを観たときはガッカリしたんだよなー。行定勲監督は実力派で結構お気に入りの人なのに、なんでこんなベタな作品で名を揚げちゃうのぉ?これなら『つきせぬ想い』や『星願』、大韓ものだけど『八月のクリスマス』のほうがよっぽどいいし、セカチューよりも自信を持って人に薦めまくっちゃうよって思ったもんだ。そう、もとはし的三大感動映画はこの三作品なんだが、別名「不幸にも(!)日本リメイク決定の三作品」でもある。これについてはあれこれ叫んできたのでここではパス、というかいい加減本題に入りたい。

もとはし的三大感動映画のひとつ、『つきせぬ想い』。ラウチン演じる失意の音楽プロデューサーが、廟街で広東劇一家の元気な娘ユンれんれんに出会って恋に落ち、立ち直っていくのだけど、ユンれんれんは白血病に冒されて、永遠に別れてしまうことになって…という、あらすじだけ書けば非常にベタな(ファンの人ごめんなさい)この映画。でも、この映画が胸をつかんだのは、各国共通の悲恋物語でありながらも、実際にあった話のかと思わされるように、街の片隅で生きる庶民の生活を丁寧に描き、香港という街の事情も浮かべさせたからじゃないかと思う。これは香港の街を知り尽くしたイー・トンシンの個性なんだなぁ。『旺角黒夜』や『色情男女』にもそれが感じられた。俳優出身でいまやすっかりベテラン監督になったトンシンさんが、『つきせぬ…』以来に放った珠玉の作品、それがこの『忘れえぬ想い』。この作品で完全復活を果たしたトンシンさんはこの後『旺角黒夜』を作り、昨年は《早熟》《千杯不酔》とこのところ快進撃をしている。
では、そろそろいきましょう。

(注・今回の感想はネタバレも多いので、これから観る人は以下の文章を読まれないことをオススメいたします。あ、これから観るけど読んでも大丈夫という人はもちろんどうぞ)

小慧(シウワイ/セシリア)の彼氏はミニバスの運転手偉文(マン/古天樂)。激しく雨が降るある日、シウワイはマンが仕事から戻ってくるのをミニバスの詰所で待っている。仕事を終え、詰所に戻る途中のマンのミニバスに、信号を無視したトレーラーがつっこんできた。その事故を目撃したのはマンの仕事仲間大輝(ファイ/ラウチン)。彼は急いでマンを救出するが、助けられてすぐマンは息を引き取る。病院に駆けつけたシウワイはマンの遺体を見て動揺する。彼女はマンと結婚する直前だったのだ。
シウワイはマンの連れ子樂樂(ロロ/原島大地)とマンのミニバスを引き取り、彼の遺志を継いで自らハンドルを握ることを決意する。しかし、情熱と正義感だけが空回りして、客拾いはおろか、運転もおぼつかない。せっかく収入を得ても、そのほとんどはガス代や修理代に消え、家賃や生活費まで切り詰めることになってしまう。そんな彼女を助けたのはファイだった。彼は彼女に客拾いのコツを教え、ロロの面倒まで見てくれる。そこまでしてくれるファイに安心感から愛情を抱くシウワイだが、強く生きなければいけないという思いが先に立ち、どうしても無茶をしてしまう。そのたびにファイは彼女を助けた。しかし、彼自身も自堕落さがもとで妻子に去られたという過去を持っていたこともあり、シウワイを愛していても、彼女にその思いをぶつけることができなかった…。

誰がつけたか“香港の涙の女王”というベタな(失礼)キャッチコピーをいつの間にか背負ってしまったセシリアに、この映画でトンシンさんは涙を封印させる。
最愛の人を失い、あまりにも悲しすぎて「涙が出ない」とつぶやくシウワイ。それは決して不自然なことじゃない。悲しい=涙を流すではないのだ。彼女の悲しみの重さは、マン亡き後、しっかり生きないとダメ!と思い込んで、自分を追い詰めてしまう痛さに変わって現れてくる。頑張る女性の姿というのは、香港に限らず日本やアメリカや韓国の映画でも描かれるが、あまり頑張りすぎると本人だって辛いし、客観的に観るとかなり痛く感じるのだ。立場は違うけど「自分も頑張りすぎるとこうなるのか?」思わず我が身を振り返ってしまう。
彼女を助けるファイも、決して王子様には描かれていない。無骨で照れ屋さんなキャラを演じさせたら右に出るものはいないラウチンが演じているからという理由だけではなく、同僚の恋人であったシウワイを、ぶっきらぼうながらもきめ細かにサポートする姿を見せるものの、その丁寧さと心遣いは自らの過ちで妻子を失ってしまったという悔いから来ているという現実が示される。彼もまた涙が流せず、シウワイと同じように過去に押しつぶされて生きていたのだ。思えば二人とも似たもの同士だったのだろうか。
彼女を気にかけているのはファイだけではない。最初はマンとの結婚に反対し、マン亡き後は一人でロロを育てると言い張るシウワイのガンコさに手を焼きながらも、こっそりアパートにやってきてはスープを作ってやったり生活用品を補充していくシウワイの両親もそうだ。『つきせぬ』ではユンれんれん演じるミンの叔父役だった名優チョン・プイさん(トンシンさんの異父兄だそうで)演じる父親は、当初は批判的でありながらも娘を認め、やがては娘を支えていく男とも理解しあうというスタンスを取っていて、説得力があり、観ていて安心できた。そうだよな、全ての父親は娘に対して必ずしも否定的だとは限らないんだよなぁ…。
ロロの原島くんは、まぁ、子役だからねぇ…(^_^;)。やっぱり香港でも子どもは強い!というか、ここ10年間の香港映画で印象的な子役ってあまりいなかったような…。いても、作品が続かないんだよね。『流星』のあの男の子も、いまは大きくなっちゃったんだろーなー。
古天樂はルックスこそ黒ルイスだけど、さすがシウワイが惚れるだけあっていいオトコぶりを発揮。しかし、ミニバスを○○○○○で埋め尽くすのはやりすぎっつーかキザ?

トンシンさんがこの映画にこめたのは「どんなに悲しいことがあっても、いつまでも悲しんではいけない。自分の人生だけが辛く、悲しいものではないのだから」という思いだという。それは、この映画がSARS渦に見舞われた3年前の香港で作られ、悲しみに暮れる香港人たちに向けて発した映画人たちのメッセージがこめられていると同時に、この映画を観る香港以外の人にも、やはり悲しみを抱える人に観てほしいという願いが込められているのではないか。この映画から10年前の『つきせぬ想い』では、恋人は死によって引き裂かれる。でも10年後のこの映画では死と別離から始まり、悲しみを抱えて出会った二人が信頼しあって未来に足を踏み出そうという希望で終わる。絶望の向こうには必ず希望はある。それはいつどこにいても同じだ、ということだろうか。

原題&英題:忘不了(Lost in time)
監督:イー・トンシン 製作:チャールズ・ヒョン 脚本:ジェームズ・ユエン 音楽:ピーター・カム
出演:セシリア・チャン ラウ・チンワン ルイス・クー 原島大地 チョン・プイ 

| | コメント (4) | トラックバック (1)

周杰倫無與倫比日本演唱會at東京国際フォーラム

2月5日日曜日、東京国際フォーラムで行われたジェイ・チョウの日本初ライヴ。ここで行われる中華アーティスト単独ライヴは4年前のアーロン、そして学友さん以来だ。もちろん台湾人アーティストは初…のはず(リーホンは小規模なクエストホールだったし)。
開演15分くらい前に会場入りしたけど、満員御礼のお客さんはこれまでの中華明星演唱会より若い雰囲気。だいたい20代後半から30代くらいかなぁ。男性の姿も目立っている。いまの“華流ブーム”はF4のドラマはもちろん、旅行で台湾を訪れた若い女性たちがTVやCDショップ店頭でジェイのPVなどを観てハマったというのが多いらしいと聞いたことがあり、この客層を見て、ほほーなるほどね、と思った次第。(そういえば、毎度御馴染しゃおしゃん店主の小香さんも、台湾お茶修行時代にジェイがデビューしていて、「周杰倫の人気はすごかったよー」と話されていたな)
ワタシの席は30列後半でなんとステージ中央。入るのは大変だったけど観るのには絶好の位置。でもやっぱり遠いかなぁ…なんて贅沢なわがままを言ってしまったりして。

6時をちょっとすぎたところで開演。まずは左右のスクリーンにバンドメンバーが紹介され(かっちょいい編集!)、その後でゴシックっぽくメロディアスな重低音の『以父之名』のイントロが響く。うぉーオープニングはこれか!ヘヴィだな、とステージに目を向けると、ダンサーが勢ぞろいし、赤い十字架型のゴンドラに乗ってジェイが降りてきた!おおお、ゴシックというかロマン派というか。オペラグラスを抱えていたけど、スクリーン(左右と真ん中の3つ)にジェイの表情がばっちり映っていたので、これは親切だなぁと、この後はほとんどオペラグラスに頼らなかった。
この曲に続くのは、これまたヘヴィな『止戦之殤』。ジェイの歌声にスクリーンに映されるイメージアニメとダンサーの華麗なソロダンスが加わると、なぜか涙が目に滲む…(;_;)。(反戦曲に弱いんですよワタシ。以前も書いた二胡の曹雪晶さんが参加されている『undercooled』も聴くとびーびー泣いていたので)
この2曲のあと、ジェイの日本語MCを挟んで、前半はダンサーとの絡みをメインにした正統的中華明星コンサートスタイル。それでもやっぱりジェイなので、インターミッションにターンテーブルとツインドラムのバトルを交えたり(クラブでは観たことあるけど、こういう大規模ライヴでターンテーブルのプレイを見たのは初めて)、バックに日本語に翻訳したメッセージを始め、PVやイメージアニメを多用したり(♪こ、こ、こ…これだけ?こと『乱舞春秋』のアニメが面白かった)、幼少期の写真を日本語コメントつきで公開したりと、ヴィジュアル面での工夫は香港ヴェテラン明星と違ってかなり新鮮。まわりには一人で来た方が多かったのだけど、そんな中でも一人3色蛍光棒を振ってしまいいましたよ(*^_^*)。しかも銀色のふさふさつきだったので、ふさふさを前の席にバラバラ落としてしまいご迷惑をおかけしました。ごめんなさい(とこの場を借りて謝る)。

中盤は事務所の後輩にして友人でもあるバンド「南拳媽媽」のメンバーがギターやピアノの連弾(これはよかったー♪)でジェイと共演しながら登場。
えー、お恥ずかしい話でなんですが、実はワタクシ、彼らは名前だけしか知りませんでした。すみませぬ<(_ _)>。インターミッションでフルメンバーが登場して歌った時、ほー、なかなかいい感じの若者じゃん、なんだか台湾版ライダーができそうじゃなーい(ってなんだそれは)とかいいつつも、え、みんなヴォーカルはれるの?え、女の子もいるの!(『珊瑚海』でジェイとデュエットしているLaraちゃん)と驚きまくり、こりゃーCD買わなきゃだ!と決意して次の日に買ったのは言うまでもない。ちなみにLaraちゃんは元m-floのLisaを10歳若くして小さくしたような印象を受けたんだがいかがなものか(笑)。
再びソロになった中盤の後半はピアノ弾き語りが中心。コンサート後の有志飲み会にて「ジェイって弾き語りのイメージが強くて…」とおっしゃっていた方がいたので、それを聞いて、そっかー、やっぱりジェイはクラシックが音楽の土台にあるから、イマドキっぽいサウンドをやってもきちっと聴かせてくれるんだなぁと思った次第。

さて、中華明星演唱会の楽しみは多彩な衣裳にもある。演唱会でのレスリーやアンディの衣裳は歌とともに強烈な印象を残すもので、7年前に聴かせる欧米的ロックスタイルで演唱会を実施した歌神・学友さんも、ロックシンガー定番のTシャツやジーンズで舞台に立つことなく、レザーのスーツや鮮やかな色彩のコートなど、衣裳にも手抜かりはしなかった。そしてジェイも中華圏のライヴでは、特撮ドラマ的なコスプレ衣裳が話題を呼んでいるというので、彼がどんな衣裳を着て舞台に立つのか楽しみにしていた。
スパンコールをちりばめたスーツとドレスシャツ、ルーズフィットの赤ジャケットとパンツ、ベルベット(?)な青系のスーツなど、確かに色鮮やかな衣裳で登場したけど、さすがにこれはコスプレじゃない。やっぱりコスプレはないのか?…と思っていた後半、なんかダンサーたちがすんごいカッコをして登場。あれ、一人なんか戦隊もののボスキャラみたいなカッコをしたのがいるぞ…と思った瞬間に始まったのがハードロックなナンバー(多分『双刀』か『ヌンチャク』がどっちかだと思うが…)。イントロ最後に登場したのは上半身が鎧ふうなチェストに身を包んだジェイ。当然間奏でボスキャラと戦闘。こ、これが噂のコスプレか?もっと派手でもよかったんだぞ、ジェイ!
その次にいきなり画面に登場したのはリンチェイ!…ということは、噂の新曲『霍元甲』だな!
映画『SPIRIT(霍元甲)』のシーンを交え、リンチェイと長髪&扇のジェイが共演するPVと、京劇風のファルセット熱唱と「霍霍霍霍霍霍霍霍!」のフレーズがかなり強烈なハイテンションナンバー、かなり気に入ったぞ!『霍元甲』の日本公開には是非この曲をエンドタイトルに流してほしいもんだぜ!そしたら一緒に歌うぞ(こらこら)
さらには太鼓をドンドコドンドコドンドコドンドコ叩きまくるジェイを見て、キミはもしかしたら○○か、やっぱり○○だろう!と思わず呟いてしまったが、ここで書いても超限定ネタになるので具体的に書くのは控えましょ(大苦笑)。

…とまぁクライマックスのハイテンションを引きずりつつ、最初のアンコールに突入すると、ジェイはいきなり客席に下りて最愛のおばあちゃんをご紹介。ああ、おばあちゃんは本省人なのね!このおばあちゃんにジェイは育てられたんだ。そーいえばジェイって淡水出身だったっけ、淡水は十何年前にワタシも住んでいたことがある街だから、もしかして街で小学生のジェイとすれ違ったことがあったかも…なんて思いつつバラードアレンジの『ももたろさん』と『大きな古時計』に胸をつかまれた。ううう。『一路向北』と『七里香』は好きな曲なので、一緒に歌った。そしてダブルアンコールでは一変してHIP HOPに決める。いつもはあまりのらないノリだけど、ノリノリで腕を振り回していたのはいうまでもない。盛りだくさんでぐっと濃かった2時間半だった。シミジミしたり大ノリだったりと忙しかったわ。

「日本でコンサートをするのが夢でした」という言葉が、アンコールでスクリーンに映し出されていた。その言葉に、おばあちゃんから日本語の歌を教えてもらい、幼少時からピアノを学び、日本のマンガやドラマで育ってきた、日本に親しみを持つ一人の台湾人青年としてのジェイの気持ちを見た。また、彼の音楽にはR&BやHIP HOPからクラシックにエレクトリック、はたまた台湾や中華圏の伝統音楽まで放り込みながら、そのどれでもない音楽を作り出していて、これはジェイにしかできない音楽性だなぁということも思った。以前の「AERA」のインタビューで話していた「音楽は国境を越える言葉」ってこういうことなんだねぇ、と改めて確認したのはいうまでもない。こういう心構えと、自らのスタイルをしっかり確立しているところ、すでにもう中華明星としての威厳を感じさせる。
そして、この国際フォーラムで、初めてレスリーや学友さんのコンサートを観たときと同じ感動を、今回のジェイにも感じた。
キミはやっぱりすごいよ、ジェイ。ホントにお疲れさま。

てーわけで最近の鼻歌はすっかり『七里香』と『珊瑚海』そして「霍霍霍霍霍霍霍霍!(の部分だけ)」になってしまいましたよ(大笑)。当分ジェイと南拳媽媽がヘヴィロテになりそーです。南拳は『…的夏天』を買って来た(というかこれしかなかった。Laraちゃん加入後のアルバムは出ているのか?)ので、これも『11月的蕭邦』とあわせて近日感想書きますねー。

| | コメント (5) | トラックバック (1)

ただいま帰盛の途中です。

今ごろはジェイ演唱会2日目が始まろうとしているところでしょうか。今日も盛り上がってくれたら嬉しいもんざんす。

今日は渋谷のシアターNに行って『忘れえぬ想い』を観たあと、南拳[女馬][女馬]のCDを求めて都内のHMV数店はしごしてゲット。某店ではこれから演唱会に行くらしい方々も見掛けましたよん(^o^)。

初体験のジェイ演唱会&忘不了の感想は今週中にアップ予定。ともあれ、旧正月が日本にやってきた気分(笑)で帰路についております。演唱会に行かれた皆様も、本当にお疲れ様でした。もちろんジェイも辛苦了!

あと、4月にはなんと宏くんことリーホンのホールコンサートも決定だとか!東京は金曜の午後というのがなんともビミョーな日程なんだけど、これもチェキしておかねばね(^-^)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ジェイ演唱会楽しんできました♪

ただいまホテルに戻りました。いやー、脚が疲れてるは、叫んだわけじゃないのに声は出ない(^_^;)。

ええ、本日行われたジェイ・チョウの日本初コンサート、大いに楽しませていただきました。ところどころじわっとしちゃったり、ノリノリになったりと大忙しでした。コンサートは明日もあるのでネタバレはしません。(火曜以降にアップします。明日の朝のワイドショーでやるかな?)いやーしかし、ちょうど9年前にレスリーがやったのと同じ場所で、ジェイの歌に拳を振り上げていたワタシって…、なーんて気分もありましたよ。でも、やっぱりジェイは楽しかったです。

明日は『忘れえぬ想い』にしみじーみしてきます。pht0602052327.jpg

| | コメント (3) | トラックバック (0)

明天我看周杰倫無與倫比日本演唱會。

とかなんとか言いつつ、もう今日なんですが。(^_^;)

今週は『11月的蕭邦』をずーっと聴いていましたが、結局ネタにできませんでした。すみません、これは帰ってきてからってことで。
はたしてどんな構成になるのか、ゲストは誰が来るのか、そしてコスプレはしてくれるのか?…いろんな期待と不安を抱いて上京いたします。
こちらをご覧の方ではどなたに会えるかな?ともあれ、楽しみたいです♪
あとは、月曜に『忘れえぬ想い』も観てきます。こちらも楽しみだー。

☆今回はパソは持って行きませんが、なんかあったらモブログ投稿いたしますー。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

オスカーだ!ベルリンだ!映画賞と映画祭の季節だ。

年明けから始まった映画賞レースも中盤。昨日は最大手のアカデミー賞のノミネートが発表された。
これは北アメリカの賞レースだから、全世界的に見ればホントはたいしたことのない賞である(こらこら)。しかも今年は長編アニメ賞に『ハウル』が入った以外(fromYahoo!ニュース)、日本、中華圏、そして韓国など東アジアで作られた映画関係は外国語映画賞にすらノミネートされていない。

しかーし、なぜここであえてネタにしたのかといえば、ええ、もうおわかりでせう。
台湾が世界に誇る映画監督、李安さんの新作『ブロークバック・マウンテン』が作品賞、監督賞を始め、8部門にノミネートされたからである!ヴェネチア映画祭金獅子賞から始まったこの快進撃、ゴールデングローブ賞を経てついにオスカーノミネートまでたどり着いたね、李安監督!
作品自体は非アジアなので、観てもここでは取り上げないけど(感想は日記blogの方に書く予定)、米国の象徴といえるカウボーイものをアジア人監督が撮った異色作という以上に、なおかつそれが同性愛の物語ということでマッチョなアメリカでは賛否両論を呼んでいるとのこと。聞いた話によるとアカデミー協会員は超保守派集団ということもあり、ゲイものやゲイの俳優にはかなり厳しいとか。(『指輪三部作』や『X-MEN』シリーズのサー・イアン・マッケランも『旅の仲間』で助演ノミネートされたけど、彼はカミングアウトしてるから受賞が厳しかったんだっけ)でも、これまでは個人受賞者が少なかったというアフリカン系俳優でも、最近はデンゼル・ワシントンやハル・ベリー、ジェイミー・フォックスが受賞しているから、『ブロークバック』の受賞のために乗り越えるハードルも決して高くはないって思いたい。あ、作品賞を逸しても、せめて監督賞にはなってほしい。もしそうなったら、李安さんはアジア人初のオスカー監督になるんだからね。
…とついつい『ブロークバック』で盛り上がってしまいましたが、アジア絡みの映画では『SAYURI』も技術系で複数(6部門)ノミネート。…しかし、衣裳賞はともかく、日本人としては、これが最優秀メイクアップ賞には選ばれてほしくないわ(泣)。
ところで今年、ツーイーかミシェル姐さんか誰か、授賞式にはプレゼンターで参加するんだろーか。そしたらツーイーはまたアメリカ意識しまくりのセンスなしドレスで登場するんだろーか。…だからチャイナドレス着ろよツーイー、って例の如くつっこむんだろーか、ワタシは。いずれにしろ、授賞式が楽しみなのである。

お次は今月9日から始まるベルリン映画祭。今年はワールドカップイヤーだが、そっちに絡めて盛り上げるんだろーか(それはねーだろ)。
こちらもコンペ部門に日本映画が入らなかったってことで記事の扱いは小さいんだけど(fromYahoo!ニュース。でも三池監督の新作『46億年の恋』やジョーがアメリカに行って撮った『ビッグ・リバー』が非コンペ参加してる)、コンペ部門には大プロデューサーアンディ先生率いるフォーカスフィルム出資、タイのペンエーグ・ラッタナルアーン監督、浅野忠信くんと『オールド・ボーイ』のカン・ヘジョンちゃんとエリック・ツァン兄貴出演のタイ&香港合作『Invisible waves(原題)』が出品決定。…ところでこれホラー?(こらこら)
さらにビックリは我らがパン・ホーチョンの新作、しかも主演はチャッピーの《Isabella(英題)》もコンペ出品だ!すげぇぞホーチョン、あーんどチャッピー!この作品には《AV》の“精子くん”こと、エリック兄貴の息子デレクくんも出演しているとか。するてーと親子でベルリン入りとかするかなー。親子ツーショット見たいなー(爆)。
あと忘れちゃいけない、『無極』も非コンペ(特別招待作品)で出品。公式サイトのプログラムを見ると、台湾映画と日本映画は特集が組まれるらしく旧作上映が多い様子。中国映画はどうだろう?あとで調べておこう。

アジアンミックスとホーチョン作品。今年香港から出品されるのはまさに“旬”だよなー。《Isabella》がどーゆー作品だかはまだわからないけど、これもまた今年の東京国際で上映してくれないかしらん…。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2006年1月 | トップページ | 2006年3月 »