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SAYURI(2005/アメリカ)

思えば15年以上前、ビデオで『ラストエンペラー』を観た時、その当時中国語を習い始めたワタシは、北京語でも満州語(と言ってもほとんど知らない)ではなく、英語で話す愛新覚羅薄儀(字はこれでよかったか?)に違和感を感じたことがある。いくらジョン・ローンが英語の方が得意だからって、いくらこの映画がイタリアとアメリカと中国の合作(だったと思ったが)だからって、中国人が英語で話しちゃっていいのかよ、と疑問に思ったことは言うまでもない。
もちろん、その当時は15年後にハリウッドが日本を舞台にした作品を英語で作ることになるとはこれっぽっちも思っていなかった。(…ちょっと待て、『ラストエンペラー』ってハリウッドの映画じゃないだろ?まぁそうなんだろうだけど)その間に日本の会社がハリウッドメジャーを買収したり(数年後に手放したが)、単騎で千里を走る健さんと、今でもそのカリスマ感が輝いている松田優作さんが『ブラック・レイン』に出演したり(日本を舞台にした映画ではこれが一番好きだなー。『ブレードランナー』の監督の作品っていうのもあって)、ウーさんとユンファと成龍さんとリンチェイがハリウッドに進出したり、『マトリックス』のおかげでユエン・ウーピンさんのアクションとワイヤーアクションがもてはやされたり、クエタラが日本を舞台にした『キル・ビル』を作ったりと、ここ15年間にハリウッドで日本や中華圏がかかわる出来事があれこれあった。
その他、日本映画のリメイクがヒットしたりということもあるが、その中でも忘れちゃいけないのが『ラスト・サムライ』。日本人と肩を並べても違和感がない(?)トムクルに甲冑を着せ、二度の白血病発症を克服した渡辺謙さんと、RSCの『リア王』公演でアジア人として初めてイギリスの舞台に立った真田広之さんを世界に紹介したという点でも、記念碑的作品でもあろう。その後謙さんはオスカーにノミネートされ、『バットマン・ビギンズ』に出演してハリウッドでも知られていく。一方真田さんは『無極』出演後、ジェームズ・アイヴォリー作品『ホワイト・カウンテス』(ドイル兄さんがカメラ)、ダニー・ボイル作品『サンシャイン』(ミシェル・ヨーと共演)と、アジアやヨーロッパ方面の作品に呼ばれている。
そんな中、一度は製作が頓挫したある企画が復活した。1999年に日本でも邦訳が出版されたアーサー・ゴールデンによる同名小説を映画化した『Memoirs of the Geisha』こと『SAYURI』である。当初は製作のスティーブン・スピルバーグが監督を兼ね、NYで活躍する日本人バレリーナ、リカ・オカザキさん(だったっけ)が主演と伝えられていたと思うけど、しばらくしたら話を聞かなくなったので、そっか、流れたのかと思っていたらおいおいって言いたくなる状態で…と詳しくは以前書いたエントリーを。
そして、いざ観てみたこの映画…。うーん…(-_-;)。

さゆり 上
さゆり 上
posted with 簡単リンクくん at 2006. 1. 8
アーサー・ゴールデン著 / 小川 高義訳
文芸春秋 (2004.12)
通常24時間以内に発送します。











昭和初期、貧しい漁村に育った千代(大後寿々花)は都の置屋に売られる。厳しい女将(桃井さん)にしつけられ、と置屋一番の芸者イライザ、違った初桃(コン・リー)のいじめに遭いながら、千代は生き別れた姉を探し、都からの脱出を何度も試みる。失意の千代がポニーの丘、じゃなくて橋の上の王子様アンソニー・ウォ…もとい“会長様”(謙さん)と運命的な出会いをしたことで、千代は都一の芸者になり、彼と再会することを生きる糧にする。
15歳になった千代(ツーイー)のもとに、初桃と張り合う芸者豆葉(ミシェル)がやって来て、端女として働く彼女の身を引き受けたいと女将に申し出る。こうして千代は豆葉のもとで芸者の修業を始め、ついに半玉となる。彼女には「さゆり」という名が授けられた。
お座敷デビューを飾ったさゆりは、ついに憧れの会長様と再会する。彼は岩村電器の会長であり、親友である社長の延(役所さん)とともに仕事をしていた。しかし、彼に近づこうとするさゆりを初桃はことごとく妨害し、豆葉はさゆりを延や男爵などの実力者たちに近づけ、彼女を史上最高値で水揚げさせ、初桃や自分を超える一流の芸者に仕立て上げようとしていた…。

">…うーん、これって『キャンディ・キャンディ』+『覇王別姫』+『大奥』ですか?
なぜ千代と初桃はワイヤーに吊られて戦わないのですか(それ違う)?
確かに昭和初期だからとはいえ、なんで初桃姐さんは置屋にいる時の身だしなみがあんなになっていないのですか?
そして、やっぱり女の幸せって好きな人と結ばれることなんですか?

…なんか、そんなことしか書けないなぁ。
いろんなツッコミは他のblogであれこれ書かれているし。

これでわかったね。アメリカ人って、オリエンタルなエキゾチックさが味わえれば、その世界観を演じるのが中国人だろうが日本人だろうが韓国人だろうが構わないってことが。でも、その舞台となった我々には、それが通じないのは当たり前。だから、この映画が巻き起こしたゲイシャ・ムーブメントに対してクールになってしまうんだよね。はぁ。これってアメリカ的なグローバリズムに、アジア文化も巻き込まれてしまっていることかしら。それは悲しいなぁ。
でもさ、そんな我々だって、同じような認識、つまり自国以外のアジア文化を混合してしまうことだってある。だってそうじゃない?香港明星の話をすると、一般の人には「それ、韓流スター?」なんて言われた経験ってよくあるもの(泣)。それと同じかな。…いや、違うと思うぞ。

ではキャスト感想。
“水の目をもつ娘”を実現化するために、青いコンタクトを入れたツーイー。…あのー、わけあって唐の国からやってきた「ワタシ、お姫サマー。」の狸姫の方が和装が似合っていたと思うんだけど。半玉時代からのオダンゴ髪が、よけいに彼女の外見的にきつい部分を強調させてしまっているように感じる。あと、キャラ的には教養もあって機転もききやすいみたいだけど、そういう部分はイマイチ伝わってこないのはなぜ?
コン・リーの初桃は、ええ、もう先に書いたようなはしたない身だしなみがもう見ていられなくて。あと、キミは芸者じゃなくて女郎か?と問いたくなるくらいに発言が下品だし。『エロス』の娼婦役がよかっただけに、かなり…(泣)。しかし彼女が日本人役を演じると、なんでいつもヘンな着つけになってしまうのだろうか?(過去、『テラコッタウォリア』で演じた日本人女子大生役でも、ヘンな袴をはいていたし)
ミシェル姐さんの豆葉姐さん、キャラとしてはいいのに、着物を着るとミシェル姐さんが意外にもバタくさい顔立ちだったと改めて気づかされた次第。なんか着物姿よりも、宝塚の男役をやってほうが似合ったのではないのかと思ったのはワタシだけでせうか?(ヅカファンの方すみません)
日本人キャストも書こう。謙さんはワイルドな風貌の中にも見事なまでに気品を漂わせた「王子様」っぷり。日本でもなかなか振られないんじゃないか、こんな役は。でも、あまりにも王子様なんだよなー、それもどうかなぁ。それだったら役所さんが特殊メイク(なんとなく『夜半歌聲』でのレスリーの特殊メイクを思い出した)までして演じた延さんのほうにひかれるなぁ、個人的には。でも、いつもの役所さんですねー。ま、ハリウッド映画でそれが見られるのも悪くないか。なんてったって彼はパルムドール受賞作品に出ていた男。さらにはカンヌにおけるトニー・レオンのライバルですから(^o^)丿。
かおり姐さんはうまいなぁ。彼女はこの映画にあたってマーシャル監督やスタッフに日本人の礼儀作法を事細かに伝えたという。さすがだ姐さん、そうでなければ。…まぁね、それがなかなか伝わらなくてああなっちゃったのは惜しいけど。その心意気やよし!だよね。アンニュイなかおり姐さんは、ミシェル姐さんやムイ姐さんとはまた違っていて、やっぱりかっこいいのであった。
パンプキンという英語名はなんとかしてほしかった、おカボちゃんの工藤夕貴ちゃん。ワタシは彼女がちょっと苦手だったんだけど、この演技で少し夕貴ちゃんを見直した。彼女もハリウッドに渡ってホントに苦労していたんだなぁ、ってことを考えると、あえて脇でしっかり締めたところに感心しちゃって。彼女の今後も注目したいもんだ。…それでもあまり好きじゃないんだけどね、まぁそれはそれとして。

しかしこれ、やっぱり英語でしゃべらせる意義がよくわからなかったなぁ。吹替えで観ればまだ安心できたのかなぁ?…って、イニDはやっぱり原語で観るべきって言った自分が、こんなこと言っちゃいけないか。はははのは。

原題:Memoirs of geisha
監督:ロブ・マーシャル 製作:スティーブン・スピルバーグ 原作:アーサー・ゴールデン 音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:チャン・ツーイー 渡辺 謙 ミシェル・ヨー 役所広司 桃井かおり 工藤夕貴 大後寿々花 ケネス・ツァン ケーリー・ヒロユキ・タガワ マコ コン・リー

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コメント

 あはは、やはりあれは「丘の上の王子様」ですよねー。「アンソニー・ウォ…」はチョトやばいけど(爆)。
 こうして、ここ15年間の東西コラボ?をまとめていただけると、感慨深いものがありますね。あの時点で、スピちゃん監督で、城崎温泉でロケして、日本の映画界社(松竹だっけ?)が全面協力して、マギー・チョンも何らかの関わりを持って撮影されると、さてどんな仕上がりになったことでしょうねえ。
役所広司さん、そーいえばパルムドール受賞作主演者だった…忘れててスマヌ。いや、何だか、トニーと並び比すよりもレスリーと並び比…どっちも役所さんの渋さと比べると。童顔だぁ…(汗)

投稿: nancix | 2006.01.09 11:05

実は一時期、自分で「丘の上のアンソニー・ウォン」というギャグを飛ばしていまして(爆)。決して謙さんが秋生さんに似ているというわけではございませんm(_ _)m。

エンドタイトルの最後に松竹のクレジットが出たので、松竹はブエナビスタと共同配給したのかなー、なんて思ったのですが、やっぱり日本ロケしてほしかったですよねー。スピ監督にやってもらえば違ったんだろーなー。

役所さんって、確かレスリーと同い年だったように思います。それを考えれば…ううう、自分で驚いておりますわ。(何を?)

投稿: もとはし | 2006.01.09 23:29

現場に日本人の着付師はいたようですが、
主要キャストは誰も言うこと聞いてくれなかったと
ぼやいてたという話を聞きました。
キャストといわず監督も無視しそうだよね。
エンドクレジットにはこれでもかってくらいいろんな
会社のロゴが出てきてMPAの共同配給かと思いました(ウソ)
あ、そういえば新年のご挨拶もまだでした。
今年もよろしくお願いします^^

投稿: M. | 2006.01.13 20:23

M.さん、こちらこそ今年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
この映画での日本人ヘアメイク&着付師さんの話はあちこちでも聞きましたが、やっぱハリウッドの人たちはわかっていないよなーって言うのは感じますね。ツーイーなんてすでに『狸御殿』で和服を着ているはずなのに…。
コロンビア映画だったからソニーピクチャーズ配給と思い込んでいたのですが、そうじゃなかったんですね。最近の配給事情は複雑…。

投稿: もとはし | 2006.01.13 22:25

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受信: 2006.01.09 11:07

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