« 『江湖』鑑賞記念(笑)もとはしが愛とツッコミと独断と超偏見で選ぶ劉徳華作品ベスト5。 | トップページ | フィルメックスからの帰還。 »

金馬奨の結果、アジアの映画ビジネス、そして『SPL〈殺破狼〉』について。

11月13日に、台湾の基隆で行われた台湾電影金馬奨。日本語訳では「台湾アカデミー賞」とか「台湾ゴールデンホース・フィルムアワード(香港フィルムアワードと同じ直訳だな)」と呼ばれるけど、ここでは簡単に「金馬」と言いたい。
その金馬の詳細なる結果はもにかるさんKumiさんのblogで紹介されていますので、詳しいデータはそちらをご参考くださいませ。

しかし、作品賞が『カンフーハッスル』とは…。金馬ってこれまでは、台湾や香港などの主要映画賞と全く違うノミネーション&結果がでる(去年は中国の『ココシリ』。日本公開はどうなっているのだ?配給がついたと聞いているのに)ので、これにはいったい何の政治的な力が働いているのだか?といつも不思議に思ったものだけど、結構金像奨的な結果が出たので驚きましたわ。アーロンの主演男優賞受賞(『ディバージェンス』)も素直に喜びました。主演女優賞のすーちーを始めとした、ホウちゃんの『スリー・タイムズ』の複数部門受賞は台湾映画的にもよし。
何よりも嬉しいのは、『靴に恋する人魚』の最優秀美術デザイン賞受賞でしょう!おめでとう、ロビン監督!!

ところで今回の金馬、日本ではロイターのみの報道かと思いきや、毎日インタラクティブとフジサンケイグループの経済紙「フジサンケイ・ビジネスアイ」(最近職場で購読している)の紙面で大々的に紹介されていたのでビックリした次第。毎日では英語版に写真特集もあり。特にビジネスアイではカラー紙面(webにはありませぬ…)ですーちー&アーロン、そして助演女優賞の元秋さんが登場。特に今年は金馬が「台湾国際映像博覧会」でのイベントの一環として行われたから、それで注目されたのかな。いや、毎年そうなのかな?でも金馬は独自で授賞式が行われていたような記憶が…。

そういえば香港でも、今年の金像は例年通り香港国際映画祭と同時期で、両イベントは香港エンターテインメントエキスポ(トニーが大使を務めたアレ)の関連で行われていたから、今年は香港・台湾ともに映像コンテンツの海外売り出しに力を入れているのかもしれない。もちろん日本でも、東京国際の関連イベントとしてフィルムマーケットが行われたり、注目度が高い秋葉原でアニメやCG系のイベントが開催されていたから、中華圏だけではなく、コンテンツビジネスの隆盛は全アジア的な流れなのかもしれない。

確かに、韓流ドラマがアジアを席巻して以来、日本や台湾も映画だけでなくドラマの売出しをかけてきた。もっとも日本は韓流の前から香港や台湾にドラマを輸出してきて、それがもとで日本ブームになってきたのに、当の日本ではあまり注目されてなかったもんなー、不思議なことに。ドラマだけじゃなくて、アニメや特撮ドラマも同様。昔から人気があったのに、アニメに文化的価値があってビジネスチャンスになると気づいたのはベネチアやアカデミーで宮崎アニメが評価されてからだもんね。
その影響もあって、やっと日本とアジアの映画界にアジアンコラボの風が吹いてきて、ビジネス面でも価値が出てきたのだ、ということを証明したのが、今年の東京国際であり、nancixさんの記事でも紹介されたNHKBSで放映の『スクリーン・ウォーズ』に見られたということなんだな。
アジアンコラボがハリウッドに対抗できるかどうかというのはまだまだ未知数の可能性があるからなんともいえないんだろうけど、日本の映画界で中華圏の映画人が仕事できるようになったのはいいことだと思う。ホウちゃんの『珈琲時光』イーモウの『単騎、千里を走る。』そしてビル・コンさん&リー・チーガイさんのコンビで製作予定の『昴』など、監督始めスタッフが中華圏でキャストが日本人メインというのもあれば、現在公開中の『春の雪』でのリー・ピンビンさんのカメラ、そして今日のスポーツ紙(from報知)で報道されていたぶっきー(妻夫木聡)&柴咲コウちゃん主演の『どろろ』(手塚治虫御大作品!)のアクション指導にチン・シウトンさんというような、日本スタッフにアジアの映画人が加わるパターン、そして『狸御殿』ツーイー『同じ月』のえぢなど、中華明星が主役級に起用されて日本語で演技するなんて、ちょっと前じゃ考えられなかったもの。
最近は日本映画の国内ヒットも増えてきたし、行定勲さんや三池崇史さんなど、インディーズやVシネで活躍してきた監督さんがメジャー映画会社で仕事をするようになったからというのも関連ありそうな気もするし(三池さんはドイル兄さん始め、アジアの映画人とも交流があるものねぇ)。

まぁ、ちょっと今政治的に中国や韓国とはゴタゴタしていて、それを素直に受け取っちゃった人々が何も知らずに中国や韓国とつくものを嫌う傾向が見える。その延長で、政治的に嫌中傾向な人々が、日本映画に中華圏の映画人がかかわることや、『イニD』のようなアジアンミックス作品を批判することも多少あるみたいなので、それがちょっと気になるけど、そのへんの誤解は解いてもらって、政治と娯楽文化(もちろん民間交流も)は直結しないんだよってことをわかってほしいかな。何よりも我々中華電影迷にとっては、えぢが頑張って日本語を話して熱演するのをここ日本で観られるって思っただけで、ワクワクするもの!

まぁ、日本とのコラボじゃなくても、面白そうな香港映画の新作を観られると思っただけでもワクワクしちゃう人間なんだけどね、アタシは。
そんなわけで今ワクワクしながら待っているのは、今週末に東京フィルメックスで上映され、すでに日本公開も決定しているという『OVER SUMMER』 『トランサー』のウィルソン・イップ監督最新作『SPL〈殺破狼〉』。最初に香港公式サイトをのぞいた時、ドニーさんと並んでいる恰幅のいいヒゲのオッサンは誰だ!林雪にしては目つきが鋭いぞ!とかなんとか言っていたら…、サモハンだったとは!(ちなみに今のサイトはなぜかトップしか出ない…)
しかし、日本のスポーツ紙マスコミは香港映画の若手はどーでもよくても、サモハンというブランド名にはそれ以上に反応するんだなぁ、と思ったのは、昨日の日刊スポーツのこの記事。

キンポー主演プレミア試写会に1000人殺到

まー確かにさ、サモハンといえばデブゴンだけど、このお方って監督もアクション指導もできる才人で、すでに二人の息子が香港芸能界で活躍しているってことももーちょっと丁寧に報道してほしかったかな。成龍さんの息子ジェイシー君のときもそう思ったけど…。ま、そこでグチグチ言ってもしょうがないか。

とにかく、ドニーさん&ヤムヤムとサモハンの熱ーい対決が観られるのが楽しみだ。

|

« 『江湖』鑑賞記念(笑)もとはしが愛とツッコミと独断と超偏見で選ぶ劉徳華作品ベスト5。 | トップページ | フィルメックスからの帰還。 »

コラム(中華芸能)」カテゴリの記事

コメント

ほんと最近は油断してると、色んなところに色んな人が出ていてびっくりさせられることが、多いです。香港映画とか日本映画とかの区別がますますなくなっていくようですね~。
ところで手塚治虫先生の「どろろ」が映画になるって、初めて知りました。中学の時ハマりまくった漫画です。嬉しい~!一番実写化しにくそうなのに・・。しかもどろろに柴咲コウ・・どんなんだろう?絶対見にいきますわ!!

投稿: わらし | 2005.11.18 21:50

そうそう、以前に比べると日本と香港の映画界の垣根が低くなりましたよね、ホントに。まー言いたいことはいっぱいあるんですけど、これがブームに終わらないように願うばかりです。

しかしコウ小姐(『東京攻略』も思い出す…)のどろろってどーよ?という疑問が頭の中にあります。まさか百鬼丸とらぶらぶに?…えーっ(-_-;)

投稿: もとはし | 2005.11.20 23:36

アジアの壁が低くなりすぎて(笑)、情報が分散して追いつけません(涙)。人知れず、また仲村トオルが韓国映画に出てるんだそうで…。そういう時代にピッタリなのがブログですね。マスコミの記事には時々「灰皿でなぐったろか」と思うこともありますが、マスってそういうことなんですよね。何にしても、日本がアジアのみそっかすにならずに済んでいるのは「文化交流」のおかげかも。

投稿: もにかる | 2005.11.22 11:48

そうですねー、日本が対アジア政治的にあれこれ言われちゃっていても、この「文化交流」は大切にしていかなければですよね。一方通行の韓流には食傷気味だけど、考えてみれば昔から日本とアジアの映画人って交流してきてますからね。
今週のAERAにトロさんこと仲村トオルのインタビューがありましたが、そっかー、トロさんジェネックスに出てたのって結構前になるんだっただなーとうっかり遠い方向を見てしまいました。

投稿: もとはし | 2005.11.22 18:58

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14197/7170695

この記事へのトラックバック一覧です: 金馬奨の結果、アジアの映画ビジネス、そして『SPL〈殺破狼〉』について。:

« 『江湖』鑑賞記念(笑)もとはしが愛とツッコミと独断と超偏見で選ぶ劉徳華作品ベスト5。 | トップページ | フィルメックスからの帰還。 »