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2005年10月

『ドラゴン・プロジェクト/精武家庭』再び!andステ監督、大いに語る。

…なぜ「再び」なのかというと、実はこの春香港で観ていたからであって、感想はこちらを参照。
で、今回は2回目鑑賞の感想なんだけど、もー初回鑑賞とほとんど同じように楽しめたわ。おしまーい。…おいおい。もーちょっと書くか。

アクション映画なので台詞自体はそんなに難しくなく、初見時の中国語&英語字幕でもわかりやすかったんだけど、アンソニーさん演じる小寶パパの英国情報部香港支部での任務とか、彦祖の正体なんかはよく理解していなかったので、日本語字幕で助かったのはそのへんかな。あとは『七剣』の肉弾系な迫力アクションと比べてみると、袁和平さんの指導するアクションって、決めのポーズをきちっととるのでモダンダンスみたいに見えるし、キアヌみたいな西洋人より東洋人向きのアクションの振り付けなんだよなーって思った次第。いやアタシさ『マトリックス』観たときにさ、「キアヌのアクション重い…。なんであんなにキレがないの?」って思ったもんで(さりげなく暴言失礼)。

それはともかく28日(金)上映でのティーチイン。Q&Aに答えるのは当然香港の若き新星監督、スティーブン・フォン(以下ステ)監督。詳録はTIFFホームページからも見られるけど、こちらでは例によって例の如くツッコミ入れながら書いていきます。いや、実はワタシも質問したくて挙手したんだけど、当てられずに終わっちゃったのよん。

Q:なぜ、監督と主演を両方務めたんですか?
A:それはお金が欲しかったから(笑)。予算も少なかったからね。だから両方やって、限りあるお金を有効に使いたかったんだ。

いきなり「カネ」かよ、ステ監督。ちなみに「カネ」は、このティーチインのキーワードである(笑)。

Q:アクションシーンについて、苦労した点は?
A:製作前の準備が大変だった。特に袁和平とは入念な打ち合わせを繰り返したんだ。
Q:映画を観る限り、監督もジルも自分でアクションしているように思えたけど、スタントはどれくらい使ったの?あと、ショーでイルカと触れ合うシーンがとっても自然な感じだったけど、それについては?
A:アクションについては、90%は自分でやった。顔が映らなかったり、背中を向けて戦っているシーンはスタントだよ。でも10%くらいだ。イルカのシーンでは、演技指導をしてうまくいったら、えさをあげてなつかせたんだ。この方法はなんにでも応用できるからね(笑)。

この映画の要は確かにアクションシーン。でも、たとえスタントでもほとんど不自然さを感じなかったから、うまく作っていたんだよねー。

Q:この映画といい、デビュー作の『エンター・ザ・フェニックス/大イ老愛美麗』(祝、日本公開決定!)といい、監督作品がかなり香港ローカルでドメスティックなエンターテインメントになっていたのに驚いた。なぜ映画で“香港らしさ”にこだわるの?
A:監督作品ではいろんなことにチャレンジしたいんだ。そして、全てのアジアの人が理解できる映画を撮りたい。

ステ監督って、音楽ユニット「DRY」から芸能人キャリアを始めて、ニコやイーソンの音楽をプロデュースしたり、香港オシャレ系タレントのエリック・コットと付き合いがあったり、自分でコンセプトデザインをしたりしていたし、王家衛作品に出演要請があった(でも消えた)という過去もあるから、てっきりオシャレ&アート系の人だったと思ってんだけど、意外にもエンタメ志向が高いのにはビックリした。いや、これはマジでね。でも、このステの答え、なかなかいいよねぇ(^_^)。

Q:以前、渋谷の某大型CDショップで監督の姿を見かけた。日本語字幕の香港映画DVDを熱心に物色していたようだったので声をかけられなかったんだけど、監督自身にとって、日本はマーケティングリサーチなどで気になるところなんですか?
A:そんなことあったかなぁ…。あ、そのときは自分の出演作のDVDを見ていたんだ。自作にしか興味ないもんで(笑)。

…監督ったら、もーう。

Q:ラストに登場して棒術で対決するアメリカ人の男の子(ロッコの息子ネルソン)、あの子はホントに棒術が得意なの?
A:彼は成龍(事務所のボスで今作のプロデューサー)が米国で仕事をしていた時に見つけてきた子。あの棒術はホントに本人がやっていて、うまいんだよー。

あの生意気なガキ…取り消し、やんちゃ少年ネルソンは成龍さんの秘蔵っ子なのか!おおおおお。じゃあきっと、今後の成龍作品には出てくるな。

Q:俳優としての監督のファンです。今後、監督に専念してしまうってことは…ないですよね?
A:まーねー、お金も欲しいもん。だから俳優は辞めないよ。

またカネっすよ、カネ。そんなにビンボーなのか、ステ監督よ。

Q:香港映画でのアクションシーンって、殴られた後は痛そうな表情をするけど、なぜ?米国映画ではありえないのに。
A:でも、成龍は米国映画でもそういう顔をするよ。『ラッシュアワー』でもそうだったでしょ。

…それは質問の答えになっていないような気がする。いくら米国映画だからといっても成龍さんは香港人じゃないか、ステ監督よ。

Q:昨日は何を食べましたか?
A:配給会社の人に食事につれてってもらって、寿司と刺身を食べた。でも、高そうだったなぁ。
Q:マジックやってください。
A:今、道具がないからダメー。でも、劇中ではジルにマジックを指導したよ。

毎回出る 「マジックやってください」リクエスト。2年前のみちのくの質問でも出たもんなぁ。ステ監督よ、マジック披露の準備してくれてもいいんじゃないの、たまには。

Q:登場人物の中で唯一アクションしていないのが阿Saだったけど、ポスターでは彼女もカンフースーツを着ていた。なぜ?
A:阿Saは人気タレントなので、ポスターに登場させると広告的に効果があるので、カンフー服を着せて登場させた。でも、アクションについては最初からやらせるつもりはなかったんだ。

なるほど、広告効果か。オサレなポスターだったけど、本編を観た後「ちょっと嘘つきかもー」と思ったのは言うまでもなし。ところであの配色やロゴデザイン、仙台がホームの某新野球チームを思い出させたのは自分だけだろうか。
では、最後の質問。

Q:監督として、今回の出演俳優たちをどう見ていますか?
A:アンソニーは役者としてとても尊敬している人なので、是非主演にとお願いした。彼は演技の際に110%の力を出してくれるんだ。あと、彦祖はいい友人だから頼みやすくて、他のキャストもよかった。それから夏に撮影したんだけど、大変だった。ワイヤーで吊られる時は服の中にパッドを入れるので、みんな長袖を着て演技する必要があるんだ。とにかく暑くて大変だったね。

ほー、なるほど。そー言えば半袖や上半身裸の人が吊り下げられて宙を舞う場面って観たことないや…。

で、ワタシのしたかった質問は、実は「ストーリーのアイディア」か「次回監督作の予定」だった。1年に1本のペースで作っているから、多分次回作ももう撮り終えてるんだろーなーって思っているんだけど、なにか情報聞いていませんかね>ステ迷の皆様。

生のステに会うのはこれが2年ぶり4回目だけど、監督としての貫禄もそろそろ出てきそうな感じ。いや、もちろんアイドルでいてくれてもいいんだけど、成龍さんに見込まれて香港映画の未来を背負っちゃってるステ監督だから、今後もクリエイターとして(もちろん俳優としても)応援したいなぁ。というわけで、ステ監督の今後に期待しよう(ってまた同じ締めかよ)。えぢやショーンの無間序曲&イニD世代から見れば年上だけど、このへんのジェネックス世代(なぜかニコも含む)にももーちょっと頑張って欲しいもんね。

でもでも、最後の最後にちょっとだけ文句言っていい?
確かにさー、一般受けを狙ってカタカナタイトルをつけたいのはわかるんだけど『ドラゴン・プロジェクト』ってあまりにも平凡すぎない?せっかく原題とオリジナル英題が『ドラゴン怒りの鉄拳(精武門/fist of fury)』のパロディになっているんだから、ここはステ監督と同じく李小龍に敬意を表して『ドラゴン怒りの家庭(「ファミリー」と読ませても可)にしてもいいんじゃねーのか?

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ディバージェンス(2005/香港)

原題の《三岔口》は中国語で「3つの分かれ道」という意味だ。これはまた、京劇の題目としても有名らしい。(これについてはnancixさんが詳述しています)『ニューポリ』のベニーさんが、『風雲』以来7年ぶりの顔合わせになるアーロン&イーキンに、自作には3度目の起用となる彦祖を加えた『ヒロイック・デュオ』ならぬヒロイック・トリオの『ディバージェンス』は、あまりにも意表をつきまくったサスペンス映画だった。

刑事シュン(アーロン)は実業家イウ(ロー・カーリョン)のマネーロンダリング事件に係わった証人をカナダで逮捕し、香港まで護送してきたが、空港に着いた直後、証人は暗殺される。殺したのはプロの殺し屋コーク(彦祖)。警察に戻ったシュンは停職処分を受ける。
イウは刑事訴訟を得意とするトウ(イーキン)を顧問弁護士に雇い、明らかに自分に不利な条件をもみ消してはなんとか自分の罪から逃れようとしていた。そんなイウはアイドルとしてデビューした息子のハーを溺愛していたが、ハーは後日突然誘拐される。
失意の中にいるシュンは、10年前に突然失踪した恋人フォン(アンジェリカ)のことが忘れられず、自暴自棄な生活を送っていた。そんな彼は独自にイウをおっていたが、ハーが失踪する前に出演したイベントにて、トウが連れてきた女性を見て愕然とする。トウの妻エイミー(アンジェリカ)はフォンにそっくりだったのだ。それ以来、シュンはトウの家の近くを張り込み、ストーカーすれすれの行為を繰り返す。
懇意の仲の監察医(エリック)や探偵(林雪)などからの情報から、シュンは事件に殺し屋の代理人ティン(寧静)と彼女に雇われているコークの存在を突き止める。そしてある日、コークはシュンの前に現れ、衝撃の事実を告げる。
また、香港では首をワイヤーで絞めて殺す連続通り魔事件も発生していた。一見何の関係もない事件であったが、その事件にハーの秘密を握っていたらしい写真家やシュンに情報を流していた探偵が巻き込まれて殺されていく。やがて、それらの事件は思わぬ方向へと展開していく…。

…とまぁあらすじを書き出してみたけど、実は書き落とした重大事実も多いかもしれない。この映画、香港では「わかりにくーい」と言われてそれほどヒットしなかった(同時期公開のイー・トンシン最新作《早熟》が意外なヒットを飛ばしていたのもコケた原因の一つかも?)らしいけど、国内外のサスペンス映画を見慣れている日本人観客にとっては、意外にもわかりやすい筋立てだったんじゃないかな。それでも、あまりにもエピソードを盛り込みすぎて、このネタで確実に映画が2本撮れるんじゃないかという気はしたけどね。
この、こりまくったストーリーを手がけたのは『ラヴソング』のアイヴィ・ホー(岸西)。恋愛ものがお得意な方と認識していたんだけど、実はこーゆーものも書けるのか(単に気づかなかっただけということもできる)、とビックリしたのは言うまでもない。敵方(と言えるのか?)もマフィアじゃなくて、金転がしで危機に瀕している悪徳(多分)企業だったり、その企業の社長が有罪を無罪にしてしまう敏腕弁護士を雇うというのも目新しい。というか、ハリウッド&日本のサスペンス映画らしい雰囲気を漂わせているように感じたのだ。こういう設定は5年前くらいの香港映画にはなかったような気がする。これも『無間道』三部作や『ワンナイト イン モンコック』のように、物語性を重視したサスペンス映画が出てくるようになった流れなのかな。でも、とっても香港映画らしい作りだったのは嬉しい。

シュン、トウ、コークの3人が直接対決する場面はない。物語はこの3人の観点で突き進んでいく。この3人の主人公は、それぞれ善や悪の位置に立ちながらも、その立ち位置に相反する行動や自らの位置に疑問を抱いてしまうような、多面性のあるキャラクターとして設定されている。
熱血漢(アーロンが演じるんだからなおさらそれが強調)で、警察の広報番組でホストを務めた経験があるくらい人気のある刑事シュンは、未だに10年前に目の前から姿を消した恋人フォンの思い出を拭いきれず、彼女そっくりのエイミーをフォンだと思い込んで毎晩自宅前に張り込む。ギリギリで正気を保ちながら、思い込みによる狂気に支配されていくシュン。事故でどんなに重傷を負っても、すぐ現場に復帰したり独自の捜査を再開させてしまう恐ろしさもある。これまた演じているのがアーロンなんだから(以下略)。…それはともかく、こんなとんでもない役回りなのに、この役はアーロンじゃなければ演じられない!と思ったのは事実だし(アンディがこれをやると『終極』と化すだろうしね)、ジョニーさんの柔道映画で演じた柔道バカ青年の明るさなど微塵もない渋ーい演技にビックリしたのである。でもやっぱりシュンは熱血漢だと思うんだが…。皆さんどう思われます?

この頃ホントに殺し屋が多い彦。でも彼が演じているコークは『ワンナイト』のフーのような純粋さのないクールなフルタイムキラー。雇い主のティン(彼女をあの『上海グランド』の寧静が演じていると知った時はビックリよ!すっげースレンダーになっているし、思い切ったスキンヘッド姿には、怪作『ドラゴンヒート』のTHE MEを彷彿とさせたわ…)とはクールな関係を築いている任務に忠実かつ自由な精神を持つ殺し屋(…ちょっと矛盾?)。ある因縁で結ばれている(言わないけど…)シュンとは激しい火花を撒き散らす。『ジェネックスコップ』や『ニューポリ』では“恐るべき子供(というのはオーバー?)”だった彦だけど、ニューポリの怪演がまるではるか昔のことだったように成長した姿を見せてくれた。というより、同じ悪役でもちゃんと演じ分けられるようになったというべきか?すごいぞ、彦。悪役じゃなくてもこれくらいの演技はになってくれれば、おねーさんは嬉しいぞ(こらこら)。

そういえば最近はアーロンよりイーキンの作品ばかり観ていたから、すっかり御馴染になっているイーキンは、意外な役回りで新鮮だった。『ひとりにして』のゲイのスタイリスト役にもビックリしたけど、今回は敏腕弁護士で妻子あり!という役どころだもの。法廷シーンではガウン姿も見られたし、イーキン迷の友人曰く「似合わない」という眼鏡姿も珍しい。この眼鏡で彼が奥二重であることを確認したし、ロングのシーンでは顔が四角いトヨエツにも見えたなぁ。両者のファンの皆さんすみません。
今回のイーキンの役はかなり難しい役だったと思う。この3人の中でも一番多面的な顔を見せることになるキャラだもの。イウに信頼される冷酷な敏腕弁護士の顔、エイミーや子供たちの前で見せるよき夫やよきパパとしての顔、そして、クライマックスシーンに見せる意外な顔…。このクライマックスがあまりにも驚きだったのだけど、イーキンったら、よくこの仕事を受けたよって思ったわ。

その他のキャスティングも。エイミーとフォンを演じたアンジェリカちゃんといえばご存知中華ホラーの女王(《救命!》も『カオマ』って題でビデオ化されたっけねー。観ないけどさ)。役どころとしてはオトコどもが熱ーくぶつかり合うこのタイプの映画らしい扱われ方だったけど、クライマックスのあの突き飛ばしシーンは天晴。あーゆー演技って香港映画らしいと思うけど、最近あまり見ないので…。
遺体安置所の監察官(だと思う)のエリック兄貴、元刑事の探偵の林雪、この人たちは出てくるだけで画面をさらうなぁ…。アーロンの同僚のジャン、もっと活躍してほしかったかも。アーロンを調べるのは『ニューポリ』でもいじめ役だった于榮光さん。適材適所的キャスティングだけど、思わず手を振りたくなるのは言うまでもない。しかし、たたき上げっぽい中堅刑事役で登場したサム!すっごく落ち着いてて大人っぽかったわ。サムももう30歳だもんね…。

原題:三岔口
監督&製作:ベニー・チャン 脚本:アイビー・ホー 美術デザイン:ウィリアム・チャン アクション指導:ロー・カーリョン
出演:アーロン・クォック イーキン・チェン ダニエル・ウー アンジェリカ・リー ニン・チン エリック・ツァン ラム・シュー サム・リー ジャン・ラム ユー・ロングアン

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bunkamuraの中心で、中華電影ヘの愛をさけぶ。

おはようございます。中華電影の鬼(意味不明)もとはしです。ただいま東急本店入口前にて、当日券待ちしております。ご存じの方も多いと思いますが、本日上映分の『長恨歌』のスタンリーさんティーチインが急遽決定いたしまして、スタンリーさんの話をじっくり聞けるのもこれが最後かも?と思い、朝もはよから(そうでもないか)渋谷に向かったのざんす。
あ、昨日はbunkamuraで『靴に恋する人魚』&『愛していると、もう一度』鑑賞。『靴』は意外な拾い物でした(はぁと)。監督さんもおちゃめでかわいい女性でしたよん。『愛している…』はアンディ作品らしいストレートな愛の物語。これも後日感想をアップしますね。
…しかし、果たしてアタシは無事に当日券をアップできるのだらうか。ははははははははは。

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再び、ヒルズの中心で中華電影への愛をさけぶ。

ホテルのパソから時間との戦いでこの記事を書いています。
今日はヒルズで『精武家庭』と『AV』を観ましたよん。
ステ監督、そしてホーチョン&天宮嬢と深沢さん(AV共同脚本)のティーチインも楽しかったです。詳しくは別記事にて。

最後に、友人の名言を紹介します。
「ホーチョンって、肌美人!」

詳しくは『AV』感想記事にて…。

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モンゴリアン・ピンポン(2005/中国)

ああ、モンゴル!我が憧れの地である。(注:正確に言えば、この映画の舞台は内蒙古自治区だ)見渡す限りの草原、地平線には低い丘、風の音(時々羊の鳴き声)ばかりが聞こえてきそうなあの景色。死ぬまでには是非行きたいところである。
そんなモンゴルを舞台に、草原で暮らすほっぺの赤い遊牧民族の少年たちが、白くて軽いピンポン球をめぐって騒動を繰り広げるモンゴル版『スタンド・バイ・ミー』(?)、それがこの『モンゴリアン・ピンポン』である。決して横綱朝青龍の兄弟のように屈強なモンゴル男子どもが肉弾戦に近い卓球ラリーを繰り広げる物語ではない(いや、誰もそう思っていないって)。

内蒙古自治区。ゴビ砂漠に近い草原で暮らす遊牧民族の少年ビリグは、水を汲みに小川へ行ったところ、川から小さな白いボールが流れてきたのを発見した。それは卓球のボール、つまりピンポン球。でも、いつも草原で仲間たちと走り回って遊んでいるビリグには、それがなんだかわからない。友達のダワーやアルグートゥと、「これ、なんだろうね?」「でも、月夜に照らすと光るよ。きっと神様の宝物だよ」とあれこれ想像する。
そんなある日、ダワーの家族が入手したテレビで卓球の試合を観たビリグは、その球の正体を知る。そして「卓球は中国の国技で、ピンポン球は国球だ」と聞いた彼は、それが国のものなら国に返さなきゃ!となんと無謀にも、親友たちと馬で北京に向かおうとするのだった…!

か、かわいい。なんてかわいいんだ、草原に暮らすモンゴル族の子供たちは!と、ちっともかわいくねー日本のませガキどもに手を焼いている自分の日常を棚に上げ、ほのぼーの&ゆるゆーると全編を眺めていた。おかげで途中多少夢うつつになった一瞬も何度かあって…(アホ)。
イランの『ともだちの家はどこ?』や『運動靴と赤い金魚』、ブータンの『ザ・カップ 夢のアンテナ』、スウェーデンの『ロッタちゃん はじめてのおつかい』、ドイツの『点子ちゃんとアントン』など、子供の出てくる映画を観ると、いつも心和まされる。まー、映画というのは架空の世界だから、実際にイランやブータンやスウェーデンやドイツや、この映画に登場する遊牧民族の子供たちがみんなかわいいかというと決してそうではないと思う。

内蒙古やモンゴルだって、どこもかしこもこの映画に出てくるようなところではなく、呼和浩特(フフホト)やウランバートルは北京やモスクワ並みの大都市なんだろうし、モンゴル族の民謡であるホーミーが歌われるのと同時に、大都市ではモンゴル語のヒップホップやR&Bだって存在するだろう。(そーいえば3年前のポップアジアでは、モンゴルのゴズペラーズとも言える「カメルトン」というアカペラユニットが歌っていたっけ。今も健在かな?)

でも、広大な草原で、風の音と羊の鳴き声を聞いて暮らす人々は健在である。急激な時代の変化(特に最近の中国はかつての日本以上に劇的な現代化を遂げているのでは?)などに乗らずとも、遠くへ旅行せずとも、自分のペースで生きていって、それで幸せを感じている。
映画の冒頭、ビリグ一家が集落の物資調達屋に天安門の背景で写真を撮ってもらっている場面が映し出されるが、彼らにとっての北京は憧れの場というようには見えない。よく知らないし興味もないから、ただの写真の背景で十分なのだろうか。ビリグにとっての北京も「国の中心」だから、自分の拾ったピンポン球が本来あるべき場として認識したのだろうし、そこで中国の偉い人にピンポン球を渡せればよかったのだろう。
このあたりから、自分の身の回りには、最低限のものさえあれば生きていける。都会なんかに行かなくても幸せなんだよ、なんていう意味を汲み取った自分はどっかおかしいんだろうか。ま、でも、スローライフに興味ある人には観てほしいかも、なんてね。

ニン・ハオ監督の次回作は、なんとアンディ兄貴プロデュースの、四川省が舞台のドロボー物語らしい(fromアジアの風パンフのインタビュー)。でもこれでいきなり都会的な作風になるのではなく、この映画みたいなハートウォーミングコメディになってくれればいいかな。

原題:緑草地
監督:寧 浩(ニン・ハオ)
出演:ビリグ ダワー グリバン

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長恨歌(2005/香港=中国)

第18回東京国際映画祭アジアの風部門の、記念すべきオープニングを飾るのは、『ホールド・ユー・タイト』『藍宇 情熱の嵐』(東京フィルメックス出品作品)など、近年は中華圏におけるセクシュアリティをテーマに取り上げることが多い、スタンリー・クワン監督の新作『長恨歌』。これは近年の作品から一転し、代表作『ロアン・リンユィ』を思い出させるような雰囲気の文芸映画。前世紀の上海を舞台に描かれた中華圏のベストセラー小説が原作で、先ごろ行われたヴェネチア映画祭でも正式出品された作品。
主演は今年になって重病説がまことしやかにささやかれた、香港のお元気女優サミー・チェンだけど、今回はその噂を吹き飛ばすかのように舞台挨拶&ティーチインに登場、ちょっと痩せたかな…という印象はあったものの、お元気振りをPRし、レッドカーペットにも登場(from毎日インタラクティブ)したのであった。まずはホッとしたよ、サミー。

第2次大戦直後の上海。女学生の王琦瑶(サミー)は親友のリリ(蘇岩)の紹介で、写真家の程(カーファイ)に出会う。程は琦瑶にひかれ、彼女の写真を撮る。琦瑶は程の薦めでミス上海コンテストにも出場することになるが、そこで国民党の幹部、李(胡軍)と運命的な出会いをする。琦瑶は李の愛人となり、激しく愛し合うが、国共内戦で国民党が敗色濃厚となったことで、その運命が二人を引き裂く。李は「オレは死んだことにしてくれ」と程に告げ、国外へ脱出する。それから間もなくして共産党が政権を握り、新中国が誕生した。政治体制が全く変わった中国に見切りをつけるように、リリは上海を離れた。
看護師として働く琦瑶は、大企業の御曹司・康明遜(彦祖)と恋に落ち、彼の子を身籠る。しかし、二人の身分はあまりにも違いすぎ、明遜は香港へ赴任することになる。そこで琦瑶はある男と形ばかりの「結婚」をし、その男の娘として明遜との子を出産する。
文化大革命が始まった。シングルマザーの琦瑶親子はなんとか紅衛兵につるし上げられずにすんだが、文化人の程は奥地の村に「下放」され、労働に従事した。そこで青年カラー(黄覚)と親しくなる。したたかな性格のカラーは物資を横流しして生計を立てていた。
文革が終わり、程は上海に戻ってきた。しばらくしてカラーも彼を慕って追ってくる。そして彼は琦瑶と出会い、彼女の若い愛人となる。それを快く思わない程は、今でも彼女への変わらぬ愛を抱いていたのだった…。

1940年代後半から80年代まで、中国大陸は激動の運命に翻弄されてきた。中国一モダンな国際都市である上海も然り。『上海グランド』や『花の影』、その他もろもろの映画や文学でこの都市の姿は描かれてきた。この映画に描かれるのは、激動の近現代中国史と、上海という都市と運命を共にした女性の一生だった。その運命は、何人もの男を虜にした華やかさを持ちながらも、決してその生涯は幸せではなかった…と見えたのだが、それは彼女自身ではない自分のあまりにも主観的な感想だろうか。
長年彼女を見守りながらも、決して結ばれることがなかった程の語りで進められるこの物語。しかし、彼女が一番愛したのは、彼女の最初の男であり、一番情熱的な恋をした李だった。もし、李が国民党の人間でなかったら、あるいは程が彼女に自分の気持ちを伝えられたら、この物語はここまで展開はしなかったと思う。こんな激動の時代に出会ってしまったのが、琦瑶と李と、そして程にとっての運命だったのだ。
琦瑶の生き方は、現代の我々にとってはどう映るだろうか。自らの欲望に従うかのように自由奔放な愛に生きた強い女性なのか、あるいは人生の選択が下手で不幸に巻き込まれていった愚かな女なのか。もちろん、彼女には両方の側面がある。それを思うと、「自由な愛に生きて、たくさんの男と寝ても、決して幸せにはなれないんだなぁ…」なんていう無常感を抱いてしまう。…って保守的かなぁ、こんな考えは。

重厚でドラマチックなストーリー展開で、見ごたえはあったのだけど、どうしても考えてしまうのが「これ、別にサミーじゃなくても他にできる人がいるんじゃないの?」ということだった。いや、後述するティーチインでサミーが「役にハマりこんで撮影後も抜け切れなくて困った」って言ったくらいに熱演していたのには異論はないけどさ、サミー自身の本来の持ち味がぜんぜん活きてなかったように感じたのよね。やっぱりこういう役はサミーじゃなくてマギーじゃないかなぁ。ありきたりかもしれないけどさ。サミー自身も今までのキャリアの壁を破って新境地を開きたくて受けたのかもしれないけど、ね…。
カーファイはさすがベテランなので、映画の屋台骨をしっかり押さえてくれる。胡軍は映画の要となる存在。セクシーなのは確かなんだけど、サミーと絡んでもエロティックに感じないのはなぜ?まぁもしかしたら、サミーよりも中国女優さんのほうが釣り合いが取れるのかもしれないけど。(まー彼はどーも『東宮西宮』や『藍宇』や『無間序曲』での存在感が強烈なせいか、男と絡んで欲しいなんて戯言をつい口走ってしまいそうだけど、ここはどうか聞かなかったことにして下さい。ってもう遅いわね)彦のヒゲ姿、見慣れてないせいかちょっと違和感もあったけど、登場シーンの佇まいは思わず『エロス』張震?と思っちゃいました。出番が少ないのが惜しいけど、貫禄はあったなぁ…。この3人がいい仕事をしてくれただけあって、ラストの鍵を握る黄覚(『恋愛中のパオペイ』)のカラーがちょっと負けているような気がする。合作なのでバランスをとった上のキャスティングなんだろうけど、ちょっとミスキャスト?とも感じたかな。もしこの役を陳坤が演じていたら、ちょっとは納得できたんだけど。
あ、忘れちゃいけないけど、「スタンリー組」のウィリアムさんの美術は相変わらずのいい仕事でした。後に感想をアップする『ディバージェンス』も彼のお仕事ざんす。

最初の舞台挨拶までの準備がもたもたしていたせいか、ラストのティーチインも時間が少なかった…。大変なのはわかるんですけどね、スタッフの皆さん。
時間もなかったので、質問は一人ひとつ。胡軍さんからは熱烈なファンの方からの「日本の演劇や映画にも出てください!」というラブコールがあり(これもまたゲストつき上映の醍醐味だよねー?)、サミーには前述した「役から抜け切れなかったことで大変だったことは?」という質問。彼女曰く「この役はホントに捨て難い役で、4ヵ月半の撮影ですっかりのめりこんだ。でもそのおかげでスタッフやキャストといい関係が生まれた」とのこと。これが彼女の演技キャリアにとってのターニングポイントになればいい。
そしてスタンリーさんには「ヴェネチア出品前に政府の検閲によりカットされた場面があると聞いたが、具体的な場面とその理由等は?」との質問。彼曰く「文革のあるシーンをカットした。もともと原作に文革の描写はないので、このくだりは映画オリジナルである。文革についてはうまく描写するのも難しいので、政府の忠告に従ってカットした。しかし、こんな場面は10年前の中国だったら撮ることができなかったので時代は変わったと思ったし、カットしたことは映画にはロスにならなかった」とのこと。
…そうか、時代は変わっているのか。『覇王別姫』であれだけ批判されたのも今は昔なんだもんな。香港映画ではなく合作映画できちんとそれができたことは、中国映画界にとっても政府が映画文化を見る目にとっても進歩したってことになるのかな。その他の部分が不十分であっても、将来的には希望があるってことなのかな。そんなことを思わされた、スタンリーさんの言葉だった。

英題:Everlasting Regret
監督:スタンリー・クワン 原作:ワン・アンイー 美術デザイン:ウィリアム・チャン
出演:サミー・チェン レオン・カーファイ フー・ジュン ダニエル・ウー ホアン・ジュエ スー・イェン ユミコ・チェン

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ヒルズの中心で、中華電影ヘの愛をさけぶ2005

というわけで始まりましたよ東京国際映画祭!
夜行バスで上京し、同じく夜バス上京組のgraceさんと六本木で朝食を取り、nancixさんと合流して『長恨歌』鑑賞。生でサミー&胡軍さんが見られて嬉しい\(^o^)/
昼は同郷の友人Hさんと合流、テレ朝のカフェでランチ。その後また映画館に戻って『モンゴリアン・ピンポン』鑑賞、さらに東京在住のMさんと合流して『ディバージェンス』鑑賞。夕飯は麻布十番の海南鶏飯食堂でチキンライスを食べたのだ。
…と駆け足で行きましたが、各映画の感想は今週中にアップしますわ。

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香港映画フォーラムにて、王晶、セシリア、そして野崎先生大いに語る。(その3)

セシリアと言えば、デビュー時は「ブリジット・リンの再来」と言われ、金像奨最優秀新人賞の最年少受賞記録(!)を持つ女優。本家涙の女王といっていいほど、その泣きじゃくり方は印象深い。例えば『星願』とか…なんて思っていたら、いつも本気で泣いていたのか、セシは!
しかし、かつての彼氏と言われたロナチェンとの破局やニコとの熱愛説など、香港明星には欠かせないゴシップの被害にもあってきた。そのせいかどうかわからないが、近年はがりがりに痩せちゃって、デビュー当時の健康的なふくよかさはなく…。それでも、笑顔はとってもチャーミングで、言いたいことがたくさんあって、とにかく思いのたけを喋りたい!って雰囲気があった、フォーラムでの彼女だった。

では、前回の続き。ここからは、この香港映画祭でも上映される作品についてのコメントも交えながらのトーク。

野崎:王晶さんと言えば、ここしばらくはプロデュース作品が多くて、もう監督されないのではないかと思ったのですが、昨年、自ら脚本を書かれた『インファナル・アンフェア』で再びコメディ映画を作ってくれました。このことから香港では、コメディ映画における“ポスト王晶”が育っていないかと思ったのですが、いかがですか?
王晶:でも、ワタシはヴィンセント・コック(俳優&監督。『ゴージャス』 《行運超人》など)やジョー・マー(『ファイティングラブ』《地下鉄》)などは、いいコメディ監督だと思うよ。香港人のユーモアに対する観客のセンス(?)がもっと育ってくれれば、香港コメディはこれからも続くだろう。ワタシ自身、いいコメディアンがいればコメディを撮りたいけど、これからはどちらかと言えばシリアスな作品が撮りたい。
野崎:王晶さんのシリアスな作品と言えば、1999年の《笨小孩》という作品が忘れられません。すごい作品でした。知的障害を背負った子供を持つお母さんの話でしたが、重い話なのに決してヘヴィにならず、ユーモアもありました。
王晶:そうですね、ワタシは人間の性格や本質について考えさせられる作品を、これから作っていきたいと思います。

王晶のシリアス作品か…。この後の話にも出てくる『黒白森林』はその序章的作品になるのだろーか。ま、それでもコメディやサイコホラーなど、相変わらずジャンルを問わずに撮ってくれそうな気もするけどね。今年の王晶作品には《痩身》という、アンソニー・ウォンとチェリー・インによるダイエット(!)サイコホラーがあったようだし。

お次は金像奨受賞の話題作、『旺角黒夜』でのセシリアの役作りについて。

セシ:この映画を撮っている時は、とにかく心が痛かった。大陸から来た娼婦というのは社会の最底辺にいる人たちなので、彼女たちのことを思って演じると、なおさらそう感じたもの。殴られる場面は、本気で殴られていた。(えええええー!!!!)この映画は、決して表面だけ見てはいけない。心で見て欲しい映画なのだ。
この役のオファーが来た時、自分のことを個性的なアーティストだと考えていたから、こんな役は絶対できないと思っていた。でも、イー・トンシンがそれでいいと言うなら、と思って承諾したの。
旺角のロケでは、特にトラブルはなかったわ。ワタシも、演じているときには、セシリアである自分をすっかり忘れて、役にのめりこんでいた。

野崎:香港映画を観ると、かつてのフランス映画の撮影法に似ていると感じることがある。昔、ゴダールは警察沙汰になることを恐れつつも、街で隠し撮りをして映画を撮っていた。でも、香港では隠し撮りせず街を普通に撮っている。なぜなんでしょう?
王晶:香港には、撮影に対する法律が整っていないので、街を自由に撮影することができる。しかし、それをいいことに、最近ではパパラッチの横行を呼んでいる。いろいろトラブルもあるけど、権利を守るために、アーティストたちが団結して、撮影時の協力願いを呼びかけるCMを作って、映画館で流しているんだ。

さて、『ラヴァーズ&ドラゴン』。この映画でセシリアはジャンユーと共演。ジャンユーは座頭市を思わせる盲目の剣客役だそーだ(すみません未見です)。

野崎:セシリアさん主演でウィルソン・イップ監督(『OVER SUMMER』 『トランサー』)の『ラヴァーズ&ドラゴン』ですが、このセシリアさん、とにかくもうかわいくてかわいくてたまらん…(はぁと)ってもんだったんですよ。バンバン空を飛んでいましたけど、あれ、ちゃんとご自分で飛んでいらしたのですか?

ここで我々は見た!
天下の野崎先生が萌えているのを…。
ののののの、野崎先生ったらもーう(*^~^*)…なんてこっちも心ではぁとになったりして(こらこら)。それに対してのセシリアの答え。

8割は自分で飛んだの。ワイヤーに吊られて飛ぶのは大好きだから。

なんか、一瞬会場にピンクのもやもやっとしたものが見えたのは、はたしてワタシだけだろうか…。そうか、これが萌えなのか。おおおおお。

で、締めはこの映画祭のオープニングを飾る『黒白森林』。これはワタシも以前書いたけど、王晶版無間道?といった雰囲気のある、クールでハードな映画だった。この映画についての王晶のコメント。

『無間道』に似てるってよく言われるけど、全く違う映画だよ。でも、あえて言えば撮影のスタイルと、使っているフィルムがあの映画と同じなんだ。雰囲気を出すためにね。
主演のアンソニーのこと?うん、彼はハンサムになったよね。彼がピアノを弾くシーンがあるけど、あれはアンソニーのキャラクターに立体感を持たせて、はっきりさせたかったからなんだ。
この映画では、一番悪いのはレイモンド演じるコーラと小春演じるライのそれぞれの父親を殺した犯人ではない、他にもっと悪い人間がいるということを言いたかったんだよ。(なるほど、だからあんなどんでん返ししまくりなラストだったのか…)

こんなところでタイムアップ。
さて、最後はお待ちかねの観客とのQ&Aコーナー。うう、何を質問しようかとあれこれ考えていたところ、皆さん同じことを考えていたらしく、挙手も質問もよく挙がる。
すみません、出遅れましたわ。

Q:王晶さんに3つの質問です。
1・今の日本映画についてどう思いますか?
A:今の日本映画は休火山状態だ。アニメを観れば、その可能性はわかるんだけど、映画はまだまだというところかな。
2・影響を受けた日本の映画監督は?
A:五社英雄(『鬼龍院花子の生涯』『陽暉楼』)と小林正樹(『人間の條件』『怪談』)。特に五社監督の『御用金』('69)に影響を受けた。
3・日本と合作して映画を撮る予定はありますか?
A・現時点ではまだ言えない。

ご、五社英雄…。「なめたらいかんぜよ!」ですね。渋い。

Q:現在、日本のファンの間で人気を誇っている香港明星といえば、アンディ・ラウとトニー・レオンですが、この二人を昔からよく知っている王晶さんからみて、昔の彼らの興味深いエピソードなどはありませんか?
A:アンディとは86年の『マジック・クリスタル』で初めて一緒に仕事をした。当時の彼はやんちゃ者で、毎日現場で自分がアクション指導をしたい!といって聞かなかった。その後、コンサートでやんちゃをしたら鼻を骨折してしまってね、それ以来はおとなしくなったな。

…ア、アンディらしい。何でも面白そうなものはやりたがりそうだもの、って実際やってきたか。ははは

トニーとの初仕事は90年代の中盤だった。その頃彼はすでに王家衛と一緒に仕事をしていたね。王家衛の映画には「長い休み」があるので有名だけど、彼はその休みの間にワタシのところへ来て、なにか仕事ない?と聞いてくるからそこで一緒に仕事するんだ。…ってこれは冗談だよ。

王晶さん、でもそれってマジで冗談に聞こえないっすよ…(苦笑)。

残りはセシリアへの質問。

Q:生のセシリアさんに会えて嬉しいです!質問というよりお願いですが、自分は広東語より北京語のほうが理解できるので、日本でも生声の北京語版で映画を上映して欲しいです。
A:『旺角黒夜』では、ワタシの北京語が聴けますよ。

あ、吹き替えじゃなかったの…?これは意外な。個人的には広東語派なので、北京語版ってのもどーも…と考えてしまうところもあるのだけど、来年公開の《無極》は確実に北京語だろうからね。それをお楽しみに…なのかな。

Q:先ほど、セシリアさんは演技をするとき、自分を忘れるといっていましたが、それにはいつ気がついたのですか?
A:映画をやる前から「自分を忘れる」ということを本能的にわかっていたの。あと、脚本をたくさん読むことだけがよい役者の条件じゃないと思う。

すんばらしい!天性の役者か、セシリアよ。まるで北島マヤ!?

とまぁ、そんなこんなで締めとなったフォーラムでした。
しかし、ホントに参加できてよかった。王晶もセシリアも現役バリバリの映画人だし、二人とも決して生半可な気持ちで映画に携わっているんじゃないのね、ちゃんと映画を愛しているのよね、という気持ちが強く感じられた。そして、野崎先生の質問も、香港映画の現状と未来についてワタシたちが知りたいことをすくい取ってくれたように(というより、これが多くの香港映画ファンの関心だったと思う)適切で、聞きやすかった。本当にお疲れさまでした、野崎先生。萌える先生も見られましたし(こらこら)。
そして、王晶&セシリアにもホントに愛と感謝を心から送りたい。ありがとねー。

さて、いよいよ今週末から週末ヒルズ通い(正しくは中華電影貧乏無間道週間と言う)が始まる!1年前の中越地震のように、最近関東に頻発している地震は怖いけど、それにもめげずにワタシは香港を始めとする映画を観たい。そして新しい出会いを体験したい。そんなわけで、明日の夜から再び深夜バスに飛び乗って、江戸を目指すのであった。
ちくしょー、地震がなんだ!行くぜ六本木!去年に引き続き、ヒルズの中心で香港&中華電影への愛をさけんでやる!

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香港映画フォーラムにて、王晶、セシリア、そして野崎先生大いに語る。(その2)

前回の続きですが、まずはもとはしが見た王晶の印象。

まー確かにあれだけのおちゃらけた映画ばかりを作ってきた、“香港の娯楽帝王”であるんだけど、本人を目の当たりどころか真正面にすると、非常に真面目な人であることがわかる。その受け答えには、またまたご冗談を、王晶さん!なんてツッコむ隙がない。「コメディばかり作っているけど、退屈な人間なんだよ」なんて言うからして、コメディメーカーにはシリアスな性格の人が多いのかもしれないな。星仔もそうだし。
でも、これで王晶さんへのイメージを一新させたのは確かだった。

さて、お次はセシリアの言葉。3月の金像奨のブルーカーペットでの艶やかな姿が忘れられないんだけど、それからまた痩せたんじゃない?と心配になるくらいほっそりしていた。
よく「spirit(魂。精神)」という言葉を口にしていたのが印象的だった。

野崎:セシリアさんと王晶さんといえば、《性感都市》での、眉毛のつながったすっごいブスの役にビックリしたんですが、あれについてはどーだったんですか?
セシ:いや、全然気にしていないわよ、むしろもっとブスにしてほしかったくらい!

と、のっけから爆笑させてくれたセシ、非常にリラックスな雰囲気で、自らの女優spiritを語ってくれたのだった。

ワタシは映画のspiritsが大好き。王晶監督の初期作品はもちろん、昔の香港映画もいろいろ観ています。それを観て思うのは、昔の映画にはspiritsが入っていて、なんといっても俳優の演技力がいいということ。昔はTV局が養成所を持っていて、そこで修業してきた人たちが映画に進出していった。今の芸能人は歌もやるし、コンサートもしょっちゅう開く。なんでもかんでもやってしまうから演技に集中できないのね。ワタシもデビュー当時は歌っていたけど、今は演技に集中するために、歌手活動は停止している。

ワタシの座右の銘は、『簡単なものは複雑化する、そして複雑なものは簡単にしよう』。言ってみれば、考えすぎないこと。考えすぎると、かえって逆効果になってしまうのね。
ワタシが演技の時に考えるのは、映画のチケットを買った人が何を楽しみにしてくれるのか、ということ。そして、感動する映画を作り上げるには、何よりも演じている自分が感動しなければならないってことを心がけている。だから、ワタシが映画の中で流した涙は全て本物の涙。目薬なんて使っていないのよ。

(ここで、野崎先生から「セシリアさんは、《忘不了》で失意のミニバス運転手を演じるなど、試練の多い役柄が多いですね。あの役では涙も枯れ果てて泣くことすらできないという役柄でしたね」というコメントも入りました。)

ワタシは、映画はチームワークだと思う。みんなの目的はいい映画を作ること。そんな中でワタシが信頼を置いている監督が、周星馳、王晶、イー・トンシンの3人。
映画はただのエンターテインメントじゃない。どんな映画でもその映画を観ている人にとっても、どこかで誰かの助けになっているのだから。そう、人の助けになるものなのだ。それを考えてワタシも演技している。ワタシはただのキレイなだけの「花瓶」じゃないんだからね。

ここで野崎先生が、王晶さんに女優への観点を聞いた。

王晶:どんな美人女優でも、どこかに盲点がある。ワタシの役割は、その女優の気づかない一面を発見し、逆にその女優のよくない点は隠すんだ(笑)。

…それで、あーゆーふうになるんですか、王晶さん。ははははは…(と今まで見てきた王晶作品を頭の中で振り返る)野崎先生の「では、今の女優は?」の問いを受けて、

王晶:どの年代にも、その年代なりの美しさがある。60年代には60年代の、2000年代にはその年代の美しさがある。現代の女優を使って60年代の話をうまく作ることはできるのかい?

ここで野崎先生、「じゃ、サミーは…」と一瞬言っていましたけど、それはあの映画のことでせうか?今週末に某映画祭で上映される?
お次はセシリアに「目標にしている女優さんは?」という問いかけを。

セシ:今の映画界で目標にしている人はいないけど、引退後はこうして生きたいっていう人はいます。それはブリジット・リンとオードリー・ヘップバーン。この二人の引退後の生き方に憧れています。
あと、女優はココロの中が一番大事だなって思いますよ。

ちょっと後半の方は拾い書きになってしまったかな?ま、nancixさん藍*aiさんも書かれておりますので、詳細は是非そちらをということで…。(^_^;)A
今日はこのへんで。次回は王晶&セシリアトークの後半、そして思わず野崎先生の萌え~が出てしまった問題?発言までをまとめます。

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香港映画フォーラムにて、王晶、セシリア、そして野崎先生大いに語る。(その1)

10月17日、雨の六本木ヒルズ。21日から始まる東京国際映画祭に先駆けて、ワタシはこの地にやって来た。目的は、もはや大いなる謎ではなくなった、「香港―日本交流年2005香港映画祭」の開幕イベント、「香港映画フォーラム」に参加するためだ。同じく昨日から関東入りしているnancixさんと待ち合わせ、会場のアカデミーヒルズを下見し(二人で会場を思いっきり間違えるというハプニングがあった)、そのほかの皆さんと待ち合わせて、お昼を共にした。

今回のシンポジウムのテーマは「香港映画の特色とアジアや世界の映画産業における重要性」。
先に行かれた方に席を確保してもらったら、なんと真正面。えー、ワタシが王晶の正面でいいのか?なんか言われたらどーしよう(言われないって)…などと思いつつ、パネラーの王晶、セシリア、そして野崎先生の登場を待つ。王晶さんはカンフースーツ(香港映画人の盛装か?)、セシリアは真っ赤なアディダスのコート(野崎先生曰く『旺角黒夜』を彷彿とさせる、と)にパンツ、そして野崎先生も盛装(もちろんね)。

以下、ワタシができる範囲でメモった内容の要旨です。他のblogの方と違ったらすみません。
まずは王晶の言葉(前半部分)から。

ワタシはいつも人々が一番観たいと思う作品を作っている。
最近の香港映画人の話題は、いったいどうすれば香港映画を救えるか?ということであり、複数の会社が合作したり、ビッグスターを集めたり…などという提案もされている。それらについては賛否両論だ。
ワタシ自身の考えとしては、現在の香港は70年代の日本と似ていると思う。つまり社会が変わってきているのだ。それならば、映画だって変わらなければいけない。香港映画は退潮というが、ワタシは全くそうは思わないのだ。

香港映画が一番輝いていたのは70年代から90年代にかけてだ。特にこの頃、香港映画の上客は台湾のマーケットであった。しかし、台湾では90年代半ばからテレビ映画チャンネルが増加し、そこでは劇場未上映や終わったばかりの作品をすぐ放映してしまうので、人々は劇場に行かずに、テレビで観てしまうようになった。さらに96年あたりから海賊盤VCDも問題化してきた。
現在は中国大陸のマーケットが台頭してきているが、香港映画に対しての審査基準が厳しい。いかに中国マーケットに入れるか?というのが今後の課題か。

ワタシはコメディをたくさん作りつづけてきたが、もともとは映画みたいな人間じゃない。コメディを作ることは大変なんだよ。
いま、一般的には「芸術的な映画はいいよ」という刷り込みができてしまった。「王家衛になりたい」と願う人間はいるけど、王晶にはなりたくないって言う。
だいたい娯楽映画と芸術映画の割合は8対2か7対3かな。肉と野菜の割合みたいなものだ。フランスでもそのくらいか(このあたりうろ覚え)。
映画復権の鍵(多分こんな意味だった)はどのくらい商業的な映画を作れるかにかかってくる。
ワタシは80年代のショウブラザーズの頃からずっと香港映画を見てきた。こんな長い間香港映画の現場に携わってきたのは、ワタシとジョン・ウーくらいじゃないかな。

とりあえず、今日はこんな感じで。次はセシリアの言葉(前半部分)をまとめますわ。何か書き落としているところや違うところありましたら、コメントにてご指摘くださいませ。すみませぬ。

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香港映画祭フォーラムからの帰還

ただいま帰盛しました(^_^;)。深夜バスがだんだんきつくなってきているなぁ…。
それはともかく、行ってきましたよ、香港映画フォーラム。香港の娯楽の帝王、王晶の意外な真面目さやセシリアの演技に対する真摯な姿勢、そして野崎先生が萌えている(ごめんなさい!野崎先生m(_ _)m)姿などが見られて非常に有意義なディスカッションでした。詳細なる感想は今週中にアップいたします。
向こうでお世話になった皆様、お疲れ様でした。

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やっと読めたよ、ジェイin『AERA』

月曜の朝、ネットサーフィンしてたどり着いた『AERA』の表紙にどっかでみたことのある顔が。一瞬「こいつは誰や?」と思ったけど、その次に思いっきり叫んでいたのは言うまでもない。
「えええええー、ジェイじゃねーか!」と。
…いや、あまりにも〇〇だったので、一瞬誰だかわからなかったのよ(すみません。^_^;)。珍しい背広姿ってのもあったんだけどね。まーよくよく見ればネクタイはグレイハウンドが走っているような柄、ジャケットには頭蓋骨がプリントされているおパンク?なデザインだけど。(よく考えればジェイももう26歳。日本でもこーゆーサラリーマンがいそ…いや、いないって)しかしこのスーツ、表紙撮影のためにわざわざ買ったんだって!?いくらなんでもそれはすごいぜ、ジェイよ!

中面にはインタビュー。…なんだか意外としゃべっていないのね、キミ。それにしてもツッコミしたいのは、やっぱりこの言葉か。

「音楽は僕にとって国境を越える言葉。それで英語を勉強しないんです」

ジェイよ、なんだかすんごい自信だなぁ…。でも、よく考えれば世界各地に中華民族がいることを考えれば、自分の母語である北京語や広東語でも世界を歩けないことはないから、間違いではないんだよなぁ。でもねぇ…、なんて思っちゃうのは、ワタシが英語コンプレックスに常日頃悩まされている日本人だからだろーか。

あと、インタビューページにて、「ガラスの灰皿のハンドル(投げるな!なんてツッコミ入れたくなる)」を握っている表情がホントにフツーなのが妙にウケました。

そんなワタシのこのところのBGMはジェイの『七里香』だったりします、ハイ。

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書剣恩仇録(1981/香港)

金庸作品といえば、香港映画好きとしては『スウォーズマン(笑傲江湖)』や『楽園の瑕』 『大英雄』(両作とも原作は一応『射[周鳥]英雄伝』)あたりを思い出す。ちょっと前では知名度もあまりなかったけど、最近は現フェイの婿(!)李亞鵬主演の中国大陸製ドラマがいくつか紹介されたり、アニメ化されたりもしているので、だんだんと知られてきているのかもしれない。
そんな中で観たこの『書剣恩仇録』は、今から20年以上前にショウブラザーズ(以下ショウブラ)によって作られたもの。ショウブラといえば、以前観た香港版ヒーロー映画『中国超人インフラマン』も作っていたのだけど、70年代~80年代までの香港映画界をリードしていた映画会社だ。でも、ワタシが香港映画にハマッたのは90年代からの作品がほとんどなので、ショウブラ作品はこれまで観る機会がなかった。
ついでに書くけど、『ブレードランナー』のオープニングクレジットで「サー・ランラン・ショウ」と出てくるのが不思議で「あれ?香港映画じゃないよね?」と思っていたんだけど、あの映画のアジア方面のセールスをしたのがショウブラだったからだったんだっけ?と昔メイキング本で読んだのだけど…もっかい読み直してチェックしよ。

書剣恩仇録 1
金 庸著 / 岡崎 由美訳
徳間書店 (2001.4)
通常1-3週間以内に発送します。

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ジェイがあの雑誌の表紙を飾る♪

某番組で見かけた『イニD』のCMを観て、今度は絶対字幕版で観てやる!と鼻息荒く(意味不明?)決意を新にする今日この頃なのですが、まだ東京で字幕版ってやっているんでせうか?

そんな今日この頃ですが、アジアンエンタメ(といっても最近は韓流ばっか)をヒイキにしまくっているあの“時代の先端を走る駄洒落コピーで御馴染の負け犬世代の雑誌(怒らないで下さい)『AERA』、明日発売の今週号の表紙はジェイ。うううう嬉しいぞ。久々に中華明星が表紙を飾るってこともあわせてね(^o^)v。
うちのほうは地方なので、実物を見られるのは多分水曜になると思うけど、表紙の人インタビューでどんなコメントを言っているのかが楽しみなのであーる。

あ、そーいえばアンディがインタビューされていた『婦人公論』、入手するのを忘れたわ…(^_^;)。

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待ってろよ六本木!行くぜ、東京国際2005!

よく考えたら、去年と同じタイトルだったりする(笑)。

さて、本日(といっても日付が変わったので昨日)、朝早くチケぴに並び、友人たちと協力して東京国際のチケットをゲットしてまいりました。希望チケは全部買えたので満足ざんす。

9時過ぎにチケぴのあるデパート前に着いたところ、すでに男子ひとりが並んでいた…。これはどーも国際狙いとは思えない。それ以外は誰も来ていないのでホッとする。後から元サークルの友人と、『ディバージェンス』を一緒に観る友人が来たので、共同戦線を張ってチケ取りをすることに。…しかし、去年は特別招待作品で『誰にでも秘密がある』目当てで並んだ人がいたのに、今年は韓国映画目当てで並ぶ人がいなかったのが不思議だ…。
あらかじめ申し込み用紙をもらっていたので、チケを取る順番を決める。友人たちと相談のうえ、『ディバージェンス』をまとめて先に取り、『長恨歌』を友人にとってもらう。
そして10時を迎えたのだった…。

結局『長恨歌』が取れたので、上映日前夜に夜バスで東京に向かう(帰りは新幹線)ことに決定。その方がちょっと安くすむかな。
駅に行って夜バスの予約も取り、3日間フリー切符も購入した。ホテルも手配済み。あとは休暇願いね…(^^ゞ。

で、今年はこれらの作品を観に行きます。
10/22(土) 『長恨歌』『モンゴリアン・ピンポン』『ディバージェンス』
10/28(金) 『ドラゴン・プロジェクト/精武家庭』『AV』
10/29(土) 『靴に恋する人魚』『愛していると、もう一度』

nancixさんgraceさんを始め、中華電影系bloggerの皆さんも無事チケットゲットされたようで、おめでとうございますです。皆様と六本木か渋谷でお会いできるのを楽しみにしております(とかなんとか言いつつ、お顔を知らない方も多いのですが)

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遅ればせながら、我が県にもやっと、F4タイフーンが(多分)上陸だ…。

やたらと韓流が強かったのは盛岡冷麺のせいなのか?なんて思った岩手にも、やっとやーっと上陸しましたよ、F4の『流星花園・花より男子』が!
IBCテレビにて毎週月曜深夜の放映ざんす。ちなみに吹替版放映。でも第1話観ていないよ…。(というより平日深夜って絶対観られない…)

かつてこれがBSデジタルで放映されたのは、確か2年前の秋。台湾ドラマで字幕版、おまけに話題のF4が見られると聞き、最初のうちこそ興味深く観たんだけど…内容が自分に合わなくて挫折しちまったんだわ。F4にもそれぞれ魅力も感じなかったし、とくにジェリーはワタシの苦手なあの人に似ているってこともあってしばらくのうちはホントにダメだった。
もっとも、今はそんなに悪い印象はない。好きってわけじゃないんだけど、台湾エンタメ普及のためには頑張ってほしいよなーっていう素直な気持ちで応援できる。でも追っかけはしないぜ。大人だからね。(^_^)〆シュッ。

でもこのドラマ、岩手での台湾エンタメ普及のためじゃなくて、あくまでもこの秋のTBS系新ドラマ『花より男子』のプロモが目的らしい。それに気づいてなんだかガッカリ。いやさぁ、だってさぁ、あの新ドラマのF4ってなんか寄(以下略)…じゃん。それなら台湾F4のほうがずーっと魅力的!って思ったんだけど、この意見って一般的にはおかしい?(そーいやぁ、リヨン谷原やフジッキーを産み出した映画版『花より男子』もあったねぇ)

ああ、でもこれでF4が認識されたら説明しやすくなるよなぁ。あと、『韓流シネマフェス』をやるくらいなら『F4フィルムコレクション』もやってほしいよなぁ。『マジック・キッチン』も日本語字幕で観たいけど、『スター・ランナー』も『スカイ・オブ・ラブ』も観たいんだよ。
どーでしょうか、現在韓流映画の上映が多い某映画館さん?来年初めの上映でも待ちますので、是非ご検討を。

とりあえず、以前職場で「ゴメン、韓流ダメなの。ぺ様もチェ○ウも大っキライ!」って言ったフォローに、「アタシ『エフ・フォー』は好きよ。ジェリーとヴィックなんかかわいいじゃーん」とか言っとくかな。

…この大嘘つきめ(-_-メ)。>自分

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セブンソード(2005/香港)

やりたい放題。

ああ、なんていい響きなんだ。そのやりたい放題がいい方向に向かっている作品を観ると、こっちもなんだか嬉しくなってしまう。…まー、たとえそれが嬉しくとも、やりたい放題だけじゃまずいのは確かなんだが。
徐克さんの4年ぶりの新作『セブンソード』には、まさに「やりたい放題」という言葉がよく似合うような気がする。なんちって。原作は金庸、古龍と並ぶ中国武侠小説の第一人者、梁羽生の代表作、『七剣下天山』だ。

七剣下天山 上
梁 羽生著 / 土屋 文子監訳

17世紀中盤、満州族による清王朝が成立した頃、清王朝は漢族による反乱軍を鎮圧するために、庶民に武術の研究・実践を禁じる禁武令を発布した。元明王朝の軍人だった風火連城(孫紅雷)は私兵を率いて不満分子を抹殺し、私腹を肥やしていた。同じく明王朝の役人だった傳青主(劉家良)は彼と対立し、風火連城が攻め入ろうとする秘密結社「天地会」の本拠地・武荘へ行き、武元英(チャーリー)と韓志邦(陸毅)と知り合う。
村を救うため、彼は二人を連れて天山へ向かう。この山には伝説の刀匠・晦明大師と彼が率いる腕利きの剣士たちがいた。傳の頼みを聞き入れた大師は由龍剣の使い手楚昭南(ドニー)、青幹剣を使う楊雲ツォン(「ツォン」の字が出ない…リヨン)、双刀の競星剣使い辛龍子(戴立吾)、日月剣を持つ穆郎(ダンカン)を派遣する。そして、傳には莫問剣、志邦には舎神剣、元英には天瀑剣を授け、晦明大師が作りし最強の7本の剣を持った剣士―セブンソード―は武荘にて風火連城たちの刺客と対決する…!

そうだ、そうだった、徐克ってこーゆー人だった。ガンガンとアクションやりたい放題な人だった。それは4年前にニコ&ウーバイさんの『ドリフト』を観た時にも確認したはずだった。思えば昨年の初夏、『2046』が出品されたカンヌ映画祭で、彼が審査員として参加し、にこやかにレッドカーペットに登場した時点で、ワタシは彼のことを世界の巨匠とかドラマ派とか、何か勘違いしていたようだ。
それを思い出したのだ、この映画の冒頭で。風火連城配下の白塗り&パンク風おねいさん(『北〇の拳』の悪役チックだったなー)が登場し、ドコドコドコドコと人を切りまくり、首を飛ばしまくり、腕も切りまくるくだりで。…そーだ、徐克さんって、こーゆーやりすぎで過剰なアクションが大好きな人だ。昔、韓国映画『飛天舞(アウトライブ)』やクエタラの『キル・ビル』の予告(未だに本編を観ていない)で、ドンドコドンドコ人が斬られまくるくだりに何かデジャヴを感じたのだが、そーだ、徐克さんのこのノリなんだ。
それがわかった途端に、なぜか急に心がスッキリした。目の前では人がガンガン斬られて首や手足や胴体がビュンビュン飛んでいるが、それがわかって何が目の前で起こっているかなんてどーでもよくなったよ。(こらこら!)
とにかく、アクション面においては大満足。今やハリウッドでも当たり前になって新鮮味などとっくになくなったワイヤーアクションは少なく、ひたすら展開されるのは、地に足がついた勇者どもによる激しい剣戟の応酬。劉家良しーふーを中心に、トン・ワイさん&熊欣欣という、香港武侠映画では御馴染の面々による、武術を取り入れたアクションはホントに見応え充分。CGを多用せず、自然の風景を巧みに取り入れた画面構成もよかったなー。
まー、アクション面で満足しても、やっぱり別方面で不満は出るもので…。うーん、ストーリーが…。やっぱり、これは本来上映時間4時間のものだったんだ!と言われれば、それをばしばしぶった切ったら、ドラマ面がアレレ?って感じになっちゃったのね、と思ったもので。話を引っ張るのは志邦と元英、そして昭南だけど、せっかく他の剣士にもドラマティックな背景があるのだから、それも小出しじゃなくてちゃんと観たかったなー、なんて思うと4時間版が観たい!って結論になっちゃうんだろーな―。で、それって出るの?徐克さんよ。

役者陣。主役はリヨン?それともドニーさん?…いや、これは7人全員が主役って見るべきよね。
リヨンが武侠片に出る、というのは意外だなーって思ったけど、「防守」を象徴するキャラとしての投入は間違いじゃなかったね。まーアクションについてはいろいろ言いたいけど、動くリヨンはステキだった…(え、別に深い意味はないです)。頭巾も似合うぜ。
思った以上に頑張っていたリヨンだが、それでもアクションではドニーさんにかなわない、てーか今回はドニーさん大活躍だった!イッセー尾形似とか言われるとガッカリするんだが(ホントに昔言われたのよ)、さすが武侠のために生まれた男だなーってつくづく思ったもんだ。ラスト近くの壁際の戦いなんてまさにドニーさん独壇場だし。でもそれ以上に驚いたのが、同じ高麗からつれて来られた奴隷娘緑珠(キム・ソヨン)とのラブシーン!ももももっとエロティックでもー…って思ったのは言うまでもないんだけど、これがドニーさんの精一杯なのか?あと、蓬髪のドニーさんはどうもツボらしい、ということに気づかされたのであった。だって『英雄』の長空も好きだったもの。
七剣の紅一点(里見八犬伝で言えば犬坂毛野か)、チャーリー。いくら男勝りの女性とはいえ…色気がねぇ。いいのか?でもかわいいし、とても30歳とは思えないけど。
中国出身の陸毅くん、香港育ちのモデル、ダンカンくん、二人ともいい男だなー。確かによく観ないと見分けがつかないが。辛龍子役の戴立吾くん、もっと活躍してほしかった。そしてこいつらをまとめる劉家良しーふー、すっごく貫禄ありました。このメンツでひとりプラスしたらホントに中華版里見八犬伝ができそうだな。
対する敵役。風火連城の孫紅雷って…、えー!あの『初恋のきた道』でのツーイーの息子ー?いや確かにあの映画でもごっついオッさんだなーとは思ったけどさ。あと、敵役とは言いがたいけど清国の親王役のマイケル・ウォン…すみません、エンドタイトルを見るまで気づかなかったです。

忘れちゃいけないのが音楽。『機動警察パトレイバー』、『攻殻機動隊』シリーズ、そして『科捜研の女』シリーズなど、アニメからドラマまで幅広く手がける川井憲次さんの手によるスコアはスケールがでかくてかっこよかった!まぁ、『イノセンス』でのオリエンタルな味わいの音楽が印象的だったので、いつかアジア映画をやるかもなーなんて思ったので、これは嬉しかったなー。あ、でも、世界進出はこの映画が初じゃなくて、フランスでサントラを手がけたり、韓国映画『南極日誌』のスコアもやっていたのね。すみませぬ、ろくに調べずにこのエントリを書いちゃって。

原題:七剣
製作&脚本&監督:ツイ・ハーク 原作:リャン・ユーション『七剣下天山』武術指導:トン・ワイ&ホン・ヤンヤン 音楽:川井憲次
出演:レオン・ライ ドニー・イェン チャーリー・ヤン スン・ホンレイ ルー・イー キム・ソヨン タイ・リーウー ダンカン・チョウ ラウ・カーリョン

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POP ASIA No.59は嬉しかったです。

今日、『セブンソード』(感想は後日)を観に行く途中、映画専門書店に寄り、 『POP ASIA』を探す。理由は言わずともわかりますよねー。
でも、買うのはホントに久々なのです。

ポップ・アジア No.58
TOKIMEKIパブリッシング (2005.8)
通常2-3日以内に発送します。
ポップ・アジア No.59
TOKIMEKIパブリッシング (2005.10)
通常2-3日以内に発送します。

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