« 新流星胡蝶剣(1993/香港) | トップページ | マジックキッチン(2004/香港) »

《喜馬拉亞星》(2005/香港)

…そーいえば、『ムトゥ 踊るマハラジャ』ってもう7年も前に公開されたんだっけ。
コンビニの店頭に並んだスナック「ガラムマサラ」のパッケージを眺めながら、ボンヤリとそんなことを考えた。しかし、香港映画の日本公開もガタッと減ったけど、インド映画も日本に来なくなっちゃったよなぁ、それというのもあの、とこれ以上はかなりやっかみの入った暴言になりそうなのでここでカット。
かつてアジアには自国の映画がハリウッド映画より人気のあるという地域が二ヵ所あった。ひとつは香港、そしてもうひとつはインドである。 香港は返還を控えた90年代前半にハリウッド映画の人気が急激に上がり、ついには年間興収も逆転してしまって今に至るのだが、国内各地でその地方の言葉に合わせた映画を作っているインドは未だに自国映画の人気を保っている…はずだと思う。
さらに香港とインドといえば、重慶大厦(ここにあるカレー屋さん、行ったことないからよく知らんが)とか、陸羽茶室上海灘のドアマンさんなどでインド人のお兄さんに出会う。普段日本じゃあまりインド人に出会わないが、さすがにかつてのアジアの港としてイギリスに目をつけられた(ははは)ところだけあって、香港ではインド人と出会う率が高い。(昔、チムのプロムナードを夜一人で歩いていた時、インド人のお兄さんにナンパされたことがあったなぁ…あはははは)

それはともかく、そんなふうに思ったからというわけではないけど、今年の賀歳片だったロナチェン&ラウチン&ジャンユーの3人が主役をはった、香港製マサラ(?)ムービー《喜馬拉亞星》を観てみた。

雪深いヒマラヤの山中。亞星(ロナチェン)はここで育ち、ヨガを体得してきた青年だ。ある日、彼はインドのヨガ城で印度西施の嫁選びのために行われるヨガ大会に出場することを決意して、下山する。ヨガ城に行く途中、亞星は結婚願望の強い大家姐(チェリー)とその一味に出会う。亞星が下山した目的を聞いた彼女は、西施と彼を困らそうと、自分たちの悪事に亞星を巻き込む。
一方、ヨガ城に香港から観光に来ていたのは、某イギリス人コメディアン演じる有名なキャラによく似た驚青(ラウチン)とその甥二人(Shineの二人)、そして某日本人コメディアン演じる有名な映画キャラによく似た大膽(ジャンユー)。あわてんぼうでそそっかしい驚青は強盗に催眠術をかけられて金を巻き上げられるが、そんな彼の前に孔雀(セシリア)が現れ、彼を夢の世界に誘う。夢うつつのままインドを彷徨う彼は、蛇に足をかまれた美女を助ける。その美女こそ噂の印度西施。でも催眠術にかかったと思い込んでいる驚青は、彼女がひげ男にしか見えないと思い込むが、西施は彼に夢中になる。
一方、叔父とはぐれた甥二人と大膽はうっかり「印度神油」を飲んでしまう。この神油、1滴飲むと昨日の記憶を忘れ、たくさん飲んだら飲んだ分だけ忘れてしまうという困った油。自分が誰だかわからない3人は、インドから香港に出稼ぎしに行って戻ってきた親子だとか、日本のヤクザだとか勝手に思い込む。そんなこんなでインドを彷徨っていた3人は大家姐たちと知り合い、亞星に悪事を教え込むように押しつけられる。そのほかあれこれとドタバタがあり、自分の目的を思い出した亞星と西施の父親に見込まれてしまった大膽、そして父親によって仲を引き裂かれてしまった驚青は、ヨガ大会に出場することになる…!

題名に“ヒマラヤ”とありながらなぜ舞台はインド?さらになぜみんな広東語をくっちゃべっている?というツッコミは基本中の基本なので置いておくが、わかりやすいくらいパロディ満載な映画だなぁ。マサラムービーをベースに、『古惑仔』に日本のAVに『ゴッド・ギャンブラー』に『ミスター・ビーン』に『男はつらいよ』に『幸せの黄色いハンカチ』に『メメント』に『千夜一夜物語』に日本のヤクザ映画にエトセトラエトセトラ…。もっと細かいネタまで目を凝らせばいっぱい出てくるんだろうけど、ありとあらゆるネタを詰め込みすぎて話が破綻しまくっている…(苦笑)。ラストなんて〇〇の運命変わっちゃうしね。ま、これはワイさんが狙ったのかもしれないけどさ。

最近はジョニーさんのところから一人立ちして映画を監督しているワイさん、そういえば去年の《鬼馬狂想曲》も彼の監督作で、ラウチン・ジャンユー・セシリアも続投。あの映画もパロディ満載で楽しかった。ラウチンのマイケル・ホイ演技はよかったもんなぁ。
…しかし、今年もラウチンにとってはかなりチャレンジな役どころだったんだろうけど、なぜローワン・アトキンソン(asミスター・ビーン)演技?いや、物真似的にはまずくなかったと思うけど、ちょっとこういう役どころを振るのはなぁ…。去年と同じホイ兄路線続投でもよかったんじゃないかと(でもイメージが固定されちゃうのか、まずいな)。
対するジャンユーは故・渥美清氏の当たり役である車寅次郎的キャラを演じていたんだけど、真似というよりただのコスプレ?という印象。…しかし、香港では受けてたのか?『男はつらいよ』シリーズって。ほら、あの映画って非常に日本的なコメディだから、日本以外では受けないんじゃないかなぁって思っていたので。でも『幸せの黄色いハンカチ』までネタにしていたってことは、ワイさんってもしかして山田洋次氏のファン?(多分違う)
そして、タイトルロールのロナチェン。どーも彼の名前を聞くと、未だにずいぶん前の「飛行機内で泥酔して乱暴狼藉を働いて逮捕」ってイメージがあるんだよなぁ。でも、復活したよなぁ、見事に。まぁそれを言ったら、ごく最近麻薬所持で逮捕されちゃった(んだよね?でもそれっていつのことだっけ)チェリーちゃんもそうなんだが。

でも、実際には主役は3人で、その3人の行動を楽しむ映画といったほうが正解か。
ハチャメチャだけど、こういうわけのわからん無軌道な映画(それもわざわざヒマラヤ&インドロケ敢行!)を作る余裕があるのはそれでよいのではないか?…なんていったらマジメな映画ファンに怒られそうだなぁ。 とまたまたわけのわからんまま、終わりにしようっと♪

英題:Himalaya Singh
監督&製作&脚本:ワイ・カーファイ
出演:ロナルド・チェン ラウ・チンワン ン・ジャンユー セシリア・チャン チェリー・イン Shine

|

« 新流星胡蝶剣(1993/香港) | トップページ | マジックキッチン(2004/香港) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

香港映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14197/5183627

この記事へのトラックバック一覧です: 《喜馬拉亞星》(2005/香港):

« 新流星胡蝶剣(1993/香港) | トップページ | マジックキッチン(2004/香港) »