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ロミオ・マスト・ダイ(2000/アメリカ)

ハリウッドに進出した香港明星といえば、成龍さん、ユンファ、そしてリンチェイの3人。この3人で一番順当にキャリアを重ねているのが、もうすぐ新作『ダニー・ザ・ドッグ』が公開されるリンチェイだ。なぜリンチェイの公開作品はたくさん作られるのだろう?と考えたところ、『リーサル・ウェポン』や『マトリックス』のジョエル・シルバー、最近はすっかりフランス娯楽英語映画のプロデューサーと化したリュック・ベッソン等、エンタメ映画量産型のプロデューサーに恵まれたからなのかなぁ、なんて思ったのだった(いや、もっと他に理由はあるんだろうけど、考えれば長くなりそうなので…)。リンチェイが『リーサル・ウェポン4』の悪役としてメル・ギブソンおっさんをボコにしていた時、「リンチェイよ、ハリウッドに出られるのならキミは悪役でもいいのか?」なんて本気で頭を抱えていたけど、今となってはあれは試金石だったのね、なんていうように思ったりして。
そんなリンチェイのハリウッド初主演作が先日の金曜ロードショーで放映。5年前の公開時に映画館で観ていたんだけど、ちょうど感想も書いていなかったこともあって改めて観てみた。…もちろん日本語で。なぁんだ、リンチェイの声、シャアじゃないのか。でも『英雄』の森田順平さんでもない。横堀悦夫さんってだれだ?舞台俳優さん?(ググッたところ、劇団青年座所属の俳優さんだそうです。津嘉山正種さん、香港潜入捜査官専門声優の山路和弘さんも所属!)

アメリカ、オークランド。ここでは黒人マフィア組織のオーディ(デルロイ・リンドウ)一味と香港からやってきた黒社会のシン(ヘンリー・オー)の一味がにらみ合っていた。その抗争のさなか、シン家の次男ポーが殺される。
シン家の長男ハン(リンチェイ)は父親のヤクザ稼業を嫌って香港で刑事をしていたが、家族の罪をかぶって逮捕され、服役していた。最愛の弟の死の知らせを聞いた彼は脱獄を決行し、渡米する。
一方、オーディ家には2人兄妹がいた。兄コリンは父のもとにいたが、妹トリシュ(アリーヤ)は家族の稼業を嫌って街でブティックを経営していた。シン家の報復を恐れたオーディと腹心のマック(アイザイア・ワシントン)はトリシュにボディガードをつけるが、彼女はそれが疎ましい。何とかボディガードをまこうと乗り込んだタクシーには、ハンが乗っていた。
ハンは弟の死にオーディ一味がからんでいると見るが、ことあるごとに出会うトリシュはオーディの娘。しかし彼女も争いを止めたいと願っている。二人で協力して事件の真相を探るのだが、その過程で二人は敵同士でありながら『ロミオとジュリエット』の如く、恋に落ちていく…。

ストーリーを書き出せば、これってラブストーリーだったんだな(大笑)。だからタイトルが『ロミオ死すべし』なのか、と知ったのは公開当時と一緒。でもさ、全然ラブストーリーじゃないのは言うまでもない。だってリンチェイだから(爆)。
アクション映画だからツッコミどころは多彩。そんなに簡単に脱獄できるのか香港のムショは!というところから始まっていろいろとあるけど、一番のツッコミってーか疑問は「いくら香港映画が黒人層に人気があるからと言っても、カンフーアクションのBGMにHIPHOPをあわせるのはいかがなものか?」だったりする。HIPHOP好きで香港映画好きの人いたらホントにすみません。ま、ワタシもこの映画が公開された頃まではよくHIPHOPを聴いていたから、わからないで言ってるわけじゃないんだけど、リンチェイのスピーディなアクションとHIPHOPのズンズンと刻まれるリズムって、明らかにテンポが違うじゃないか。でもこの映画以降(いや、ユンファの『リプレイスメント・キラー』や成龍さんの『ラッシュ・アワー』でもそうだったかも?)カンフーアクション映画といえばHIPHOPのBGMが不可欠、みたいなことになっちゃって、それってどーよ?と観るたびに頭を抱えたのは言うまでもない。
まぁね、『燃えよドラゴン』の昔からブラックシネマとカンフーアクションは相思相愛関係にあったじゃないか(from公開当時のパンフレットにあったみのわあつお氏の言葉)と言われたり、クエタラの『ジャッキー・ブラウン』にて、サミュエル・L・ジャクソンが「香港映画の影響で黒人ギャングどもは二挺拳銃を持ちたがる」という台詞(うーん、うろ覚えだなー)があったりで、そういわれればそーだよな、と納得はできなくはないんだけど、じゃあ本場直輸入の文化を享受している日本のHIPHOP BOYSが香港映画好きかと言えば、ワタシの知っている範囲のBOYSは決してそうじゃないもんなー。ま、このへんは置いとくか。もともと専門外だから。

さて、リンチェイのアクション。相変わらず冴えていて(ラストのラッセル・ウォンも長身ながら健闘していたが、もともとカンフー系じゃないからやっぱり…だな)同じジョエル・シルバー作品でも『マ●リッ○ス』のキ◎ヌのアクションは遅かったよなぁ、やっぱ西洋人がカンフーやっても決まらんよ、なんて思ったんだけど、拳や蹴りが決まるたびに骨を砕いていく映像が挿入される「X-rayバイオレンス」ははっきり言っていらん。なんでもリンチェイ自身のアイディアらしいけど、それ見せられなくても痛みは十分に伝わるもの。マジで。それよりもアリーヤをぶんぶん振り回して女性の刺客と戦わせるアクション(夫婦アクション?バトル社交ダンス?)の方が目新しかった。
ストイックなリンチェイと愛し合う(と言ってもキスシーンもなし。せいぜい手をつなぐくらい)ヒロインは、今は亡きアリーヤ。この映画の頃って20歳くらいだっけ?歌は聴いていたけど顔を見たのは初めてだった。いい感じに美人じゃないか、って惚れ惚れしたけど…。今はとにかく、合掌(-人-)。 あとはマイケル・ウォンの兄ラッセル(中国名はなんていうのだろう?)の登場が嬉しかった。やっぱり兄弟だなぁ。

ま、こんなところかな。…しかしカットバリバリだったな、TV放映だから当たり前なんだけど。

監督:アンジェイ・バートコヴィアク 製作:ジョエル・シルバー アクション指導:コーリー・ユン
出演:リー・リンチェイ(ジェット・リー) アリーヤ アイザイア・ワシントン ラッセル・ウォン ヘンリー・オー デルロイ・リンドウ DMX

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