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オペレッタ狸御殿(2005/日本)

映画には「自分が今までに観たことがないものを見せてくれる」という魔力がある。
それはリアリスティックなものであったり、ありえねー!なものだったり、さまざまだ。
この『オペレッタ狸御殿』を観た後に感じたのは、まさに「…ああ、今まで観たことのないものを見せてもらったよ、セイジュンさんm(_ _)m」ってな思いだった。

いつだかわかんないけどとにかく昔の日本のどこか。がらさ城城主安土桃山(ヒラミキ)は、自分がこの世で一番美しいなんて考えている白雪姫の継母みたいな城主。気に食わない輩を人間家具にしてしまうというものすごい趣味を持つ彼が手下にして預言者のびるぜん婆々(由紀さおり)に「この世で一番美しいものは誰じゃ?やっぱりワシじゃろ?」と尋ねたところ、婆々の予言鍋の中に映った姿は彼の世継ぎ雨千代(ジョー)。激怒した父はあろうことか実の息子を霊峰快羅須(かいらす)山に捨ててくるように手下の駝鳥道士(山本太郎)に命じる。ところが道士はマヌケなことに狸罠にかかり、雨千代は「ワタシ、お姫サマー」と名乗る娘に助けられる。そのお姫サマこそ、わけあって唐の国から狸御殿に招かれた御殿の主・狸姫(ツーイー)だった。突然の出会いでたちまち恋に落ちる二人だが、雨千代は姫の身を案じた狸たちにとっ捕まる。
毎日が宴会でどんちゃん騒ぎが繰り広げられる狸御殿。美男美女の二人の恋を狸の腰元たちは応援するが、姫の乳母であるお萩の局(薬師丸ひろ子)は狸を脅かす存在である人間を恐れ、二人の恋路を徹底的に邪魔する。しかーし、障害が多ければ多いほど当たり前なんだが、二人の恋は激しく情熱的に燃え上がるのであった。そんな二人に次々と過酷な試練が襲い掛かる。はたしてこの恋の結末は…?

なぜ狸御殿?と問われたら、こう答えるしかないだろう。

「狸御殿だから」

いや、別に投げているわけじゃないです、はい。
なんせワタシは狸御殿がなんであるかよく知らない。自分が生まれる前に作られている映画だからってこともあるが(狸御殿について、詳しくは以前コメントをいただいたたんたん様のサイトをご覧下さい)、狸御殿とは、狸と人間の恋という、人間とアンドロイドの恋(from2046他いろいろ)以上にありえないシチュエイションを、悲恋ではなくなんでもありで絢爛豪華なラブコメディとして描く、日本映画界が産んだ極上のエンターテインメントである、と解釈していいんだろうか。なんでもありで絢爛豪華だからこれでいいのだろうなぜ日本の狸姫が唐国から来た狸なのかとか、なぜ城主の名前が安土桃山なんだとかいうことを問われても「それは狸御殿だから」としか答えられないだろうし、そんなことでいちいちツッコミ入れてたら、全部にいちいち「狸御殿だから」と答えることになるだろう…って相変わらずわけわかんなくて失礼します。

んじゃキャストについての感想。
狸姫ツーイー。さすが日本映画ってこともあって、日本語の台詞回しはおいといても(こらこら)、着物姿には違和感なかったな、これは意外なんだけど。今回はらぶらぶ邪念爆発なイーモウでもなければ女優に愛のない王家衛の演出でもないから、はねっかえり演技も女の情念もなかったけど、やっぱり「お姫サマー」なので、お姫サマーな演技だったと。…すまん、こんな感想で。
「雨千代公子(ユィチエンタイコンツー)」ことジョー。…確かに美男だ。しまい。ってここで終わってどーする。もっと言うか。美男だがどっかマヌケ。…おい、自分ホントにジョーが好きなのか?疑わしいな。あと、やっぱりニコ(ニコラス・ツェー)に似ているとはどーしても思えない(参考:香港国際警察の感想)。
でもこの二人、並ぶとかわいいなぁ。『恋する炭酸水』のシーンがお気に入り。
自分のかつてのアイドルだった薬師丸ひろ子嬢、さすが狸顔だ。はまり過ぎだ。なんか嬉しい(ってそんなんで喜ぶなよ)。今後この路線を突っ走ってもアタシは許す。なんてったって彼女、マギー・チャンとカリーナ・ラウと同い年だし。いや、そんな理由でいいのか?
彼女をはじめ、脇役の演技が意表をつきまくっていると思ったのだが、どうだろうか。ヒラミキさんはまぁ演劇でもこんな役どころしたことあるからわからなくはないけど、由紀さおりさんの婆々は…。しかもラップやってるよ、婆々…。きわめつけは美空ひばり御大の役どころなんだが…。いや、あえてコメントしません。別に変な意味じゃなくて、アタシにひばりを語る資格がないからです、はい。

さて、最後に、以前書いたように我が岩手県でこの映画のロケが行われたんだけど、観てみてどこが使われたのかが判明されて嬉しい限り。予告編に出てくる一本桜が松尾村にあり、市川実和子と篠井英介が演じる狸猟師の夫婦が住む家が沢内村にある家だとか。いやぁ、どちらもいい雰囲気で使われているではないか。それを観られたのは嬉しい限り。…あれ、でもエキストラで出た知り合いの英語講師さん、どのシーンで登場したのかな?

監督:鈴木清順 脚本:浦沢義雄 原案:木村恵吾 プロダクションデザイン:木村威夫 音楽:大島ミチル&白井良明
出演:チャン・ツーイー オダギリジョー 薬師丸ひろ子 パパイヤ鈴木 山本太郎 市川実和子 篠井英介 由紀さおり 平幹二郎 美空ひばり(デジタル出演)

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