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mode2046:当たり前田?のソーダ(またはオニオン)クラッカー

うむぅ、さすがに3回も観ると自己編集能力というものが身についてくるのぉ。観たい場面が来たら察知して集中し、どーでもいい場面(あえて書かないが)は別の方面から見たり流したりできる。…なんかすっごく顰蹙買われそうな冒頭で失礼しました。

王家衛映画の中には、飯を食うシーンが頻繁に登場する。今回の『2046』ならナイトクラブでの乱痴気騒ぎ(チャウがバイ・リンを紹介しようとしたけど結局彼女が来ず、精力がつくといわれる羊肉の煮込みを平らげた挙句、宴会後にバイ・リンと延々とセックスしまくる例のシーン)に、シンガポールの飯屋でチャウとコン・リーの方のリーチェンが麺をすするシーンなどか。また、皇后飯店(欲望の翼)、MIDNIGHT EXPRESS(恋する惑星&天使の涙)、五味鳥(天使の涙)、そして金雀餐廰(花様年華&2046)など、香港に実在する店でロケされて、そこが名所となることも多い。
…しかーし、このへんは他の雑誌の記事やウェブサイトでよく紹介されているのでここでは取り上げない。今回は映画の中に出てきたであろう、香港&中華圏名物のお菓子について語るのである。それが記事タイトルになっているソーダクラッカー、またはオニオンクラッカーである。

映画の後半、チャウが小説執筆をしながら左手でブリキ箱を開けるシーンがある。そこから何が出てくるかと思ったら、次の瞬間、彼はクッキーではなくクラッカーをほおばってボリボリ食っていた。そこで思ったのだ。…もしかしてチャウが食べていたのって、日本ではまず見かけないけど香港や台湾にはコンビニやスーパーに必ずある葱油梳打餅乾じゃないのだろうか?と。
香港や台湾へ行くと、必ず買ってしまうのがこの梳打餅乾。「餅乾」はいわゆるクラッカー(たまーにビスケットもこう表記することがあったような…)である。広東語の先生曰く、疏打は発音こそ「ソーダ」だけど、実際にソーダが入っているわけではない(ソーダナトリウムが入っているという説もあるそうだが…このへん後で確認しよう)。クラッカー生地に練りこまれているのは長ねぎ。英語名からだと玉ねぎを想像してしまうのだが、たいていパッケージイラストには長ねぎの絵が描かれている。味は塩味でちょっと辛い長ねぎテイストも感じるけど、生地の作りの違いのせいかほんのりした甘さも感じる。日本でメジャーなナビスコプレミアムのようなそっけなさがなく(アレはアレで好きなんだが)、味がしっかりしているのでビールのつまみに最適。香港一人旅で、バーに行くほど金がないがアルコールが飲みたいかもという時には、コンビニでビールと一緒にクラッカーを買っておうちバーならぬホテルバーを楽しむのだ。

ところで、なぜ急にクラッカーのことを思い出したのかというと、きっかけは朝日新聞be掲載のことばの旅人「あたり前田のクラッカー」の記事だった。
この言葉が流行った当時、物心どころかこの世に生まれてもいなかったので件のギャグをリアルタイムで聞いたことはないのだが、日本で「てなもんや三度笠」が放映された頃は、ちょうど『花様年華』&『2046』の時代と重なる。この記事を読んでいると、てなもんやの時代から売られていたクラッカーの味って、もしかしたら当時は香港の梳打餅乾に近いものじゃなかったのかなぁ、とかなんとか思っていたら、当たり前田、もとい前田製菓のクラッカーは今でも現役で、台湾にも輸出されているらしい。ふぅーん。
まぁ、さすがにチャウが食べていたクラッカーに関しては、ホントに当たり前田(こらこら)のものではないとは思うんだけどね。

ああ、梳打餅乾食いたいなぁ、クラッカー食いに(大笑)この冬香港へ行ってこようかなぁ…なんて思いながら近所のスーパーへ行ったのだが、おっとコレはもしかしたら?なんて思ってうっかり買っちまったのがブルボンベジタブルクラッカー
…そもそも日本で梳打餅乾は売ってないんだから、全然違うやん。

やっぱり行くか香港、梳打餅乾のために(爆笑)。

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コメント

ウォンカーウァイ監督の映画で「飯のシーン」は確かにたくさん登場しますね。
個人的に一番おいしそうに食べてると思ったのは『花様年華』のトニーレオンとマギーチャンが食べてる西洋食です。

投稿: YUTA | 2004.11.11 00:21

 昨日、大阪3回目の「2046」を見に行って、ちょうどそのクラッカーだか煎餅だかが気になっていたところでした。周さんが食べてたのは、管理人の長女フェイに「私も書くのが好きで、書きためたものがあるの。読んでくれる?」と言われて、どっさりノートを預かってベッドに寝ころんで読むところですよね。(あのフェイはいったい、どんな種類の小説を書いていたんだろう…恋愛小説? 801では絶対ないよね)正体がわかって、いと嬉し。
 あれがソーダクラッカーということは「無間道3」で、いきなり出現してヤンがボリボリ音立てて食べるのも、煎餅でなくてクラッカー?
 …やっぱり行くしか、香港に(笑)。太宰治の「斜陽」中国語版も探したいし。

投稿: nancix | 2004.11.11 10:26

>YUTAさん
>『花様年華』のトニーレオンとマギーチャンが食べてる西洋食
おお、これはまさに金雀餐廰でのシーンではないですか!この映画にはホントに食のシーンが多くて、ワタシは芝麻糊(黒胡麻汁粉)あたりが印象的でした。

>nancixさん
該当場面の指摘、多謝です。どーも記事作成中に自己編集能力が働いたようです(大笑)。
さすがに味までは断定できませんが、大きさや色からしてあれはどー見てもクラッカーなんですよね。で香港ならやはり長ねぎ味のソーダクラッカーじゃないかと推理した次第。
あのブリキ缶、色が白かったら北海道銘菓「白い恋人」の特製缶に似ているなぁ…なんてバカなこともついでに考えました。

しかしワタシはなぜこの映画や『花様年華』(本館感想参照)になると、文学的事柄や時代背景はもちろんのこと、あわせて日本製炊飯器とかストッキングとかソーダクラッカーとかどーでもいいものばかり注目したくなるのだろーか。
…ぷろじぇくとえーっくす(意味なし)。

投稿: もとはし | 2004.11.11 22:29

>しかしワタシはなぜこの映画や『花様年華』(本館感想参照)になると、文学的事柄や時代背景はもちろんのこと、あわせて日本製炊飯器とかストッキングとかソーダクラッカーとかどーでもいいものばかり注目したくなるのだろーか。
 上に同じくです! 炊飯器開発秘話は思わず見入ったものでした。ぷろじぇくとえーっくす×2。
 しかし「笑の大学」でも背景の浅草劇場街のいろんな部分に忙しく視線が動きましたし、「水戸黄門」など時代劇ドラマの野外シーンでは車のタイヤ跡がないか、電柱が写ってないか、お女中の耳にピアス穴がないかと気になって落ち着かない。こだわる性分は中華圏映画に限ったことではなさそうです、私の場合。
 まあ映画って総合芸術であって、情報量はラジオドラマや簡素な装置のみの舞台劇と比較にならないぐらい多いものですから、細部に至るまで楽しめた方がオトクじゃないですか~。誰の出番がどうこうだとか、誰と誰が仲悪いなんて楽屋話を気にするより、よっぽど幸せ~♪

投稿: nancix | 2004.11.11 23:11

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