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夏休みの宿題(1999/香港)

東京国際映画祭のアジアの風部門には、実は今年が初参加だ。まー今まではファンタの方をメインに観ていたってこともあるから(あとは4年前の香港映画祭とか)、観る映画は必然的にバリバリの商業映画ばかりだった。今年はご存知のようにファンタでの香港映画の上映はなし。なぁんだ、つまらんなんて思っていたらアジアの風が救ってくれた。それでも、スター主演の映画はリッチー&ケリーの『ブレイキング・ニュース(大事件)』にイーキン&阿Sa主演の『ひとりにして(阿孖有難)』、そしてこの映画の監督パン・ホーチョンの新作でジリアン&彦祖主演の『ビヨンド・アワ・ケン(公主復仇記)』くらい。せっかく一人で行くのだから、スターが出ていなくても何か面白そうな映画が観たい。そんなわけで観たのが、『ユー・シュート、アイ・シュート』と、これに併映だったこの短編『夏休みの宿題』と、後ほど感想をアップする『ベッカム、オーウェンと出会う』の2本の香港インディーズ映画だった。でも、観てよかった。普段から商業映画ばっかにかまけていてインディーズまで観て先物買いなどできないから、香港でも滅多に上映されない作品を、こうやって日本語&英語字幕つきで上映してくれるのは嬉しい。

香港の夏休みは、日本の大半の地域と同じ8月31日に終わる。この日まで宿題をうっちゃってしまい、ドツボにハマってしまう小学生は日本にも香港にもいる。この映画の主人公、ワー(12歳)もそんなひとりだ。時はすでに午前2時、夏休み学習ノートは全部終わっていない。早いとこ宿題をやってしまえばいーのに、それを前にしてワーは妄想にとりつかれる。ああどーしよー、宿題が終わっていないよぉ、これじゃ先生や母さんに怒られる、お姉ちゃんはまたボクをバカにする、いっそのこと飛び降りて死んでしまおうか…。だから早いとこ宿題をやりゃーいいのに、この妄想の末、ワーが出した結論は“その諸悪の根源を始末してしまう”こと…つまり要するに担任のウォン先生を殺してしまおう!と決意するのである。おいおいオマエ、なんてヤツだよ!素直に宿題やれよ!
殺人の準備を万端に、翌朝ウォン先生の家の前のバス停で、カッターナイフを手にして潜むワー。先生が来たらこれで喉首を掻っ切るんだ、と夢想するワー。アブねーぞオマエ。すっげー不謹慎なヤツめ。
しかし、ワーは知らなかった。ウォン先生の事情を。彼は夏休みの最後の日、恋人に別れを切り出されてしまった。そして、その出来事の諸悪の根源を始末してしまった、つまり恋人を殺してしまったということを…。

不謹慎だ。この夏に起こった小学生殺害事件を経験してしまった今の日本にとっちゃ、この映画のネタはすっげー不謹慎だ。…そうは思いつつ、この映画の観客の大部分は分別あるオトナだし、映画はあくまでもフィクションだから素直にブラックユーモアと受け取っていいのだろうね。小学生がオトナに抱く殺意などはネタとしてはそれほど新鮮ではないけど、この映画ではどーでもいい話を凝った編集とDJならぬVJプレイっぽいサンプリングで見せつける。自主制作だから多少素人くさいってー感じてしまうのは確かなんだけど、アイディア一発感もあって面白く観られたのは確か。

原題:暑暇作業(Summer Exercise)
監督&原作&脚本:パン・ホーチョン
出演:ローレンス・ツェー マット・チョウ キャロル・ラム チャン・サン

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