山の郵便配達(1999/中国)
この映画が日本で公開されたのは『初恋のきた道』と同じ2001年。『初恋』はいろんな人が「好きな映画」として挙げるけど、実はワタシは初恋よりこっちの方が好きだったりするんだわ。いや別に、リュウイエ君のファンってわけじゃないよ(好きだけどね)、念のため。
1980年代初頭、中国湖南省西部の山岳地帯。47歳の郵便配達(トン・ルージュン)は長年の仕事により足を痛め、仕事を24歳の息子(リュウ・イエ)に譲って引退することを決意した。郵便配達は交通手段のない山を2泊3日かけて120キロを歩き、山間部の村々に手紙を届ける。息子はその最初の仕事を自分ひとりでやり遂げたがったが、道案内役の愛犬“老二(次男坊)”が父親なしでは動けなかったので、父も最後の仕事として新米郵便配達の息子に同行することになった。幼い頃から仕事による父の不在に慣れていた息子は、いざ父親と二人きりになると、何を話したらいいのか、何をすればいいのか困ってしまい、妙に意地を張ってしまう。父は言葉少なに息子にアドバイスし、無言でいてもすっかり頼もしい存在に成長した子供に心の中で喜びながらじっと見守る。父と一緒に郵便を配る息子は、村々を渡っていくに連れて、自分が今まで知らなかった父親の姿を次々と知るのであった…。
一言で感想を書けといわれたら、やっぱりこうとしか書けない。
「いやぁ、いい話やぁー(;_;)」
これは『初恋のきた道』を観た時にも同じことを考えたもんだけど、同じことを考えても、この映画の方により強くひかれるんだよなぁ。中国中南部湖南省の山中の景色は、茶色の大地が広がる西部の景色とは全く違う。まるで心に染み入るように美しい緑だ。その緑の中を、昔気質の郵便配達と、『魔女の宅急便』の宅配魔女キキのようにラジオを片手に歌いながら山を行く現代っ子の二代目が進む。おそらく、最初で最後になるであろう父との旅。今までお互いにちゃんと話したことがない二人の、無言の中にも通じ合う心の交流。
子供にとって、父親という存在はなかなか分かり合えないことが多いような気がする。彼は働いて疲れている姿しか見せてくれず、こんな親になりたくないと子供は思ってしまう。でも、かつて忌野清志郎も歌っていたように、働いている父の姿は家にいる父とは全く違う。それを知る機会が、今は減ってしまっているようだ。この郵便配達親子のように、世襲制じゃなくていいから、働いている父の姿は見ておいていいのかもしれない。家であれこれ小言を言われて疎ましく思っても、それだけが父ではないからだ。そんなことをこの映画から言われたような気がした。
しかし、これがデビュー作となったリュウ・イエ君の初々しいこと!顔を真っ黒にして旅をする顔はまだまだ垢抜けない。少年らしさが残っている。そんな彼がこの映画の次に選んだのが『藍宇』なんだから、すごいわホント(笑)。
なんかしみじみした感想になっちゃったかも。ま、今日はこんなとこで。
原題&英題:那山 那人 那狗(postmen in the mountains)
監督:霍建起(フォ・ジェンチイ) 原作:彭見明(ポン・チェンミン/『山の郵便配達』集英社刊)
出演:藤(草冠なし)汝駿(トン・ルージュン) 劉 燁(リュウ・イエ) 趙秀麗(チャオ・シュウリー) 陳 好(チェン・ハオ)
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コメント
こんちは、もとはしさん(^^)
私も「初恋のきた道」より「山の郵便配達」の方がすきです。
うん、しみじみいい映画ですよね~。
親子ものというと「北京バイオリン」もいいけど。
今日はビデオ半額デイなんで久しぶりに借りて見てみようかな、と思います。
投稿: sora | 2004.08.03 16:02
おおお、仲間がいた!なんておもっちゃいましたよ、soraさん!
『初恋』はみんな好きだっていうんですけど、そう言われればいわれるほど斜に構えちゃったりするんですね(笑)。で『郵便配達』を好きだって言ってくれる人って少ないので、強力推薦しちゃったりするんです(^_^)。
投稿: もとはし | 2004.08.03 18:47